once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 09 日本へ、そしてロサンジェルスへ ブルース・オズボーン(写真家)
ロサンジェルスのArt Center College of DesignでクラスメイトだったBillと、いとこのBobと僕の3人で旅をスタートしてから8ヵ月ぐらいたった頃、Bobは大学を続けるためにテ…
photography 日々、常に――オカダキサラの日常写真 |
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東京都心部でもっとも東に位置する街のひとつ、南葛西。旧江戸川を隔てた対岸はディズニーランドのある浦安・舞浜という、トーキョー・イーストエンドである。1980年代に建設された戸数900近い巨大団地にオカダキサラは生まれ、いまも住んでいる。1988年生まれ、27歳の写真家だ。 |
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うちは父が専門書の編集者で、両親と私の3人でずっとここに住んでるんです。「要らないものは買わない、使えるものは捨てない」という家風で(笑)、どの部屋もものすごくすっきりしてて、よく驚かれるんですけど、別にきょう取材だからって片付けたわけじゃないので(笑)。 |
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で、受験前に予備校に行くじゃないですか。でも私はデッサンがなかなか上達しなかった。それで絵を描けなくても受験できた、武蔵野美術大学映像科を選んで入学しました。 |
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それで、3年くらいから授業をさぼっては、街に出てスナップ写真を撮るようになりました。朝6時に家を出て、途中下車して・・笑。撮影のあとにバイトに行って、夜11時ごろ帰宅、という毎日でした。卒業しても、もう少し写真をちゃんと勉強したかったので、今度は東京綜合写真専門学校の研究科に進みました。夜間部で毎日通う必要はなかったから、バイトと両立できたし。 |
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その同じ時期に、中野で桃園画廊というギャラリーを1年間だけ運営してたんです。祖母の一軒家があって、契約の関係で1年間だけ空き家になってしまうということで、それなら安く借りられる展示場所にできたらと思って、学生を中心に展覧会を組んでました。 |
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写真展を開いた機会に大阪を撮ったこともありましたが、私の写真は圧倒的に東京の街の風景が中心です。東京にもいろいろあるけど、けっきょくどこに行っても、どこを歩いても、人が住んでいるかぎり、生活感はそんなに変わらないんじゃないかな。ごちゃごちゃして、それぞれが主張しあいながら、でも一緒にいる、そういう都市のありようが私にはなにより興味深い。なのでお友達と遊びに行っても、買い物してても、写真のことが常に頭にあって。もう、いまは写真しかやりたくないんです。 |
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写真雑誌の編集者に聞くと「ああオカダキサラ、おもしろいよね」と言われるくらい、業界では知られ始めているし、個展も2015年は新宿と大阪のニコンサロンで開いている。でも、まだ写真集は発売されていない。かわりにZINEを手作りしてはブックカフェやフェアで売るというふうにして、これまで10冊ほどを世に出してきた。写真に適したブログサービスのタンブラーにもサイトを持って、月に3回ほど新作を発表し続けている。 |
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そのタンブラーのサイトでプロフィールを見ると、こんなふうに彼女は書いている―― |
使用カメラ:5DMarkIII |
最初は手のひらサイズのリコーGRだったが、まもなく一眼レフにして、「ズームで楽したくないから」50ミリの標準レンズを一本だけつけて、首からぶらさげている。20歳のころからずっと、いつでも肌身離さないようにして。 |
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「どうしたら、いい写真を撮れるようになるんでしょうか」と聞かれることが、たまにある。そんなの僕が教えてほしいけど、いい写真を撮るのに「どうしても必要なこと」だけは知っている。それは、カメラをいつなんどきも身体から放さないでいることだ。 |
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梅さんもオカダさんも、その作品は目の前の一瞬を捉える瞬発力の写真だ。ふたりとも写真学校出身だけど、特にテクニカルなものではないし、高価な機材でなくては撮れない写真でもない。華々しくもなければ、猟奇的でもない。だから、ひとはそれを見て、「だれでも撮れる」と勘違いしたりもする。 |
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「撮れる」と「撮る」のあいだにある深い溝を、多くのひとは理解しない。日々、目の前を通り過ぎる無数のシャッターチャンス。その「チャンス」を「シャッター」に結びつけるには、感覚とシャッターに乗せた指先を直結させるトレーニングが必要だし、それができてこそ開けてくる視界というものが、かならずある。 |
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オカダキサラ・タンブラーサイト:http://okada-kisara.tumblr.com/ |
[オカダキサラ 誌上写真展] |
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ロサンジェルスのArt Center College of DesignでクラスメイトだったBillと、いとこのBobと僕の3人で旅をスタートしてから8ヵ月ぐらいたった頃、Bobは大学を続けるためにテ…
ピンパブさすらいびとの比嘉健二さんは、暴走族文化を語る上で外すことのできないキーパースンでもある。『ナックルズ』をはじめとする若者系実話誌を生み出し、それ以前に僕も毎号欠かさず愛読していたレディース雑…
今週は『寝てる人 晩秋編』。10月2日配信のvol.085にて『寝てる人 初秋篇』を書いたのだが、今回は『晩秋編』である。寝てる人の写真がたくさんありすぎて「秋1つ」では収まり切らないボリュームだっ…
その日、私は甲府へ向かう特急かいじの中にいた。 ゴールデンウィーク終盤ということもあり下りの車内はそこそこすいていた。電車で食べる用に買ったお菓子を立川あたりで早々に食べ終わってしまった私はすっかり…
どうしたら写真家になれるんですか、とよく聞かれる。そんなのこっちが知りたいけれど、写真ギャラリーでのグループ展→個展→アート系出版社から写真集発売、というよくある流れの外側で、ちょっと前まで考えもつか…
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!