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バックナンバー:2015年11月25日 配信号 収録

art 八潮秘宝館、開張!


告知でお知らせしたように11月13~15日の3日間、稀代のラブドール・コレクターであり、ご本人によれば「写真家兼模造人体愛好家」である兵頭喜貴(ひょうどう・よしたか)が、「自宅秘宝館」として『八潮秘宝館』を一般公開。全国から50人以上のマニアが拝観に訪れたという。

兵頭さんが初めて本メルマガに登場してくれたのは2012年3月21日配信号。『人形愛に溺れて』と題したその記事は、葛飾区内の古びたアパートの一室に構築された、驚異の変態人形空間訪問記だった。


葛飾区内にあった兵頭宅、2012年の記事から

翌2013年6月には「アート・スタジオDungeon」という、名前からして怪しい板橋区内の地下空間でひっそり開催されたイベント『板橋地下秘宝館―再臨界の春』も記事で紹介しているが、実はその直後、兵頭さんは重い病に倒れ、しばらく活動を休止したのちに復帰、それから約2年の準備期間を経て、ついに今回、一般公開にこぎつけたという経緯である。

ついに八潮秘宝館を一般公開します。埼玉の東京の境界線上に位置し、そのどちらからも川で隔てられた吹き溜まりのような土地を気に入り、古城を購入して2年半......ようやくこの日がやって参りました。自宅を秘宝館化するという狂った構想を具現化するために日々努力と研鑽を積み重ねて来ました。その間、何度も死に掛けるし、猫は死んでしまい、いろいろと大変な思いをしましたが、何とか命だけは繋がっております。
(公式ブログ:兵頭写真館Rより)


2階の風景。手前にあるのが愛猫を祀る祭壇


天蓋付きの寝台を配した2階のドール空間


兵頭喜貴@八潮秘宝館

兵頭喜貴は1973年生まれ、今年42歳である。その人となりをあらためて知っていただくために、まずは2012年の記事に掲載した、本人による「略歴」を読んでただきたい――。

愛媛県 東宇和郡 野村町に生まれる。家業は建設業、祖父は県会議員副議長、父親は町議会議員を務めるような家庭に育ったために、少年時代は、暴力団との抗争、右翼団体による執拗な嫌がらせ、露骨な汚職、選挙違反、不正入試、恐喝、といったありとあらゆる悪徳にまみれて生き抜くことを余儀なくされる。未熟さから発生した描くことへの限界から、地元の県立高校入学と同時に、本格的に写真の世界にのめり込む。高校卒業後、陰惨な世界と関わりを絶つことだけを目的として、東海大学 工学部建築学科に入学、大学時代は、映画サークルの会長を務め、主に8mm自主映画の製作に勤しむ。

大学卒業後、一旦帰郷、実の父親の死後、23歳にしてようやく自由の身となる。その後再び上京、違法建築専門の設計事務所員、夜勤工、印刷工といった隷属的労働に従事しながら、自らの心象を写真に記録し続ける。作品発表の場を確保しようと、公募展に応募するも20回連続落選、道端で写真を売ってみても反応はいま一つ、自分が間違っているのか、世間が間違っているのかを見極めるため2001年4月、日本大学大学院映像芸術専攻に入学、否定せざるを得ない最高学府に相応しい教育指導体制のお陰で、自らの正統性をこれまで以上に確信し、2003年3月、同大学院修了。現在は、一労務者として社会に貢献しつつ、自らの変態活動の充実と、19世紀の視覚文化に漂うように存在する未分化の視線の検証・再生に、その精力の大半を傾ける。








兵頭さんがラブドールと最初に出会ったのは2000年、いまから15年前のことだった。

ドールと出会ったのは2000年10月21日です。当時は高円寺に住んでて、写真を撮りに亀有に来たら、亀有駅近くに怪しい原っぱがあって、そこで不法投棄されたゴミの中から、足だけ飛び出していたマネキンを拾ったんです。近所のワルガキが火をつけたらしくて、黒焦げになってて。それを見たときに、「あ、向こうから来たな!」という感じでした。


『金剛寺ハルナとその姉妹』

その後2004年にはオリエント工業のドールを初めて購入。当初から「三姉妹」をテーマにした物語を構想していたが、経済的な負担も大きく、数年間の苦労の末に自費出版写真集『金剛寺ハルナとその姉妹――模造人体とその愛好家が紡ぐ愛の写真世界』を発表、インスタレーションによる個展もこれまで数回にわたり自主開催してきた。


板橋の地下室展覧会からほどなくして、兵頭さんは突然の体調悪化に襲われる。

2013年の8月初めなんですが、夜中にいきなり、ものすごい頭痛が来たんです。前から頭痛とかはあったので、3日くらいは家でがんばって耐えてたんですが、あまりにもひどいので、これはおかしいと。実は下垂体卒中という、一種の脳出血だったんですが、そのときは脳がうまく働いてないので、まともな判断ができない。しかもいまの家に引っ越して数ヶ月だったので、どこの病院がいいとかもよくわからない。


それで最終的に入院して、けっきょく1ヶ月ぐらい病院にいました。それからはずっと通院治療で、とにかく大量の投薬を続けている状態です。退院後は、前にやっていたビル清掃の仕事に復帰したんですが、発病前のようには働けないので、週に3~4日のペースで仕事に通ってます。でも、薬にホルモン分泌をうながすのがあって、それで皮膚の状態がよくなったり、筋肉に作用するのか、体力が前よりついたようでもあるんです。動きが俊敏になったというか(笑)。




ビンテージのマネキン

前に取材に来てもらったのは葛飾でしたが、大家のばあさんにすごい嫌がらせを受けて、出ざるを得ない状況になったんですね。でも、うちは荷物の量がものすごいのと、猫もいたので、賃貸物件を探すのがほとんど不可能で。そしたら仕事の同僚に「そんなの買ったほうが安いよ」と言われて、そんなもんかと探し始めたら、ここが見つかった。

典型的な郊外の寂れた商店街で、もとは肉屋だった建物です。店舗と住居を兼ねてたので、間取りが変な看板建築だし、建物自体がもうボロボロ。しかも裏は墓地。そんなの欲しがるひといないと思いますから、すごい安くて。なんと650万円でした。それでリフォームしたりして、税金とかぜんぶあわせてちょうど800万円ほどで、持ち家ができちゃったんです(笑)。それだってかなりの金額ではありますが、親の死亡保険金を使わずに取ってあったので、ここで使うしかない、と。






道路側に面したアトリエ兼コレクション・ルーム


それで仕事の合間に、体調を見ながら少しずつ部屋を作っていって、ちょうど2年くらいかかって、まあなんとか見てもらえるところまで来たので、公開してみたんです。ちなみにドールは前よりさらに増えて、マネキンを入れればぜんぶで12体の大家族になりました。

1階と2階があって、2階のほうは前の葛飾の部屋の拡張版という感じです。そして1階が、いま撮影を続けている「第840特殊看護部隊」(通称・すみれ部隊)の実験室というテーマのセット。震災で倒壊した岩手の酒蔵をロケーションに貸してもらって、ずっと通って写真を撮ってるんです。あともう少し通えばいちおう区切りがつくので、『金剛寺ハルナ』のような写真集を、来年中には作りたいと思ってます。


1階「第840特殊看護部隊」(通称・すみれ部隊)の実験室








特殊看護部隊! そして「840部隊」なのは、場所が八潮だから!

利根川博士が、幼い娘を失った喪失感を埋め合わせるため、密かに開発した人口生命体であるカスミ・スミレ姉妹。その卓越した能力に着目した帝国陸軍は、秘密裏にS機関を組織し、スミレを複製・量産し、第840特殊看護部隊(通称スミレ部隊)を設置しました。S機関とは、人の心を持たず、残忍な気質と俊敏な運動能力を備えたスミレの特性を最大限活かし、捕虜への拷問、人体実験、要人・スパイの謀殺といった特殊任務を専門に遂行する特務機関です。

陸軍参謀本部は、カスミの各能力を抑えた簡易仕様機を量産し、慰安婦として前線に投入する計画も立案しましたが、戦局の悪化に伴い、量産計画は実現されないまま敗戦を迎えました。大東亜戦争後も、S機関は、東南アジア諸国の独立戦争で暗躍し、安定成長期の日本に里帰りし、現在も密かに活動を続けています。








うまくいけば、つまり体調が許せば、年にいちどはこうして「八潮秘宝館」の一般公開を続けていきたいという兵頭さん――「持ち家なんで、やりたい放題ですしね!」。でも、実は往年の秘宝館自体にはほとんど思い入れがないのだという。自分が好きのものだけを、好きなように並べていったら、偶然それが昔の秘宝館に似てしまったので、便宜的に「八潮秘宝館」という名前をつけただけ。昭和テイストの秘宝館の復活を目指すマニアではありませんから!と強調する。

「嬉野にしても鬼怒川にしても、閉館される前に既に死んでいて、存続してても意味がない状態でしたから。秘宝館の死滅を嘆くなら、自分で作ればいいんじゃないですか」と、ご自分のブログで兵頭さんはノスタルジックでセンチメンタルな秘宝館ファンを切り捨てているが、それはそのとおりだと僕も思う。


短いブームが過ぎたあとは、ひたすら地元に疎まれる存在でしかなかった日本各地の秘宝館を、無理に延命させたり生き返らせたりしようとするよりも、いまの時代の秘宝館を、ひとりひとりが夢想したり、実現させればいいことだ。そうして、かつての秘宝館の館主たちが経験したのと同じ、周囲の冷たい視線や嫌がらせをたっぷり味わえばいいことだ。


伊勢・元祖国際秘宝館カンムリと、岩下新生姜棒を改造した「実演・馬の後尾ショー」棒を捧げ持つ奥村瑞恵さん


陰部神社

撮影にうかがった日には、2014年5月14日号「秘宝館の女」で紹介した、自宅で北海道秘宝館の蝋人形を修復している奥村瑞恵さんも、自作の「陰部神社」と「秘宝館カンムリ」を携え駆けつけてくれた(しかも電車とバスを乗り継いで!)。奥村さんの福生の家でも、着々と準備が進んでいるそうで、そのうち「福生秘宝館」公開のお知らせができると思う。

その誕生から終焉まで、ついにメインストリームの文化史には取り上げられることのなかった昭和のエログロ・テイストが、意外にもこんなふうにパーソナルなかたちで現代に継承されつつある。これがフリンジ・カルチャーの正しい輪廻転生なのだと、僕は思う。


住宅街に隠れる八潮秘宝館(2階に明かりのついた中央の家屋)

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ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
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――秘宝よ永遠に

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1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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編集に「術」なんてない。
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多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

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この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
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