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2016年11月23日 Vol.237

art

手芸のアナザーサイド 2 ミクラフレシアと「ニット・オア・ダイ」

先週の「山ぐるみ」に続いてお送りする、セルフトート手芸の最前線。図面を見ながら編んでいくような手芸とはまったく別次元の、自分でてきとうに縫ったり編んだり、ようするに紙やキャンバスと絵の具の代わりに、布や毛糸を使って生み出された「柔らかい立体」としての手芸作品のつくり手たち。今週は東京在住のアーティスト「ミクラフレシア」をご紹介する。世界最大の花にして毒々しい臭いを放つラフレシアと、ご自身の名前である「ミカ」を組み合わせたというミクラフレシア。怪獣、妖怪、巨大蛸、蛾、異形の人間・・・ふつうの手芸のかわいさとはかけ離れた物体でありながら、だれもがまず「かわいい!」と口走ってしまうにちがいない、キュートとグロテスクとシュールが鍋で煮詰められたような、なんとも不思議な立体作品を生み続けている手芸作家だ。

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art

ブラック・イズ・ビューティフル?

ケ・ブランリ美術館でいま開催中の展覧会が『カラーライン(The Color Line)』。カラーラインとはボクシング界で、白人チャンピオンが黒人挑戦者との対戦を拒否できたシステムで、アメリカにおける人種差別を象徴する言葉になっている。そう、この展覧会は19世紀の奴隷制廃止から現代にいたるまでの、アメリカの人種差別の歴史のなかで黒人(アフリカ系アメリカ人)たちが生み出してきたアートを俯瞰する、非常にユニークで、しかもトランプ大統領当選という絶妙のタイミングに(結果的に)リンクしてしまった、挑発的な企画でもある。今回は本メルマガでもおなじみ、パリ在住の作家・飛幡祐規(たかはたゆうき)さんにお願いして、展覧会を観てきていただいた。会期は来年1月17日まで。クリスマス~正月にパリ旅行を考えている方は、ぜひ足を運んでいただきたい。

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fashion

捨てられないTシャツ 65

荒川銀河野球団/36歳男性(会社員)/生まれが神奈川県茅ケ崎市で、近くに海がありました。その後の住環境においてもけっこう影響していて、都内の中でもなるべく「空が広く見えるところ」を探して住んでます。親の影響で小学校の低学年から野球好きで、巨人ファンでした。月曜日以外の夜7時からはナイター中継が始まるんで、僕らの世代の男の子ならみんな見てたであろう、ドラゴンボールや北斗の拳、聖闘士星矢とかは見てません。代走専門の栄村忠広とか、シュートが得意な二軍の最多勝投手松谷竜二郎とか、クセのある地味な選手が好きでした。

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design

絶滅サイト 10「超長髪女性」~「ナチズム」(文:ハマザキカク)

超長髪女性の専門サイト『Long Hair Magazine』――このサイトは何度か本気で出版の依頼メールを出そうか迷った事があるので、正直この『絶滅サイト』で紹介するには躊躇いがある。超が付くほどのロングヘアーの女性達の写真を沢山掲載したサイトである。1997年から開始しているので相当な老舗サイト。閉鎖された訳ではないのだが、最後に確認出来る更新日は2013年で、それも2回のみで2009年以降はあまり目立った動きがない。ブログへのリンクがあるのだが、それの最終更新は2012年。ただロングヘアだったら良いわけではなく、染めていないのも必須条件だ。ロングヘアの女性の写真集にはインタビューも掲載されており、手入れの仕方やいつから伸ばしているのかなどを聞いてる。他に「ロングヘアの有名人」や「ロングヘアとファッション」「ビューティフルヘア」などのコラムも多種多様に設けられていて、コンテンツ作成能力が高い。こうやって説明を書いていると、また依頼したくなってきてしまった。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 14 The Enchanted Highway, Regent, ND

ダコタ・・「ど田舎」の代名詞のように使われる単語である。アメリカの地図を広げてみてほしい。真ん中からちょっと西側の、いちばん北にあるふたつの大きな四角。それがノース・ダコタとサウス・ダコタだ。1889年にノースとサウスに分かれたダコタ。ノースのほうは日本の約半分という広い土地に、たった65万人しか住んでいない。200万頭いるという牛のほうが、ずっと多いくらい。そういう、はっきり言って見所の多くないノース・ダコタで、いまや特選名所となっているのが『エンチャンテッド・ハイウェイ』。日本語にすれば「魅惑の道」という感じだろうか。どこまでも広がる草原を突っ切って走る舗装路の、数キロおきに現れる巨大な彫刻群。それは馬にまたがるルーズベルト大統領であったり、ブリキの家族であったり、バッタであったり、モチーフはさまざまだが、どれも共通しているのはとてつもないサイズだということ。

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2016年11月16日 Vol.236

art

手芸のアナザーサイド 1 山さきあさ彦の「山ぐるみ」

「手芸」という言葉に引かれるひとと、惹かれるひとと、ロードサイダーズ界隈にはどちらが多いだろうか。おかんアート系はともかくとして、「手編みのセータ-」みたいな普通の手芸をこのメルマガで取り上げようと思うことはなかったが、アウトサイダー・アーティストには布や糸や毛糸を素材に、すごくおもしろい作品をつくるひとがたくさんいる。そしてこのところやけに気になるのが、アウトサイダーとは言わないまでも、図面を見ながら編んでいくような手芸とはまったく別次元の、セルフトート=自分でてきとうに縫ったり編んだりしている、ようするに紙やキャンバスと絵の具の代わりに、布や毛糸を使って生み出された「柔らかい立体」としての手芸作品。今週と来週の2回にわたって、ふたりの作家による手芸のそんなアナザーサイドを紹介してみたい。

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movie

『BAZOOKA!!!』の遺産

高校生ラップ選手権、北九州成人式、ヤリマンの主張、練マザファッカーx新垣隆・・・バラエティ番組のかたちをとりながら、地上波ではとうてい望めないひりついたリアルを毎回教えてくれた『BAZOOKA!!!』が終わってしまって、もう2ヶ月になる。僕も何度か出演させてもらい、このメルマガでも高校生ラップ選手権を中心にお伝えしてきたので、『BAZOOKA!!!』ファンの読者もきっといるはず。番組終了から少し時間が経ってしまったけれど、まだYouTube上にはたくさんの映像が残っている。今回は総合演出の岡宗秀吾さんと、僕を『BAZOOKA!!!』に誘ってくれた構成作家の堀雅人さんにお話を聞きながら、このユニークな、というより日本のテレビ業界では奇跡的と呼びたい番組を振り返っておきたい。

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fashion

捨てられないTシャツ 64

ベルベット・アンダーグラウンド/55歳男性(デザイナー)/1961年生まれ、ホコリまみれの公害も激しい川崎で小学2年まで育つ。川崎競馬場の焼き鳥屋で捨てられた串を拾って虫かごをつくり、競馬場にいるバッタを捕まえてその中に入れ、負けた人に売っていた。20円か30円くらいだった気がする。その稼いだお金で買っていたのはベニヤ板。ベニヤ板の会社が学校の近くにあり、そこでベニヤを見て、なんてかっこいいんだと思って集めていた。小学校の途中で母親が原因不明の病気になり、治療のため静岡に引っ越す。父親は病院の近くに住み、ひとつ上の姉と自分は母親の実家で、爺ちゃん婆ちゃんと中学まで暮らした。

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art

アウトサイダー・キュレーター日記 22 金山勝茂(写真・文:櫛野展正)

地方の道路を走れば、よく目にするもののひとつに、道沿いに立つ交通安全人形がある。「飛び出し坊や」と呼ばれる既成の人形がお馴染みだが、田舎に行けば行くほど、個人レベルでそうした人形を手作りしている人たちは多い。今回は、そんな交通安全人形の作り手に会うため、広島県福山市から電車を乗り換えること5時間強(遠かった…)、長崎県平戸市を訪れた。歴史の教科書で、誰もが必ずその名前を目にしたことがある平戸市。16 世紀にはポルトガル船が来航し、キリスト教伝来の窓口にもなった異国文化が息づく港町だ。レンタカーで県道を走っていると、交差点に平戸の歴史や伝統とは無縁の奇妙なオブジェの乱立するスポットが現れた。敷地内には、「交通安全」と書かれた電波塔や、自転車に乗ったミッキーマウス、そして映画『スター・ウォーズ』に登場するC-3POとR2-D2など様々なキャラクターを模したオブジェが点在し、既にパラレルワールドと化している。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 13 The Oasis Bordello Museum, Wallace

東海岸のボストンから西海岸のシアトルまでをノンストップで結ぶ、90号線という州間高速道路がある。1990年代初めまで、このスーパーハイウェイにたったひとつだけ信号があった。アイダホ州ウォレスという鉱山町に。いまでこそ時代に取り残されてしまったような小さな町だが、ウォレスはかつて世界最大の銀山を擁する、活気に満ちた鉱山町だった。人口1万人以上、もちろんそのほとんどがヤマで働く男たちで、最盛期には男対女の割合が200対1に達したという。そこで、売春宿の登場となる。町の一角にかつては5軒の売春宿が並び、華やかなネオンサインを競っていたが、当然ながらいまは存在しない。とはいえ最後まで営業を続けていた『オアシス・ルーム』がその扉を閉じたのは、意外にも1988年のこと。つい最近ではないか。

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2016年11月09日 Vol.235

photography

時速250キロの車窓から

世の中にはいろんな職業があるが、増田貴大の仕事は「毎日2回、新大阪と広島を新幹線で往復すること」。病院から検査機関に送られる血液検体を運ぶための「荷運び屋」である。いつものように荷物を持って窓際の席に座って、外の景色を見ていたら、こちらに向かって手を振る親子連れが見えた。「いい絵だなあ、これを写真に撮ったら、いい作品になるだろうなあ」と思ったのが、それまでカメラマンを目指したものの上手くいかず、30歳を過ぎてもフリーターのような生活に甘んじていた生活の転機になった。次の日からカメラを持って新幹線に乗るようになって、撮りためた車窓からの風景はこの9月に新宿コニカミノルタプラザで『車窓の人々』と題した写真展になり、ビジュアルアーツフォトアワード2016で大賞を獲得、来年1月には初写真集も発売される。

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art

水枕 氷枕

いかにも金沢らしい築百年という町家。浅野川に面したその家の1階は、2万冊を超える蔵書が並ぶ私設図書館。2階に上がれば畳敷の展示室。ホワイトキューブの美術館やギャラリーとはかけ離れた、ゆったりと静かな空間で福田尚代展『水枕 氷枕』が開催中だ(11月21日まで)。本メルマガ2015年5月20日号で紹介した福田さんは、アーティストであり回文作家でもある。1967年、埼玉県浦和市生まれ。東京芸大・油絵科から大学院で学び、アメリカ・ワシントン州の森の中の小さな町で暮らしたのちに帰国。市役所、プラネタリウム、絵画教室、郵便局・・・いろいろな仕事で生計を立てながら、ずっと制作を続けている。

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fashion

捨てられないTシャツ 63

ミスターピーナッツ/61歳男性(自営美術)/就職もしないままそこにい続けて、『自然と盆栽』という雑誌のカットを請け負うようになった。 定期的に大宮盆栽村に通い、写真では伝わりにくい枝や根の剪定イラストをその部屋で描きながら、相変わらず「自分の作品」を作り続けた。

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music

サラヴァ・レーベルの50年

『男と女』の監督はクロード・ルルーシュだが、これはピエール・バルーの映画でもある。そしてそのピエール・バルーが1966年に創設した、ヨーロッパ最古のインディーズ・レーベル「サラヴァ」が今年で50周年を迎え、先週まで渋谷アツコ・バルーで記念展を開いていたのは、Facebookページで告知させてもらったとおり。アツコ・バルーはこの夏に『神は局部に宿る』展を開かせてもらったギャラリーだが、オーナーのアツコ・バルーさんはピエール・バルーの奥様でもある(ついでに僕の中学の同級生!)。その展覧会は1960年代からの貴重なオリジナル写真やアルバムジャケット、テキスト資料が惜しげもなく、しかも壁面に無造作に飾られて、そこに手書きポストイットが貼られるという・・・サンパティックにもほどがある!スタイルで展示されてて、こういうところがいかにもサラヴァっぽいというか、フランス的なヒップという感じだった。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 12 UFO Museum & Research Center, Roswell

アラスカ、テキサス、カリフォルニア、モンタナに次いで全米5番目の広さを誇るニューメキシコは、北のコロラドから、リオグランデ河を挟んで南のメキシコまで、大ざっぱに言えば北から南に向かってなだらかに下っていく長方形の州。4000mを越える高山から砂漠まで、たいへん変化に富む自然が楽しめる。サンタフェやタオスで、土着のアドービ(土煉瓦)を使った建築を観賞したり、プエブロ、ナバホ、アパッチ族などの生活に触れたり、アウトドア・スポーツに挑戦したりと、いろんな遊び方があるわけだが、観光地だからこそ、ヘンなロードサイド・アトラクションも選り取りみどり。中でも「UFOで町おこし」をはかるロズウェルは、マニアにとっては聖地とも言える存在だ。

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2016年11月02日 Vol.234

art

版画壁――シンガポールの大竹伸朗展

東南アジア最重要都市のひとつでありながら、東南アジア・フリークにはもっとも人気のないデスティネーション、それがシンガポールだ。マーライオンやナイトサファリ、みたいな定番観光地とショッピング。ひたすら清潔な街並みと欧米並みの物価・・・アジアの混沌に浸りたい旅人にとっては物足りないイメージしかないのだろうが、シンガポールは21世紀に入って「アートによる観光立国」を目指し、新たな美術館建設やビエンナーレの開催など、矢継ぎ早に大胆なプロジェクトを実現させている。「カネはあるけど文化はない」というイメージも今は昔。ソウルと並んで、アジアのアート・ハブを目指す競争の先頭を競っているのが、現在のシンガポールでもある。10月27日からは5回目となるシンガポール・ビエンナーレが始まったばかりだが(来年2月26日まで)、それに先行して9月末から11月5日までシンガポールSTPIで開催中なのが大竹伸朗展『Paper ― Sight』。会期末ぎりぎりになってしまい申し訳ないが、今週は作家自身による制作日記も含めて、このユニークな展覧会の模様をお伝えする。

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fashion

捨てられないTシャツ 62

ネズミ講/31歳男性(半野宿会社員)/佐賀県出身。中学生の頃、校内で乱闘騒ぎがあり、暇だったので傍観していた。「見ているだけでもイジメです」との理由で反省文を書かされた。『人間社会の成り立ちは闘争の歴史であり、戦争行為も法律で規定されているということは、人間の本質的な因子の中に暴力は組み込まれており、そこに勝者と敗者が介在するのはイジメる遺伝子を持つ人間とイジメられる遺伝子を持つ人間がいるからであり、抜本的にイジメを根絶するためには道徳ではなく、人類全体の遺伝子治療が必要だ』という旨をしたためて提出した。

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photography

トーキョー・ハロウィーン

10月30日深夜、福岡空港から地下鉄に乗って天神駅で降りようとしたら、ナース・コスチュームのゾンビがひとりで、ぽつんとホームに立っていた。きょうは31日。いまごろ渋谷の交差点は大変な賑わいになっているのだろうか。「バカやってるいまどきの若者たち」を探して、マスコミがぎらついた眼(とレンズ)で走り回ってるのだろうか。キリスト教徒でもなんでもない日本の子供(とママ)への新規市場開拓として導入されたはずのハロウィンが、こんなに異常な、日本独特の盛り上がりを見せるようになってもう数年が経つ。いったいこの事態を誰が予測しただろう。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 11 BibleWalk, Mansfield

オハイオ中部の田舎町マンスフィールドのお話。1970年代の初めごろ、リチャード・ダイアモンド牧師と妻のアルウィルダは、地元の人々に「ヒッピー教会」と揶揄される小さな教会を切り盛りしていた。ジョージア州アトランタに旅行したときのこと、ふたりはなんの気なしにロウ人形館に立ち寄ってみた。歴代大統領や有名人のロウ人形を眺めていると、最後にイエス・キリストが昇天する場面が登場した。気がついてみればふたりの目からは涙がこぼれ、自然に跪いているのだった。「神の偉業を讃えるロウ人形館を作りなさい」と、ダイアモンド牧師と妻のこころに、そのとき神が語りかけてきたのだった。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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