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バックナンバー:2022年02月02日 配信号 収録

art おかんアート村の住人たち 1 嶋暎子さんのこと

おかげさまでオミクロンにも負けず、一部Twitter民の罵倒にも負けず、いまのところ開館を続けられている「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」。しかしこの先どうなるか予断を許さないので、できたら早めに足を運んでいただけるとうれしいです。

ご覧になったかたはおわかりだろうけど、会場は1千点以上の作品で埋め尽くされているので、10年以上の取材でめぐりあったおかんアーティストたち、ひとりひとりのパーソナリティにはほんの少ししか触れられなかった(それでも通常の展覧会に較べれば、はるかに多量のテキストが壁面を埋めているけれど)。なのでこれから少しずつ、特に印象深かったアーティストのひとたちを紹介していきたい。


展覧会場、展示室2の特別展示「おかん宇宙のはぐれ星」。壁面左〈マグノリア〉、右〈ウツボカズラ〉

展示スペースは渋谷公園通りに面した交流スペースと、メインとなる建物奥の展示室1、それに典型的なおかんアートの枠には収まらない作家たちを3人集めた展示室2の特別展示「おかん宇宙のはぐれ星」で構成されている。今週の1回目は、新聞紙バッグと巨大なコラージュ作品の圧倒的なインパクトで大きな反響を呼んでいる「はぐれ星=ローンスター」の嶋暎子さんを紹介してみたい。嶋さんは長い制作歴を誇るアーティストだが、このように活動全般を俯瞰する記事はこれが初めてだと思う。興味を持っていただけたら。ぜひ展覧会場で実作品と対面してほしい。




壁面の巨大コラージュ作品6点(左から〈万華鏡 No.2〉〈万華鏡 No.3〉〈万華鏡 No.4〉〈万華鏡 No.5〉と、展示台を埋めつくす新聞紙バッグが嶋暎子さんの作品

ひとつお断りしておきたいのは、1960年代から現在までのたくさんの作品をこれから見ていただくが、作品を撮影したりスキャンしたりで手一杯で、正確な制作年代やタイトルなどの調査が実はまったくできていない。そんな状態でお見せするのが申し訳なくもあるけれど、とりあえず展覧会を観賞する助けになればと思い、急いで配信することをお許しいただきたい。



清川泰次のアトリエ兼住居の一部を改築した瀟洒な世田谷美術館分館・市民ギャラリー

作家の名前も聞いたことがない、ギャラリーも行ったことがない、開催期間も1週間足らず……そういう小さな展覧会が、ふとSNSなどで目に留まることがあって、「聞いたことないし」「忙しいし」と行かない言い訳はいくらでもできるが、そこをむりやり足を運んでみると思わぬ発見に恵まれることがよくある。世田谷美術館分館・市民ギャラリーで2021年10月27日から31日まで5日間だけ開かれていた「紙の船 嶋暎子個展」もそんな発見と出会いの場になった。まず嶋暎子さんというお名前を知らなかったし、用賀の世田谷美術館はよく行くけれど、成城学園前にある分館は存在すら知らなかった。抽象画家・清川泰次のアトリエ兼住居の一部を改築して、2003年にオープンしている。


嶋暎子個展「#東京ビオトープ2020」2021年10月27日~31日まで開催


庭に面した小さな展示室の区民ギャラリーで、新聞紙バッグと嶋暎子さん

区民ギャラリーという小さな部屋には、いっぽうの壁に新聞紙でつくったバッグが壁面いっぱいに飾られ、もういっぽうの壁には百号ほどの大きなキャンバス作品が並んでいた。細かなモザイク模様のように見えたその画面は、近づいてみると家、家具、宝石などチラシ広告を切り抜いた、おびただしい数の写真が貼り込まれたコラージュ作品なのだった!


飾りきれない数の作品が持ち込まれているので、買い求めたひとはその場で持っていき、空いたスペースを新たなバッグが埋める




バッグはひとつ600円、100個ぐらい買いたかった!




ひとつのバッグにはひとつずつ、コラージュを貼り込んだタグが付いている


なので新聞だけでなくタグもワン・アンド・オンリー




どの面にどの図柄が来るのか、綿密に計算されている




ウェットスーツと料理を組み合わせたコラージュ・タグ!
















新聞紙バッグの展覧会と思い込んで訪れ、驚愕した壁面の巨大コラージュ。百号のキャンバスである。左:〈万華鏡 No.2〉 右:〈万華鏡 No.3〉


〈万華鏡 No.2〉


(部分)すべて新聞や郵便受けに投函される広告チラシを切り抜いた貼り込みで画面がつくられている


切り抜きに使うのはハサミだけ、カッターは使わないとのこと






〈万華鏡 No.3〉


(部分)中央に家具の切り抜きによるバベルの塔


目を凝らすと小さな物語が画面のあちこちに散りばめられている




新聞バッグに挟まれた大作〈ウツボカズラ〉


(部分)こちらの作品は中央の巨大なナイフとフォークだけ、拡大コピーしてもらって貼りつけたそう。あとはジュエリーや果物などの切り抜きで、画面全体が覆いつくされている


会場の椅子に静かに座っている老婦人が嶋暎子さんで、なにくれとなく世話を焼いていたのが娘の裕子さん。SNSで展覧会を知ったひとたちが嶋さんを取り囲んで談笑が途切れず状態だったので、後日世田谷区内のご自宅を訪ねることに。結婚以来50年住んでいるという古風な一軒家で、作品をたくさん見せてもらいながらお話をうかがった。


嶋暎子さん、自室でコラージュの大作と。ふだんは「猫に襲われちゃうので」、キャンバスを厳重にくるんでしまってある


カーテンレールの上には紙製の神棚が


作業机


かわいらしい引き出し収納




「立ちわかれ いなばの山の峰に生ふる……」は百人一首にもある在原行平による、別れを惜しむ歌


こんな手作り箱に、


コラージュの素材がたくさん貯めてある


「こんなのもあるんです」とお菓子の箱(サンジェルマン)を出してきてくれた


開けて仰天の「フェイス箱」。40年ほど前につくって、今回が初披露とのこと










雑貨屋さんで見つけたという、クマのかたちの透明ビニール袋に、レシートや紙片を詰めてみたシリーズ








嶋暎子さんは1942(昭和17)年東京目黒生まれ、今年80歳になる。お父さんは兜町の証券マンだったが美術が好きで、やはり証券マンだったゴーギャンに自分をよく重ね合わせていたとか。家には『芸術新潮』などの美術雑誌がいつもあって、暎子さんも子どものころから愛読していた。お父さんが亡くなったときは、お棺の中にゴーギャンと佐伯祐三の絵を入れてあげたという。ちなみに暎子さんの妹は寺山修司をマネージャー、秘書として公私にわたって最後まで支えてきた田中未知さんである。

嶋暎子さんは1961年に都立千歳高校を卒業。高校では演劇部で演劇に熱中していた。


猫による壁面装飾

高校を卒業したあと、三菱鉱業(現在の三菱マテリアル)で、データ入力のキーパンチャーをやってました。

やはり絵が好きだったので、仕事が終わったあとデザインの勉強に茗荷谷のビジュアルデザイン研究所というところに通ってたんです。それから日本放送作家協会のCM教室にもしばらく通って、コピーライターの勉強をしたり(同級生に仲畑貴志さん)、代々木デザインスクールでレタリングを勉強したり。5年ほど勤めたあと、三菱なのにお給料安かったから(笑)、日本広告社という広告制作の会社に転職しました。なんにもわからないまま入って、見よう見まねで広告デザインの仕事を始めて。おもに東芝関係、電波新聞などがクライアントでした。


学生だったころからのスケッチブックがたくさん保存されていて、そのいくつかを見せていただいた。表紙には「EIKO」のレタリング


長く手がけていた版下の素材やできあがった広告などが収められていたフォリオ


こちらが裏面


すべてコンピュータ作業になった現在では、もはやピンと来ないひとが多いかと思うが、かつてはこのようにトレーシングペーパーに手書きで絵や文字配置を指定、そこに写植の文字を貼った版下原稿を印刷所に送っていた。左が完成した新聞広告




東芝ガスストーブの版下と完成した広告


東芝料理保温器




東芝ホームスタンド




東芝の携帯ポンプ「スパンキー」、右が嶋さんの手描き図


日本空輸の航空貨物スケジュール、表紙のイラスト図




手描きのイラストに写植文字を貼り込んでいく丹念な作業だった








手描きの版下いろいろ

三菱鉱業にいたころから、絵の会に入って油絵を描いてたんですが、入選させるために先生の手が入ったりするのがイヤで。それで貼り絵を1963年の第16回勤労者美術展というのに出しまして(現在も開催中、2021年で63回)、それからは油絵はやらないでずっと貼り絵でしたね。

やっぱり個展がやりたいなと思って、初めて開いたのが1965年です(東電銀座サービスセンター)。小さなギャラリーで、たった2日間でしたけど。そこから銀座の全線画廊などで何回か個展をしてきました。すべて紙の作品で。


フェリーニの映画タイトルに影響されたという「田中暎子ハリ絵小品展」のお知らせハガキ

貼り絵は高校時代から好きでやっていて、学校から帰ってきてから家でつくってたんですね。まだ当時のスケッチブックがたくさん取ってあります。父が買っていた『芸術新潮』でマチスやピカソの切り絵とかを見ながら。山下清の大きな展覧会も見ましたし、詩を書くのが好きだったので、自分の詩とか、若山牧水の詩とかを貼り絵と組み合わせてみたり。個展の案内ハガキも、ぜんぶ手貼りだったんですよ。映画が好きだったから、フェリーニの「8 1/2」の数字を真似てみたりして。






ハリ絵個展のお知らせハガキは、文字や地図部分を印刷したハガキに、一点ずつ異なる貼り絵を貼っていった

1970年、大阪万博の年に長女が産まれて、出産を機に退職しました。仕事と子育ての両立が難しかったのもあって。しばらく育児に専念したあと、5年ほどして三陽工芸というビジネスフォーム専門の版下会社に就職するんです。自分にはデザイン力はないけど、版下の技術を学べるかなと。文字や図を手描きして、切り抜いて台紙に貼ったり、緻密な手作業なんですが、なんだか性に合って。その会社で5年ほど働いたあとフリーになって、1979年から96年ごろまで、ずっと家で版下の仕事を受けてました。辞めようと思ったのは、そのころ50代になって体調もあまり良くなかったし、印刷工程がコンピュータに取って代わられるようになってきたので、そろそろ潮時かと。

そのタイミングで、1997年に個展を再開するんです(青山プロモアルテギャラリー)。結婚以来初めて、30年ぶりでした。ブランクが長かったので、公募展に年齢制限があることも知らなくて、出品できる機会を探すのはなかなか難しかったですね。そのうち1998年に亜細亜現代美術展で新人大賞をいただいた縁で亜細亜美術交友会に入って、毎年いちど都美術館に出品できるようになりました。そのころつくっていたのは、おもに60号ぐらいの大きな切り絵でした。










切り抜いた紙を重層配置した大型の切り絵作品シリーズ

でもね、美術団体っていろいろ窮屈なところがありますよね。いつも同じひとが賞を取ったり、審査員の独断だったり、お金の面でもいろいろあったり……そういうことがわかってきて、2005年に損保ジャパン美術財団選抜奨励展という公募展で、会とは関係ない、外部の審査員が私の作品を押してくれたんです。それで評価をいただいた気持ちになって、会を脱退することにしました。わたしのは紙の作品ですから、紙というだけで工芸部に入れられてしまったんですが、ほかのひとは漆塗りの壺とかだし。伝統工芸のなかですごく違和感があって。絵画と工芸のあいだの、どこに自分の作品の置き場所があるのだろうって。

結婚して子育てして、ずいぶん長く休んでいましたが、そのあいだもいつかは個展をやりたいという思いはあったんです。それで30年ぶりの個展には「降り積もる時を集めて」というタイトルをつけました。

子どもたちが小さいときに、いっしょに紙で遊ぶみたいに手づくり絵本をつくったりはしてたんです。ブルーノ・ムナーリの影響がけっこうあって。ただ、それを本にして出版しようとか商品化しようという気持ちはまったくありませんでした。それよりもまず、自分でなにかをつくることを続けていきたいなと。日々の生活に追われてましたし。


2018年の個展「東京ビオトープ」で展示された貼り絵箱(2021年の個展会場にて)

2018年に個展「東京ビオトープ」をやったのが、世田谷美術館の区民ギャラリーでの1回目。ほんとはそのあともやりたかったんですが、抽選に当たらなくて。

私は自分の作品が美術なのか工芸なのか、アマチュアなのかプロを目指すか、自分の立ち位置があいまいなまま、ここまで来てしまったんです。ずっと迷いを感じながらいるときに、INAXから出たビオトープの本を読んでいて、その「人間と生物の居場所」みたいなテーマが、しっくりきたんですね。私の作品があるべきなのも、そういう場所なのかなと見えてきた。

でも「東京ビオトープ」のときは切り絵や箱の作品を出していて、今回(2021年「紙の船」)がコラージュ作品と新聞バッグだったので、展示としてはずいぶんちがう感じです。新聞バッグはもともと、娘が2015年にバリ島を旅行していたときに、気の利いたコスメの店とかが新聞でバッグをつくって使っていたのがかわいくて、ごっそり持って帰ってきたんです。それで「お母さん、つくれるんじゃない?」って。私が紙が大好きなものだから。あと、やっぱり娘がむかしニューヨークの美術館のショップでも新聞バッグを売ってたのを見たと言ってましたから、いろんな国のひとが考えてたんですね。


窓際に飾られた〈紙の船〉たち


新聞紙によるかわいらしい紙の船と小さなバッグ




新聞バッグって封筒みたいな平面じゃなくて立体だから、最初はちょっと難しいところがあるんですよね。そしたら娘がインターネットで、高知の四万十のかたたちがつくっている新聞バッグのワークショップを見つけてきたんです。朝市のおばあさんたちが使っていたバッグらしくて。ただ、その四万十バッグは講習を受けて免状をもらってインストラクターになれる、みたいなシステムでちょっとややこしいなと。それでいろいろ調べながら、自分でつくってみることにしました。いざやってみると、角をピシッと出したり、気に入った写真が表に出るようにするとか、いろいろ難しいんですけどね。

2020年のオリンピックが延期になったでしょ。それで家にこもる生活になったんだけど、いつもなにかやってないとダメな性格なので、どうしよう、いまできることはと思ったときに、新聞バッグが頭に浮かんだんです。ただつくるだけじゃなくて、中国の「武漢日記」がありましたよね。あれにヒントを得て、毎日ひとつずつつくっていけば、2020年の日記になると思って。それで家で取っている朝日新聞を切り抜いて、つくっていったんです。でもあんまり暗いニュースは切り取れないし、休刊日もあるしで、うまくいかないこともありましたけど。そういうときは把手をまとめてつくったり(新聞紙を細く丸めて平たく伸ばすんです)。


カーテンに沿って並ぶ新聞紙バッグ、完成品と部品。材料は新聞紙のみ


持ち手部分


新聞紙を丸めて平らに延ばすと持ち手になる仕組み。螺旋のような模様があらわれるのも美しい


フィーチャーする面を考えるのがまず楽しいそう。サイズもいろいろあり

最終的に400近くできて、展覧会場に飾れたのは三分の一くらいなんですけど、新聞バッグをつくってるひとはいっぱいいるので、これは日記にはなるけど作品になるのかなと悩んだりもしました。あと、前に世田谷のアートフリマとかに出したこともあるんですが、すごく買い叩かれて。100円なら買うよ、とか。それで今回値段を付けるときも、どうしたらいいのか考えて、コラージュをひとつずつあしらった値札をバッグに付けたり。それも、言わないと手貼りとはわかってもらえないので、「すぐ使うから値札はいらないよ」とか言われちゃったりしたし。まあ新聞紙なら使ったあとも資源ゴミになると思って。アートなのか、ゴミなのか微妙ですけど(笑)。


世田谷美術館分館の展示で僕が購入した新聞紙バッグたち










これまで開いてきた嶋さんの個展には、どんなひとたちが観に来たんだろうと気になって聞いてみたら、「お友だち関係とか、半分同窓会みたいで……。それが今回になって、娘の友だちがSNSで書いてくれたらすごく広がって、いままでとはちがう若い人たちが来て「ヤバイ!」って喜んでくれたんです。知り合いだからじゃなくて、作品を評価してもらえたのは今回が初めてなんです!」と言う。

新聞バッグは最近の作品だけど、大型のコラージュはずっと前から手がけていて、でも仕事も家事も忙しかったから、家族みんなが寝静まった夜中にキャンバスを立ててバリケードみたいにしてつくっていたという。長いあいだ大家族で、明治・大正・昭和生まれが全員一緒に住んでた期間もあった。それに版下の仕事もあるし、日中はとてもできない。家族全員が寝ついて静かになった夜中に、やっとひとりの時間ができてつくってきた。そういうお母さんの作品が、娘さんにとっては「いまだから冷静に見れるけど、当時はなんだか母の情念が籠もっているようで、ちょっと恐ろしかったです」と思い出を語ってくれた。


新聞バッグと嶋暎子さん

会期がたった5日間、しかも終了2日前とかにたまたまSNSで知って、むりやり駆けつけて出会えた嶋暎子さん。幸運な偶然が重なって知ることができて、それはうれしかったけれど、もしかしたらこんな埋もれた才能が全国に無数にあって、一瞬きらめいて、また見えないところに潜ってしまう――そんな可能性を思うと背筋が寒くもなった。

嶋さんの展覧会に行けたのは「おかんアート展」の構成を最終決定するぎりぎりのタイミング。出会って急遽プランを練り直したのだが、これが1週間遅かったら、もう間に合わなかった。不思議な縁が重なって嶋暎子さんの作品を多くのひとに、あるていど長い期間にわたって見てもらう機会ができて、ほんとうにうれしい。




Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村
1月22日(土)~ 4月10日(日)月曜休館
@東京都渋谷公園通りギャラリー
入場無料!

https://inclusion-art.jp/archive/exhibition/2022/20220122-119.html

[嶋暎子 貼り絵、切り絵、コラージュ……誌上展覧会]


1960年代、中学・高校生時代の貼り絵など。素朴なタッチのなかからオシャレな感性が立ち上がる




























ポエムを添えた作品もたくさんあった








































スタイリッシュなセンスが光るコラージュ作品群














1962年から1年間通ったビジュアルデザイン研究所の習作ブックから。高卒後に入社した会社の帰りに通っていたデザインスクールだった










描き文字のトレーニングも


造花の業界団体誌「ふらわにっぽん」(日本フラワー技芸協会/日本フラワー名店会)創刊号表紙に使われた嶋さんの貼り絵


民謡関係のパンフレットに使われた全国の「民謡・行事絵図」


こんな貼り絵が上のイラストページになる




























図柄を切り抜いた紙を幾重にも重ねた切り絵作品シリーズ




























2021年の世田谷美術館分館で2点が展示され、今回4点が一挙に並んだコラージュ大作〈万華鏡 No.2〉〈万華鏡 No.3〉〈万華鏡 No.4〉〈万華鏡 No.5〉。百号のキャンバスが4点並ぶ圧巻のインパクト。〈万華鏡No.1〉がないのは、「これはまだ未完成で、あともう1点つくるつもりだった」とのこと!








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ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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――ラブホの夢は夜ひらく

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――秘宝よ永遠に

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1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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