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バックナンバー:2014年07月03日 配信号 収録

travel ゴミの果てへの旅――村崎百郎館を訪ねて


村崎百郎 1961―2010

村崎百郎が亡くなってもうすぐ4年になる。ファンだったという青年に刺殺されたのが2010年7月23日。そして長い準備期間を経て先月末、伊豆高原の『怪しい秘密基地 まぼろし博覧会』内に『村崎百郎館』がようやくオープンした。手がけたのは生前、公私にわたるパートナーだった漫画家の森園みるくと、本メルマガ2013年5月15日号で紹介したユニークな古物商/アーティストであるマンタム、そして多くの友人、ボランティアたちである。


すでに一癖ありすぎな駐車場から、巨大温室を望む

2011年の開館以来、珍スポット・ファンにはすでにおなじみとなっている『まぼろし博覧会』。もともとは『伊豆グリーンパーク』という熱帯植物園で、2001年ごろに閉館、放置されていたのを、出版社データハウスの総帥・鵜野義嗣が買い取って、コレクションを展示する場としてオープンさせた巨大施設だ。グリーンパーク当時の宣伝文句には――

ランが咲く・蝶が舞う・トンボが飛ぶ、ここは伊豆のトロピカルランド。空調完備した大小8棟の温室には、洋ランの数々やブーゲンビリア等の熱帯花木が一年中咲き競い、マンゴ・ハパイヤ等のトロピカル果樹もいっぱい。「熱帯蝶とトンボ館」では、熱帯地方の珍しい蝶やトンボが飛び回り自然の中での生態が観察できます。

とあったが、いまは8棟の温室がそのまま山の中腹に残されて、内部がありとあらゆる「怪しい」収集品で埋め尽くされている。


兵馬俑の兵士たちが迎えてくれるエントランス


階段を上りながら鑑賞が始まっている


伊勢の秘宝おじさんもこのとおり大変身

鵜野館長は伊勢の元祖国際秘宝館をはじめとする、各地で閉館した秘宝館の展示物を買い取ってきたことでも知られていて、僕もメルマガの後記でこんなふうに書いたことがある(2013年4月17日号)――

名前からして怪しい「怪しい秘密基地」は、伊豆半島に「ねこの博物館」や「怪しい少年少女博物館」を持つオーナーがつくった、3つめの観光コレクション施設。オーナーである鵜野義嗣さんは、出版社社長という激務をこなしながら、週末はほとんどひとりでこの「怪しい秘密基地」の改造に取り組んでいるわけですが、伊勢の元祖国際秘宝館や、石和の秘宝館、鎌倉のシネマワールドなど、閉館した観光施設の展示物を買い取っては、それを好きなようにつくり変えてここに展示しています。


村崎百郎館には、メインの館内を抜けずに、直接向かう丘沿いのアプローチもある

ご存知のように僕も、閉館した鳥羽の秘宝館を一部だけですが買い取って、たまに展示しているのですが、それは自分の作品としてではなく、あくまでも秘宝館を生み出した、無名のアーティストたちの創造力に敬意を評してのこと。

でも、鵜野さんのアプローチは僕と正反対です。敷地が国定公園内で、エロっぽい展示は許可されないという現実的な理由もあるのでしょうが、それよりも気に入ったものをどんどん集めてきて、それを気に入ったように組み合わせたり改造したりして、遊んでしまうのが鵜野さんはお好きなんですね。「そのまま展示してもしょうがないでしょ」と、何度もおっしゃっていたのが印象的でした。




秘宝おじさんが案内役

なので伊勢の秘宝館にあった人形たちも、オリジナルを知らなければ、これがもともと秘宝館の一部だったとは想像もできないほどに、激しく改変されてます。それが気になって、なかなか足が向かなかったのですが・・・いざ拝見してみると、オリジナルを改変された哀しみよりも、つくり変えるエネルギーの凄まじさに驚かされました。

これはどっちがいい、悪いとかではぜんぜんなくて、かつてあったものを現在から未来へとつなぐ、まったく異なるアプローチなのだと思います。僕はそれを、なるべくオリジナルな形で、言ってみれば博物学のようなアプローチで残していきたいのだし、鵜野さんはそこに新しい生命を吹き込んで、生き返らせたいのでしょう。


なんとなく牧歌的?

だから、もとのスタイルを維持しているのは僕のほうだけど、「見世物」のスピリットを正統に受け継いでいるのは、鵜野さんのほうかもしれません。

駐車場からすでに不思議な、不気味な人形が立ち並ぶアプローチを抜け、階段を上がって受付を済ませ、『密林にたたずむ大仏と世界古代文明遺跡』『夢か、うつつか、まぼろしか 昭和の時代通り抜け』『魔界神社 祭礼の夕べ』などと題された巨大温室リノベーション展示空間を見て歩き、たっぷり毒気に当てられたころ、この春にオープンした区画である『悪酔い横丁』があらわれる。『ペンギン山 少年少女時代』『ひみつの秘密基地』『陽気にパラダイス』などと名づけられた小温室のブロックの、最後にあるのが『村崎百郎館』だ。


村崎百郎館・外からの入口


入口から内部を眺める

亡くなって4年というのに、まだ活発に書き込みがあるツイッター(1万8,000以上のフォロー!)のプロフィールによれば――

1961年シベリア生まれ。鬼畜ライター。<鬼畜系><電波系>という言葉の生みの親。地上最凶の電波系ゴミ漁りの権威。マニフェストは<日本の文化を下品のどん底にたたき落とす>

という村崎百郎。ほんとうは明治大学文学部を卒業後、ペヨトル工房勤務という経歴を持つライターだった。その名を一躍世に知らしめた『鬼畜のススメ』(1996年、データハウス刊)の前書きには、こんなふうな「鬼畜宣言」がある――

俺は俺のゴミ漁りを通して「鬼畜的な思考」というものをみんなに感じて欲しいのだ。
「ゴミ漁り」という、通常の人間が最低の行為とみなしている行為に手を染め、聖なるコジキとして真夜中の街を徘徊しよう。最も低い位置から自分の住んでいる街や社会を眺めれば、見えなかったことも見えてくるし、現実生活で自分とは何の関係もない赤の他人ですら、ゴミ漁りを通して近親感を持てたりするものなのだ。

ほとんどジャン・ジュネの言葉といってもおかしくなさそうに僕には聞こえるが、このようにして村崎百郎は東京という都市をいちばん低い位置から観察し、賞味してきたのだろう。身を伏せたまま、こちらから目を離さない獣のように。


作業も最終段階で、ほっとひと息の森園みるく&マンタムのおふたり

完成間近の村崎百郎館で、汗だらけ、泥だらけになりながら作業を続ける森園さんとマンタムさんに、お話をうかがうことができた。

森園:村崎とはけっきょく14年ほど、いっしょにいましたね。わたしが30代後半のころで、『鬼畜のススメ』や根本敬さんと共著の『電波系』が出たころに、出会ったんです。

もともと『危ない28号』や『悪趣味大全』で文章を読んでいて、わたしのほうがファンだったというか。データハウスにファンレター出したこともあるんです・・・きっと読んでないと思いますけど(笑)。


廃材で構成された部屋を巡りながら、村崎百郎の脳内宇宙を体感する

そのころ知り合った映画監督で福居ショウジンというひとがいて、彼がトークショーを上映会と一緒にやるときに村崎百郎がゲストというので、行かねば! ということで紹介してもらったのが最初です。

本人が、私生活を出すのがいっさいイヤってひとだったので、関係はずっと公にしないできました。あちらのご家族にもなにも言ってなかったし。わたしの存在も漫画家ってのはNG、普通のOLですって。見えねーよって感じですが(笑)。わたしのほうも、いろいろつっこまれて聞かれるのがめんどくさかったから、ちょうどよかった。だから、ふたりのことを知ってたのは、仕事関係者だけですね。

それで事件があって、家を出なくてはならなくなったときに、本や遺品がとにかく多すぎて、片付けるのも新居に持っていくのも無理って困ってたときに、藤本由香里さん(漫画研究家・明治大学教授)から明治大学へ遺物を寄贈しないかという話をいただいたんです。それでエロビデオ、エロ漫画、漫画、『ムー』(オカルト雑誌)のバックナンバー、魔術系の専門書とかも・・・段ボール箱で200箱以上はあったと思います。それが2010年の終わりぐらいのことでした。




もともとの部屋の状態を記録した貴重な写真

それで片付けをするのに、残ったものはどうしよう、なんだかわからないものがいっぱいあるし、女の下着もいっぱい見つかってどうしよう・・・みたいになったときに、元データハウスの担当だった方が来て、遺品をもらいたいと言って、古い双眼鏡を持って帰られたんですね。それをデータハウスの(鵜野)社長が見て、「どうしたの、それ、かっこいいね」って。で、なにを思ったのか、「これからすごいところを作るから、その一角に村崎さんの部屋を作ろうかな」って(笑)。それで担当さんから、再現部屋を作りますかって連絡が来て。最初は、それならここにあるものを持って行って、ゴミ部屋にしちゃえばいいんでしょっていうイメージで捉えてたんです。




最初の部屋は「ゴミ漁り」がテーマ


デスク上には拾い集められたお宝スナップが


「情念ノート」と呼ばれていた、思いの丈を綴ったノート・コレクション


こっ恥ずかしいと思いつつ、つい読み込んでしまう自分がいる


デスクの下に隠れている「よつあし」は、太田翔さんの作品


「キャプテンかなぶん便標本」・・・


アルマジロの足の下には無数の白いブラジャーが固まっていた




こちらの隅にはカセットテープ、もちろん拾い物だ




あまりに生々しいということで、白く染められていない下着類はガラスケース内に収納












手紙にスナップ写真、学生証から履歴書まで、人生が丸ごとゴミ袋には詰まっていたのだった


雑誌記事の切り抜きが積まれた床面

まぼろし博覧会がオープンしたのは2011年でしたけど、すぐ下見に行ったらまだスカスカで、展示もぜんぜんできてない。それで2012年の終わりごろになって、ようやく社長のコレクションが片付いてきたので、そこらへんから動き出したって感じですね。ちょうどそのころイベントで根本さんに会うことがあって、同時期にマンタムさんとも出会って、そしたらふたりから同じことを言われたんですよ。部屋を再現するんじゃなくて、村崎百郎の頭のなかを再現したらどうかって。

マンタム:僕は村崎さんを直接は存じ上げてなくて。本を読んだり、まわりのひとから話をきいて、なんとなく自分に近いと思って、シンパシーを感じてたんですね。まずゴミにたいする執着心とか、魔術に傾倒していく過程もよく理解できたんです。僕も昔、魔術にハマっちゃったので。


ふたつ目の部屋は、ライター/編集者としての村崎百郎をイメージする部屋


引き出しの中も開けて、コレクションを見ることができる


こんな手紙が実際に来ていたそう・・・「あんなことやこんなことのお手伝い、喜んでさせて頂きます~」




記事のコピーやチラシで埋め尽くされた壁面


書棚には意外にオーソドックスな全集類が


洗面台のオブジェがあるコーナー

やっぱり人間に対する興味から行くんですよ。ひとに対してどうありたいのかっていう、究極が魔術ですから。それでこのひとも行ったんだなっていうのが理解できて。なので自分なりに分析して、ただゴミを並べても意味がないだろうと。かといって、説明がたくさんあってもしょうがない。それよりも、見た瞬間にイメージで受け止められるような部屋にしたいっていう。まぼろし(博覧会)全体がそうなんですよ。まぼろしも、社長が見てきた昭和のイメージなんです。そうなったら、村崎さんの脳みそが爆発してる感じにしようと。


そして最後の部屋が、魔術にのめりこんでいった村崎百郎をイメージする空間だ


トレードマークだった頭巾を被った本人が君臨する


マンタムの作品があるコーナー

まずはゴミ。ゴミから始まる村崎さんがあって、そのあと編集者として電波を受信しながら書いていた村崎さん、それが最終的に結びつく魔術の部屋。彼がたどった精神的な世界を、3つの部屋でたどっていただけるように構成しました。


長く放置されていたせいで、すっかり埋まってしまった道を掘り起こすところから作業が始まった

作業を始めたのは去年の6月です。夏の盛りの温室は避けたかったので(笑)、9月から再開して、あとは今年4月までず~っと。1回行くと、だいたい5日間で、いつも5~10人くらいボランティアがいました。


枯木を切り払ってアプローチを確保

ずっと廃墟だったんで、この部屋に続く道も土砂で埋まってて、それを取り除く作業から始めなきゃならない。200キロを越える石を、男3人で一日がかりで取り除いたり・・・。職人を雇えばもっと簡単ですし、費用もけっきょく安く済んだと思いますけど、村崎さんに思い入れのあるひとたちがここに集まって、みんなで作業するというのが大事かなと思ったんですね。


数十センチの泥に埋まっていた階段を掘り起こす


雪の中でも作業は続けられた


バールとハンマーで石を割っていく


ようやく整地が完了


まだもともとの温室がよく見えている




廃材を組んで空間を仕切っていく作業

朽ちかけた温室の風情をそのまま残した空間に、廃材で組んだ展示室がある。免許証、顔写真、メモ・・・ゴミから拾い集めた無名の人間たちの痕跡が封入され、床に目をやれば無数のカセットテープや、すべて白く染められ固められた下着類が堆積している。ここはほんとうに、村崎百郎という毀誉褒貶、賛否両論の渦巻くなかで短い一生を駆け抜けた男の、混沌として、同時にある種の潔癖さに貫かれた脳内空間そのものだ。


こちらが『悪酔い横丁』サイドからのエントランス

温室のもう片側には『未確認生物UMA博覧会』と題された、ギャラリー空間が設けられていた。油彩あり、立体あり、人形あり・・・スタイルはさまざまだが、いずれも今回、村崎百郎館の準備にボランティアで加わった若いアーティストたちの作品だ。つまりガラスの空間のなかで、本人の脳内空間と、彼にトリビュートを捧げる若手たちのスピリットが向き合っていることになる。




建設参加作家たちの作品展示空間『未確認生物UMA博覧会』

「B級」「珍スポット」とレッテルを貼られ、ときに笑いのネタとされ、ときにあからさまに嫌悪されながら、ムクムクと増殖を続けるまぼろし博覧会は、まったく同じ評価を受けてきた村崎百郎の「頭のなかを再現」するのに、やはりこのうえなくふさわしい場所なのだろう。

生前は「わたしでさえ、彼の部屋には入れなかったんです、足の踏み場がないから、そもそも入れないんだけど・・・だから部屋の外から覗くだけでした」と森園さんが語る、村崎百郎という人間を理解・・・いや、少しでも近づくために、ぜひ現場に足を運んで、その空間密度をからだで味わっていただけたらと願う。今月中旬からは「建設参加作家による特別展覧会」という、『村崎百郎館・完成記念祭』も東京・神田の画廊で開催される。こちらも併せて、ご覧いただきたい。


村崎百郎館・完成記念祭
7月15日~30日
@神田画廊 http://kandagaro.web.fc2.com/
(この展覧会を最後に閉廊予定)

展覧会Facebookページ:https://facebook.com/events/1381893975412679/?ref_dashboard_filter=calendar

[まぼろし博覧会・メイン展示エリアも駆け足でご紹介]


ほとんどの入館者が最初に目にする、『密林にたたずむ大仏と世界古代文明遺跡』と題された巨大温室


木々のあいだから大仏・・・じゃなくて巨大な聖徳太子があらわれる


「立ち上がると40メートル」になるそう


密林の上部にはこんな女官(?)たちも


この混交ぶりがたまらない


館長の昭和コレクションが爆裂する『昭和の時代通り抜け』エリア










とてつもない量の収集品が詰め込まれ、ジオラマに仕立てられている


秘宝館の人形たちは女湯に


「ズロースの微笑」顔ハメ写真コーナー


暴走族の単車もあれば、


学生運動のバリケード再現もあり


まだ草食男子という言葉がなかったころの、男の子の部屋


さらに奥に進むと、不気味なコレクションを集中させた棟があらわれる


空間まるごとが大掛かりな見世物小屋のようだ




折り重なる動物たちの剥製のあいだから、秘宝館の人形も顔を出す




江戸の遊郭を再現した「梅淋楼」


「モグリでアル中・藪病院」


人体工場のような分娩室と新生児室


専門は「婦人科と歯科」!


性転換の諸相がひと目でわかるコーナー


秘宝館のお宝を集めた部屋




壁の一面にはカット練習用の頭部がずらり


衛生博覧会コーナーの病理標本も充実


伊勢の元祖国際秘宝館にあった、妊娠のプロセスを見せる人形群がここに!






「二度とお目にかかりたくない衝撃のテーマ展示が目白押し。ほろ酔いを通り越して酩酊気分になれる、何が何だか分からない 楽しい横町です」というコンセプトのインスタレーションが『悪酔い横丁』






各地の秘宝館でおなじみの人形と、こんな場所で再会!


「廃棄物再生マシーン・ポコペン」・・・


「人体型カレー製造機」・・・


「風船人糞爆弾」・・・


その裏には「ハッカー寺子屋」もあった


小屋の中はものすごく力の入ったつくり






『怪しい少年少女博物館』の前身だったペンギン・ミュージアムのコレクションだろうか、ひと部屋まるごとがペンギン・コロニーに

怪しい秘密基地 まぼろし博覧会:
http://maboroshi.pandora.nu/info.html

村崎百郎:http://murasaki100.com/

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ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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