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2017年07月26日 Vol.269
art
嫌われしものの美
それは縦横70センチほどの絵だった。銅色で覆われた画面の中央に、なんの鳥だろう、崩れかけた死骸がある。その周囲をびっしり取り巻く点々は、目を近づけてみれば無数の蛆虫なのだった。言葉で説明するとグロテスクに聞こえるが、その光景に気持ち悪さは微塵もなく、むしろ命のかけらが鳥から蛆虫へと受け渡されようとする瞬間の、ある種の神々しさがそこには漂っているようだった。蛆虫、アリ、ムカデ、ユスリカ・・・そういう「嫌われもの」を好んで画題に取り上げ、緻密な日本画で表現する作家、それが萩原和奈可(はぎわら・わなか)である。萩原さんを知ったのは、本メルマガではおなじみの銀座ヴァニラ画廊が主催する公募展の審査で、『HEROES』と題された鳥の死骸と蛆虫の作品に出会ったときだった。第5回を迎えた2017年度の「公募・ヴァニラ大賞」で、僕は萩原さんの作品を「都築響一賞」に選び、他の作品も見たくなって彼女が両親と暮らす茨城県龍ケ崎市の家にお邪魔させてもらうことにした。
photography
遺された家の記憶
かつて「グラフ雑誌」というものがあった。「アサヒグラフ」「毎日グラフ」など、アメリカの「LIFE」を範とするグラフ・ジャーナリズムは20世紀の報道媒体として重要な役割を果たしてきたのだが、そうしたグラフ誌が全滅してしまった現在、とりわけ硬派なドキュメンタリー・フォトグラファーにとっては厳しい状況が続いている。ネットがあるじゃないかと言っても、個人での発信は影響力でも経済力でも全国誌とは比べものにならないし、セールスが期待できない写真集を出そうという出版社は減るばかりだ。そんな現状でときたま、時間をかけて丁寧につくられたドキュメンタリー作品に出会うと、背筋が伸びる思いがする。『遺された家』は奈良県在住の写真家・太田順一が去年12月に発表した写真集だ。大阪の朝鮮人コミュニティ、沖縄人コミュニティ、ハンセン病療養所など、入り込むことすら簡単ではないテーマばかりを選び、「歩いてなんぼ」と通い詰めて本にまとめてきた太田さんにとって、これは久しぶりの写真集になる。
travel
案山子X 38 鬼木棚田まつり(長崎)(写真・文 ai7n)
こんにちは。ai7n(アイン)です。今回は長崎県東彼杵郡波佐見町鬼木郷の鬼木棚田まつりを紹介します。長崎県の中央部に位置する波佐見町は、長崎県内で唯一海に面していない町です。400年の伝統をもつ陶磁器の波佐見焼の産地であり、オシャレで使いやすい日用食器として近年注目されています。波佐見町には日本の棚田百選に選ばれた「鬼木の棚田」があります。毎年9月に「鬼木棚田まつり」が開催されており、棚田の美しい景観とユニークなかかしを見ようと多くの人が訪れます。2000年に棚田百選に認定された事をきっかけにこの祭が始まったのですが、その時はかかしの展示は無く枝豆の収穫イベント等が行われただけでした。翌年2001年に、祭に来る人に喜んでもらおうと住民の方が5体程のかかしを製作して棚田に展示したのが始まりで、その後かかしはどんどん増えていきました。今では100体以上のかかしが展示され、かかしを目当てに訪れる人も増えてきました。
travel
フランスわき道より道 見聞録 03 ピエール・ラ・ポリスの展示を観にエクスへ寄り道(写真・文:中山亜弓)
ピエール・ラ・ポリス(Pierre La Police)は、レジデンツやバンクシーのように生年月日も本名も不祥のフランスのアーティストで、現代美術、コミック、アニメ、挿絵…と幾つものジャンルにまたがり活動をしていますが、いずれの作品も、念入りな不条理に満ちています。公式サイトによれば、1980年代の終わりから100部に満たない自主制作のコピー本を、パリの書店Un Regard Moderneで販売し、作品を発表しはじめており、30年ほどのキャリアを持つ作家であることがわかります。その活動初期、89/90年に、ピエール・ラ・ポリスがコピー誌で発表した3人のヒーローもの『フォンゴーとテミステクル兄弟』(Fongor et des frères Thémistecle)のコミックは現在も進行中の物語で、紙の書籍のみならず、iPhoneやiPadで見る電子書籍にも対応した1ページ1コマ形式で描かれた最新シリーズ『地獄の実務家』(LES PRATICIENS DE L’INFERNAL)の第2巻が今年の3月に刊行されたのに合わせて、南フランスのエクス=アン=プロヴァンス(略称エクス)でシリーズの原画展が開催されました。
art
極限芸術~死刑囚は描く~@アツコバルー
先日はオリエント工業40周年記念展で話題を集めた渋谷アツコバルーが、ラブドールに続いて開催する展覧会が『極限芸術~死刑囚は描く~』。昨年、広島県福山市クシノテラスで開かれた展示の東京バージョンで、作品の選択はアツコバルーのスタッフによる独自のものになるそう。しかしラブドールから死刑囚の絵・・・「生と死」ならぬ「性と死」、振り切ってるなあ。死刑囚の絵について、このメルマガで最初に取り上げたのは2012年、広島のアピエルトという小さな劇場で開かれた展示の紹介だった。いま、日本には125人の死刑囚がいるのだが(2017年7月現在)、その中には数十年も獄中で「その日」が来るのを待っているひともいれば、死刑確定から数年のうちに執行されてしまうひともいる。
travel
Back in the ROADSIDE USA 43 Cross Garden, Prattville, GA
アラバマの2大都市モンゴメリーとバーミングハムを結ぶ、州間高速65号線に面した小さな町プラットヴィル。町はずれの丘に『クロス・ガーデン』と呼ばれるアウトサイダー・アート空間がある。今年で74歳になるW・C・ライスが1976年以来ずっと書き続け、作り続けてきた数百の十字架と、洗濯機やエアコンの廃品を使った「メッセージ・ボード」が、剥き出しの地面に林立する、なんとも過激な「作品」だ。「ユー・ウィル・ダイ!」「ヘル・イズ・ホット・ホット・ホット!」などと、素晴らしく簡潔な言葉が大地に、頭上に踊るさまは立体の現代詩のよう。
2017年07月19日 Vol.268
lifestyle
高原パン屋は行くよ(文:鈴木里子 写真:都築響一)
山梨の小淵沢にすごく美味しいパンを焼きながら、広すぎる古民家にひとりで住んでて、寒すぎる厳冬期は庭に枯れ枝を組んだ小屋をつくって寝てる、まだ若い女性がいる――そう友人が教えてくれて、すごく会ってみたくなった。小淵沢の瀟洒な別荘やリゾートホテルはたくさん知っているけれど、わざわざそんな過酷な暮らしを選ぶのって、どんなひとなのだろう。建築やインテリアの取材が多い鈴木里子さんと、半分わくわく、半分おそるおそる、初夏の小淵沢を訪ねてみた。
book
百点の銀座
『銀座百点』という雑誌をご存じだろうか。銀座の老舗に行くと、たいていレジ脇に積んである小さな雑誌を、あああれかと思い出すひともいるだろう。銀座の名店の連合会「銀座百店会」が発行する月刊誌が『銀座百点』。誌名が「百店」でなく「百点」であることからわかるように、単なる会員店舗の宣伝誌ではなく、銀座という街の魅力を紹介し、語り尽くそうという「日本最初のタウン誌」なのだ。創刊号が1955年発行、さっき銀座の千疋屋でもらってきた2017年7月号の表紙には第752号とある。
travel
Back in the ROADSIDE USA 42 Babyland General Hospital, Cleveland, GA
ミシシッピ河の東側でいちばん大きなジョージア州(南北600km、東西400km以上!)は、「気候、風土、産業、歴史等多くの類似点を有する」鹿児島と姉妹県州だそう。似てるだろうか・・・。州都アトランタから北におよそ100キロ、クリーヴランドという小さな町にあるのが『ベイビーランド・ジェネラル・ホスピタル』だ。日本ではちっとも受けなかったが、アメリカではずっと前から根強い人気を誇っている人形に、「キャベッジ・パッチ・ドール」というのがある。その名のとおりキャベッジ・パッチ=キャベツ畑から生まれたというふれこみの、かわいいというかちょっと不気味な人形だ。ちなみにアメリカでは子供に「わたし、どこから生まれたの?」と聞かれると、親がよく「キャベツ畑からよ」と言って聞かせるのだという。
book
はぐれAV劇場 20 特別編 安達かおる著『遺作―V&R 破天荒AV監督のクソ人生』(文:大須蔵人)
AV界には、その時代を作ってきたといえる監督たちが、少なからず存在する。その代表的な人物といえば、まず代々木忠と村西とおるが挙げられるだろう。一方で、時代を作ってきたという意味での重要度に比して、これまでその活動が伝えられてきたとはいい難い人物の代表が、V&Rの安達かおるだろう。もちろんアンダーグラウンド、サブカルチャーの世界では有名で、あの「カンパニー松尾、バクシーシ山下の師匠」として知られるわけだが、これまで安達かおる自身の人となりについては謎の部分が多かったし、もっと注目されていいのではないかというのが本音だった。それが今回紹介する安達かおる自身による初の単行本『遺作―V&R 破天荒AV監督のクソ人生』(メディアソフト)が刊行されたことによって、それまで謎に包まれた安達監督について包括的に知ることができるようになったのだ。
art
アウトサイダー・キュレーター日記 32 スギノイチヲ(写真・文:櫛野展正)
2017年4月の時点で、全世界の月間アクティブ利用者数が7億人を突破したInstagram。プロではない人たちもスマートフォンで自分の表現を容易に発表できる手軽さから、ますます人気を集めている。膨大な量の写真がタイムラインの海をスクロールしていく中で、「おじコス」とハッシュタグの付いた投稿に目が止まった。よく見ると、タモリや会田誠など自らの顔を著名人に扮して投稿した写真で、つげ義春や浦沢直樹など随分マニアックな人たちの顔真似もある。それからしばらくして、クシノテラスに「フォローしてくれてありがとうございます」とやって来てくれたのが、作者のスギノイチヲさんだった。商業デザイン会社で常務取締役を務めるスギノさんは、現在51歳。職場がクシノテラスの近所だったこともあって会話が弾み、後日福山市内の高台が一望できるご自宅でお話を伺うことができた。
2017年07月12日 Vol.267
art
銅版画家・小林ドンゲ
会期終了間近の紹介になってしまい恐縮だが、佐倉市立美術館でいま『収蔵作品展 小林ドンゲ――初期版画を中心として』が開催中だ(7月17日まで)。千葉の佐倉にはDIC川村記念美術館や国立歴史民俗博物館もあるので、休日の展覧会巡りで訪れるひともいるだろう。小林ドンゲという不思議な響きの名前を持つ銅版画家は、そんなによく知られているわけではないと思うけれど、古くからのファンも、若い世代の支持者もいて、2004年には同じ千葉県の菱川師宣記念館で大規模個展が、また2015年には銀座ヴァニラ画廊でも展覧会が開かれている。堀口大學の詩集の装丁なども手がけたので、文学からドンゲの仕事を知ったファンもいるかもしれない。
book
愛されすぎたぬいぐるみたち
『捨てられないTシャツ』フェアを開いてくれていた新宿紀伊國屋書店にうかがったとき、担当の書店員さんが「こんなのも出たんですよ」と教えてくれたのが『愛されすぎたぬいぐるみたち』だった。題名どおり、愛されすぎてボロボロになってしまって、でも大切にとっておかれたぬいぐるみたちを、所有者の短いコメントとともに集めた可愛らしい写真集だ。原本の『MUCH LOVED』は2013年に発売され、大きな話題を呼んだという。著者のマーク・ニクソンはダブリンを本拠にするアイルランド人写真家で、息子が大切にしているピーターラビットを見ているうちに、自分も子供のころはパンダの縫いぐるみに夢中だったことを思い出し、周囲の人たちに声をかけて、大切なぬいぐるみを撮影するようになった。
lifestyle
BBCドキュメンタリー『アート・オブ・ジャパニーズ・ライフ』
イギリスBBCがシリーズとして放映したばかりの『The Art of Japanese Life』。有名建築家から宮大工、無印良品まで「ジャパニーズ・スタイルの良心」みたいなエピソードが満載ですが・・・その中でイロモノ・コーナーとして(笑)、僕のけっこう長いインタビューも入ってます。『TOKYO STYLE』や『着倒れ方丈記』の写真を見せながらの対話。
book
アナーキー・イン・ザ・ニッポン
いまも日本最強のハードコア・ラッパーのひとりであるアナーキー。『ヒップホップの詩人たち』で取材した縁で声をかけてもらい、文庫版になった自伝『痛みの作文』の解説を書いた。もとは2008年に単行本がポプラ社から出ているが、長く品切れだったので、文庫化を喜ぶファンも多いだろう。文庫化に際して巻末にディスコグラフィーのほかに、なんとサイバーエージェント社長・藤田晋との対談(初出:2008年『SPA!』)が、僕の解説とともに加えられている。『ヒップホップの詩人たち』を文芸誌『新潮』に連載した2011年から、もう6年あまりが経って、そのあいだにはマイクバトル・ブームもあり、ラップもずいぶん多様化していった。今年はザ・ブルー・ハーブの結成20周年でもあり、思えば日本語ラップもそれだけ長い道のりを歩いてきたのだった。
travel
Back in the ROADSIDE USA 41 Unclaimed Baggage Center, Scottsboro, AL
唐突だけど、ハードディスクがいつかはクラッシュするように、空港で預けた荷物はいつかなくなる日が来る・・・。飛行機は無事に着陸したけれど、いくら待っても荷物が出てこない・・ロスト・バゲッジの恐怖は、旅行慣れした人ならいちどは経験する悪夢だ。ほとんどの場合は当日か翌日に見つかるけれど、中には持主不明のまま空港の片隅に取り残される、哀れな荷物もある。そんなスーツケースやもろもろの携行品が、最後にたどり着くのがここ、アラバマ州北東部の小さな町スコッツボロにあるアンクレイムド・バゲッジ・センター(UBC)だ。
2017年07月05日 Vol.266
art
心のアート展・印象記
2009年の第1回以来、8年で6回目となる今回の展覧会は、東京都内の精神科病院で構成される一般社団法人東京精神科病院協会(東精協)に加盟する29施設462作品の応募から選ばれた243点が展示された。芸術劇場のギャラリーはアートに特化した展示室ではないのだが、広い空間を埋めた多量の作品群は圧倒的なエネルギーに満ちて、観終わるころにはかなりの疲労感を覚えるほどだった。回を重ねるごとに病院やスタッフ、また会場を訪れる作家たちが刺激しあってなのか、過去3回ほどの展覧会を観ている僕の目にも参加作品全体のレベルアップが顕著で、それは「アート」と「アウトサイダー・アート」の区別をますます無意味に感じさせる体験でもあった。短い開催期間で、観に行けなかったかたたちのために、今週は『第6回 心のアート展』から印象に残った作家と作品を紹介させていただく。
travel
フランスわき道より道 見聞録 02 アトリエ訪問(写真・文:中山亜弓)
今回のフランス行きの目的は、アーティスト石川次郎さんのパリでの展覧会の設営やオープニングに立ち会うことで、展示に合わせてなんと漫画短編集『C'est comme ça』も現地で発行されました。発行元のEditions Matièreは、横山裕一や、トイポップパンクバンドDragibusでシンセサイザーを担当していたこともあるLéo Quievreuxなど、グラフィックとコミックの間にまたがる作品を一貫して出版しています。そもそも編集者のロラン・ブリュエルが、INALCO(国立東洋言語文化研究所)で日本語を専攻したパートナー、セリーヌの日本留学中、自身も映像関係の仕事に就いて日本に滞在し、横山裕一と出会ったことが、出版をはじめるきっかけになったといいます。
art
アウトサイダー・キュレーター日記 31 安達則子(写真・文:櫛野展正)
広島県尾道市にある千光寺公園には、プロポーズにふさわしいロマンチックな名所として「恋人の聖地広場」に認定された場所がある。平成26年には、「恋人の聖地広場」から「恋人の広場」に名称変更し、約1000万円の事業費が投じられ整備された。敷地内にはハート形の大小の花壇が計10台設置されているが、千光寺公園内のメインの通りから外れているため、未だ知名度も低く訪れる人もまばらだ。そんな「恋人の広場」の対面には、奇妙な飾りのある家が建っている。近づいてみると、入り口の門のところには、ピンク色や花柄を主体とした装飾が施され歓迎ムードを漂わせているものの、足元の案内板に目をやると「Here is a Private house」の文字が記されている。立ち入りを拒否しているのか歓迎しているのか分からない状況だか、僕は勇気を出して歩みを進めた。雑多な品が並ぶ庭を抜け、インターホンを押すと、ロングヘアーにピンクの衣装が周囲の景観とマッチした女性が現れた。彼女こそ、この作品群の生みの親・安達則子さんだ。
travel
Back in the ROADSIDE USA 40 Grotto of the Redemption, West Bend, IA
グロットとはふつう、人工的に作られた洞窟を指す。よくヨーロッパの古い教会や王宮庭園、聖地などで見かけるが、アイオワ州中部の小さな町、ウェストベンドの住宅街のただ中に、世界最大のグロットがあるとは驚きだ。しばしば「世界で八番目の不思議」とも称される(ほんとか!?)グロット・オブ・ザ・リデンプション=「贖罪の洞窟」は、コンクリートの土台に水晶やらメノウやら、ありとあらゆる宝石・貴石を埋め込んで作られた、壮麗かつビザールな巨大建造物。住宅地の一区画を丸々占めるその威容は、年間10万人以上が見学に訪れるというのも納得の迫力だ。もちろん一カ所に集められた宝石・貴石の量としても世界最大で、その価値だけで時価400万ドル以上になるという。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!