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バックナンバー:2024年01月24日 配信号 収録

art ロンドン・コーリング ――INAGAKIが描く都市景観と生きものたち

ときたま外国から作品や書籍について問い合わせをもらうことがあって、かつてはそれがFacebookだったのが、いまはほとんどInstagramだ。こちらもインスタをボーッと見ていて、思わぬ発見に出会うことが増えてきた。

いまから1年半ほど前、インスタの画像や動画ですごくおもしろいストリートアートを描いている若者を見つけて、そのセンスの良さに唸った。イーストロンドンのショアディッチやブリックレーン界隈のストリートが多くて、ネットで探してみるとロンドン在住。Inagakyという名前はもしかしたら「稲垣」?日本人かも?と思っていたら、ちょうど同じころに、ロードサイダーズで寄稿してくれているロンドン在住のアツコ・バルーさんも彼をインスタで見つけていた。アツコさんとは「こんなひと、こんな展覧会があったよ!」といつもチャットで情報交換していて、Inagakyのことも話題にしているうちに、去年10月に初のギャラリー個展があると知り、急いでロンドンに飛んで取材・・・・・・できたらいいけれど、展覧会は4日間しか会期がない。アツコさんもあいにくその週はロンドンにいないけれど、事前に連絡してアトリエに行ってみる!と言ってくれて、インタビューもしてくれた。


HYPERFLAT@FFAW Gallery (17 Soho Square), London
2023年10月5日~8日


展覧会場


Inagakyは本名・稲垣悠太朗、1998年生まれの25歳。この年末年始に一時帰国していて、大道芸術館にも足を運んでくれ、初めてお会いすることができた。初個展があった去年あたりから、ストリートからキャンバスに油彩(とスプレーペイント)主体のアートワークに軸足を移すようになって、名前も最初期(といってもスタートから3年も経ってないが)のenigm、Inagakyを経てInagakiに変えたという。


《Self Portrait》2022年


2022年

10代のころから埼玉でグラフィティを始めたキャリアを持ちながら、無機質な都市景観への荒ぶる挑発のようなグラフィティというよりも、これからお見せするストリート作品でわかるようにコンクリートやレンガの壁を画布に見立てたような繊細なイメージが特徴的なInagaki。日本人でありながら、あざとい「日本的な表象」に頼らず、同時に描かれるファッションや合体ロボットふうの人物像はある意味できわめて現代日本的でもあり。さらに19世紀の生物図鑑や古風な博物館のように画中に引かれた線と数字・・・・・・デリケートで精巧な作風を体現するように優しく柔らかな人となりを、たくさんの作品写真とともにアツコ・バルーさんの文章からも感じ取ってもらえたらうれしい。


怖いもの知らず、ロンドンの街を描き倒す23歳

文:アツコ・バルー

私は長年パリでレコード会社を経営した後、東京でライブハウス、サラヴァ東京とギャラリーアツコバルーを運営してきた。9年前にロンドンに移住して絵を描いている。ギャラリーはやめても絵は大好きだ、絵は言葉にはならないメッセージを伝えてくれるし、いつも私を驚かせてくれる。

ある日インスタのリール画面に、ロンドンの街で壁に面白い絵を描いている人の動画が飛び込んできた。黒のスプレーでダウンジャケットがボーンと、街角に描いてある。「えへん、ダウンジャケであるぞ。」と言わんばかり。アンディ・ウォーホールがキャンベルスープの缶を描いたみたいにポップ。何度やられても、いまだに新鮮なマジックだ。25年くらい前、街でダウンジャケットを着ているのはアイスホッケーの試合を見にいく人くらいで、なんとダサいファッションだと思ったけれど、今や自分も含め世界中の人が着ている。そうやって当たり前になってしまったモノをクローズアップすると、なにかユーモラスに見えてくる。我々を取り巻くたくさんの、存在感の希薄なモノたちが主役になって出てくる唐突さに、ちょっと不意を突かれる。だから彼の黒いダウンは新鮮に映った。


2023年

他のリールを見てみると、ガンダムみたいな人間も描いている。確かに今世界の大都市に生息している男性ってこんな感じ。いけてるファッションってこういう感じだよな、と思う。またそれがストリートアートだから面白いとも思う。バスキア、バンクシーに代表されるストリートアートの醍醐味って、こういうなんでもなさ、無価値に見えて不思議と脳裏に焼きついちゃったり、人の目に突き刺さってくるところだと思う。

Inagakyってこの名前から日本人じゃないの?と思ってメッセージを送った時から、稲垣くんとの通信が始まった。2022年8月のことだった。


2023年

若干23歳。ロンドンに来てから2年半だと言う。絵を書き始めたのも2年半前から。美術学校は出ていない。それでインスタのフォロワーは32,000人。リールは黒いダウンジャケットを描いたものが879,000人、すごい数だ。メッセージのやり取りがポツポツ始まって好きな画家のリンクを送り合ったりしていたら、秋にはソーホーで初個展をするという。その時期に私はロンドン不在なので個展前に作品を見て見せてもらうことにして、その時に初めてご本人と会えた。

ロンドンの東のはずれ、ボウチャーチのあたり、昔の工業地帯に若いアーチスト達の集合アトリエがある。商店が一軒もない殺伐とした倉庫と公団住宅の街を迷うことしばし、諦めて電話をしたら稲垣くんが倉庫のひとつから出てきてくれた。

昔はボウ教会の鐘の音が聞こえる所はコックニー訛りで喋る、と言われたようだ。あの「マイフェアレディ」の主人公が喋っていた労働者階級の人の訛り。つまり昔の東京でいったら「川向こう」みたいな、まだまだノリシロのたくさんある、おもしろくなりそうな地域。しかし今のところはちょっとノーマンズランドの感あり。寂し~い雰囲気で、夜は絶対一人で歩きたくない場所。


スタジオにて、2023年

稲垣くんのアトリエはでかい集合アトリエの一角。簡単に石膏ボードで区切られた小さな区画ひとつずつで、若いアーティストが頂点目指して制作している熱い場所だ。なんだか巣箱の中のミツバチみたいで、ブーンブーンと音がしそう。ロンドンってこういう感じが良くも悪くもおもしろい。ロンドンを制するものはヨーロッパを制する。でも本当に金儲けができるのはアメリカ。本丸を狙うにはこの地である程度までいかないといけない、みたいな周知の事実があって、世界の若者が一攫千金を目指してやってくる。果たしてアートの芸術性に成功も一攫千金も関係あるかという疑問はさておいて、どうせなら売れるアーティストになりたいと思うのは人情だ。

若き稲垣くんもそのひとり。筆一本で世界を制覇するためにここにいる。とっても小さい4メートル四方くらいの区画で、高さ2メートル以上ある大きな作品を描いていた。引きがなさすぎてそのとき写真は撮れなかったけれど、とてもおもしろいと思ったので3枚の絵を買った。あ、我が家は小さくて絵をかける場所がなかった。でも買っちゃいました、応援したいし。いいと思ったら言葉だけじゃなくて行動しないとといけない。ポーカーと同じ、相手の手の内を見たかったらお金をかけるしかない。渋谷でギャラリーをしていたころ、お客さんにはなかなかわかってもらえなかったけれど、これは本当です。


2022年

ソーホーでの展覧会は日本酒の会社から現物支給があったりで、たくさんの人が来てくれたそうだ。しかし実際に売れたのはそれほどなかったようで、インスタのいいねが実際の売上に繋がるかというと、なかなか難しい。しかし彼の知名度は広がり、複数の企業からコラボレーションのオファーもある。今やっとスタート地点に立った稲垣君に話を聞いた。以下は彼の語ったところである――

埼玉県の浦和で生まれ育ちました。僕と弟がいるのですが、父は僕が小さい時に蒸発して、それ以来あったことがありません。ひどいアルコール依存症だったらしく、記憶にある父は目が黄色かったです。父が行方不明になってから母はコンビニで働いたりして、苦労しながら僕たちを育ててくれました。僕は小さい頃から学校があまり好きじゃなかったですね。特になにかをみんなで一緒にしないといけないのが嫌だったです。同調圧力っていうんでしょうか。まあ海外に自分の意思で出ていった人はみなさんそうでしょうけど、なにか日本に居心地の悪さを感じてました。


2023年

そんなわけで人生おもしろくないんで、中学、高校になってグラフィティを隠れて描いてました。見つかるとやばいので、夜になるとスプレーや脚立を持って出かけて、短時間でわーっと描くんです。後はマンガが好きでよく描いてました。大学は東京であまり有名じゃない大学ですが、経済学を学びました。就職は一応やろうと思ったのですがやりたい仕事もまったくなくて、もう日本を出ることを考えてました。資金は全然なかったんですが、母が再婚した人が病気で亡くなってしまって、彼が遺してくれた財産で1年間の語学留学をイギリスでできることになったんです。


2023年

ストリートアートには掟みたいのがあって、良い絵はリスペクトするべきなので上から塗りつぶしてはいけないんです。そんなに良い絵ではなくても、描いてから時間が経っているものじゃないと塗りつぶさない。壁に描くからには一定以上の「うまさ」も要求されます。そこいらを理解していれば、描いても良いとされている場所は街にけっこうあります。もちろんいつ塗りつぶされるかわからない。過去に描いた絵がまだ残ってると、あーよかった、評価されているんだな、と安心したりします。小さめの壁でポスターが貼れる場所なんかだと、あっという間に上からポスター貼られたりして。まあ、それもストリートアートの運命というか醍醐味ですが。


2023年


あるとき留学先の街で描いていたら、通りがかりの女性が「アーティスト」って呼んでくれたんです。初めて人からそう呼ばれて、その時、ああ僕はアーティストになろう、と初めて思えたんです。日本ではアーティストというと貧乏でバイトしながら下宿の小さな部屋でコツコツやってる、なんか哀れな感じが付き纏ってしまうのですが、この国イギリスではアーティストって尊敬されるんですね。職業として成り立っているというか、市民権があるんです。だから僕はこれ一本でこの国で絶対やり遂げたいんです。


《The peace ribbon, or history repeats itself》2022年
ロシアでの制作


留学中にコロナがやってきてしまい、日本に戻らざるを得なくなってしまいました。妻はクラスメートだったんですが、ロシアから来ていて二人とも最初まったく英語ができないまま付き合い始めて、その後お互い国に帰っていたのですが、コロナ中にロシアに行き1年弱を過ごしました。でも僕はロシア語が喋れないし、彼女も日本語が喋れないので、結局2人の出会った場所ロンドンが拠点として理想だということになりました。僕はワーホリビザの抽選に応募して、運良く一発でイギリスで働く権利を得て、彼女はロンドン芸術大学を受験して受かりました。そこから僕のアーティストとしてのキャリアが本格的にスタートしたんですが、1年で彼女のビザが切れてしまうので、アーティストビザへの切替が2人でロンドンに残る唯一の方法になりました。

そのタイミングで彼女との結婚も決断し、無事にアーティストビザを取得。僕たちはイギリスに5年住めて、その後は永住権を取得できます。これでブリティッシュ・アーティストとしてやっていけます。


自宅での制作風景、2022年

どうやって生活してるの?という問いに、なんとか絵だけで生きてますと言う。リール動画を見てくれた人が限定ビールのラベルを注文してきたり、レストランの壁画を描いたり、彼の作品をプリントにして売ったりで、なんとかやっているという。この驚異的な物価高のイギリスで、そんなふうに生活できているとは驚き。「後はストリートということで人気があるんだと思います」と彼は冷静に分析している。ストリートだから多くの人が見るし、敷居が低い感じで親しまれる。描いているライブ撮影のリールもおもしろがられる。でもストリート人気ももうそろそろ終わりだと思う、だから順々と絵画にシフトしていくのだと彼は言う。


《Enigmatic Sages》2022年(紙にインク)

稲垣くんの物語を聞いて、私はかなり呆気に取られた。最初の語学留学といい、ワーホリのくじ引きの当たる率はすごく低いのだし、なんとも綱渡りではないか。アーティストビザとなれば、まず不可能と言われているヤツである。展覧会を一度もしたことがない画歴2年の彼が、どうやって履歴書を作ったのか。まったくもって驚き。わらしべ長者みたいな人だ。小学校の校庭に「うんてい」という、手でぶら下がって次から次へと横に渡された鉄棒を掴んで渡っていく遊具があるけれど、まるで先の鉄棒がまだ用意されていないのに、あたかもすでにあるかのように手を出すとそこに次から次へと鉄棒が現れ出てくる。そんな怖いものなしで進んでいく稲垣くんにリスペクト! これからも彼は私たちを驚かせてくれるでしょう。


《Youth and Pigeons in the Park》121 cm × 91 cm, 2022年


(部分)

この年末年始、彼はしばらくぶりの日本で過ごしているはず。同じくリールで彼を発見した都築さん(彼も絵を買ってしまったひとり)とも彼は出会うことになっている。チャンレンジする人々に幸あれ!

2023年12月


2024年になって最初の作品

[INAGAKI 誌上展 paintings]


《A Character on the Moon》170 x 130cm, 2023年


《A Character on the Battlefield》170 x 130 cm, 2023年


《A Character Running》95 x 170 cm, 2023年


(左から)《Portrait of NPC 1~3》各150 cm × 50 cm, 2023年


《Young Man Walking the Pets》170 x 130cm, 2023年


《Youth and Your Best Friend》150x112.5cm, 2023年


《A Young Man on the Beach》170 cm × 130 cm, 2023年


《A Young Woman Skateboarding》170 cm × 130 cm, 2023年


《Youth on the Moon》2023年, 121 × 91 cm, 2023年


《Youth on the Car》170 cm × 130 cm, 2023年


《Young Man Fighting》121 cm × 91 cm, 2023年


《Failed Runway》100x75cm, 2022年


《Mutual Love》2022年


《Homesickness》100x140cm, 2022年


《Sunday Morning》91x121cm, 2022年

[street art]


2021年


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2023年


2023年


INAGAKI:
https://instagram.com/inagaky/
https://enigm.tokyo/

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ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

特設販売サイトへ


ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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