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バックナンバー:2017年12月27日 配信号 収録

travel 幼児に還るお正月@八潮秘宝館


秘宝館の絶滅を嘆くひとは多いけれど、「なら自分でつくればいいじゃん!」という単純明快な真理に則って、自宅を秘宝館にしてしまった兵頭喜貴の『八潮秘宝館』。すでに本メルマガではおなじみだが、その「第5回一般公開」が年明け1月1日元旦!より約1ヶ月間(仕事が休みの日のみ)、にわたって開催されることが決定した。今回のテーマは『幼児プレイルーム・未熟園再稼働』・・・かつて高円寺でひっそり営業していた伝説の幼児プレイルームを、「独自解釈で再現し、再稼働させる」という、これまでに増してビザールな試みとなる。

ロードサイダーズ読者に「幼児プレイ」をどう説明したらいいのか・・・僕自身よくわかってないので、プレイルーム「未熟園」営業時に見学の経験を持ち、その閉店にも立ち会った兵頭館長に、僕ら初心者のための解説をお願いした――。


一般にアダルトビデオの第1号は、1981年に発売された「ビニ本の女/秘奥覗き」「OLワレメ白書/熟した秘園」とされていますが、それは表向きの話で、よりアンダーグラウンドな領域では先の2作に先立ち、オムツプレイビデオが存在していたという話を聞いたことがあります。

当時はビデオデッキ、テープ、ソフトいずれもが高額で、ソフト1本が数万円もしたため、大金を出してまでエロビデオを買うのはよっぽどコアな変態だけに、もっとも先鋭的な変態市場として標的にされたのが幼児プレイマニアだったというのですが、真偽のほどは明らかではありません。


いまも見られる多くの幼児プレイ系ビデオは、モデルが女の子です。しかし、現実に幼児プレイしているのはオッサンですから、この時点で実態と完全にかけ離れています。しかし、オッサンは、オッサンがオムツしてウンコしているところなんて見たくもない。だからそこを美化するために、あえて女の子を使うわけです。


女の子がウンコしたり、放尿したり、オムツした姿を欲する層もいますが、それはスカトロマニアやオムツマニアであって、幼児プレイの愛好家ではありません。コアな幼児プレイの愛好家は、自分の中の自分にしか興味がありませんから、共感とか理解とは遠い世界にいます。おそらく、この世でもっとも尖った変態の一種でしょう。

以下に、幼児プレイがどういうものか記します。まず、客は幼児というか、赤ん坊になります。それは変身願望の類ではなく、愛好家たちは自分本来の姿をさらけ出したいのだと思います。赤ん坊になった客は、ママに甘えます。着せ替えしてもらい、本を読み聞かせてもらい、オシメしてオシッコして、オムツしてウンコして、風呂に入れてもらい、耳掃除してもらい、爪を切ってもらい・・・やってることは老人介護とまったく同じです。


極端な場合はプレイ時間中、寝てるだけという客もいたそうです。オシメプレイに特化している人は1時間に何度もオシッコしたりと、要望やプレイ内容は客それぞれまったく異なります。そのため未熟園には、それぞれの客の特性を詳細に記したカルテがあったそうです。

結論から申して、いわゆる抜きはありません。世間で流通する幼児プレイビデオの大半は抜きのシーンが入ってますが、コアな幼児プレイにおいては、それは無用な行為です。わからずにやってるのか、わかった上でアダルト業界のお約束で抜きどころを作っているのかは知りませんが、コアな幼児プレイ愛好家の抜きどころは射精ではありません。




聞いた話では、オムツカバーのボタンをパチッと止める瞬間が、勃起ポイントである人が多かったそうです。大小便の放出は、疑似的な射精ではあるんでしょうが、話はそう単純ではないはず。このあたりは当事者でないとわかりませんし、愛好家によって事情はまったく異なります。


続いて未熟園のおおまかな歴史について記しておきます。

その起源についてはよくわかっていないのですが、どうやら90年代の初頭から存在していたようです。残された資料を閲覧すると90年代半ばは在籍するママもたくさんいて、かなり華やかにやっていたことがわかります。しかし常連客があまりに幼児プレイが好きすぎて、自分で幼児プレイの店を開店、商売敵となった未熟園を潰すため警察に密告して、運営者が逮捕されてしまいました。


営業時の未熟園内部を写した貴重な記録

いわゆる売春行為は無いのですが、接客業であることは確かで、風営法に抵触していたのです。きちんと法的手続きをすればなんの問題もなかったのですが、それを怠っていたことがアダとなりました。

宙に浮いた未熟園を2代目の運営者が引き継いだのですが、法的手続きを放棄したまま、表向きはなくなったことにして、警察の目を気にしつつ、こっそり、ひっそりやっていたので、経営的にジリ貧になり、平成29年元旦の早朝に消滅しました。


おとなサイズのおむつはたいへん高価だという

この何年かは経営的にまったく成り立っていませんでしたので、かねてより知り合いだった経営者から「楽園」の破壊と不用品回収を依頼されたわけです。ベビーベッド、ベビーカー、ゆりかご、タンス、机といった大物をいただいたのですが、それらを処理する過程で、この什器類とうちの人形・玩具を合わせれば幼児プレイルームが再現できるじゃないかと、ふと思いつきました。


未熟園で発見されたビデオ

さらに最後の常連客が未熟園の閉鎖を告げられて、ママのひざの上で号泣した話を聞かされ、これまで関わったたくさんの人達の思いを鎮めるためにも、臨終に立ち会った自分がなにかやらねばという思いにも駆られたのでした(こういうときに神社や石碑が作られる理由がよくわかります)。

プレイルームの閉鎖を手伝いながら、「そこで初めて秘宝館とプレイルームの親和性に気がついた」という兵頭館長が独自解釈でリブートする、伝説の変態空間。公式サイトで開館日を参照の上、ご予約いただきたいが、すでに大晦日から元旦にかけての予約が入っているそう・・・来年も変態界に幸あれ!


八潮秘宝館 第5回一般公開 - 幼児プレイルーム・未熟園再稼働
開館日などの詳細、予約は公式サイトから:
http://blog.livedoor.jp/hyodo_shasin/archives/50798379.html
(正月休み以降はほぼ日・月・水に開館予定。兵頭館長が身を挺して再現した幼児プレイ映像も鑑賞できます!)

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本メルマガでおなじみ「八潮秘宝館」を見学に行ったとき、館主の兵頭喜貴くんが教えてくれたのがゑびすや商店/ABS卸売りセンター、通称「ABS屋」だった。足立区辰沼に本社・本店を構え、葛飾、江戸川、三郷、…

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

特設販売サイトへ


ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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