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AFTER HOURS
編集後記

2016年08月10日 Vol.223

今週も最後までお付き合いありがとうございました。ここまで無事に辿り着いていただき、感謝です! アメリカの珍スポットをめぐる新連載がスタートして、ますますボリューム・アップの肥満体メルマガになってきましたが、まぁ断捨離してる場合じゃないし! 8月は水曜が5回あり、再来週31日は配信お休みさせていただきますので、来週号もすごいことになると思います。お楽しみに!

先週7日まで、約8週間にわたって開催してきたアツコバルーでの『神は局部に宿る ― 都築響一 presents エロトピア・ジャパン』も、ようやく閉幕。なんと総計で1万人近いお客様が来てくれました。ほんとうにありがとう! 渋谷という土地柄もあったでしょうが、昭和のエロ文化を平成生まれの若者たちが楽しむのって、そばで見ていて、なんだか新鮮な感覚がありました。また、どっか別の場所でやりたいなあ・・・呼ばれてないけど。

しかし毎日毎日、「ラブドールの胸は触らないでください!」とか、「局部指入れ体験、百円です!」、「特製カクテルのチンジャエールがオススメ!」とか叫んでたスタッフ一同ともども、すっかり燃え尽きた感あり。ほんとうは自分へのご褒美に1週間ぐらい温泉三昧でもしたいところだけど・・・ぜんぜん無理だし。

ということで、行くのはできないけど、「行けるとしたら、どこへ行きたいだろう?」という夢想で、せめてひととき和むことにして、先週号で紹介した台湾の温泉を思い出したりしてたんですが、そういえばもう1カ所(じゃなくて2カ所)、僕にとって「究極の温泉」があるなあと思いつき。

そのひとつめの極楽温泉は、ヨーロッパ随一の温泉国ハンガリーのヘーヴィーズ湖。『痩せる旅』でも紹介したけど、ブダペストの空港からクルマで2時間半ほどのヘーヴィーズは、なんと湖がまるごと温泉! 「ヨーロッパ最大&世界第2位の温泉湖」だそう。ちなみに世界最大の温泉湖はニュージーランドのワイマング渓谷にあるフライパン湖(ネーミングに情緒なさすぎ!)らしい。ただしフライパンのほうは温泉施設があるわけではなく、湯気が上がってるのを眺めるだけなので、実質的にはヘーヴィーズが世界最大の露天温泉ということになるはず。


広さ4.5ヘクタール、ほぼ東京ドームと同じサイズのヘーヴィーズ湖は、毎日8600万リットルの温泉が湧き出し、水温は夏場で32~33度、厳冬期でも26度以下にはならない。湖水は28時間で入れ替わり、硫黄を多量に含むことから、特に慢性の関節症、運動障害、リューマチなどに効能があるという。






水深が40m近くあるので、みんな更衣室の受付で浮き輪を借りるか、マイ浮き輪を持って入湯。ゆるやかに渦巻く流れに身を任せつつ、暖かな水温のおかげで春から秋までピンクや赤、白、黄色の花をつける睡蓮のあいだを漂うという、ほとんど涅槃の境地に遊ぶのであります。湖の周囲はぐるっと芝生になってるので、おいしいハンガリー・ワインとソーセージでピクニックもいいしね。


そしてもう1カ所の極楽温泉は、ハワイ島。昔ながらの静かな街並みが残っていて、日本人のファンも多いヒロから、クルマで約1時間。ハワイ島の最東端プナの、小さな小さなビーチタウンが続く137号線を走っていくと、アハラヌイ・ビーチ・パークという公園があります。ここがハワイでは珍しい温泉露天風呂なんですね。


一説によれば世界でいちばん活発な火山と言われるキラウェアを擁するハワイだから、さぞや温泉も多いのではと日本人ならだれしも期待してしまうところだが、地盤の関係からか、温泉はほとんど見つからない。

なのでハワイでは貴重なこのビーチパーク、太平洋の荒波が打ち寄せる、ごつごつの溶岩が積み重なった磯に、暖かい天然温泉のプールができている。水底のあちこちから熱いお湯が噴き出して、水温は常に30度前後。のぼせる心配もなく、充分に泳ぎ回れる広さと深さの天然プールに浸かって、パームツリーのあいだから覗く青空を眺めてると・・・天国にいちばん近い島って、ここのことじゃないかと思ったり。






ヒロに近いこのエリアは、ヒッピー濃度が高いことでも有名。入れ墨にボディピアスだらけのスキンヘッドオヤジが、赤ちゃんをそっと抱いてお湯の中で瞑想してたり、コミューンみたいな大家族がバーベキューに興じてたり、来る人たちもなかなかにカラフル。ハワイ島のリゾートホテルが集中するコナからはずいぶん遠いので、観光客ではなく、あくまでもロコ中心のパークというのがまた、うれしいし。ハンガリーだとワインと肉だったけど、こちらの極楽ではビールと、ハワイ特産のアレがお供でしょうねえ・・・あ~~~、行きたい!


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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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