死刑囚表現展 2022
毎年定例のお知らせとなっている「死刑囚表現展」が今年も10月14日から16日までの3日間、東京・入船の松本治一郎記念館で開催される。 このメルマガで最初に死刑囚の絵画作品を紹介したのは、広島市カ…
art museum of roadside art 大道芸術館、オープン! vol.3 |
東京墨田区の花街・向島に10月11日、公式オープンした「museum of roadside art 大道芸術館」。最終回となる第3回は、2階から3階に向かう階段踊り場のバッドアート展示、そして3階の鳥羽秘宝館再現フロアにお連れする。 |
フィロソフィ・オブ・ザ・ワールド |
1階から3階までをつなぐ階段壁面に展示されている作品は、これまで細々と収集してきた、いわゆる「バッドアート」が中心になっている。 |
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米国・ボストンに所在するバッドアート美術館(MOBA)は、他の美術館やギャラリーでは決して日の目を見ることのない「酷すぎて目をそらせない」アートを称え、収集・保存・展示する美術館です。MOBA のコレクションに含まれるのは、創作過程のどこかで道を踏み外してしまった作品ばかりです。コレクションの選考基準は極めて単純。誰かが真剣に描いた作品であること、そしてその結果生まれた作品が面白く、何か人を惹きつける力を持っていること。決定的な技術不足、キテレツな題材、度が過ぎた表現など、酷さの原因は問いません。このような捨てられがち、だけど捨てがたい作品を保護するため、MOBA はバッドアートを収集し、国内外で紹介しています。 |
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MOBAは1994年、ボストンの画商スコット・ウィルソンのコレクションをもとに、初の展覧会を開催。その存在が話題になるとともに所蔵作品数も増えていき、展示場所も最初の映画館地下男子便所手前から数カ所を経て、いまは市内中心部デイヴィス・スクエアにある1912年創立という歴史的な映画館ソマーヴィルシアターの地下室に落ち着いている。 |
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この本には作品のタイトルや、わかる場合には作者名など、最低限の情報以外、一文字の説明も載っていない。ただただ、異常に変な絵がページを繰るごとにあらわれ、そして終わるという、謎に満ちたコレクションである。そしてこの一冊は出会ってから30年経ったいまでも、僕にとってはいちばん大事なアートブックのままだ。そして僕もそれからずっと、自分なりのささやかなバッドアート救出活動を続けていて、その一部をここでご覧いただけることになった。 |
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音楽で言えば、それは理性を極めた現代音楽でもなく、破壊衝動に満ちたパンクでも、あえて感覚を逆なでするノイズ・ミュージックでもない。僕が瞬間的に思うのはシャグズの歴史的怪作「フィロソフィ・オブ・ザ・ワールド」に凝縮された、本人たちは大まじめに演奏しているだけなのに、どこかが致命的におかしくて、音が重なれば重なるほどその音楽が狂気に向かってしまう…そういう当惑に満ちた音楽体験だ。そして、時として僕らは感動よりも、そのような当惑――どうしていいかわからない宙ぶらりんの感覚――にこそ、深く揺り動かされるのでもある。 |
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(作品名不詳)佐川一政 |
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(作品名不詳)元心 |
ハンダゴテのような電熱ペンを使って、板を焦がすことで絵柄を描いていくウッドバーニングというクラフトがある。古くから世界中で親しまれてきた技法だが、その電熱ペンを使って木片ではなく皮革に絵を描く「焼き絵作家」が、元心(げんしん)である。 |
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塩澤佳明は1958年6月22日、葛飾区の高砂に生まれた―― |
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覚悟を決めて入ったんだから女房、子供とはその時点で離縁だ。親も捨てて。万一なにかあったときに、家族や親兄弟に迷惑かかっちゃまずいだろう。 |
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思い返せば、30代なかばが身体的にはピークだったかな……相撲取りだろうがプロレスラーだろうが、だれが出てきても負ける気がしなかったね。しかも連日連夜、暴飲暴食。だって親分よりでかくならないと、弾除けにならないからさ。 |
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でもなあ、そういうなかでなぜか女運には恵まれてきたというか(笑)。こっちで勝手に「マドンナ先生」って呼んでる女医さんや、弁護士の女先生、いろんなひとに世話になってきたよ。入院してるとね、看護婦が夜中に来るんだ。それでほっぺたすりつけて、「熱はかりましょうね~」なんて。キャバクラ行っても、帰りに勝手についてくる子がいたりする。なんで来たんだって聞くと、背中がどことなく寂しそうで……とか、ほんとに言うんだから。 |
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診断書を見せたら、「そんなに悪かったのか、じゃあしょうがない」となったし、指を詰める必要もなかったんだけど、やっぱりシメシをつけないと、あの組の系列は甘いって思われちゃうから。自分なりのけじめだよ。 |
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「親分」でも「組長」でもなく、「焼き絵師・元心」となって、最初の個展のころはまだ現役だったけれど、いまは堅気の立場。周囲に迷惑をかけないように、名前もそう変えたのだという。ちなみに作品に押されている「元心」の落款は、付き合いの長い警視庁の刑事さんが作ってくれたものだとか。 |
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《少年のトルソ》作者名不詳 |
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(作品名不詳)よしこ |
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《Cucumber》伊賀美和子 2006年 |
伊賀美和子はこのあとすぐ出てくる新開のり子の姉でもある現代美術家。 |
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《ボーイズ》新開のり子 |
新開のり子は1972年、東京都港区生まれ。 |
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けっきょく学校時代に技術はぜんぜん身につかなくて、絵もヘタなままでした。学んだことを活かせずに、普通の会社に就職したんです。最初はやっぱり働くならデザイン系かなと思って、いちどバッグとか靴をデザインする会社を受けたんですが、面接で「馬と神社の絵を描いてください」と言われて、しかたなく描いたら呆れられちゃって。面接官に「あなたこれ、自分で何点だと思いますか」って聞かれて、ほんとは零点だと思ったけど「20点です……」「ですよね、ハイもうお帰りください」って。それから絵を描くのがほんとうにイヤになっちゃった。私に描かれる絵が気の毒になったというか。 |
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描いてるのはずっと鉛筆です。色をつけるも好きなので、ちょっと試してみたんですけど、ほんとうにひどくて、これは……と自分で引いた。それからはずっと鉛筆と消しゴムと練り消しだけで。描く題材はたいてい身近でなんかいいな、と思ったものを描くだけ。写真を見て描くのも好きですし。だれもいいと思わないものを自分で見つけるのが好きなんですね。 |
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《ブローニュの森の貴婦人たち》中田柾志 |
中田柾志は1969(昭和44)年、青森県弘前市で生まれた。中学校で陸上、高校ではボクシング部で活動していた柾志少年は、「バリバリの体育会系」だった。高校卒業後、自分に向いている職業はなんだろうと考えたときに、「絵を描くのが大好きだったから、そういう感じの仕事をしたい」と、東京の写真専門学校を選んで入学する。 |
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最初のうちは社会性のある写真や環境破壊をテーマに旅してみたが、だんだんしっくりこなくなって、ほんとに自分が飽きないもの、興味があるものはなんだろうと考えたら「それがエロだったんです!」。 |
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2013年に記事にさせてもらったとき、中田さんはブローニュの森の写真に短い説明をつけてくれた―― |
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《BAYBADJ》BABU 2018年 |
BABUは小倉を拠点に活動するストリート・アーティストであり、スケートボーダーであり、彫師である。そのアトリエは偶然にも、見世物小屋絵看板の絵師だった志村静峯の「大衆芸術社」があったのと同じ、小倉の中島本町にある。 |
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最初にアトリエを訪れたときから気になっていたのが、部屋のあちこちに立てかけられた変な絵で、聞いてみたら「美大のゴミ置き場とかで、卒業シーズンにたくさん落ちてるのを拾ってきたり、国道沿いのジャンク骨董屋で二束三文で買い集めた油絵に、ちょこっと自分で描き足したり、背景を塗り込めたりしただけ」という。既存の絵画作品という、視覚のブレイクビーツを使ったDJのような確信犯的な「新作」群は、2017年6月に新宿BEAMSギャラリーでの個展『BABU展覧会 愛』でも披露された。これはそのときの展示作品の1枚で、拾った油彩の静物画の、背景を潰して少し書き加えただけとのこと。ショッピングモールで売ってるような飾り絵に、漫画のキャラクターなどを描き足して作品化する現代美術作家がアメリカにもいるけれど、BABUの作品のほうがずっと突き抜けてるし、風通しがいい気がする。 |
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《思い出》香西文夫 |
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《LIFE IN WARTIME》Rev. Johnny Ace |
フロリダの小さな町のアウトサイダー・アート専門ギャラリーで出会ったジョニー・エース。ポップでありながらシュールなコラージュに魅せられて作品を購入。それからもネットで見つけた作品を数点購入できたもののひとつがこれ。 |
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(作品名不詳)ぴんから体操 |
日本のエロ雑誌史上、もっともエクストリームな強度と純度を保持しつづけるシロウト投稿露出写真誌『ニャン2倶楽部』。その過激さと、画面から滲み出る抒情性は海外のハードコア雑誌とは一線を画す、日本的なるエロ・スピリットにあふれている。 |
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おそらくはこの時期、ぴんから氏はニャン2だけでなく、『投稿写真』誌にもイラストを定期的に投稿していたらしく、そのクオリティに驚愕したリリー・フランキーさんが渋谷に小さな会場を借り、『投稿写真』から借り出した作品の展覧会を開催している(『美女と野球』にその顛末が載っているので、興味のある方はぜひご一読いただきたい)。 |
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2004年から2005年にかけて集中的に「うんこ少女」シリーズが送りつけられたあと、ぴんから体操は長い休眠期に入ったが、ふたたびこれまでの各時期の特徴をリミックスしたような、ハイブリッドな新作が編集部に届くようになった。 |
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《ブッタギリニ来マシタ。》高松和樹、2013年 |
高松和樹は1978(昭和53)年、仙台市生まれ。半透明の少女たちを通常のキャンバスではなく、運動会のテントなどに使われるターポリンという防水加工された白布をベースに、3DCGで制作されたイメージを野外用顔料でプリントし、その上からアクリル絵具で筆描きを重ねていくという、デジタルとアナログのハイブリッドのような特殊な技法で生み出してきた。 |
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日本よりも海外での発表が目立つ高松さんは「世界で活動したいと思ったら、日本だったらどこにいても同じなんです」と言う。中央と地方の格差が昔から言われてきたけれど、かつてはメリットであり、マストでもあった「シーンの中にいること」が、もはや不必要でありデメリットにすらなりえる時代が、もう来ていると高松さんの活躍が教えてくれる。 |
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《池ノ端》大竹伸朗、2010年 |
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「元祖国際秘宝館・SF未来館」再現展示 |
はじめて秘宝館に足を踏み入れたのは1995年、三重県鳥羽の元祖国際秘宝館・SF未来館だった。いまから30年近く前になる。その当時、すでに寂れた商店街のなかで、ひときわ寂れた風情の秘宝館には、ほかに観客もいなかった。だよんだよんにテープが延びたラウンジ風BGMに導かれながら、薄暗い室内をおそるおそる歩いていくうち、突然バサバサッという大きな音がして、思わず足がすくむ。よく見るとそれは、壁の一角に開いた穴から自由に出入りするハトが、めったにない来訪者に驚いて、一斉に飛び立ったのだった。 |
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マネキンだけで数十体ある展示を、まさか自分の家に入れておくわけにもいかないので、埼玉県のはずれに倉庫を借りて、しまい込んだのがたしか2001年ごろ。収蔵というより仮安置という気分だったが、その1年後に開催された「第1回・横浜トリエンナーレ」で、鳥羽の閉館以来初めて、お披露目する機会がやってきた。 |
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最盛期には全国で20カ所近くあった秘宝館も、80年代後半あたりから急速に集客力を失い、次々に閉館を余儀なくされていく。それは日本における旅行の形態が、団体から個人中心へと移行していった時期と重なる。すでに温泉旅館の宴会で騒いで、浴衣姿で夜の街に繰り出したり、観光バスを停めて秘宝館で遊んだりといったスタイルは、完全に時代遅れとなっていた。2007年にはついに元祖国際秘宝館が落城。多くのファンを悲しませたが、美術館や博物館などからはまったくアクションがないままだった。 |
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秘宝館、あるいは類似した名前がつく施設は日本全国に見つかるが、多くは春画や木彫りの男根など、むしろ民俗的な範疇に属するコレクションを展示するものであるし、エロティックなコレクションを展示するミュージアムはヨーロッパやアジア各国にもいくつかあっても、エログロの妄想を「等身大」のインスタレーション空間に表現する純粋な観光施設は、日本のほかにほとんど例を見ない。 |
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いまではインターネットで検索すれば「秘宝館」で無数のサイトがヒットするし、イベントを開くごとに実感するのだが、特に秘宝館の黄金時代である1970~80年代には生まれてすらいなかった若い「秘宝館ファン」が、いまになって増えている。彼らにとって昭和の秘宝館とは「エログロ」ではなくて、「エロかわいい」存在なのだろう。奇抜で、ポップで、ノスタルジックな。 |
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[元祖国際秘宝館鳥羽館・SF未来館 展示コンセプト] |
秘宝館がはじめて世にあらわれたのは昭和46(1971)年。三重県伊勢に出現した元祖国際秘宝館だった。性関係の民俗・風俗資料を集めたコレクションは世界各地に存在するが、学術的な体裁から一歩踏み出し、等身大のマヌカンを使ったジオラマによる視覚的エンターテイメントを目指した国際秘宝館は、まさに元祖の名にふさわしいパイオニア的存在である。 |
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鳥羽国際秘宝館・SF未来館は4層構造になっていた。まず1階正面にエントランス・ホールと土産物屋があり、受付で入館料を支払う。大人2000円、引き替えに伊勢と同じく「性愛学博士号」と記された名刺大のカードをもらえる仕組みだった。 |
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展示空間は2階から4階まで。2階はまるごとSF未来フロアになっていたが、3階は半分が江戸時代コーナー、もう半分に陰部神社、玉なで石などの装置や、保健衛生コーナーと称した性病やエイズの写真資料展示エリアがあった。 |
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兵士に命じて生存者を狩り集め、優秀な男性から機械によって強制精液採取、美女のみに強制精液注入、そして生まれた胎児を成長増進カプセルに入れ、特殊磁気、短期成長イースト菌などコンピュータ管理の栄養投与で、たった3カ月で18歳の成人の肉体を造り上げる。途中検査に落ちたものは、生体消滅処理装置で片づけられるという、なんとも楽しいSFエロ・ワールドだったのだ。 |
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ガーナの手描き映画ポスター |
3階にはひとつだけ小部屋があり、そこには木馬責めを受けている蝋人形(1階カラオケルームに配置された蝋人形と同じく「蝋プロ」松崎覚さん作)、さらに背後にはアフリカ・ガーナの手描き映画ポスター・コレクションが並んでいる。ポスターの壁の隙間から顔を覗かせている蝋人形もあるので、お見逃しなく。 |
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2000年代になってインターネットの発達とともに、ひとびとは家でDVDや配信で映画を楽しむようになり、モービルシネマは壊滅。絵師たちも元の看板描きに戻ったり、動物、自動車、飛行機など、ガーナ特有のさまざまにユニークな棺桶を製作する工房に転職したりしていった。 |
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キャバレー・ベラミの踊り子たち |
ここからは洗面所エリアを飾る作品紹介。向かって左側の個室を飾るおよそ100枚のプリントは、かつて北九州市若松にあったグランドキャバレー・ベラミの従業員寮から発掘された、踊り子や芸人たちの宣材写真(営業用ブロマイド)の複製である。 |
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(作品名、作者不詳) |
新宿の外れの寂れた商店街を歩いていたら、閉店した電器屋のシャッターが開いていて、中を覗き込むと電気器具のかわりにたくさんの油絵が飾ってあった。展覧会のようでもなかったが、中に入ってみると奥からおばあさんが出てきて、「店を閉めてからヒマで、地元の絵画教室に通って好きなものを描いてるの」ということだった。風景画あり、祇園の舞妓さんあり、いろんなモチーフがあるなかから、小さな犬の絵と猫の絵(木馬責めの小部屋入口)を譲ってもらった。あれからどうなったかなと思い、しばらくして商店街を通ってみたら、あたり一帯が再開発になって、もう電器屋がどこにあったかもわからなくなっていた。 |
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骸骨と女 |
3階トイレの向かって右側の個室に展示してある、骸骨と女が戯れるプリントはおそらく戦前にヨーロッパで撮影されたビンテージ写真である。 |
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《無題》塙将良、2020年 |
先週号「駐車場の怪物たち」で特集したばかりの塙将良は1981年茨城県生まれ。独学で絵を学び、2005年ごろから東京の路上で作品を発表し始めた。国内でも数々の個展、グループ展があるが、2017年にパリのアウトサイダー・アートフェアに参加以来、フランスでの人気が高い。浮き上がった目玉はサザエのフタに着色したもの。 |
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(作品名不詳)水森亜土 |
水森亜土を知らない日本人って、いるだろうか。1939年生まれ。子どものころは地元・東京日本橋の川にいかだが行き交っていたという時代に育ち、ジャズ・シンガー、童謡やアニソンの歌手・声優、イラストレーター、劇団の看板女優・・・・・・「肩書」という言葉がまったく無意味な縦横無尽の活動で、いまも現役。可愛らしい怪物である。 |
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(作品名不詳)根本敬 |
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《焼憶》シリーズより、大竹伸朗 2013年 |
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《無題》空山基 |
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《喫茶店にて》川上四郎 2010年 |
3階から屋上に上がる階段踊り場に掛けられた不思議な絵がギャラリー・ツアーのゴール。スタッフの手が空いたときだけご案内できる屋上からは、スカイツリーを間近に眺める絶景が楽しめる。 |
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都築響一コレクション |
毎年定例のお知らせとなっている「死刑囚表現展」が今年も10月14日から16日までの3日間、東京・入船の松本治一郎記念館で開催される。 このメルマガで最初に死刑囚の絵画作品を紹介したのは、広島市カ…
昨年11月から今年2月まで、花巻の「るんぴにい美術館」という、小さなアウトサイダー・アート・ギャラリーのグループ展に参加しました。場所が岩手県なので、ご覧になれた方は多くないでしょうが、参加アーティス…
京都御所の東側・河原町通りの荒神口にある展示空間「art space co-jin」は、きょうと障害者文化芸術推進機構の活動拠点として2016年に稼動を始めたアールブリュットに特化した展示スペース。ロ…
先週号でお知らせしたように、北九州小倉のギャラリーSOAPで、BABU個展「障害+ART 50-0」が始まっている。会期中に記事をあげたくて、急いで観に行ってきた。「障害+ART」と題されているけれど…
前回の大倉史子に続いて、埼玉県川口市の工房集につどう作家たちから、今週は長谷川昌彦(はせがわ・まさひこ)を紹介する。10月16日に配信した第1回記事で、工房集は埼玉県内に施設や事業あわせて22ヶ所を運…
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!