Neverland Diner 二度と行けないあの店で 81『しみいるうどんといなりずし』スケラッコ(漫画家)
こんにちは。私は普段マンガやイラストを書いて生活しています。文章を書くのは苦手なのですが、でもこのテーマ、「二度と行けないあの店で」というのは自分の思うところとぴったりで、字面だけで泣けてくるような気…
food & drink はばたけ!宴会芸! 第2回「カッパふみふみ」(文:御手洗太) |
拝啓 日を追うごとに暑くなりますが、読者の皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。いつも身に余るお力添えを賜り、心からお礼申し上げます。 |
宴会芸三原則 |
に立ち返って議論すべき問題です。 |
20世紀宴会芸史(下) 御手洗太(日本宴会芸学会会長) |
第2章:アヴァンギャルド宴会芸の衝撃~60年代・70年代の文献から~ |
1920年代~50年代は、目ぼしい文献が残っていない宴会芸冬の時代です。 |
[1 MAKE HARAODORI GREAT AGAIN 踊る大統領] |
『宴会幹事虎の巻(1977)』に登場する「踊る大統領」は、腹踊りの一種です。 |
社長、副社長、専務、常務、相談役。 |
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米国大統領の巨大な顔です!!! |
「俺だったらガツンと言ってやるよ」と居酒屋でクダを巻く男の前に(当時の)ビル・クリントン大統領が現れて「Tell me “ガツン”」。男は冷や汗を流す。 |
というものがありましたが、「踊る大統領」がつくるのは、これと同様の衝撃です。 |
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「踊る大統領」が演者の精神に与える影響も見逃せません。 |
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こちらの写真の時は、数百人の観客を前にしていましたが、緊張も恐れも一つもありませんでした。「腹が決まる」という言葉はここから生まれたのだと、この時確信しました。 |
[2 濃厚すぎる自己紹介芸 接吻大カタログ] |
新入社員や若手社員だったころの宴会で、 |
マニキュアがわりに口紅を使い、あらかじめ指の爪を染めておく。女性の手らしく見え、マニキュアとちがって落とすときも簡単。「さあさあ、みなさん、よーくご覧なさい。これから私が演じますのは、接吻の百態、当世流に申せば接吻のカタログ集。とっくりご覧になり、彼女を相手にするとき、あるいは奥さん相手に行うとき、大いに役立ててください」(以下略) |
という口上の後、 |
10代の初体験、20代の情熱、三十路の成熟、老いらくの恋、というシチュエーション別の接吻を、「這いまわる真っ赤な指の動き」と「背中のくねり」だけで表現する |
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この演目の特筆すべきことは「演者の経験値が手に取るようにわかる」ことです。 |
[3 無芸肯定論の誕生 そこのけそこのけ河童が通る] |
「無芸」とどう向き合うか。これは、宴会芸学の中でも非常に重要なテーマです。 |
酒席に列して無芸大食は野暮の骨頂。これ浮世の面白みを解せず。芸なし猿の不可趣味をして直ちに大通酔人となるの秘法をご伝授いたすは本書の特色ならんか。 |
とあるように、 |
「無芸大飲」型の人にぴったりのレパートリーだ。このような人が、必死に演ずることによって、大いに宴席は楽しくなる。無芸の人は、さながらオカに上がったカッパであり、それだけでもユーモラス。 |
「無芸」そのものを「ユーモアとして肯定」する、この考え方は「無芸肯定論」と名づけられ宴会芸学会に大きな衝撃を与えました。 |
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<演じ方> 座布団を菱形になるように腹にしばりつけ、頭に皿をのせれば、簡単に河童に変身できる。「みなさん、カッパの鳴き方を知っていますか?」と宴席を見回す。「こんなふうに鳴くんです・・・・カッパフミフミ、カッパフミフミ・・・・」鳴き声を真似ながら、ゆっくりと席の間を歩く。「そろそろ皿も乾いてきたようで・・・」とお皿に酒を注がせてもよい。 |
こうして芸を紐解くと、構成要素の全てが「無芸であるほど面白い」ように考え抜かれていることが、お分かりいただけると思います。 |
「こんなふうに鳴くんです・・・・ガワッガワッ・・ガワッガワッ・・」 |
としてしまうと、芸の面白さはカッパの物まねの上手さに左右されます。これは「無芸」の人にとって大変酷な話です。だからこそ、このカッパは「カッパフミフミ」という、無意味な音で鳴くのです。 |
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人は誰しも産まれた時は「無芸」です。 |
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余談ですが、同時期の文献『宴会必携隠し芸入門(1976)』には、同様の扮装(菱形座布団に頭皿)でひたすらに踊る「カッパ踊り」という演目が登場します。カッパというUMAが当時の宴会芸界で非常にトレンディだった、ということが分かります。 |
[4 ジャパン・アズ・ナンバーワン ボリジョイ大サーカス] |
「綱渡り」は宴会芸の常套手段の一つです。 |
再掲:鼻毛の曲藝 |
『宴会幹事虎の巻(1978)』の「ボリジョイ大サーカス」も綱渡りの演出を骨格とする芸です。 |
ボリジョイ大サーカス |
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司会者が「鉄のカーテンの向こうからやってきた」とうそぶいて、ブラジャーとパンツ姿の演者が現れる。非常にストレートな綱渡り芸です。本格的ではあるものの、オリジナリティは感じられません。 |
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ゴーゴーダンスとはロックにあわせて即興で踊るセクシーダンスです。 |
<コラム:ミセスロブスターのチクチクタイム> |
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こんにちは。お裁縫大好き、ロブスター夫人と申します。 |
できれば語りを入れて(たとえば、最近の学生は帽子もかぶらずしまりがない。それに比べて、私などはこんな角帽でもかぶりたいなどと)、その場の雰囲気をつかみながら進めていくと、見ている人も大いに楽しめます。拍手喝采もまちがいなしです。 |
とあります。語りを入れながら工作をすることが宴会芸になりうるなんて、青天の霹靂でした。 |
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こちらは「雪ん子」です。メガネのおじさんがこんなに可愛くなりました。 |
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こちらは「えんまの帽子」です。左の男性は閻魔大王を意識しているのでしょうか。 |
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もちろん宴会芸はとても素晴らしいものでしたが、あの帽子が芸を高みに連れて行ってくれたと思っています。 |
第3章:「宴会芸とスカートは短い方が良い」~バブル期のインスタント芸20連発~ |
1985年のプラザ合意を契機として、狂乱のバブル期が訪れます。 |
「喝采」のための宴会芸 ~明治時代の文献から~ |
と比較すると、志の高さにおいて絶望的な差がありますが、 |
【生きものモノマネ】 |
[清水アキラ・ビジーフォー(グッチ裕三・モト冬樹)・栗田貫一・コロッケ]による、ものまね四天王が結成されたのは1988年。まさに、バブルの時代です。 |
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宴会芸の大切な精神に「へりくだり」があります。 |
この芸はとりもちにくっついた小鳥や虫を演技すればいいのだから、ちょうやガ、ゴキブリ、ネズミなど、いろいろなバリエーションが考えられる。 |
という記載もありますが、そこまで行くとグロテスクが過ぎます。「ハエ」くらいに留めておくのが得策でしょう。 |
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出典:『珍芸・奇芸・一瞬芸 宴会パフォーマンス 絶対うける面白メニュー100(1988)』 |
2 ラッコ |
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お腹の上に大きな平皿を置いて、そこから酒を飲む「ラッコ飲み」という芸も文献にでてきます。 |
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体長約3.3メートル、体重1トンという動物界でも屈指の肉体を持ちながら、子孫を残すことがなく死んでいく。その悲哀を込めて、一心不乱に踊るのがこの宴会芸です。 |
【中座芸(トイレ芸)】 |
人間が人間である以上、トイレに行くことは禁止できません。 |
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社名入りの封筒をギブスに見立てて、ネクタイで吊りあげます。 |
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演じる上で特に重要なのが、 |
とくに自分が使い終わったあと、トイレットペーパーを左右から内側に折りたたんで三角形にする女性特有の習慣(どうしてこんなことをするか知らないけれど)などは重要なポイントといえましょう。 |
とのことです。 |
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この演目の課題は、手間と時間がかかりすぎることです。 |
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この15分の間に、宴会場の温度は確実に下がります。帰りたい、と思う人も出てくるでしょう。 |
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こうして手間をかけてつくったミイラを、一瞬で爆発させるという演出も文献の中で紹介されています。 |
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出典:『珍芸・奇芸・一瞬芸 宴会パフォーマンス 絶対うける面白メニュー100(1988)』 |
【10秒芸】 |
バブル期の宴席では、 |
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出典:『宴会・コンパ裏技パフォーマンス(1986)』 |
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出典:『宴会・コンパ裏技パフォーマンス(1986)』 |
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出典:『宴会・コンパ裏技パフォーマンス(1986)』 |
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出典:『宴会・コンパ裏技パフォーマンス(1986)』 |
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出典:『宴会・コンパ裏技パフォーマンス(1986)』 |
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出典:『宴会・コンパ裏技パフォーマンス(1986)』 |
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突然やると本気で驚くほどビジュアルインパクトが強いです。日本の女性はこんなことを何百年もやってきたと考えると「事実は宴会芸より奇なり」だと思います。 |
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出典:『珍芸・奇芸・一瞬芸 宴会パフォーマンス 絶対うける面白メニュー100(1988)』 |
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出典:『宴会百科 かくし芸&余興(1991)』 |
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商売繁盛の神様なので、接待会合の場でも使い勝手が良い演目です。 |
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宴会中の靴下は、自分で思っている以上の悪臭を放つものです。周囲に不快感を与える前に切り上げることも重要です。 |
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出典:『ザ・一人芸(1989)』 |
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出典:『宴会・コンパ裏技パフォーマンス(1986)』 |
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出典:『珍芸・奇芸・一瞬芸 宴会パフォーマンス 絶対うける面白メニュー100(1988)』 |
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文献には |
このパフォーマンス、酔った勢いで電車の中でやると大ウケします。慣性の法則を利用するー電車がスタートして加速しているときは進行方向に前傾姿勢をとり、駅に近づきブレーキをかけはじめたら進行方向の逆向きに前傾姿勢をとるー |
という記載もあり、当時のサラリーマンが宴会後の帰りの電車でも貪欲に芸に取り組んでいたことがわかります。 |
東京2020オリンピック聖火リレーで用いるトーチは、 日本人に最もなじみ深い花である桜をモチーフとしています。2020年3月、桜の季節の訪れとともに、オリンピック聖火は「Hope Lights Our Way / 希望の道を、つなごう。」という東京2020オリンピック聖火リレーのコンセプトと一体となり、日本全国を巡ります。https://tokyo2020.org/jp/special/torch/olympic/design/) |
というコンセプトで創られているそうです。 |
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このように、トイレのバキュームをモチーフにしています。 |
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出典:『ザ・一人芸(1989)』 |
バブル期の宴会場で生まれたのは「インスタント芸」だけではありません。 |
こんにちは。私は普段マンガやイラストを書いて生活しています。文章を書くのは苦手なのですが、でもこのテーマ、「二度と行けないあの店で」というのは自分の思うところとぴったりで、字面だけで泣けてくるような気…
1976年、今から43年前札幌から上京し大学を卒業した父は東京で働きはじめる。今でも当時の仕事について誇りに思い、情熱を注いでいたことが話す様子から伺える、本当に心底好きなことだったんだと。そんな仕事…
西荻窪駅の南口を出てすぐ右手に流れると出くわす柳小路。3分で回れるくらいの狭いエリアには、カウンター席だけの飲み屋や個性的な飲食店などが雑多にひしめいて、JR中央線の魅力をわかりやすく教えてくれている…
食のことなんておざなりだった20代前半、一年間だけ築地市場で働いていたことがある。きっかけは……なんだったっけ。4年付き合った彼女にフラれたから、新卒で入った映像制作会社をやめたかったから、いずれにせ…
福岡市美術館の常設展『彫刻/人形』に作品を提供していた地元・福岡のアーティスト/造形師・角孝政。毎週末に福岡郊外の『不思議博物館』館長として君臨していることはすでにご報告済みだが(2012年10月24…
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!