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2019年06月26日 Vol.361

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 71『夜来香(イエライシャン) 名古屋・栄店』Oka-Chang(エッセイスト)

「実は」から始まる話が好きだ。「実は親が有名人」「実は浮気をしている」「実は真面目」「実は女」などなど。双方に「信頼」という下地作りがしっかりした「実は」もあれば、フライング気味の「実は」もある。「つい」とか「うっかり」とか、そんな「実は」の中にこそ、人間の味が隠れていたりするわけです。これからする話も「実は」の部類に入る。

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art

地の果ての謝肉祭

MONA=ミュージアム・オブ・オールド&ニュー・アート。美術ファンならすでにご存じの方も多いだろう。タスマニア州都ホバート郊外の貧しい町、グレノーチーに生まれ育った天才的なギャンブラー、デヴィッド・ウォルシュが、数百億円にのぼる私財を注ぎ込んで開いた、SEX & DEATH=性と死のテーマに特化した古代から現代に至るコレクションという途方もないミュージアムは、タスマニアを一夜にして「いま世界でいちばん行きたいクールな旅行先」に変えてしまった。そのコレクション、デザイン、オペレーションにいたるまで、「ふつうの美術館」の真逆を行くMONAが、夏と冬の年2回開く音楽とアートの祭典、それが夏(つまり日本の冬)の「MOFO」であり、冬(日本の夏)の「DARK MOFO」である。ちなみにMOFOとは「MONA FOMA=Museum of Old and New Art: Festival Of Music and Art」の略。6月6日にスタートし23日に閉幕したばかりの、7回目となるDARK MOFO 2019には、本メルマガで何度も取り上げ、8月には「あいちトリエンナーレ」にも登場するサエボーグが参戦した。

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photography

Freestyle China 即興中華 網戸のメッシュが散らす命:写真家・仇敏業(チョウ・ミンイエ)(写真:チョウ・ミンイエ/文:吉井忍)

中国に『城市画報(City Zine)』という月刊のカルチャー誌がある。国内最大級のメディア企業「南方報業伝媒集団」を母体としていることもあり、他誌が出版不況を背景に停刊になったりオンラインに移行する中、なんとか耐え抜いて今年20周年を迎えた。個人的には10年以上前に北京のカフェで見つけたのが出会いで、その日は店にある同誌のバックナンバーを夢中になって読み漁った。音楽やアートに本屋さんなど、中国の若者の身近な話題に焦点を当てた誌面が、その頃はまだ珍しかったのだ。以来、新聞スタンドで見つけると買うようにしていたのだが(当時は隔週発行だった)、ある時ページをめくっていたらふと気になる文章を見つけ、切り取ってノートに挟んでいた。その文章を書いたのが、今回お話を伺った広州市在住の写真家、仇敏業(チョウ・ミンイエ)さんだ。

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movie

桃色の罠――日本成人映画再考 10 和泉聖冶と木俣堯喬、桃色親子鷹(文:鈴木義昭)

ちょうど1年くらい前、毎週欠かさずチェックして楽しみにしていたテレビドラマがある。綾野剛主演の連続ドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日系/2018年7月~)だ。テレビはニュースやドキュメントをよく見るが、ドラマはあまり見ない。いちおう映画派のつもりだからだが、この時はオンエア前から期待した。なぜかと言えば、監督が和泉聖治だったからだ。原作は真山仁のヒット小説「ハゲタカ」、既に映画にもなっているが、今度のドラマ化はあの『相棒』シリーズを作った男、和泉聖治が担当すると聞いてテレビの前に坐った。

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lifestyle

SNSの神々 第2回 「春画人形」を愛する男(文:吉村智樹)

「都築響一さんがお書きになった『珍日本紀行』という、日本の珍スポットを集めた本がありますでしょう。この本に岡山県のカブトガニ博物館が出てきます。あのページに載っている巨大生物をつくったのが、私なんです」カズやんさん(58)は、そう言って、僕を驚かせた。ツイ廃(Twitter中毒)の僕は、以前から「春画人形の世界」というアカウントをフォローし、ツイートを楽しく読んでいた。アカウント「春画人形の世界」には、「+R18/集めている艶っぽい博多人形や土人形などを紹介します」という一貫したテーマがあり、たくさんの色っぽい人形がアップされ続けている。運用するのは「カズやん」と名乗る人だった。「自作の浮世絵四十八手人形も制作中」との短いプロフィールがあり、どうやら造形の仕事をしているらしい。しかし、詳しいプロフィールは、まったくわからなかった。

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2019年06月19日 Vol.360

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 70『私がジョン・ヴォイトになった日』高橋洋二(放送作家、ライター)

荻窪の「丸福」に初めて行ったのは大学生になった1982年だった。当時のグルメジャーナリズムは今日のように多彩ではなく、そもそもラーメンについてあの店が美味いとか不味いとか皆がわあわあ言う習慣は無かった。そんな中、若い演芸評論家の山本益博氏が「東京・味のグランプリ200」をドーンと世に送り出し、いい店とそうじゃない店を実名で発表した。しかも寿司、天ぷら、鰻、洋食といったトラディショナルなジャンルに加えラーメンについても健筆を振るい、「丸福」は唯一の三つ星評価を獲得していた。

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art

モンマルトルのロウブロウ・アート祭 3(文:アツコ・バルー)

今回のパリ、アルサンピエールでのグループ展のリポート第3弾である。それにしても世界中からよくまあこれだけユニークな人たちを集めてきたものだ、と感心させられる。それはHey!マガジンの長年の積み上げ、2000年から取り上げてきた作家の幅の広さと密度の成果であろう。もっともHey!の主催者、アンヌとジュリアンは1990年からすでにギャラリーを開いていたので、もう29年にわたる歴史がある。アルサンピエールはパリ市が旧市場を改造して1995年にオープンしたアールブリュット、アウトサイダーアート、特殊なアートに特化した美術館である。東京都にもこういうのを作りましょう。ということで4年ほど前に舛添知事が見学に来たことがあったが、そのすぐ後でスキャンダルがいろいろあったようであっさりと知事は退任して同時に計画も消えてしまった。

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art

変えられないものが痛みだとしても――第7回・心のアート展

東京八王子市の平川病院や足立区の東京足立病院などで、精神科に入院・来院する患者たちのために〈造形教室〉をもう50年以上続けている安彦講平さんとの出会いから、2015年に「詩にいたる病――安彦講平と平川病院の作家たち」と題した連続企画を掲載した。その縁で知ることになった『心のアート展』が、今年も6月末の6日間、池袋・東京芸術劇場内のギャラリーで開催される。2017年に開催された前回の展示は「心のアート展・印象記」で詳しくお伝えした。2年ぶり7回目となる今回も、東京精神科病院協会・会員21病院、関連3施設の計24施設から437作品の応募を得て、審査を通過した262作品が展示されるという。広い会場いっぱいをエネルギーに満ちた作品が埋め尽くす『心のアート展』は、アールブリュット/アウトサイダー・アート領域で、実は日本屈指の規模を誇るグループ展なのだ。

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art

波磨茜也香のおんなのこ散歩 第5回 3年かけた答え合わせ、そして近況報告

6限の授業が終了し、やったね!明日は土日で休みだと内心浮かれていたら、後ろから18歳の同級生Rちゃんが「波磨さん…」と神妙な面持ちで声をかけてきて、どうしたと聞いたら「波磨さん、言いたいことわかりますよね……」いや、まったくわからないよ。どうしたんだい?「……波磨さんって本当に貧乳なんですね」と言われたのはつい先日のこと。へへ、まあ前回自分の貧乳のネタで1つ記事書いたし、絵も描いてるし、色々踏ん切りついて堂々と生きてますからね。そのときは「ま、貧乳で時々お金もらってるからね!」と即座によくわからない返事をしたのですがこれは18歳にはかなり誤解を与えているのではないか、いや、もう仕方ないか。これ以上考えるのはやめよう。

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music

アナログの中に未来がある(撮影・文:村上巨樹)

ミャンマーの音楽を研究している僕は、毎年現地に行ってはメディア問わず音源を買い集めている。カセット、CD、VCD(ビデオCDの略、動画ファイルが大量に入ったCD)――中でも好きなのがレコードだ。理由はいくつもあるけれど、物としての存在が大きい事と、この国でレコードが生産されていた時期と僕が好きなミャンマー歌謡曲のリリース時期が重なっているからだ。レコードが廃れた後にカセット黄金期を迎えるけど、その頃の音楽は欧米ポップスに倣ったものが多く、正直面白くない。古いメディアの方が、ミャンマーらしさが残っている歌が多く吹き込まれている率が高い。しかしこの国でレコードを見つけるのは至難の技だ。カセット文化への移行期にほとんど捨てられてしまったからだ。CD店の店員に聞いても「レコード? それって何ですか?」と聞き返される始末。

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2019年06月12日 Vol.359

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 69『修行道場 高野山』梶井照陰(僧侶/写真家)

ピピピピ........目覚まし時計の音で目が覚めた。ぼんやりとした頭でまわりを見ると、同部屋の仲間たちがあくびをしながら布団をたたみ衣に着替えている。仲間に促されて私も布団をたたむと、“まだ寝ている者はいないか”と指導員が見回りにやって来た。指導員の去った廊下には、修行を告げる半鐘(はんしょう)を鳴らすため、この日の日直が撞木(しゅもく)を手に待機している。窓の外はしんと静まりかえり虫の声さえ聴こえない。時計の針は2時を回ったばかりだ。

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photography

バングラデシュの地べたから

前項「二度と行けないあの店で」でコンニャク・カレーの思い出を書いてくれた梶井照陰(かじい・しょういん)さんは、佐渡島に暮らす真言宗の僧侶であり写真家である。これまで4冊の写真集を発表してきて、この5月に新刊『DIVE TO BANGLADESH』を刊行したばかり。今週末からは刊行記念写真展も開催される。また9月には瀬戸内国際芸術祭2019の秋会期に参加、高見島で瀬戸内の海をテーマとした新作『KIRI』を発表予定。瀬戸内海での撮影行から佐渡島に帰る途中に立ち寄った東京で、お話を聞くことができた。梶井さんのデビュー写真集『NAMI』が出たときのことはよく覚えている。2004年だったが、あのころの数年間、僕は木村伊兵衛写真賞の審査員をしていて、藤原新也、篠山紀信、土田ヒロミ各氏とともに、朝日新聞社の会議室に積み上げられた写真集を何時間も見ていて、そのなかに『NAMI』もあった。

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photography

南さんはヘンな眼をしている

これまでずいぶんいろんな写真家の作品を紹介してきたけれど、じっくり語りたくなる写真と、「まあとにかくこれを見てください!」とドサッと写真を並べたくなる写真家がいる。南阿沙美の『MATSUOKA!』は、もう黙ってページをめくるのがいちばんいいんじゃないかと思う写真集で、これは「理解」とかそういうことではなく、写真家の感覚と共振できるかどうか、どこに行くのかわからないまま一緒に走っていきたいかどうか、それだけが好き嫌いの分かれ目になる作品の典型だろう。そして、こういう写真が僕にはいちばん撮れなくて、だから見たいけれど怖くもある。小説家は歳を重ねて円熟していくが、詩人は初心のころがいちばんいいと言われることがある、そんなことも思い出したりした。

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food & drink

新連載! はばたけ!宴会芸! 第1回「羅漢だ羅漢だ」(文:御手洗太)

ロードサイダーズのみなさまにはおなじみ『隙ある風景』のケイタタさんが、「めちゃおもしろい会社の後輩がいるんです」と教えてくれた。ケイタタさんにそこまで言わせるとは!と聞いてみると、「最近コンプライアンスなどなどで消えゆく日本の宴会芸を保存、発掘し、後世につなげようとする『日本宴会芸学会』というものを主催しているものたち」なのだという。宴会芸……たしかに絶滅危惧種かも! そして「消えゆく大衆文化」といえば、本メルマガで取り上げないわけにはいかないですよね。さっそくお会いして執筆をお願い、これから6回にわたって連載をしていただくことになった。月にいちどくらいのペースで、消えゆく宴会芸の奥義を教えていただく予定。今年末の忘年会シーズンまでには最終講義が終了の予定なので、各自研鑽に励んでいただきたいと願いつつ、第1回の開講!

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travel

案山子X 56:町家のかかし巡り(奈良)(写真・文:上迫愛)

こんにちは。上迫愛です。今回は奈良県高市郡高取町の町家のかかし巡りを紹介します。飛鳥時代の古墳が数多く残り、山城「高取城」の城下町として栄えた高取町。高取城へ向かう土佐街道には、昔からの町家が多く残っています。古くから薬草などが豊富にとれ、置き薬を行商して全国を歩いた「大和の薬売り」が有名です。現在も医薬品の製造や卸売が町の主要産業であり、薬の町と呼ばれています。毎年3月に開催される「町家の雛めぐり」では、約80軒の町家に雛人形が展示されます。秋にも町家巡りのイベントをしようと考えていた時に、徳島県名頃の人間そっくりなリアルかかしの事がテレビで放送されました。それを見て、かかしがいる町巡りを開催する事になったそうです。私が訪れた2016年に8回目を迎え、街道沿いや建物の中に人間そっくりなリアルかかしが多く展示されました。

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2019年06月05日 Vol.358

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 68『神田神保町のめし屋「近江や」と「美学校」』直川隆久(CMプランナー)

東京は神保町の細い路地にある「近江や」という、カウンターだけの小さなめし屋。今から20年ほど前の大学生時代、その店でサバの塩焼きをずいぶんと何度も食べた。すぐそばの「美学校」に通っていたからだ。「美学校」をご存じない方のために簡単に説明すると、1969年に設立された芸術表現の学校である。学校とはいっても、美大でも、美大受験予備校でもない。絵画教場(当時)、石版画工房、細密画教場などの講座があって、年齢も職業もバラバラな「学生」が雑居ビルのワンフロアに寄り集まって作品を制作し指導を受ける。

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travel

新連載! 日本性祭紀行1 伊豆稲取の男根祭り・前編〈どんつく祭り〉(写真・文:深沢佳那子)

東京ドームシティ・ギャラリーアーモで4月に開催された「アウトサイド・ジャパン展」で、奇妙な手づくりコラージュ年賀状が飾られた一角を覚えていらっしゃるだろうか。その巨大顔ハメで記念写真を撮ったひともいるはず。あの作者が深沢佳奈子である。展示会場でお話ししてみたら、深沢さんは大学院博士課程で「性器信仰」について研究していて、暇を見つけては日本各地の「男根がフィーチャーされた祭り」を訪ね歩いているという。すごく気になって写真を見せてもらったら、フィールドワークとして興味深いのと同時に、そんなビザールな祭りを屈託なく楽しんでいる地元のひとたちがたくさんのスナップ写真に写っていて、その表情がすごくいい。というわけでいきなりお願いして、深沢さんが歩いている「性器のお祭り」を連載で紹介してもらうことにした。

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movie

奇跡のパンティ大作戦

5月23日夜、十条のシネカフェ・ソトで「場末のシネマパラダイス パート3」が開催された。本メルマガや『独居老人スタイル』でおなじみ、福島県の本宮映画劇場館主・田村修司さんの秘蔵ピンク映画コレクションと独自リミックス・フィルム「いい場面コレクション」を紹介するこの企画も、これが3回目。そしてシネカフェ・ソトでは残念ながら最後の開催となった。東京都心のノースエンド、北区十条駅前はいかにも下町らしい風情の商店街・飲み屋街への入口として、駅を降り立った瞬間「あ~ここ住みやすそう!」と、だれしもがじんわり肌で感じるヘヴンズドア。しかし東京右半分と同じく、北半分にも再開発の波は容赦なく襲いかかっていて、シネカフェ・ソトのある駅前の一角はまるごと取り壊し。ソトは6月いっぱいで閉店。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 104 Madonna Inn, San Luis Obispo, CA

LAからサンフランシスコを通ってオレゴンへと、北に伸びるハイウェイ101。旅行通は海沿いに絶景が続く1号線=パシフィック・コースト・ハイウェイを好みがちだが、お笑い名所は単調な風景の101号線のほうに集中している。LAとサンフランシスコとの、ちょうど中間にあるのがサンルイス・オビスポ。小さな観光港町だが、ハイウェイ沿いにある『マドンナ・イン』は、全米屈指の有名ホテル。と言っても歴史や格調ではなくて、キッチュを極めたラブリー・インテリアで、「アメリカ人が行ってみたいハネムーン・スポット・ナンバーワン」に輝いているのだ。とにかくピンク一色に固められた建物の、レストランからバーから、全室異なった内装のゲストルームにいたるまで、その極甘テイストには、理性も感性もメロメロ必至である。

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travel

ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行 13 甘粛省前編(写真・文:関上武司)

大家好(中国語で皆さん、こんにちは)! 軟体トラベラーの関上武司です。今回は甘粛省天水市の麦積山石窟という断崖絶壁に建立された寺院、温泉、蘭州市の遊園地についてのレポートです。中国の地図を見ればわかるのですが、中国の数ある省の中でも西北に位置する甘粛省はやたらと細長い形状をしています。甘粛省天水市は省内でも南側にあり、陝西省宝鶏市とも接し、古来より交通の要衝だった模様。2011年の年末に陝西省西安市郊外で撮影中に食べた昼食の激辛料理の香辛料が強烈すぎて、お腹の調子がかなり悪い状態で真夜中の天水市に到着。この年の大晦日は珍しく朝寝坊をしてしまい、目覚めたら10時過ぎに・・・。慌ててホテルをチェックアウトし、天水駅前の食堂でワンタンスープを荒れた胃に流しこみます。

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movie

手描き映画ポスターのモダン・タイムス2

日曜日に大阪でシカク8周年記念イベント「天才の祭典8」に参加して、本来は月曜朝に急いで東京に帰ってメルマガを仕上げなくてはならないところだが、先週告知した立命館大学で始まった『手描き映画ポスターと看板の世界II』をどうしても見たくて途中下車。地下鉄とバスを乗り継いで駆け込んだ展覧会は、去年の第1回と同じく小さめの空間に、いまから80~90年前の貴重な手描き映画ポスターがびっしり並んで壮観だった。先週の告知で書いたように展示されている手描きポスターは、キュレーションを担当した映像学部教授・竹田章作さんの祖父である竹田耕清(猪八郎)が創設した、京都の映画看板製作所「タケマツ画房」に残された貴重なコレクションである。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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