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2021年02月24日 Vol.442
music
ル・ポレンの頃 花粉は飛び続ける (文:アツコ・バルー)
2016年に亡くなって5年経ったいまでも多くのファンに慕われるピエール・バルー。1982年に自身のレーベル、サラヴァからリリースされた記念碑的なアルバム『ル・ポレン』がこのほどアナログ盤で再発されることになった。渋谷の「アツコバルー arts drinks talk」などでロードサイダーズにもおなじみのアツコ・バルーさんは、ピエール・バルーと34年間にわたって生活を共にしてきたパートナーでもある。38年ぶりのアルバム再発を記念して、当時の思い出を綴っていただいた。1980年代の東京の音楽シーンを染めていた、あたたかい空気感を受け取っていただけたらうれしい。
art
平成とは「うたかたと瓦礫」の時代だったのか
先々週は京都国立近代美術館で開催中の「三島喜美代」コレクション展を紹介したが、今週は平安神宮に向かう道路を挟んで対面する京都市京セラ美術館で開かれている「平成美術 うたかたと瓦礫(デブリ)1989-2019」をご覧いただく。開館が1933(昭和8)年、実は公立美術館として日本に現存する最古の建築という京都市美術館。2015年に開催された「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭」の会場となったときは、ふだん閉じられていた庭園への扉が開放されて、こんなんなってたのか!とびっくりさせられた。2020年に大規模な改修を終えて京都市京セラ美術館としてリニューアルオープン。敷地の北東部分に新設された現代美術棟・東山キューブでは、5月から「杉本博司 瑠璃の浄土」が4ヶ月あまりにわたって開催されたので、アート・ファンにはすでにおなじみだろう。
travel
ParadiseLost 二度と行けない珍日本紀行 11 長野県
ふと見れば天井は畳だった――意外に珍スポットの少ない、しかも消滅してしまった珍スポットはさらに少ない長野県。松本市の名物喫茶店「さかさレスト とんちん館」は、その奇異なデザインとは裏腹に、ふつうの喫茶店として近隣住民には愛用・常用されていたと聞くが、21世紀に入って間もなく閉店。建物も取り壊され、跡地には小さなアパートが建っているそうだ・・・・・・。
lifestyle
シブメグの人生小劇場 07 アダチさん、ありがとうございます (写真・文:シブヤメグミ)
こないだ、ぐりぐりのスパイラルパーマをかけた。 普通の美容院のスパイラルパーマでは飽き足らず、もう本当に本気のぐりぐりのがかけたくて、ドレッドやアフロの専門店に行ってかけた。ロットの数180本。重さ2キロ。5時間かかった。首と肩が痛くなったけど、ずーっとやりたかった髪型になって超ご機嫌。冷たい霧雨が降っていたけどなんだかそれが気持ちよくって、思う存分ハナウタを歌いながら歩きたかったから、慣れない代官山の慣れない裏道を何も考えずにズンズン歩いていった。 当たり前に迷子になった。静かな静かな住宅街。街灯も少なくてコンビニも見当たらない。ヤバい。それにしても目印になるような高層の建物も見当たらないし、暖を取れるような富士そばもないって、ここはどんな東京なんだよと、自分の浮かれっぷりを棚に上げて、バッテリー残量20%以下のiPhoneの地図アプリを恐る恐る起動させた瞬間に、 「アダチさん……アダチさんですよね?」
2021年02月17日 Vol.441
design
血と汗と涙の石岡瑛子展
初めチョロチョロではないけれど、開始直後はがらがらで、後半になって大混雑、最終日近くは予約満員、というのが展覧会の「あるある」。先週日曜に最終日を迎えた東京都現代美術館の「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」も、終盤の長蛇の列をSNSで見て、最初のうちに観ておけば……と後悔したひとがたくさんいただろう。このメルマガでも展覧会開始にあわせて特集をつくろうと思ったが、展示すべて撮影禁止というポリシーを知り、それはそれで尊重すべきというか、記事だからといって無理矢理お願いするのもよくないかと思い、控えていたのだった。 去年11月14日に始まった展覧会の、終盤になって休館日に取材ができ、そこで撮影も許されたので、ちょうど展示が終わったタイミングではあるが、少しだけ石岡瑛子のことを書かせていただく。なお、これほど話題を集めた展覧会ではあるが、当初は富山県美術館に巡回する予定が新型コロナ禍で中止になって、あとはどこの美術館も手を挙げず、けっきょく巡回なし。あの金閣寺の印象的なディスプレーも壊されるという……。
music
新型コロナとフランス・アンダーグラウンドシーン 05 ロックダウンの狭間で(画・文:ショビレヌ・K)
こんにちは。ショビレヌ・Kです。前回の記事ではフランスの1回目のロックダウンが解除されてから行った友人宅ガレージで行ったライブとレンヌのスクワットで行ったライブの様子を綴りました。今回は去年の10月15日にローザンヌ・アンダーグラウンド映画&音楽祭(LUFF)にて行ったライブの模様をレポートします。 10月15日@ローザンヌ・アンダーグラウンド映画&音楽祭(LUFF)――ローザンヌ・アンダーグラウンド映画&音楽祭(LUFF)は18年前から続いている欧州アンダーグラウンド・シーンの一大イベントで、世界中のマニアックな映画の上映会と音楽のライブが5日間に渡り開催される。
travel
ParadiseLost 二度と行けない珍日本紀行 10 山梨県2
涙と笑いの「トリック・アート」鑑賞体験――石和温泉郷の町なかにあるワイナリー「モンデ酒造」が、工場見学のおまけとして(?)開いたのがトリック・アート美術館の「モルヘス美術館」だった。ちなみにモンデ酒造は2020年で創業68年という山梨ワインの老舗であり、観光ワイナリーである。モンデという名前は、公式サイトによれば「フランス語で「世界」、ラテン語で「宇宙」という意味で、世界または宇宙規模のワイン・洋酒を造る精神が社名となったもの」だそう! トリック・アートの第一人者である剣重和宗の手になるモルヘス美術館が開館したのは1992年、剣重氏の長いトリック・アート歴のうちでも最初期の作品だった(トリック・アート美術館の最初は91年開館の東京江戸川区JAIB美術館)。
travel
ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行 22 広東省前編 (写真・文:関上武司)
大家好!(中国語で皆さん、こんにちは!)。この記事を執筆している際に長年、書籍を購入していたヴィレッジヴァンガードのイースト店が閉店。近年、私のお気に入りスポットの閉鎖、閉店が続き、非常に残念です。気を取り直して、今回から3回に渡って、発展著しい広東省から驚愕&脱力スポットのレポートをお届けします。
2021年02月10日 Vol.440
art
ポップアーティストとしての三島喜美代
まだまだ気楽に旅行できる状況ではないけれど、先週は日帰りで京都に行ってきた。午前中に東京を発って、夕方には戻りの新幹線に乗っていて、滞在時間4時間ほど。もったいないけどしょうがない。平安神宮に向かって対面する京都市京セラ美術館と、国立京都近代美術館の2館で開催中の展覧会をこれから2回にわけて紹介する。今週は京近美のメイン企画展「分離派建築会100年 建築は芸術か?」……ではなくて、4階コレクションギャラリーで開かれている収蔵作品展の一室、「特集:三島喜美代」という小さな展示から。
art
大竹彩子 GALAGALAGALA
コロナ禍に揺れる東京で、昨年9月に渋谷PARCOミュージアムで開催された大竹彩子展「GALAGALA」。予想をはるかに上回る集客と反響に周囲はもちろん、本人も驚いたかもしれない。展覧会についてはメルマガ2020年9月16日配信号でもインタビューを交えてたっぷり紹介した。 彩子ちゃんがロンドンのセントマーティンズ・カレッジを卒業して帰国し、東京で最初のグループ展に参加したのが2017年(「dix vol.02」クワイエットノイズ アーツアンドブレイク)。それからいくつかのギャラリーでの個展やグループ展を経て、2019年の原宿ディーゼル・アートギャラリーの「COSMOS DISCO」で、一気に一般層(という言い方も変だが)にブレイク。翌年の渋谷PARCOでも全作品が早々にソールドアウト。その成長というか進撃のスピード感には、彼女をよく知ってるつもりだった僕も驚くばかりだった。 コロナウィルスはあれからもしつこく居座っているが、2月11日から今度は大阪・心斎橋PARCOで「GALAGALAGALA」がスタートする。
photography
我的香港 Vol.008 雲南 (写真・文:ERIC)
外国にいる日本人に向かって質問をする。 「あなたの故郷はどこ?」 おそらくほとんどの人は、躊躇うことなく「日本」と答えるだろう。「母国は?」という問いに対しても答えは同じである。日本人の大多数は、日本人の先祖をもち、祖父母も両親も自分も日本で生まれ、日本で育つ。 僕は香港で生まれ、香港で育った。それならあなたの故郷は香港でしょう? 大抵の日本人は僕にそう聞いてくるし、故郷=生まれ育った土地、と定義するなら、間違いなく僕のそれは香港ということになる。けれど昔から、僕はそのことに何か釈然としないものを感じていた。 僕の両親は、ともに中国大陸の出身である。広東省の小さな町に育ち、年頃になって出会った二人はやがて恋人同士となり、結婚を目前にして密入国という形で香港へ渡った。そこで生まれたのが、僕、というわけである。
travel
ParadiseLost 二度と行けない珍日本紀行 10 山梨県1
なんと5回にわたった静岡編を終えて、今週からお送りする山梨編。山梨県には韮崎の「食堂アメリカヤ」、「光の楽園」という2大重要珍物件があったが、2019年8月7日号「アメリカヤの記憶」でたっぷり紹介しているので、そちらをご覧いただきたい。 あの上九一色村が、巨人と小人のおとぎの国に大変身!――富士山麓きっての珍スポット、というより閉園後の大型廃墟&心霊スポットとして、日本どころか海外のマニアにも知られてしまったのが「富士ガリバー王国」。1997年に開園、2001年には早くも閉園という、おそろしく短命なテーマパークだった。
2021年02月03日 Vol.439
music
ある演歌歌手の死
先週火曜日(1月26日)、小さな訃報記事がメディアに出た。「歌手・泉ちどりさんが肝臓がんのため死去、73歳『お吉物語』などヒット」という記事を、ご覧になったかたもいただろうか。その2日前の坂本スミ子、昨年末のなかにし礼、10月の筒美京平といった大御所に比べたら、ごくささやかな追悼記事だったが、その小さな扱いよりもむしろ「ちどりさんってYahoo!ニュースに出るほど知られてたのか」という驚きのほうが、僕にはあった。
design
nobunobuと歩く東京ビル遺産 03 秀和レジデンス物語 前編 (写真・文:鈴木伸子)
都心、それも港区や渋谷区を歩くとよく出会うのが「秀和レジデンス」というマンションです。この秀和レジデンスがヴィンテージマンションなのかどうかは、nobunobuにとってもやもやとして答えの出ない疑問でした。 従来のnobunobuの見解は、「秀和レジデンスなんてどこにでもある。ライオンズマンションと同じようなマンション・ブランドの一種なのでは」というものだったのです。しかし、60~70年代のビルが築50年前後経って「シブいビル」に見えてきたのと同様に、同じく築50年前後の青瓦で白いモコモコ壁の和製スパニッシュ・コロニアルみたいな外観の秀和レジデンスが、それこそ「ヴィンテージ感」を得て、妙に可愛らしく見えてきたような気もする。
music
“ライブハウスの守護神”と呼ばれた、あるお客さんの死 [文:ボギー(ヨコチンレーベル)]
コロナ禍でありながらもパワフルに活動を続けるボギーさんのFacebookメッセージを見ていたら、「michiさんが亡くなった」という気になる書き込みがあった。聞いてみると、ミチさんは福岡のライブハウスの「守護神」といった存在だったという。東京には「なんのこっちゃい西山」さんという守護神がいるが、もしかしたら全国どの都市にも、ライブハウスの守護神がいるのだろうか。 福岡の音楽ファンならきっとだれもが知っている、でも福岡以外のひとはたぶんほとんど知らないミチさんのことを、ボギーさんに書いてもらった。音楽の現場としてのライブハウスが、なかなか機能できないでいる現在の状況だからこそ、黙って応援し続けたミチさんの生きざまが僕らのこころを打ち、そしてまた、あの高揚感の喪失を思い知らされるのだ。
travel
ParadiseLost 二度と行けない珍日本紀行 09 静岡県5
お客さん泊まってよ! 宿場町の活気がいま甦る――『東海道由比宿 おもしろ宿場館』は、江戸時代の宿場にタイムスリップした気分にさせてくれる」観光施設。由比本陣跡のすぐ脇にあり、2階には駿河湾を一望できる名物の桜エビ料理専門レストラン「パノラマテラス 海の庭(テラス)」が人気。レストランのついでに寄った観光客を、たくさんのユーモラスな人形が迎えてくれる意外な人気スポットだった。人形は由比出身の画家・松永宝蔵氏のデザインによるものだった(松永氏は幕末に山岡鉄舟をかくまい地下から逃がしたという、歴史の舞台となった茶屋のご主人、平成12年に逝去された)。残念ながらおもしろ宿場再現が閉館したのちも、2階のレストランは営業を続けていたが、「桜えびの記録的な不漁により、令和元年5月5日に閉店」となったそう。
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カテゴリ別バックナンバー
BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!