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新開のり子

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新連載! 暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく (画・文:新開のり子)

先月末の8月23号「LIFE ―― ある家族(と犬)の情景」でも詳しく紹介した異能の鉛筆画家・新開のり子。熱心なロードサイダーズのみなさまにはもうおなじみだろう。 新開さんを初めて取り上げたのは2022年6月1日号、8日号の2週にわたって紹介した「クイーン・オブ・バッドアート降臨!」。そのときは詳しく書かなかったが、ふつうの会社員生活を送っている新開さんが鉛筆画を始めたきっかけには「会社で体験したいろんなイヤなことを、絵に描いてみたら気が晴れるかもよ」という、お姉さんからの勧めがあった。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  02 蜘蛛 (画・文:新開のり子)

保育園のころ、祖母が私にプレゼントくれました。 たくさんの洋服です。 人形がアップリケされたスカート、花柄のワンピース、ヒラヒラ……どれを着ていこうか迷い、白いスカートに決まりました。 白い生地に蜘蛛がたくさん描かれています!

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  03 ちびくろさんぼ (画・文:新開のり子)

3歳頃、お遊戯会で全身黒づくめのちびくろさんぼの役をもらいました。 (本当は、木が良かったのですが・・・・・・) お遊戯会では、大勢の保護者たちに見守られながら無事に終わりました。 大役を果たし安心して保育園のなかでお人形さんと戯れていると、友だちが2階に行こうと誘ってきます。 言われるままついて行きました。 2階は、木の温もりのある山小屋のようなお部屋です。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  04 パンツ一丁の冬 (画・文:新開のり子)

4歳頃のこと、 昔は、パンツ一丁とタオルで簡単に健康が手に入ると言われていました。 寒い時にやるのが体に良いそうです。 先生の号令で一斉に体を擦ります。 「乾布摩擦」です。 女の子もパンツ一丁。 真っ赤になるまで乾いたタオルで体を擦ります。 せっせと慣れた様子の擦り上手がいます。 そういう子は、早く体も温まり、寒さ知らずです。 体を擦るのにも上手い下手があるようです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  05 ローラーホッケー (画・文:新開のり子)

小学校低学年の頃、ローラースケートが流行っていました。 私は、小学校が終わるとせっせと30分かけて児童館に向かいます。向かう途中、大きい犬に話しかけて通り過ぎます。毛並みが荒く、餌のお皿がいつも空っぽです。 もう食べてしまったのか、待っているところなのか。 「可哀想だね。お腹空いたね。飼い主の人に言おうか? でも児童館に行くからまたね!」通る度に声をかけ、足早に通り過ぎます。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  06 不良グループ (画・文:新開のり子)

児童館にまだ通っていた小学校低学年の頃、児童館の中にある体育室で遊んでいた時のことです。 今まで、そういうタイプの人達を見た事がありません。 児童館の体育室は、安全なところでした。 そこで遊んでいると、「どけーどけー」 と急に遊び場に割り込み、耳を塞ぐくらいの大きな声を出した3人組が現れました。 テレビで見る極悪レスラーそのものです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  07 お泊まり会 (画・文:新開のり子)

児童館のイベントでお泊まり会がありました。 家族と離れて一人で泊まったことがないのでとても不安でした。 児童クラブの子供達がたくさん集まり、夜になりました。 皆、お気に入りのパジャマに着替えます。 布団は、少しすきまをを空けて並べられています。 真ん中がとても人気があり 私は、端っこを取りました。なんだかとても落ち着きます。 横になって眠るまで羊を数えます。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  08 ジェットコースター (画・文:新開のり子)

公園での出来事です。 小学校がお休みの日に公園に行きました。 待ちに待ったお休みです。 夕方、人が居ないことを見計らって公園に行きます。 すると、公園のどこからか声がします。 「おいでーおいでー」 声の方に近づくと、滑り台の上から呼んでいます。 周りを見渡し、他の誰でもない私のことを呼んでいました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  09 可愛い制服 (画・文:新開のり子)

10代の頃、学校の休みに出来るアルバイトを探していたところ、制服がとても可愛いアイスクリーム屋さんの応募を見つけました。 早速、面接に行くことになりました。 知り合いに見られたら恥ずかしいので、家から遠くて不便なところを選びました。 面接へは、電車で45分、徒歩で30分です。ようやく辿り着きました。 店内は、パステルカラーの模様でピンクと白の可愛い制服を来た女性スタッフが見えます。可愛い制服、絶対に着たい!面接に受かりたい!と強く思いました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  10 食事会 (画・文:新開のり子)

保育園を卒業してから10年が経ち、食事会が開かれました。 保育園時代のメンバーとの懐かしい食事会です。 親子で参加しました。 当日は、ホテルで行われました。 豪華なロビーを通り抜け、エレベーターに乗ると高速でどんどん上へ。 耳がキューとなると、まもなく高層階に到着し、扉が開きます。 広い窓からの景色に思わず「わーきれいー」と声が出てしまいました。 母と会場に入ると大人と子供は、分かれて座ることになりました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  11 ファミレス (画・文:新開のり子)

土日は、特に繁盛するファミリーレストランでのお仕事です。 家からは、遠く離れた場所です。 20代になり、特に人に会うのが恥ずかしいころでした。 空いた時間にアルバイトをする為に求人誌を見て探します。 ファミリーレストランのホールスタッフ・洗い場スタッフ募集を見つけました。 家からは、電車とバスを使い1時間くらいの場所を選びます。 面接に行き、洗い場希望と伝えると、ホールスタッフの方が人員不足なのでお願いしますと言われ、せっかく働かしてもらえるならと、決めることにしました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  12 お局さま (画・文:新開のり子)

都内の会社に入りました。 昼休憩になると、同じ部署の先輩が私を探しにきます。 「急いで急いで」と言って私の腕を引っ張り、下の階に連れていきます。 私は、バタバタと靴の音をたて、先輩は、ハイヒールの音をカツカツ鳴らしながら階段を走ります。 一階に着くと、女子が12名ほど並んで立っています。 お昼だというのに何事でしょうか。 周りを見渡すと、男性社員は一人残らず、外へ出て行ってしまいました。 集合したあと、着席と言われ、席に着くのですが、そこは男性社員の席です。 机がずらりと並んでいます。 その席でこれからお昼を食べる毎日が続きました。 お弁当を注文することもあり、自分勝手な行動はとれません。 窓近くの大きな机には、お局様とその隣には、お局様のお気に入りが座っています。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  13 コーヒーカップ (画・文:新開のり子)

まだまだ新人の頃のこと、仕事に慣れず、ベテランの先輩方に囲まれて仕事を習います。 度々、離れたところで、こそこそ何かを話しています。 何を話しているか、気にしないように仕事に集中します。 数日が経ち、先輩達との距離が縮まるどころか、どんどん離れていくように感じました。 たまに出かけた時にお菓子のお土産を配りました。 ある時、先輩の席の床に何か落ちていました。 先日渡したお菓子が、落ちているのです。 余計なこととは知らず、机に戻しました。 遠くから話し声が聞こえてきました。 席に戻り気にも留めないように一日も早く仕事に慣れるように、他のことは考えずに過ごすようにしました。 早くみんなと仲良くなりたかったのです。 遠くから先輩達の話し声がはっきり聞こえてきました。 「お菓子おばさん」どうやらお菓子おばさんというあだ名をつけられてしまったようです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  14 透明人間 (画・文:新開のり子)

初めての仕事場、元気に挨拶をして周ります。 声が小さかったせいか、聞こえないみたいです。 次にまた挨拶するとおもむろに無視をされます。 話しかけても、スルッとすり抜けて行ってしまいます。 少しだけ考えました。 きっと、笑顔が足りなく声も小さかったせいだと反省し、また次の機会には、もっと頑張ろう!そう思い、 元気に挨拶すると、 嫌な顔をして、あっけなく行ってしまいました。 意味がよくわかりませんでした。 席に座り、横を見ると私の横に無視をした先輩Zがいます。私が見つめているせいか、何か聞いても嫌な顔をして話をしてくれません。 まさか私は、透明人間にでもなってしまったのでしょうか。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  15 味噌汁 (画・文:新開のり子)

新しい仕事場での出来事です。 その日は、天気も良く心地良い風が吹く春の日でした。 仕事場に着くと朝から女性の怒鳴り声が部屋の奥から聞こえてきます。 奥の部屋に近づくと、 ベテランのMさんとSさんが口喧嘩をしています。 普段は仲の良い2人です。 口論の内容は、物を勝手に持ち出したと言う事ですが、私には関係のないことなので、そっと部屋を出ました。 するとガッチャーン、バリバリとガラスの割れた音。 慌てて部屋に戻ると、 Mさんが、大騒ぎしています。 勝手に物を使われ、元に戻さないということが腹が立ったようです。 Sさんの反省のない態度にブチ切れて、怒りを物に ぶつけてしまったようです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  16 恐怖のドライブ (画・文:新開のり子)

仕事のお休みは、ほっと一息。 そんなのも束の間、部屋探しをしなくてはなりません。 賃貸アパート、賃貸マンションを探すのは、この足で、この目で見て周ります。 物件探しキョロキョロしすぎてすれ違う人は、私を不審者だと思ったでしょう。 気にせず建物を見て周ります。 インターネットで探せば早いんでしょうが、何かと効率の悪い私は,足と目で確認したくて外をウロウロ歩き周ります。自分のペースでのんびりと。 ブルーの家が見えます。 沢山のベランダに可愛らしい花が並んでいます。 可愛い!こんな可愛いところに住んでみたい!

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  17 コイン落としゲーム (画・文:新開のり子)

仕事でのこと。 まだ入って間もない頃 毎日このように声が聞こえてきます。 「あんな人!!早く辞めさせてください!!」 毎日毎日、繰り返される言葉。 私は、心の中でひどいこと言うなー 誰の事を言ってるんだろうー まったく、ひどいったらありゃしない。 ちょっと待った・・・・ 見渡すと・・・ あらあら 私のことではないですか!

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  18 シュレッダー (画・文:新開のり子)

入ったばかりの会社で私は、少し早めに出勤して、頼まれた大量の用紙をシュレッダーにかけます。 ゴロゴロガーガーと鈍い音を鳴らしながら、シュレッダーは、回転しています。 やってもやってもなかなか終わりません。 そこでなにか音が耳に入ってきました。 「ガラガラうっさいんだよーーーーー」 悲鳴に近い声です。 これは大変です!  慌ててシュレッダーのスイッチをオフにします。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 19話 サウナでスッキリ? (画・文:新開のり子)

会社帰りや休日に行くサウナにハマっていた時期がありました。 疲れを取るには、ジンワリ汗が流せるサウナが一番いい!と思い探して行ってみたのですが・・・ スポーツクラブ、温泉施設、岩盤浴専門店、スーパー銭湯、銭湯。 サウナは、低温のミスト、スチームサウナもよいですが、熱々高温のサウナでスカーッと汗を流すのが気持ち良いです! 自分との限界まで戦う高温サウナが好みです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  20話 追いかけてくる! (画・文:新開のり子)

広告で求人募集がありました。 応募要項に正社員・未経験者・やる気があれば誰でもOK!・昇給有り・賞与有りなど…… 早速、応募の電話をしました。 数日後、履歴書を持って面接場所に行くことになりました。 電車にゆらゆら揺られながら面接場所に向かいます。 頭の中では面接風景を想像しながら電車、バスと乗り継ぎ、ようやく到着します。 そこはマンションでした。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  21話 怖いバレンタインデー (画・文:新開のり子)

バレンタインデーの日、 会社では、女性同士が話し合い、男性スタッフにチョコを配ります。 チョコ選びが得意な人が、有名パティシエから、老舗の洋菓子店、和菓子店とどんどん提案してきます。 最後は、多数決で決まったチョコが選ばれます。 チョコ選びには、かなり時間をかけます。 男性スタッフに配り終えると、先輩ABCの3人組が私を手招きして呼びます。 廊下まで出ると、3人から紙袋を渡されます。 こんな事初めてです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  22話 ボロボロ自転車 (画・文:新開のり子)

通勤手段が自転車の時がありました。 職場のQさんとPさんが寄ってきて「いいわねー新しい自転車?自転車で通勤なんて羨ましいわー」 私は、「はい」と少し自慢げな態度をしてしまいました。 思い切って新しいのにして良かった! 褒められたようでなんだか嬉しかったです。 ある日Qさんが「あのー。近くまで行きたいんだけど、自転車を貸してくれない?」とボソボソ言います。 私は、「どうぞ使ってください!」と言って鍵を渡しました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  23話 ゴージャス弁当 (画・文:新開のり子)

午前中の仕事も終わり、 待ちに待ったお昼休憩がやってきました。 机に弁当箱を乗せ、風呂敷を一つずつほどいていきます。 なんと、今日のお弁当のおかずはステーキです。 実は、このステーキは昨晩夕食に食べていたものです。 お祝い事があり、松阪牛のお肉をおすそ分けしてもらったので、思い切ってステーキにしました。 でも、一口たべてハッと気が付きました。 「これ、明日のお弁当に持って行ったら…」 ゴクリと唾を飲み込み、夕食のステーキは一口でおあずけ。冷蔵庫にあった豆腐を食べて飢えを凌ぎました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 24話 種まきの悲劇 (画・文:新開のり子)

仕事場のお昼ご飯が終わり、3時のおやつの時間です。 おやつには柑橘系の果物や南国のフルーツの差し入れがあります。 食べた後は種を捨てずに集めるのが楽しみの一つです。 私はティッシュを広げ種を集めます。 隣の席のDさんはおもむろに気持ち悪そうな顔をしています。 私は種を洗いに席を立ちます。 席に戻るとテッシュを広げ綺麗になった種を一粒ずつ並べて眺めます。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  25話 カレーの日 (画・文:新開のり子)

入ったばかりの会社です。 私は、簡単な自己紹介をして席に着きます。 続けて同時期に入ったC子さんも自己紹介をします。気だるそうにこちらをみているのは、ベテランIさんとHさん。 挨拶も終わり新人の私達は席に着きます。 仕事を振られ2人で相談しながらやります。 とまどったり、間違えたりすると大変です。 「なにやってんのよー」と大きな声で怒鳴ります。 そんなピリピリムードで毎日を過ごします。 ある日、先輩Dさんがポストまで郵便物を取りに行きました。 戻ってくるなり怒っています。 私達のところへ来て郵便物を知らないかと聞いてきます。 私達が「知りません」というと、先輩は怒りながら向こうへ行ってしまいました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 26話 寄り道 (画・文:新開のり子)

仕事帰りに寄り道をした時のこと。 日頃の心のモヤモヤを取り除くのは、やはり美味しいものをいただくのが一番! どこに寄り道しようか悩みます。 お寿司もいいしラーメンもいい!焼き鳥もいい! なんでも食べたい! 早速お店探しです。 歩いているとプーンと焼肉の匂いがしてきました。 ん~美味しそうな匂いに引き寄せられて焼肉屋さんに決めました! 2階にある大きな看板を目指して行きます! お肉ワクワク。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  27話 恥ずかしい出来事 (画・文:新開のり子)

会社での送迎会の時のこと。 贅沢な食事の後、カラオケに行く事になりました。 キラキラしたネオンの中を酔っ払った私達は、数十人列になって歩きます。 カラオケ店に到着し部屋に入ると順番に座っていきます。ソファに座り人数が揃ったところで早速たくさんのお酒が運ばれてきます。 カラオケ好きな人がステージに立ちます。 次々と曲が流れます。 歌好きが多くて良かった。私は安心しておつまみを食べたりお酒を飲んだり呑気に座っていました。 しかし隣の人が私をつついて、「まだ歌ってないから 次に歌ったらいい」というのです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  28話 満員電車 (画・文:新開のり子)

今日も朝ごはんを食べてお化粧をパパッとして会社へ行きます。 ラッシュアワーを避けるため早く家を出よう!そう思って準備をしますが、結局はいつもと同じ時間になってしまいます。 乗り換えする駅のホームに着きました。 すでに人人人です。 「今日も無事に乗れますように」お願いしてホームに並びます。 電車が到着。 ドアが開くとドーッと人が降りてきます。 肩にぶつかりながら、ホームは溢れんばかりの人です。 「よし!」手に力を込め歯をくいしばります。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  29話 ジェットコースター (画・文:新開のり子)

会社も少し慣れた頃、 朝出社すると 「ひっひっひっひっひっひっ」 声の主は、ベテラン3人組の笑い声です。 お煎餅をかじりながら笑いが止まらないようです。 こういう時は大抵近寄らないほうがいいのです。 私は朝の掃除を済ませ席につきます。 話に夢中のベテラン達が笑うたび、椅子がギコギコ揺れて不気味な音がします。 3人は上機嫌なため笑い声のボリュームがどんどん上がっていきます。 ベテランの一人、ハラコさんが大きな声で「嫌い!嫌い!」を連発。 高笑いをしています。 話が落ち着いたようです。 ハラコさんが何かを持って近づいてきます。 「怖い!」 「来ないで!」 私の心の声。 ハラコさんは私の机に白い箱を置きました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  30話 罠 (画・文:新開のり子)

会社でのこと。 もうすぐベテラン2番手さんの誕生日です。 毎年、誕生日にはいつも決まったお店でショートケーキ5号を注文します。 数ヶ月前に中途入社したふー子さんは甘い物に目がありません。 「誕生日ケーキ選びをしたい!」と自ら名乗り出ました。ケーキ選びには自信があるとのことでお任せすることになりました。 お店を色々探してくれるのは有難いのですが電話中も平気で声をかけてきます。 「ごめんなさい。今ちょっと手が離せないので」と断ると不機嫌な様子で立ち上がり、お局様のところに行ってしまいました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  31話 桜の木の下で (画・文:新開のり子)

お花見シーズンです。 男性スタッフから皆に 「そろそろ花見でも行きましょう!」とお声がかかりました。 酒豪のお局様は、「行きましょう!場所取りしておきます!任せてください!」と嬉しそうに話しています。 お局様は手を叩きながら皆を集めます。 「さあ!さあ!今から場所取り当番を決めるよ! 言っておきますが私とお気に入りの1号さん、そして2号さんは今、仕事が忙しいのでジャンケンには参加しません! では早速ジャンケンを開始するよ!」 心の準備もないまま私を含めた3名でジャンケンをする事になりました。 お局様のお気に入り1号さんがお局様に耳打ちをしています。 お局様は「差別でなく区別!区別! 私の指示に従って! ではいくよー最初はグー! ジャンケンポン」 言われるがままに手を出します。 私は、グーを出しました。 すると二人は後からゆっくりとパーを出しました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  32話 食後のアイスクリーム (画・文:新開のり子)

「早く!早く!早くったら! 来てちょうだい!」 私は食後にアイスクリームを食べていました。 あと一口で食べ終わるってところで・・・ お局様は、鬼の形相で私の所へやってきました。 とても嫌な予感です。 「今すぐ来て!」 大抵ろくでもないことです。 お局様は私の腕を掴みます。 「痛い!!」 私は、「何かあったのですか?」と聞きます。 お局様は「いいから!早く来てちょうだい!まったく!」と慌てた様子です。 なかなか立ち上がらない私に腹を立てたようです。 腕には強い力が加わります。 私の口の中は、バニラの幸せ味が残っています。 しかしなんだかお局様の様子がいつも以上に怖いです。 お局様の掴む力が強くなっていきます。 これはただ事ではない予感! トイレに連れて行かれました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 33話 隣の見知らぬおばさん (画・文:新開のり子)

会社が休みの日、眩しい光で目が覚めました。 今日は気分転換に海を見に行こう! そんな気分になって気が変わらないうちに急いで駅に向かいました。 朝日が昇ったばかりで建物や木々の隙間からオレンジの眩しい光が顔を照らします。 目を細めながら小走りをして駅に急ぎます。 小鳥のさえずり、小鳥の優しい羽音。 朝の長閑な時間で心が豊かになります。 駅に着き海方面に向かう列車を待ちます。 自由席のホームには家族連れやカップルが目立ちます。 列車がホームに到着すると「プシュー」と音を立てながら扉が開きます。 今までホームでゆったり待っていた人達が急に慌ただしくなります。ゆっくりと歩く私をどんどん抜かして車内に入っていきます。 キョロキョロ車内を見渡しているうちにあっという間に満席状態になってしまいました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  34話 着れない服 (画・文:新開のり子)

休日に列車に乗って海を見に行ってきました。 海でトンビが急接近し危うく食べ物を狙われたりしましたが、なんとか無事に日帰り旅行を楽しむ事ができました。 また、いつもの生活に戻ります。 朝起きて仕事へ行く準備をしています。 化粧にはさほど時間がかかりませんが服選びには頭を悩ませます。 洋服のサイズがみるみる合わなくなってきたからです。 「この服もだめだ!この服も着れない!」 なんとか無理に着た服は、身動きが出来ません。 その服を着て会社に行きます。 席に座るとビリっ!と服の破ける音。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  35話 忘年会のあと (画・文:新開のり子)

忘年会の日のこと。 その日は、終電に乗って帰ってきました。 会社で忘年会が行われ3時間程でお開きになりました。 時計を見ると20時。 鞄をもって帰る支度をし外に出ました。足早に駅に向かおうとする私の目の前に人が出てきました。 ボンと衝突!! 私は考え事をしながら下を向いて歩いていたせいで前がよく見えていませんでした。 ぶつかったのは女性でした。 「すみません」と言い、前に進もうとしましたが行けません。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  36話 復讐 (画・文:新開のり子)

夜、家の電話が鳴りました。 「もしもし」と電話に出ると 元気な声で「わたしわたし」と言います。 「はい?」と聞き返すと「わたしよーわたしー」 「どちらさまですか?」 名前を聞いてやっと思い出しました。 「えーどうしたの! どうしたのー久しぶりすぎー!!」 なんとも珍しい旧友からでした。 あーこの声! この声!懐かしい声。 彼女とは高校を卒業したあと何年も音信不通になっていました。 以前は、遊び終わった後もずっと長電話をするほどの仲でした。 話し上手の友人は、会話が止まらず早口です。 口の動きが忙しく、よく笑う楽しい人。 電話中もお互いに食事をしながら会話します。 食べたり飲んだり話したり聞いたり。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  37話 ブルドック (画・文:新開のり子)

どんよりとした空、強い雨が急に降り出し雷も鳴っています。 私がびしょ濡れになりながら会社に出勤すると、珍しい人が珍しく話かけてきました。 「今日の天気は、大荒れねーアハハハハハ」と奇妙に笑うのは先輩のブル子さんです。 その日の朝は、いつになくご機嫌でした。 ブル子さんは朝からポテトチップスを配っています。 「好きな味じゃないから、あげるわ!」と言っています。 意地悪の代表みたいな先輩が配るお菓子は何だか怖いです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  38話 さよなら紫陽花 (画・文:新開のり子)

紫陽花が綺麗に咲く頃 新しい会社に転職しました。 「おはよう!」と元気な声をかけてくれるのは、少し年上のノバラさんです。 とても明るいノバラさんに一日の仕事を教えてもらいます。 午前中はノバラさんと一緒に植物の世話やゴミ捨て掃除など身体を動かすことがほとんどで、午後はデスクワークといったところです。 夕方に社長と男性スタッフが帰ってきますが、ほぼ入れ替わりで退社します。 定時に上がれるのはとても嬉しいです。 午前中に出勤すると、前日に使い終えた茶殻を肥料代わりに土にパッパと撒きます。 タバコの匂い消しにはコーヒーの粉を乾燥させ灰皿に入れるなど…… 外では、綺麗な紫陽花が雲のようにモコモコっと咲いて可愛さにうっとりしてしまいます。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  39話 私の闇 ① (画・文:新開のり子)

美容部員の接客業をしていた時のこと。 お店の中を行ったり来たり忙しく歩く度、首のスカーフが風になびきます。 最近制服が新しく変わり、首の右側にスカーフを花のよう巻き付けるスタイルになりました。 火曜日の午後になると 杖をついた年配の男性客ががお店に現れます。 私達は、「また来たなー」と目を合わせます。 今日は、いつも以上に激しく杖を振り回します。 「なんだー!その制服は!! お前達!一列に並べー!」

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  40話 私の闇 ② (画・文:新開のり子)

社員旅行に行った時の事。 学生時代のような無邪気な気持ちの旅行とは違い、どんな旅行になるのか不安な気持ちでいっぱいです。 大きめのポストンバックに荷物を詰め込み出発しました。 旅行先では、主にお寺巡りをします。 無言でひたすら歩き、お参りをします。 一日中歩き周るので全身が 汗でびしょ濡れです。 タオルを首に巻き、ポタポタ垂れる汗を拭います。 ずいぶんと健康的な社員旅行です。 まるで合宿に参加している気分です。 朝・昼・夕は皆で食事を摂りますが、あとは部屋で自由行動です。 フラフラと立ち寄れるようなお店はまったくなく、あるとすれば自動販売機だけです。 部屋に戻り一息つきます。部屋割りは会社で決めた、一部屋に二人ペアで泊まります。 組み合わせ方法は、あみだくじです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  41話 私の闇③ リストラ要員 (画・文:新開のり子)

私にしては長く働いていた会社での衝撃な出来事をお話します。 仕事中に突然、上司から呼び出しがありました。 良からぬ事だろうとすぐ察しました。 隣の席の人がさっき呼ばれて戻ってきてますが、ずっと下を向いて泣いています。 次は、私が確実に呼ばれる気配です。 そう思っていたら、2秒後に呼ばれました。 下っ端2人だけの呼びだしでした。 個室に入り、上司の斜め前に座りました。 上司は、「早速なんだけど」と切り出し、淡々と業績不振と今後についての説明をしてきました。 肩を落とした私をみて上司は、「頑張ってきたよねー よく頑張ったと思うよ」となんだか終わりを告げるようなことを言ってきます。 物腰の柔らかい言い方ですが心にぐさっと突き刺さる言葉です。 「早期退職の募集をする」というのです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  42話 私の闇④  リスリトラ要員~自主退職までの歩み (画・文:新開のり子)

自主退職するまでの過程のお話です。 仕事量が今より多くなる、そういういった条件付きでなんとか会社に残る事ができました。 毎日、出掛ける前のヘアセットに時間がかかります。 後ろ髪をめくると500円大のハゲが2ケあるため、ピンで留めたり工夫してでかけます。 生まれて初めてできた円形脱毛症、地肌の柔らかさに感動してばかりはいられません。 本来なら会社の人にも相談するのでしょうが誰にも話せる人はいません。 今日もしっかり500円玉ハゲを隠して出勤です。 頭にばかり気を取られていたせいか会社に着くと大切なものを家に忘れてきたのを思い出します。 まだ、お局が出勤していません。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  43話 緊急投稿 急死に一生編 誤診? (画・文:新開のり子)

飲み込むと痛い、皮膚を触ると膨れている、気道近くに異物感がありました。 前にコロナワクチンで行ったことがある近所の病院に電話連絡をしてから行きました。 病院の駐車場へ案内され、そこで待つようにいわれ、パイプ椅子に座りました。 「今からPCR検査をします。結果が出るまでここでお待ちください」 と言い残し、女性スタッフは行ってしまいました。 ひとり駐車場で椅子に座る私、車を取りにきた人たちに不審がられました。 炎天下のなか、日陰がないところにどれくらい座ったでしょうか。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 44話 緊急入院編 セカンドオピニオン (画・文:新開のり子)

はじめは何かの炎症くらいにしか思いませんでしたが、「緊急入院」と医師に言われました。 「緊急入院」と言われているにもかかわらず私は医師に「入院をせず帰った場合はどうでしょうか」と、とんちんかんなことを言いました。 医師は冷静に「夜になり重篤化すると窒息死する可能性があり危険です。救急車を待ってるあいだに間に合わず、窒息死する場合もあり、たいへん危険な状態です」と説明してくれました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  45話 緊急入院編 病室の様子 (画・文:新開のり子)

はっきりかたをつけてよ♪ もたもたしているうちに 部屋は埋まり「この部屋で我慢してください!」選ぶ選択肢もなくなりピシャリと言われてしまいました。 やってられないわ♪と歌いたくなります。 仕方なく諦めて、90代の方の痰取り時間になると素早く部屋を出ることにしました。 部屋を変えて欲しいと言ってから、隣のおばあさんの痰の回復がみられてきました。 薬が効いているようです。 しかしまだ熱が下がらないという事なので私は、なるべく部屋にいる時間を減らし誰も居ない談話室で一人座ったりしています。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  46話 緊急入院編 奇妙な音 (画・文:新開のり子)

同室の私の向かい側から聞こえる大きくハキハキした声の女性 「え?何?」といって看護婦さんと会話にならないようです。 看護婦さんは、「今日は、飴を何個食べたんですか?」と聞きます。 その後、看護婦さんの問いかけに一切答えません。 看護婦さんは諦め行ってしまったようです。 そのあと、カシャカシャと音がしますが、それが飴だったとは、その日はじめてわかりました。 看護婦さんがまた戻ってきたようです。 名前を呼んでも返事もしません。 寝てしまったのでしょうか?

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  47話 緊急入院編 退院 (画・文:新開のり子)

部屋のカーテンをガバッと開ける看護婦さん。 「先生の診察がありますよ!」 いつもの点滴を終え診察室に行くと、検査結果が良くなってきているのでもう少しで退院できるでしょう!と先生より嬉しいお言葉をいただきました。 静かに横たわり点滴が終わるのを待ちます。 しばらくすると昼食の時間がやってきました。 待ちに待った食事の時間です。 看護婦さんがそれぞれベットまで食事を運んでくれます。 私は、食事が運ばれてくるなり、勢い良く食べました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  48話 私の闇5 リストラ要員~自主退職後(画・文:新開のり子)

定年までいる夢もはかなく退職をすることにしました。 退職後は、ストレスでなってしまった円形脱毛症の治療のために病院に行きました。 頭皮にドライアイスのような冷たいものをあてながら、円形脱毛症担当の先生が「心のケアをするのがとても上手な先生がいるから紹介してあげる」と言ってきました。 「とても優しい先生だよ」というので後日、紹介された病院に行きました。 心のケアをしてくれる病院・・・ 中に入ると怖そうな風貌の女医。 高圧的な態度でのカウンセリング。 優しいと聞いていたのに病院を間違えたのかと思うくらいでした。私の体型を見るやいなや「あなたは過食症ね!」と診断されました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  49話 50代の就職活動 (画・文:新開のり子)

この歳で思いもよらない転職活動を始めることになりました。 毎日当たり前のように会社に行っていた時を思うと社員を辞めるなんて考えてもいませんでした。 やはり次も社員として働きたいと思い、求人サイトで社員登用ありの求人を探し始めました。 今までの経験から、毎日毎日何が起こるかわからないよりも、毎日同じルーティンでやる事の方が好きだということがわかりました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  50話 待ちに待った面接!! (画・文:新開のり子)

やはり、社員の道は諦めるしかなさそうです。 そんな時、求人募集で「オープンニングスタッフ募集‼️正社員‼️年齢不問‼️」に目がいきます。 どうやらオシャレなパン屋さんです。 年齢も大丈夫そうです‼️  さっそく申し込みをすると面接に来てくださいというので行きました。 気持ちは、もう合格した気分です。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  51話 パートタイマーはじまり (画・文:新開のり子)

運良く、仕事が決まりパートがスタートしました。 オシャレでセレブ御用達のお店での接客経験者という事で面接を受けました。 面接に行く途中、何度も何度も途中で引き返そう!と 戸惑いながらも、面接に行くことにしました。 応募する時の気持ちと実際面接が決まった時の気持ちのズレがだんだん生じてきました。 面接地のお店には、高身長スタッフばかりです。 「あのー面接にきました」と声をかけても聞こえません。 また来る人に 「あっあのー」と声をかけますが、耳まで届かないようです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  52話 質問攻め (画・文:新開のり子)

パートを始めて数日が経ちました。 この年齢で連日フルタイムで働くのは珍しいのか「よくシフトに入ってるね。いつもいるからびっくり!」と声をかけてきた若者がいました。 ある日、近づいてきて真顔で質問をしてきました。 「ねえ、いったい何歳なの?」 いちばん聞かれたくない質問にストレートパンチを喰らっている間に 「旦那は?子供は?」とボディーフックを入れてきます。 「独身です。」と苦しみながら言うと

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  53話 ともだち (画・文:新開のり子)

仕事中、私の携帯がプルプルと何度も振動します。 ポケットに手を伸ばしますが忙しくて携帯を見ることができません。 帰り際、やっと携帯を見ることができました。 驚くことに着信履歴が数分おきに並んでいます。 ギョッとして思わず携帯を伏せてしまいました。 イタズラ電話?  急用?  こちらからかけ直すのも気が引けるのでそのままにしておきました。 着信履歴のことを忘れた頃、携帯が鳴りました。 一瞬、びくっとしました。 先程の着信履歴の電話番号からでした。 勇気をだし電話に出てみると女性の声でした。 「のりちゃん!かなえだよ!  元気だった!?」

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  54話 一人旅 (画・文:新開のり子)

休日、7時台の新幹線に乗るため、少し早めに駅に到着したので駅弁やアイスクリームを買ってホームで待ちました。 ホームにはカメラで構えている人が何人か居ました。 私も携帯のカメラの用意をし動画に切り替えました。 到着時間になり、 「はやぶさ」が見えました。 動画は、順調に撮れています。 「かっこいいところを撮るぞ!!!」と私は気合いが入ります。 すると駅員さんが低い声で「もう少し中に入ってください!」 慌てた私はよろめいてしまいました。 あーこれは失敗だー。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  55話 一人旅 帰り (画・文:新開のり子)

夜は心配することなく、ぐっすり眠ることができ翌朝を迎えました。 青森駅周辺の観光を楽しみお土産屋さん巡りをしてから新青森駅に向かいました。 新青森駅から新幹線に乗る為に早めに来ましたが1時間以上も余裕があります。 駅ビルをブラブラしていました。 1階にお土産屋さんがあります。 オレンジ色の照明は、温かい雰囲気なので吸い込まれるように入って行きました。 青森グルメやお土産、特産品!豊富な品揃えです! 時間は、たっぷりあるのでじっくり見て周ります。 魅力的なお土産がいっぱいです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  56話 黒猫 帰り (画・文:新開のり子)

仕事に行くため駅に向かっていると、視界になにやら入ってきました。 思わず立ち止まると、黒い猫が私の目の前をゆっくりゆっくり横切っています。 なんてタイミング!  なんだか、疲れているのだろうか?  片足を少し引きずっているようです。 瞬間的に私は、目を細めてしまいました。 なんだか見ていけないものを見てしまったようです。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 57話 挫折続きのダイエット (画・文:新開のり子)

ダイエットに挑戦していた時期のこと。 食べても食べてももの足りない! ずいぶん長い期間、一日あたり3000カロリー越えの生活をしていました。 主食は、炭水化物。 パン、麺、ご飯と野菜は一切食べません。 たまに少し入っているだけでもハズレくじを引いてしまったようでガッカリしていました。 飲料は、お酒かジュース。 水や麦茶は、味が薄いので避けていました。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  58話 トランプカード (画・文:新開のり子)

昔あった夏休みの出来事。 朝、気持ちよく寝ていると 頭の上のほうから激しい音が聞こえました。 ガッチャーン!ゴロゴロ カンカンカーーーン! 解体工事をやっているような激しい音がします。 カーンカーンカーン! うるささに耐えきれず布団をかぶると誰かが乱暴に布団を剥ぎ取りました。 誰がこんなことを! 寝起きで視界は、ぼんやりです。半笑いをして立っている女性が鍋をお玉で叩きまくっています。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  59話 北海道のおばさん (画・文:新開のり子)

夕方、男子達が仕事から戻ってきました。 北海道の友達の家に気軽に遊びにきたはずが、男子はアルバイトという形でしっかり仕事をしています。 私達3人は、家の中で一日中、安田くんのおばさんと家事手伝いをします。 先日、トランプで負けてしまった私は、何十年分の汚れが溜まった泥だらけの玄関の掃除を頼まれました。 掃除を済ませ台所に行くと、気分良さそうにおばさんが「今日は、いつもと違う食器を使うからあの棚からとってちょうだい」

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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