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ERIKO(定住旅行家・モデル)
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地の橋、人の橋[ウクライナ特別編] 03 ありふれた戦禍の日常 | 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
ザポリージャの市内からわずか数十キロの人里離れた土地。雑木林に包まれるようにして、周囲には年季の入ったコテージが点在している。ここに広々とした菜園付きの2階建一軒家がある。リーナさんとバディムさん夫婦が暮らす家。 知らない土地の風景や自然は、そこに暮らす人を通して、やがて身近に、そして心の故郷のような場所になっていく。
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新連載! 地の橋、人の橋――イラン定住旅行記 / 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
コロナ禍が始まってしばらく経ったころだろうか。ERIKOという女性から連絡をもらった。「世界のさまざまな国に旅して旅行記を書いてます、あとモデルもやってます」と言われ、一瞬「職業・旅人」のひとを思い出して微妙な気持ちになったりしたが、実際にお会いしてみると定住旅行とは「ホテルを予約して泊まることも、限られた時間で精力的に取材先を走り回ることもせず、さまざまな手段で泊めてもらえる一般家庭を探し、前もって言葉も学ぶ。ひとつの国に数ヶ月間滞在してリアルな暮らしを体験する」という意味なのだった。そんなことを「家」として続けているひとがいるなんて! ひとつの国に長く滞在するだけの旅人だったらいくらでもいるけれど、ERIKOさんの旅のスタイルはこころざしの高さと、エネルギーの強度がぜんぜんちがう。そして訪れてきた国や都市の数もぜんぜんちがう。
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地の橋、人の橋 ――イラン定住旅行記 02 ショジャエ家の人びと 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
初めてイランを訪れた2018年は、国内3箇所に滞在した。首都のテヘラン、ゾロアスター教発祥地のヤズド、イラク国境近くのホラマバード。山、砂漠、森、乾燥、暑さ、湿気と土地によって多様な顔を見せるこの国を体感して、どこまでも深いイランを覗き込んだ気がした。 滞在した期間は、ちょうど春の3月~4月にかけての2ヶ月。3月後半はテヘランに滞在し、イランのお正月「ノールーズ」を迎えた。標高1,500m地点にあるテヘランは、冬の寒さを引きずりながらも春の声が聞こえはじめていた。 ノールーズはテヘラン市内に暮らすショジャエイ家と過ごすことになった。彼らの家はバナックという地区にあり、東京でいうオフィスがひしめく品川のようなエリアだ。入り口は高く厚い門に閉ざされていて、外からは家があるのかすらわからない。ショジャエイ家を紹介してくれた日本に暮らすイラン人のアミンに連れられて敷地に入ると、大きな池を携えた立派な一軒家があった。
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地の橋、人の橋 ――イラン定住旅行記 03 「木曜日」 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
2018年の春にイランのお正月を体験してから4年経った2022年12月、再びテヘランの地に降り立った。冬のテヘランは肌の水分がすぐ奪われるほどカラカラで、街から見える周囲の山々は雪に覆われていた。空港にはショジャエイ家で働くお手伝いのアリさんが迎えにきてくれていた。増えた白髪から少しの歳月と、その間にあった苦労が見え隠れした。 ショジャエイ家は前と変わらない佇まいで、オフィス街バナック地区にあった。呼び鈴を鳴らすと、高校生くらいの年齢の若い女の子が、はしゃいで出迎えてくれた。以前会ったことがあるどうか。私の記憶を混乱させるほどフレンドリーに接してくる。私の頬に3回キスをすると、荷物を抱えて「さあ入って」と目で合図した。
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地の橋、人の橋[ウクライナ特別編] 01 前線ザポリージャへ 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
イラン定住旅行記を連載してくれているERIKOさんから、少し前にウクライナに行ってきますという連絡をいただいた。世間の眼はすっかりパレスチナのほうに向いてしまっているけれど、ウクライナの戦争だって変わることなく継続中だ。そんな場所に足を踏み入れる「定住旅行家」って・・・・・・。巷にあふれる戦争ジャーナリストとはまったく異なる視点から見たウクライナの日常を教えてくれる気がして、すぐに執筆をお願いした。これから月にいちどのペースで数回にわたって、ウクライナからの報告をお読みいただく。もちろんイラン定住旅行記も並行して続けていただくので、あわせてお楽しみに!
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地の橋、人の橋[ウクライナ特別編] 02 違和感の先にあるもの 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
突然だが、皆さんは違和感を感じる人に出会ったことはあるだろうか。悪い人でも自分にとってマイナスになるわけでもない。だけどなんだかしっくりこないという人である。 これまでに掴み所のない、なんだか底が見えない不思議さを直感的に感じる人に出会ったことはあって、そういった雰囲気を持つ人たちとは積極的な関係を持とうとしなかった。よくわからないからだ。しかし、違和感というのは自分の行動思考範囲とは違う場所へ導いてくれるものかもしれないと思ったのが、今回のウクライナ経験である。 ウクライナへ誘ってくれた東昇(あずま のぼる)さんはまさに違和感の人だった。
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地の橋、人の橋――イラン定住旅行記 08「ペルシャを見にいく シラーズ女子3人旅」 | 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
イランへ来たら押さえておいたほうがいい場所はいくつもある。アルボルズ山脈を望む首都テヘラン、「世界の半分」と言われたイスファハーン、ゾロアスター教の遺産が残るヤズド、イスラム教の聖地マシュハド。自然のレジャーも豊富な選択に溢れている。カスピ海に面したヒルカニア森林へ行けば緑に生い茂ったジャングルが堪能でき、イラク国境のホラマバードでは名滝が巡り、ペルシャ湾の真珠と呼ばれるキーシュ島では海水浴を楽しめる。国内には27の世界遺産があるが、予備軍を含めると100件以上になるという。限られた滞在時間の中で、どこへ行くかを決めるのはかなり難しい。なんといってもこれだけ多様性に溢れていると、訪れる場所によってイランのイメージは偏ったものになってしまいそうだから。
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地の橋、人の橋――イラン定住旅行記 09「イラン人、女性という生きかた」 | 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
テヘランで滞在させてもらっているショジャエイ家は、ママンの息子のキアラシ、長女のゴリ、次女のフーリがそれぞれ世帯を持ち、ベルギーに暮らすゴリ家族以外は、ママンの家から徒歩圏内の距離に暮らしている。週末に当たる木曜はお墓参り、金曜は揃って食事、出張などで家を不在にするときはママンが孫を預かったりと、何かにつけてほぼ毎日のように誰かがママンの家に来て顔を合わせている。 40代前半のフーリは私と年齢も近い。抱擁すると私にすっぽり包まれてしまう小柄な彼女は、陶器のような白い肌、横顔の美しさが際立つくっきりとした顔の輪郭、吸い込まれそうな大きな瞳をしている。瞬きをするたびに伸びるラクダのように長いまつ毛にいつもついつい目をやってしまう。
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地の橋、人の橋[ウクライナ特別編] 08(最終回) 仕事、友情、恋愛、ときどき戦争 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
キーウで滞在している、知人のイリーナが提供してくれたマンションは都心部へのアクセスも良く、セキュリティも万全で言うことはなかった。ただ一つ、早朝にけたたましく鳴る空襲警報以外は。 「ウーウー」決まって朝4時頃に大音量の警報が響く。心臓がドンと鳴って飛び起き、窓には近づいてはいけないと言われていたが、恐る恐る外の様子を窓越しに見る。まだ真っ暗なのに、犬の散歩をしている人、ランニングしている人の姿が見える。みんな寝ているのか部屋の明かりは一つも見えない。みんなにはこの警報が聞こえていないのか。今回も大丈夫なのか、いや油断してはいけない。ミサイルが落ちるのは空襲警報が止んでからと聞いていたから、しばらくTelegramなどでミサイルの最新情報を片手に、バスルームなど壁が厚い場所に身を置く。数十分して何もなければベッドに戻るが、交感神経が優位になってすぐに寝つけない、そんな日が続いた。 数日経ったころ、知人の東さんが紹介してくれたエカテリーナという女性と連絡をとった。
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地の橋、人の橋 ――イラン定住旅行記 04 「家という特別な場所」| 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
自分が滞在している家族のことは案外、外の人との関わりや、その国そのものを知ることでだんだんと輪郭を帯びてくるように理解していくことがある。テヘランの家族、ショジャエイ家のときもそうだった。 この家族はおばあちゃん世代から子どもたち、孫も男女問わず高学歴。ママンの3人の子どもの一人、長女のゴリさん家族は現在、娘の大学進学を理由にベルギーに拠点を移して生活している。次女のフーリさん家族も、つい数ヶ月前まで子ども教育のためカナダに住んでいたが、旦那の仕事の関係でイランに戻ってきたばかり。長男のキアラシもトルコに別宅を所有しており、月に3、4回は往来している。知り合った頃は気がつかなかったが、この家族はこの国において富裕層に属していることがだんだんとわかってきた。
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地の橋、人の橋 ――イラン定住旅行記 05 「歴史は繰り返す」 | 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
2022年12月から翌年の3月にかけて、ペルシャ語習得の目的で滞在したイランの首都テヘランは、1979年の革命以降、最も激しい反政府デモが続いていた。大学の授業もオンラインか、家庭教師のように先生がやってきてくれるスタイルだったので、自ら街などへ繰り出す機会もほとんどなかった。加えて滞在が始まってすぐの頃、在テヘラン日本大使館職員の女性がひったくりにあったという情報が入り、不用意に街中を歩かない方がいいというアドバイスも受けたりした。初めてこの地に来た2018年は、女性が夜道を一人で歩けるほど平和だったのに、昼夜街を行く現地の人の数すら少なく、なんとなく街全体が重たい雰囲気に包まれていた。
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地の橋、人の橋[ウクライナ特別編] 04 戦わない男たちの戦い | 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
現在、ウクライナにいる男性は2通りに分けられるかもしれない。戦地へ行く人と、行かない人。 ウクライナ南東部、ザポリージャ州。その郊外のダーチャ(セカンドハウス)ではリーナさんとバディムさん夫婦が暮らしている。50代半ばのバディムさんは、その後者にあたる人。 まだ朝が明けきれてないころ、4WDのトヨタに乗って私とバディムさんは農場へ向かった。およそ40分間の通勤。助手席から見える景色は、栄養がつまった黒土の大地と盛りがすぎて刈り取られるのを待つひまわりの列。バディムさんは決して無口ではないが、話したいことがあるとき以外は特に口を開かない人だ。早朝という時間も二人をさらに黙らせた。とはいえ、会話のなさが心地悪さを感じるわけでは決してない。浅黒い肌に年季の入った顔の皺が労働者を感じさせる一方で、キリッとした面持ちは経営者としての責任が滲み出ている。運転する彼の横顔は、まっすぐ一本に伸びる農場の道を見据えている。車内には80年代の陽気な洋楽が流れていた。
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地の橋、人の橋――イラン定住旅行記(最終回) 10「イランの中のアルメニア」 | 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
今回でイランの連載も最終回。イランで定住旅行した体験にことばを与えていったこの数ヶ月で、その経験が新しい意味を持って、自分に何か問いかけるような感覚を覚えました。大きな物語にイメージが包まれがちな人びとの小さな生活、暮らすことで見えてくる人びとの心の拠り所。皆さんがこれまで持っていたイメージのイランに、少しでも新しい視座が加えられたら本望です。
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地の橋、人の橋[ウクライナ特別編] 05 スナイパーの家 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
戦争には国民一人一人の戦いかたがある。ウクライナにいるとつぶさにそれを感じる。誰もが積極的にボランティアに参加し時間と能力を寄与する。多額の寄付をする人も多く、貯金がなくなるほどの寄付はしないようにと政府が注意を促すこともあるほど。 「スラーバウクライーニ!」(ウクライナに栄光あれ!)、それに答える「ゲローエム・スラーバ!」(英雄たちに栄光あれ!)は彼らの挨拶として交わされる。青と黄色のウクライナカラーの洋服やアイテムを身につける。前線で戦う兵士たちのことを想い、士気を上げるための絶え間ない努力を惜しまない。人びとの日常の生活の中にある、戦いを忘れない姿勢は、ウクライナの国全体に希望的明るさを漂わせている。
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地の橋、人の橋[ウクライナ特別編] 07 戦地へ戻った女 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
ウクライナでの最終滞在地、首都キーウに来た。戦争がはじまる前は「キエフ」とロシア語発音で呼ばれていたが、現在はウクライナ語で「キーウ」と呼ばれるようになった。はじめの頃は違和感があってついついキエフと言う癖が抜けなかったが、それが懐かしく感じるほど今では定着してしまった。 広くて、潤沢。これがキーウへ来たときの印象だった。たっぷりとした水を湛えたドニプロ川、街の半分以上を覆う緑地がそう思わせたのかもしれない。街を歩けば、歴史の匂いがして、ここが1000年以上も前から、文化、政治、芸術の中心だったことに納得する。都市としての機能を果たしながらも、健康的な街をわたしはすっかり気に入った。
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地の橋、人の橋 ――イラン定住旅行記 06「最も深い夜を明るく照らすペルシャの儀式」 | 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
古い歴史を持つイランには、イスラム国家となるはるか前からイスラムとは無縁の行事や儀式がある。長いペルシャの歴史をみれば容易に想像できるはずなのに、近年のイスラム国家という強烈なイメージがそれをかすめてしまう。 現在のイランでも昔からの慣わしは大事なものとして継承されていて、むしろイスラム教の催事よりも重要視されているのは意外なことの一つだった。3月21日の春分の日に行われるノールーズ(正月)と、12月22日に行われるヤールデー(冬至)は特に盛大に祝われる。双方ともゾロアスター教の流れを汲んだ儀式である。
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地の橋、人の橋[ウクライナ特別編] 06 日常の中に取り入れられたボランティア 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
皆さんはボランティアと言うと、どんなイメージを持つだろう。日本では学校機関などでオーガナイズされることも多々あるし、日本人は往々にしてボランティアに積極的だとも感じるので、多くの人が一度は経験したことあるだろうと思う。私も成人してから何度か、知人の会社が催すビーチの清掃活動に参加したことがある。海岸のゴミをひたすら拾ったのだが、漁具から一般ごみ、どこかの国から流れ着いたゴミまであって、ゴミがそこに至るまでのいろんなストーリーを辿るような気分だった。何袋にもなったゴミを見て、どことなくいいことをしたような気持ちになったのを覚えている。ボランティアというと、誰かのために手助けをしたり、時間に余裕のある人が善意で行うようなイメージがあった。 目下、戦時中のウクライナでは、このボランティア活動が国民の生活の一部と化している。
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地の橋、人の橋 ――イラン定住旅行記 07「イランのキッチン」|写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
「ちゃんと食べてるの? 今日は何を食べたの?」イラン全州の母が子どもへの挨拶代わりとして使うこのことば。いや、全世界の母に共通するかもしれない。母親は何かと家族においしいものをたくさん食べさせたいという思いが強い。ここテヘランで滞在しているショジャエイ家のママン、ソヘイラさんもその一人だ。イラン料理というのは、イタリアンやフレンチなどと比べると日本ではほとんど浸透していなく、イメージが湧きづらい。私もイランへ来るまでほとんど聞いたことも口にしたこともなかった。
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BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!