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鈴木義昭

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桃色の罠――日本成人映画再考 02 もうひとつのヌーヴェル・ヴァーグ『狂熱の果て』(文:鈴木義昭)

国立近代美術館フィルムセンターの大ホールが、久しぶりに満員に近い状態となった。特集「発掘された映画たち」の目玉といわれた映画『狂熱の果て』が上映された日のことである。半世紀以上の歳月を経て発掘されたフィルムの初上映ということもあり、上映前に監督の挨拶も行われた。多くの映画や映像を発掘しているフィルムセンターでも、めったにはないことである。「年月をかけてようやく出会った」という山際永三監督の言葉に、集まった観客らの上映作品への期待はピークに達した。監督デビュー作『狂熱の果て』を撮った時、29歳であった山際監督も、今では白髪の目立つ映画界の巨匠といった風情となっていた。実際、劇場映画はこれ一本の作家だが、テレビ作品にドキュメントにとさまざまなジャンルに、多くの仕事を手掛けてきた職人監督だ。同時に、ならではのエッセンスを作品に盛り込んで熱烈なファンもいる名監督だ。

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桃色の罠――日本成人映画再考 01

日本の成人映画をたどるとき、いつも参考にさせてもらったのが鈴木義昭さんの一連の著作だった。長らく一方的な愛読者だったのが、ひょんなきっかけでお会いできて、それから「なにか成人映画を振り返る企画をやりたいですね」と折に触れて語っていたのが、とうとう実現できることになった。これからほぼ1年間、毎月1回のペースで、日本成人映画史研究の第一人者・鈴木義昭さんによる「成人映画再考」をお届けする。メールマガジンの特性をいかして、貴重な画像や動画資料も交えてお届けする、これまでほとんど顧みられることのなかった「もうひとつの近代日本映画史」。じっくりお付き合いいただきたい。

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桃色の罠――日本成人映画再考 06 北鎌倉に眠る桃色アルチザン秘話・佐々木元とは(文:鈴木義昭)

鎌倉駅前裏の小路に、大島渚作品などで知られる松竹撮影所出身の美術家戸田重昌の夫人だった女性が経営していた酒場「とのやま」があった。カウンターの一枚板は、松竹大船撮影所の大道具さんたちが作ったという年代物で奥まで長く続いていた。古い日本映画の話などができるので、鎌倉に行くとよく顔を出した。ある日、店を覗くと必ずのようにいる、鎌倉生まれで映画好きな常連客の男性と隣になった。「佐々木元って映画監督のことを調べているんですが、知りませんか。どうも晩年は鎌倉に住んでいたみたいなんですけど」「元さんか。知ってるよ。よく飲んでたよ、ここへも何度も来たことがあるよ」「本当ですか! やはり御存知なんですね。そうじゃないかと思った……」「ある意味で有名だったからね。女には手が早いとかで(笑)。あんまり良い噂は残ってはいないけどね……」「映画監督だったというのは知ってたんでしょう」「知っていたよ。ピンク映画の監督でしょ。大した映画は、撮ってないんじゃないの。映画の評判とかは聞いたことがなかったから。ねえ、ママ」

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桃色の罠――日本成人映画再考 08 温泉ポルノと『裸生門』(文:鈴木義昭)

始まりは、ある古物商から関西のとあるフィルムコレクターにもたらされた16ミリフィルムの山だった。持ち込まれたフィルムの山は、桃色に輝いていたともいわれている……。(中略)16ミリに思い入れの強い僕ら世代には、16ミリフィルムの大量発見というのは、思いのほかワクワクさせてくれるニュースだった。それも、フィルム全てが桃色の光を放っている(?)と聞き、やけに気分が高揚した。桃色に輝く16ミリフィルムの正体は……。実は、それはその後「温泉ポルノ」と命名されるポルノ映像、エロフィルムの山だった。この桃色フィルム、物議を醸すのだが。

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桃色の罠――日本成人映画再考 09 幻児と伴明、青春映画の時代(文:鈴木義昭)

煙草の煙の向こうで、池田編集長が言った。「じゃあ、鈴木くん、明日新宿駅西口のスバルビル前に行ってね。行けばわかるからね。相棒の安斎カメラマンは優しい人だから」「はい!」池田さんの度の強い眼鏡の奥の優しい目が、今日はちょっと意地悪そうに笑っているのが見えた。「何日行ってもいいから、良い記事書いてね。朝早くて大変だろうけど、勉強になるんじゃないか」「はい……」新宿で飲んだくれていた僕が、拾ってもらったのが「ZOOM-UP」というエロ映画雑誌のライターという仕事だった。毎月、試写なんてないから作品を観もしないで公開されるピンク映画の新作情報をプレスシートだけで書かされた。それを手始めに、「いろいろ書いてみたら」という池田編集長の指示で、次々といろんな記事を書いた。最初に放り込まれたのが「ピンク映画撮影現場ルポ」だった。

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桃色の罠――日本成人映画再考 10 和泉聖冶と木俣堯喬、桃色親子鷹(文:鈴木義昭)

ちょうど1年くらい前、毎週欠かさずチェックして楽しみにしていたテレビドラマがある。綾野剛主演の連続ドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日系/2018年7月~)だ。テレビはニュースやドキュメントをよく見るが、ドラマはあまり見ない。いちおう映画派のつもりだからだが、この時はオンエア前から期待した。なぜかと言えば、監督が和泉聖治だったからだ。原作は真山仁のヒット小説「ハゲタカ」、既に映画にもなっているが、今度のドラマ化はあの『相棒』シリーズを作った男、和泉聖治が担当すると聞いてテレビの前に坐った。

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桃色の罠――日本成人映画再考 11 新高恵子(文:鈴木義昭)

新高恵子さんに会いたかった。だが、なかなか新高さんには会えなかった。それは、銀幕の女優に会うのではなく、銀幕の彼方の「幻の女優」を追い駆けるようだった。中学校の終わり頃、寺山修司の本を片っ端から読んだことがある。ちょうど次々に寺山さんの作品が文庫本になった頃だ。『家出のすすめ』『寺山修司青春歌集』『さかさま世界史』……、そして近所の本屋さんで取り寄せて読んだ単行本『書を捨てよ街へ出よう』。やがて、寺山の演劇や映画を追い駆けた。当時、アングラ映画のメッカだった新宿文化で観た寺山修司監督の映画『田園に死す』(1974年公開・人力飛行機舎/ATG)で、新高恵子は主人公の少年を追い回す草衣役だった。妖しい妖精のようであり、可憐な少女のようでもある裸体が目に焼き付いて離れなくなった。

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桃色の罠――日本成人映画再考 12(最終回)関多加志と桜マミ 本木荘二郎の最期(文:鈴木義昭)

東中野の駅から道を急いだ。目指す居酒屋「あづさ」は、駅からだいぶ歩いた先にある。待ち合わせの時間が迫っている。息せき切って扉を開け暖簾を潜り抜けると、ママから声がかかる。「いらっしゃい! 来てるわよ」。長いカウンターの奥に坐った初老の男性がこちらを向き、ニッコリ笑いかけた。穏やかな目と雰囲気が、店の中を明るくしていた。「こんばんは! はじめまして」。そう言いながら、挨拶もそこそこにカウンターの彼の隣に座らせていただく。「やっとお会いできました。お会いしたかったです!」。

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桃色の罠――日本成人映画再考 04 山本晋也と『大色魔』(文:鈴木義昭)

やっと捜し出したフィルムだった。何度も映画会社に電話して、実際に企画の説明にも出かけた。映画会社も古いフィルムが稼働するのは願ってもないという雰囲気だったし、旧作が再評価されるのは良いことだと思ってくれたようだった。しかし、実際に「〇〇の映画の原版をお願いします」と依頼しても、それを膨大な倉庫に保管されたフィルムの中から見つけ出すというのは、こちらが思う程には簡単にはいかないものらしく、それなりに時間を要した。「ありましたよ!」という電話があると、小躍りして喜んだものだ。

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桃色の罠――日本成人映画再考 05 桃色監督本木荘二郎と世界のクロサワ没後20年(文:鈴木義昭)

国立近代美術館フィルムセンターは春から装いも新たに機構を再編成、国立映画アーカイブと名も改め再スタートした。記念イベントとして7階の展示室では、槙田寿文ポスター・コレクションによる「没後20年 旅する黒澤明」展が開催中だ。世界中で上映された黒澤明作品のポスターが集められ壮観である。戦後日本映画を代表する巨匠黒澤明のフィルムが、世界中の国々で上映されてきた証として言語の違ういくつものポスターが遺った。それらを一堂に集めて展示すると、黒澤明の映画が世界の国々にどのように受容されてきたかが見えてくる。国籍の違うポスターを眺めていると、「世界のクロサワ」と呼ばれた男のフィルムが、世界中をどのように駆け巡ったか足跡が浮かび上がってくる。黒澤フィルムの旅が、まるで自分自身が旅をしているように感じられたのは楽しかった。黒澤明が亡くなり、20年の歳月が流れた。最近は関連のイベントも少なくないが、「世界のクロサワ」の意味を捉える異色の展覧会は想像力を掻き立てた。瞬時に映像が国境を超える現代だが、デジタル映像以前のフィルムは、作家や俳優、スタッフらの思いが焼き付けられ、まさに人が旅をするように国境を越えて行った。

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桃色の罠――日本成人映画再考 07 若松映画の香取環、疾走する桃色女王(文:鈴木義昭)

秋に公開された『止められるか、俺たちを』(通称『止め俺』)という映画が、今も上映中で静かに話題を呼んでいる。1969年の若松プロとその仲間たちが織り成す破天荒とも言える映画作り、昭和元禄とも呼ばれた時代の先頭を走り抜けながら、圧倒的な疾走感を感じさせる若者とオヤジたち。そんな映画屋たちの青春を描いた群像劇である。若松孝二の映画をリアルタイムに見てきた世代にも、若松のエロ映画を観たことのない若い人たちにもわかるように、スタイリッシュな青春映画として撮った作品ということもあり評判を呼んでいる。御存知のように若松プロとは、「ピンク映画の巨匠」「ピンクの黒澤明」「暴行の若松」といわれた映画監督・若松孝二を中心にして、ピンク映画を量産し続けたエロ映画の独立プロダクション。通称エロダクションの草分けの一つだ。だが、その後、近年に至っては若松作品が「世界三大映画祭」(即ちカンヌ、ベルリン、ベネチア)に進出し各映画祭で監督賞などを受賞するという快挙を成し遂げ、一躍日本映画を代表するプロダクション(!?)にもなってしまった独立プロである。それは、不世出の映画屋・若松孝二の軌跡そのものだ。

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桃色の罠――日本成人映画再考 03 半世紀を経て発見された『幻日』と「ピンクの巨匠」武智鉄二(文:鈴木義昭)

神戸映画資料館館長の安井館長から、下記のような内容のメールが突然あって、驚いた。一昨年の初夏のことだった。「売りに出ていたので買ったのだが、大変なシロモノものでした。武智鉄二については詳しいと思うので映像を見て欲しい。近々、特別に簡易のテレシネを作って送るから確認してくれないか」そんな簡単なメールだった。だいたい、安井館長は、何か人に言えないようなトンデモない物を買うと僕に連絡をくださる傾向がある。近年、海外からの研究者やジャーナリストらの訪問があるほど世界的にも知られている神戸映画資料館。安井館長も、自他ともに認める日本有数のフィルムコレクターである。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

特設販売サイトへ


ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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