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2021年01月27日 Vol.438
art
田中一村ができるまで
田中一村は1977年に奄美で亡くなるまでほとんど知られることなく、死後2年経って公民館で3日間だけの遺作展が開かれ、その数年後にNHK『日曜美術館』などで取り上げられていきなり全国的に大ブレイクした「死後発見」組のひとり。奄美には記念美術館があり代表作の多くが収蔵されているが、本土ではときたま開催される展覧会以外に、まとまった数の作品を見られる機会はあまりない。去年夏にリニューアルオープンしたばかりの千葉市美術館では、いま『田中一村展 ― 千葉市美術館収蔵全作品』を開催中だ。
lifestyle 無料公開中
シブメグの人生小劇場 06 ハルコさんの櫛 (写真・文:シブヤメグミ)
この年末年始、自分でも驚くぐらい忙しかった。この忙しさが、遊び呆けの成れの果てなら大喜びで目まぐるしくなるんだけど、仕事だったから荒んだ。文字通り身も心も。ついでに部屋も荒んだ。ひどいもんだった。「部屋が散らかるとメンタルを病む」って話をよく聞くけど、ほんとにその通りだった。甘く見てました。 この年末年始の私、ありとあらゆるものに対して雑だった。洗濯する暇もなかったので、裸足で出かけて移動中に靴下を買って、それを履くために駅のトイレに入るってのをやった。
travel
ParadiseLost 二度と行けない珍日本紀行 08 静岡県4
イノシシって、実はかわいくておいしいんです――1970年に開園した、実は老舗観光スポットだった伊豆天城の「いのしし村」。その名のとおり、イノシシに特化した特殊なテーマパークだった。ウィキペディアによれば最盛期の1985年に年間40万人近くの来園者を集めたそうだが、徐々に人気を失い2002年末にいちど閉園。その後別会社で再起を図るが、2008年に完全閉園ということになった。公式ウェブサイトもすでに存在しないが、なん園長とスタッフによるブログがいまもウェブ上に残っている(というか放置されている)。いつ消滅してしまうかわからないので、興味あるかたはダウンロード保存しておくべし! 現在、いのしし村の跡地は特別養護老人ホームとなっている。いのししから老人へ……。
movie
はぐれAV劇場 32 『ダンス・ミュージック』 (文:大須蔵人)
「平和は怖い。地獄を隠し持っているようだ」 黒い画面に浮かび上がるこの警句。そこに少し不穏な雰囲気を醸し出すシンセサイザー音楽が重なる。なんとも不可思議な文章のオープニングは、以前紹介した『原発ピンク列島』(第30回)と同じだ。厳密にいうと音楽は微妙に異なり、文字の色が違っているのだが、少なくともこの時期に共通したオープニングを使っていたことがわかる。 今回紹介するのは1990年に発売された、その名も『ダンス・ミュージック』という作品だ。 本作の監督は、『原発ピンク列島』と同じく伊勢麟太郎監督。メーカーはビックマンで、発表年も『原発ピンク列島』と同じと共通点が多い。 とはいえ、原発銀座をめぐる“ガチ”のドキュメンタリーだった『原発~』に対して、『ダンス・ミュージック』は、かなり綿密に作り込まれたサスペンスドラマだ。
2021年01月20日 Vol.437
photography
モルドバの土に頬をつけて
2020年のヨーロッパの写真界でいちばん話題になったひとりにザハリア・クズニアがいる。しかしつい最近まで、どんな写真通でも彼の名前を知るひとはいなかったはずだ。なぜなら彼もまた「発見」された写真家だったから。本メルマガでは2015年にニューヨークのヴィヴィアン・マイヤー、2018年にサンクトペテルブルクのマーシャ・イヴァシインツォヴァ(リンク張る)、さらには2020年の青森の工藤正市と、死後発見されたアマチュア写真家を記事にしてきた(新聞社の写真部にいた工藤さんは正確にはアマチュアとは言えないが)。ザハリア・クズニアは彼らに続く、またも奇跡の発見物語である。
art 無料公開中
追悼・ラッシー君
ロードサイダーズのみなさまにはもうおなじみ、金沢在住の主婦アーティスト&コレクター山川博子さんの愛犬ラッシー君。去年になって、あんまり具合がよくないと聞き、動けるうちに山川さんと一緒の写真撮ろう!とか言ってるうちにコロナが始まり金沢に出かけるのを先延ばしにしているうちに、先日「ラッシー君が亡くなりました」というお知らせをいただいた。 山川さんと出会ったのは2017年6月、金沢21世紀美術館の『川越ゆりえ 弱虫標本』展でトークに呼ばれたときだった。そのときのことを書いた2017年10月18日 配信号「そう来たかラッシーくん!」に、こんなふうに書いた――
art
波磨茜也香のおんなのこ散歩 第15回 周りの同世代が温かな家庭を築く中僕はただ異常結節をひたすら覚える
いやあ寒くなってきましたね。 可愛いコートを何着か持っているのにそのコートじゃ寒すぎて真っ黒なダウンコートを着、フードをしっかり被りマスクは必須、日々不審者コーデで学校に登校しています。 例の新型は待ってましたとばかりに再び流行し始め、折角の年末年始も今年はひっそりと過ごすことになりそうです。まあ私は受験生なのでほぼ籠って勉強とこの原稿を書く日々なんでしょうけど。 さて、ここ最近の私はと言うと9月いっぱいで1年間に及ぶ臨地臨床実習が無事終わり(なんと1年間無遅刻無欠席、馬鹿は風邪ひかない!)、前期期末試験を越え10月から本格的な国家試験対策が始まりました。
travel
ParadiseLost 二度と行けない珍日本紀行 07 静岡県3
駿河湾に突き出した三保は「三保の松原」で有名。ここには東海大学が運営する海洋科学博物館(もと水族館)、自然史博物館(もと恐竜館)があるが、かつては海洋科学博物館、人体博物館、三保文化ランド、自然史博物館の4館にプールまでを有する「三保文化ランド」という広大な教育観光施設群であった。 珍スポット・マニアにも愛されてきた人体博物館は1973年オープン。「口から入ってミクロの世界」をテーマにして、人体内部をめぐることによってからだのことを学んでもらおうという、当時としては画期的な体験型展示に、これも時代をやや先取りした生殖コーナーまで設けられていた。しかし開館から30年近く、ほとんどアップデートされないままに老朽化し、2000年10月30日に閉館となった。
2021年01月13日 Vol.436
art
しがみつく綱としての絵――雫石知之「生きたい 死に際」
西荻窪の駅のそばのギャラリーで、すごく不思議な絵の展覧会をやってます!と、メルマガの技術面を担当するスタッフから連絡をもらった。添付してくれたDMには、一見男か女かわからない全裸の人間が、空中に吊り下げられている。縄やフックを使うSM的なサスペンションではなく業務用というか、性的というよりむしろエクストリームなスポーツにも見える吊りの光景で、そこに『生きたい死に際』雫石知之 展というタイトルが乗っていた。 いわゆるフェティッシュ系のアーティストともちょっとちがう雰囲気がある気がして調べてみると、ご本人のTwitterアカウントにこんな自己紹介が載っていた――
music
新型コロナとフランス・アンダーグラウンドシーン 04 ロックダウン解除後 (画・文:ショビレヌ・K)
こんにちは。ショビレヌ・Kです。前回の記事では3月17日から5月11日にかけて実施されたロックダウン期間の日常などに関してレポートしました。今回はロックダウンが解除されてから行ったライブのうち2本の様子を綴ります。7月8日@パリ北東部郊外 Les Lilas ファビエンヌ邸――ロックダウン解除後1本目のライブは、我々オフィシンの友人のファビエンヌとアンヌがオーガナイズしたロックダウン解除パーティーで行うことになった。
music
追悼・佐伯一郎先生
2016年7月27日号と8月3日号の2週にわたって、「浜松の演歌王・佐伯一郎物語」を掲載した。音楽都市であるはずの浜松が生んだ偉大な「歌う作曲家」佐伯一郎。しかしオーケストラやオペラを愛する、意識高い系の浜松人には徹底的に無視されてきた佐伯先生がさきごろ死去されたと、静岡文化芸術大学で音楽史を研究する奥中康人さんが教えてくれた。 地元メディアですらまっとうに取り上げなかった佐伯一郎さんの追悼記事を、これからお読みいただく。書き手は僕を佐伯さんに結びつけてくれた奥中康人さん。2016年の記事では浜松市中心部の「佐伯一郎音楽学院」を訪ねたときの様子を、たくさんの写真と現在では入手の難しい音源を添えて紹介しているので、よろしければ併せてお読みいただきたい。
travel
ParadiseLost二度と行けない珍日本紀行 06 静岡県2
港を見おろす高台に、宇宙に届く城が立つ――下田駅を降りてすぐ、山の中腹にそびえる下田城は、珍スポット・ファンにおなじみだっただけでなく、UFOを呼ぶ儀式を定期的に開催していたことでもマニアによく知られていた。城主の景山八郎さんは幼い頃から宇宙に関心を持ち、16歳にして天体望遠鏡を自作。20歳にして、当時日本最大のロケットを建造。その後もガガーリンやユリ・ゲラーと面会するなど、宇宙への興味は留まることをしらず、バブル崩壊後、地元建築会社が建てた下田城を購入。美術館として運営するとともに、広場に巨大隕石を祀り、若山富三郎の「夢芝居」をBGMに、UFOを呼ぶ儀式を定期的に行っていた。 現在も東京・新宿にある宇宙村支部に常駐されているが、下田城(正式には下田城美術館」は残念ながら建物の老朽化に伴い2008年11月に休館。いまも城を仰ぎ見ることはできるが、内部の観覧はできないようである。
2021年01月06日 Vol.435
photography
サバービア・ガーデニング ――前川光平「yard」を見て
去年と一昨年の2回、清里フォトアートミュージアムが主催する国際公募展「ヤング・ポートフォリオ」の審査員を務めたことは以前にもメルマガで書いた。現代美術的なアプローチの作品から社会派のドキュメンタリーまで、さまざまなスタイルで写真に取り組む若きフォトグラファーたちのなかで、いっぷう変わった数十枚のプリントに「ん!?」となった。 担当スタッフから詳細を聞くまでもなく、あきらかに日本の、それも伝統美とはまるで対極にある雑然とした庭先。玄関。塀や垣根まわり。そういう、日本のどこにでもありながら、だれも目に留めない光景が延々と現れる。
design
nobunobuと歩く東京ビル遺産 02 高田馬場かいわい (写真・文:鈴木伸子)
日々変化し、新しいものが現れ続けている東京の都心ですが、改めてじっくりと見回してみると、山手線駅前などという超一等地にも、1960年代から70年代頃に建てられた築50年前後の“シブいビル”が案外残っていたりするものです。新橋、有楽町、そして新宿駅西口などもそうなのですが、私の家からほど近い高田馬場駅前も、1960年代後半から70年代前半にできた築50年前後の“シブいビル”に取り囲まれているということに、ある日気が付きました。 「稲門ビル」「名店ビル」「FIビル」といった大型ビルはみな1969年築。馬場のランドマークである「BIG BOX」は1974年築。今年、それらと共に並んでいた「菊月ビル」(69年築)、「ゆう文ビル」(68年築)が解体され、それに続いて隣りの「東京三協信用金庫」のビルも解体中。そんなことで、「いつまでも あると思うな シブいビル」という危機感を抱き、今回はこれら駅前のビル群を改めて見つめ直してみることにしたのです。
travel
ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行 21 四川省後編 (写真・文:関上武司)
大家好!(中国語で皆さん、こんにちは!)。例年なら、寒い時期には三重県の木曽岬温泉で熱すぎるお湯と歌謡ショーを休日に堪能していたのですが、残念ながら閉鎖されてしまい、未練たらたらの軟体トラベラーの関上武司です。今回は成都の街並みと四川大地震の跡地などを訪問したレポートをお届けします。 2012年8月13日。前回紹介した国色天郷楽園の凄まじさに圧倒され、フラフラの状態でタクシーに乗り、成都市街に戻ります。タクシーの車内から成都の地下鉄4号線の工事現場の看板を撮影。2017年の時点で成都市の人口は1400万人以上と東京都よりも多く、地下鉄の建造は必須だったと言えます。現在は私の地元愛知県の名古屋市よりも地下鉄網が充実していてビビります。
travel
Paradise Lost 二度と行けない珍日本紀行 05 静岡県1
珍スポットがありがちな場所というのは、ないようで、実はある。大都市には経済効率の面で存在が難しいけれど、あまりにも田舎、秘境と呼ばれるようなところは、見物客がいないからこれも存在しにくい。経験的にいちばん魚影が濃い、というか集まりがちなのは大都市からちょっと離れた遊び場所。それもなぜか半島がイイ。大阪や名古屋の人間が遊びに行く紀伊半島。首都圏だったら伊豆半島は昔も今も珍スポットの宝庫なのだ。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!