ショッピングバッグ・ダディ――BOOKS & PRINTS 紙袋展
かつての繁華街の一角に、築50年以上という古ぼけたビルが建っている。KAGIYA=かぎやビルと呼ばれるその建物は、2012年に地元の不動産会社がオーナーとなって、ギャラリーやセレクトショップの入るトレ…
design 私の特別な人を編んでください!――編み物☆堀ノ内の「肖像編み物」 第1回 妻による家庭内インタビュー (写真:久富健太郎 文:川上雅乃) |
「編み物☆堀ノ内」という奇妙な名前のニット・アーティストと知り合ったのは数年前。それまでも橋本治とか男性による編み物は見聞きしていたけれど、その編みの緻密さと、モチーフの破天荒さ――シド・フィシャスとかクラフトワークとかディバインとか!――のマッチングに爆笑、そしてめちゃくちゃ欲しくなってしまったのだった。 |
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編み物☆堀ノ内:プロフィール |
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よりによってなぜ編み物? |
堀ノ内が編み物を始めた最大の理由は、「グラフィックデザインでは食っていけないから」。堀ノ内が席を置いているデザイン事務所「図工室」にいる坂啓典君という先輩デザイナーは、グラフィックとペーパークラフト作家をしています。https://zuko.to/kobo/ |
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副業。誰かが既にやっていることでは勝負できないので誰もやっていないことを、と考え抜いてサブカル×グラフィック×編み物に行き着いたそうです。介護ヘルパーでもタクシー・ドライバーでもなく編み物にいくというのが、堀ノ内の狂ってて面白いところかもしれません。その選択に、小説家でありながら素晴らしい編み物を何着も産み出していた橋本治先生(2019年没)の影響は、とても大きかったみたいです。 |
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「図書館の手芸本コーナーにある編み物の教則本をありったけ借りて、毛糸と棒針買って見よう見真似で編もうとしたけど、どの本も解読できず挫折。今思えば手芸本の読み取りに慣れていなかったせいもあるかなぁ。その点、橋本治先生の『男の編み物 橋本治の手トリ足トリ』は、編み物も手芸の経験も皆無の俺でもすんなり理解できて。橋本先生は頭がいいだけじゃなく説明がうまいんだなぁと感心したよ。この本のおかげで、生まれて初めて直線編みのマフラーを編み上げられた」 |
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「イラストも描き文字も、橋本先生おんみづから書いてる。先生のしゃべりをテープ起こししたみたいな説明文は、教習車の助手席に座ってる教官に指導されてるみたいな実地感」 |
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「山口百恵やジュリーやデヴィッド・ボウイ。橋本先生は当時勢いのあった人の顔のセーターを続々と編んでたんだよね。そんな橋本先生に俺は影響を受けてる、いや違う、もろにマネ。巻頭には、スタイリストやモデル、イラストレーターなど「イケてる業界人」が橋本先生の編み物を着ている写真が載ってて。その顔触れや当時の空気感はたしかに面白いんだけど、肝心の編み物が隠れてる写真が多くて! 「編み物がちゃんと見える写真使ってくださいよ~~肝心なところが隠れちゃってるよ~~」って。この本についての唯一かつ最大の不満」 |
堀ノ内は人当りはいいのですが肝心なことは何も話さない人で、編み物を始めたことはまったく知らされていませんでした。図書館で編み物の教則本を借りられる上限(12冊とか)まで繰り返し借りて(本を買うお金はなかったそう)人知れず手編みを学び、猛暑日の連続だった2013年の8月、ブルース・リーのチョッキを編み上げました。どっかの平日の熱帯夜、家の食卓で完成品を「ねぇこれどう思う?」と見せられました。 |
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「俺が編んだ」と。衝撃でした。しかもブルース・リーの肖像。顔はたぶん、ほぼ原寸か少し大きいくらい。毛糸なのに、やたらリアルで。「すごすぎ……」と言いつつ、なんか笑ってしまいました。だっておかしいじゃないですか、44歳の男がいきなり編み物ですよ。編み物はおろか、ボタンつけしているのも見たことなかったし。そのチョッキを手に取り、表も裏もまじまじと見て、その場で着てみました。汗だくになりながら(我が家にエアコンはありません)鏡に映して「何これ~ヤバイ~~~」と私が興奮しまくるのを見て、堀ノ内は何かの手応えを得たようです。 |
「毛糸というちょっと脱力した素材でギンギンな人を編むのは面白いと思ってたけど、当たる確信はなかった。だけどマサノが「わー!!!」って反応するのを見て、「これはいける」と。すぐ何かになるほど甘くはないと分かってたけど、何かになるまで絶対にやめないと心に誓ってはいた。正直に言うと当時は本当に仕事が無くて時間だけはたくさんあったから、事務所でひたすら編んでた。近ちゃん(同じ事務所の先輩デザイナー近田宏生さん)と坂君はそんな俺を見て、「堀ノ内君は暇過ぎて狂った!」と思ったんじゃないかな。だって、いきなり編み物だし」 |
その後、横山やすし、三億円事件、クラフトワークと編み物が出来上がるたび、堀ノ内はそれを家に持ち帰り、「ねぇこれどう思う?」と見せてきました。そのたびに「何これー!」と興奮しながら、フト「これって鶴の恩返しみたい……」と思いました。「決して覗かないでください」と機織り部屋にこもり、美しい織り物を織り上げてそっと差し出してくる娘(鶴の化身)と、外で編み上げた変なセーターを、食卓で次々に差し出してくる堀ノ内(44歳のおじさん)の姿が重なり、笑ってしまいながらもしんみりしました。 |
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手編みじゃ食ってけない |
「手編みで肖像編み物を1着完成させるには2か月近くかかる。もしこれが今後仕事になったとしても、全然食えない。そう気づいて編み機を導入することにした。俺が使ってるのは、昭和のお母さんたちが使ってた家庭用編み機。「ジャー!ジャー!」って音がする、キーボードみたいな形のあれね。昭和30~40年代までは一家に一台みたいな存在だったらしいだけど、服が安く買える時代になって衰退。その頃、デザインで久しぶりにまとまった入金があったから、ほぼ生産中止状態の編み機を大枚15万円で買った。でも操作がわからなすぎて。まったく使えなかったから、千葉にある編み物教室に毎週習いに行くことにした」 |
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編み機の使い方を習いに千葉まで通っていることも、始めは知らされていませんでした。まぁ知らされたところで、「学校なんか行ってないでもっと働け!」と言っていたでしょうね。そうこうしているうち、編み機で編んだ第1号の作品「スペース・インベーダー」のミトン、第2号の「イエローマジックオーケストラ」、ほどなくして第3号の作品「ビズ・マーキー」のセーターを「ねぇこれどう思う?」と見せられました。ビズ・マーキーの編み物を見たときに、「ヤバイ、この人、きっと何かになる」と確信しました。 |
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今日から君は「編み物☆堀ノ内」 |
アーティスト・ネーム「編み物☆堀ノ内」は私の案です。堀ノ内が食卓で名前の候補をいくつか挙げ、「ねぇこれどう思う?」と聞いてくるのですが、それがどれもスカした欧文や外国語で。「こんなんじゃ何やってる人か全然わかんないし、誰も覚えられないよ!」とダメ出ししました。せっかく誰もやってないことをしているんだから、キャンドル・ジュン並みにわかりやすくしないと。また、堀ノ内はさいしょ、「編み物」と「堀ノ内」の間に半角入れていたのですが、これは原稿打つときに紛らわしいので「半角アキなんてダメ! ☆を入れなよ!」と提案しました。おしゃれな名前ではないところも含め私はクールだと思っていますが、娘(19歳)と息子(14歳)からは「いくらなんでもダサすぎる」と不評です。 |
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編み物が俺を、 |
堀ノ内は編み物で何かを発信したいというよりも、「人にいいと思っていただいてお金にすることが第一義」と話していて、それがファインな芸術家の方々とは大きく異なる点だと思います。最近は「アーティスト」と言われることもあるみたいですが、本人はいつも「俺はアーティストではなくデザイナー」と言っています。堀ノ内が蓄えてきた映画や音楽などのサブカル教養(うちでは駄教養と呼んでます)を編み物という表現手法で発信して、そういうものが好きな人に「うぉー!」と反応していただけるのも、大きな喜びのようです。 |
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「編み物のおかげで出会わせてもらってる人が何人もいる。編み物が俺をいろんなところに連れて行ってくれてる感じだなぁ。永ちゃん(矢沢永吉さん)はインタビューなんかでよく「Thank youロックンロール!」と言ってるけど、俺も「Thank you編み物!」って心境」 |
ご発注くださる方が途絶えなくなったり、メディアに取材していただくことも増えているようですが、堀ノ内の生活は変わらず地味です。朝6時台に起きて家事をして9時に事務所に着いて20時までだいたいずっと編み物、合間にメールや打ち合わせの対応をし、まっすぐ家に帰ってきます。それが週6日。人と群れないし、社交もしない。状況が変わっても自分のスタイルは変えないと決めているみたいです。 |
「作品さえ良ければ、仕事はくると気づいて。それに今はSNSがあるから俺が営業しなくても、編み物自らが人に働きかけてくれるし、誰かが拡散してくれる。だから人間関係を耕すよりも、とにかくいい物をコンスタントに編んで発信することを優先するのが大事だなぁと」 |
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「たとえば渾身の編み物を5着編んだだけでは評価してもらえない。こんな数では俺が何をしたいのか、誰にも伝わらないから。だから編み始めた当初は朝もから夜まで必死で編み、せっせとSNSで公表。今は「何をしたいのか」はだいぶわかってもらえてきてると思うけど、食っていくためにはもっとたくさん編まなきゃ。今は、人と疎遠になるくらい編み物に集中してる。何年も暇だったからこれくらいでちょうどいいよ。いや、もっとやらなければいけないと思ってる」 |
[誌上編み物中継] |
・デザイン画をつくる |
「編み物を始める前の俺は多動の傾向があって、勉強をしていてもデザインをしていてもじっと座っていられず、すぐ立ち上がってウロウロしてた。それが編み物だけは集中して出来て、今は、8時間以上ぶっとおしで編み物するのが普通になった。俺のどこにこんな集中力があったんだろう?って今もときどき思う。その根本には、編み物がものにならなかったら俺マジでヤバいっていう崖っぷちの危機感があったのは確か」 |
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・糸始末 |
「絵柄面の裏の糸を一目一目針で掬って結んで切る作業が糸始末。絵柄面は魂だと思っているから、どんなに面倒でも糸始末まで俺がやり、納期に間に合わなさそうな物はタマオ(19歳の娘)に手伝ってもらう。糸始末は1着につき15時間とか余裕でかかることもあるけど、外注はしない。コンサルの人とかが見たら、こういうのは「非効率」って言うよね、きっと。でもここは効率化しちゃいけないところだと思う」 |
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堀ノ内は、代々木にある『図工室』というデザイン事務所に机を置いています。桑沢(桑沢デザイン研究所)の同級生だった近ちゃんと坂君の事務所に押しかけ女房のように仲間に入れてもらい、今年で20年になるそうです。 |
「俺は真ん中、近ちゃんと坂君は右と左。編み機の音、うるさいと思う。だって近ちゃんと坂君いつも、巨大なヘッドフォンつけて仕事しているし…。でも「うるさいですよね?」とは、とてもじゃないけど聞けない。「うん、うるさいね。だから出てって」と言われたら、とても困るから……。この事務所にいさせてもらって、両脇にふたりがいるから、俺は緊張感をもっていられる。だから近ちゃんと坂君も、俺の編み物恩人だなぁ」 |
[編み物★堀ノ内・誌上作品展] |
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■KNIT GANG COUNCIL |
メディコム・トイとのコラボレーション・ブランド |
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■岡村靖幸 2017年公式ツアーグッズ |
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■GAVIAL(中村達也 ex.BLANKEY JET CITY)公式ニット |
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■プレタポルテ☆堀ノ内 |
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☆ROADSIDERS' weekly読者さま限定特典 |
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編み物☆堀ノ内SHOP |
かつての繁華街の一角に、築50年以上という古ぼけたビルが建っている。KAGIYA=かぎやビルと呼ばれるその建物は、2012年に地元の不動産会社がオーナーとなって、ギャラリーやセレクトショップの入るトレ…
雑誌『東京人』の編集者だった鈴木伸子=nobunobuさんと出会ったのは、もう15年以上前。職業柄もあるけれど、東京生まれ育ちの鈴木さんはさすがにこの都市の隅から隅まですごく詳しくて、得意分野は「都市…
前回はテプラの機能を駆使して作った豆本シリーズ「テプラ本」の作品紹介をし、ラベルライターであるテプラの可能性を見ていただきました。 今回はそのテプラ本の作り方をご説明します。 では前回もご紹介…
こんにちは。イチゴドロボウです。これまで80年代ファンシー絵みやげコレクター山下メロさん、手帳類収集家志良堂正史さんの紹介をさせていただきましたが、この度また、新しい表現に取り組む逸材に出会いました。…
姫路駅から姫路城にまっすぐのびる大手前通りに君臨してきた老舗デパート・ヤマトヤシキが閉店したのは今年(2018)2月のこと。裏手の商店街に面した一角は「みゆき通りステーション」という観光拠点に活用され…
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!