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AFTER HOURS
編集後記

2026年05月20日 Vol.693

今週も最後までお付き合いありがとうございました。死刑囚の表現展はニュースとして取り上げられても、作品として取り上げられることはほぼ皆無なので、ロードサイダーズでは使命感に燃えて(ちょっと大げさ)、今回もじっくり紹介してみました。作品画像数100点以上、こころに刺さる作品と出会えたでしょうか。毎度のことですが、それぞれの作者について書くのに犯した罪を確認しているうちに、その残虐非道な行為と、描かれる絵のギャップにあらためて驚かされ・・・「健全な肉体に健全な精神が宿る」というような干からびた常識のはるか彼方にある、人間性と表現のあいだに横たわる深い溝について考えさせられます。

先週は思わぬ引越でバタバタ。その最中にメルマガ書けるか・・・と心配しながらの作業でした。なんとか配信にこぎ着けられてホッと一息です。

これまで4年間、東京屈指のアジアン・タウンとなった大久保生活を堪能してきましたが、大家さんの都合で退去をお願いされ・・・「争ってもさらに家賃が上がるだけ」という不動産屋の助言もあって引っ越すことに。

これまで都心部の生活が長く、『東京右半分』とか出したくせに東側に住んだことがなかったので、こんどは錦糸町~小岩あたり、墨田区とか江戸川区あたりの下町がいいなあと。大道芸術館にも近くなるし。

で、ネットで探し始めたらものすごい数の物件がヒット。ワクワクしながら内見を始めたのですが・・・手頃な物件を10室ぐらい見せてもらって、どれも良さそうだったのに、70歳という年齢を告げたとたんに「それはちょっと・・・」とお断りされ。途方に暮れつつ年齢制限のないUR(元の住宅公団)を探しているうちに吉祥寺の物件が見つかり、そのときは出張中だったのですが、友人に頼んで内見もせず申し込み。その数日前に「日暮里駅徒歩1分のタワーマンション」というUR賃貸もあって、即メールで内見申し込みをしたら、その日の夕方に「決まってしまいました」と電話が。「え~、すぐにメールしたんですけど」と言ったら、「人気の物件はメールだと遅いです、電話してもらわないと」と教えられ。メールより電話が早いという世界があるんですねえ。僕みたいにフリーランスで(当然ローン不可)、年寄りの賃貸住まいのみなさまはくれぐれもご用心を。現金一括で買っちゃえば問題ないけど、最近のニュースによれば「2026年2月、東京都心6区の中古〔!〕マンション平均価格が1億8761万円を記録」とかなので、夢のまた夢だし。日本全国ではいま空き家が13.8%、およそ4軒に1軒が空き家だっていうのにねえ。


新居に運び込まれたダンボール箱の山、これをいったいどうしろと・・・

東京暮らしの長いひとはおわかりでしょうけど、吉祥寺には都心部とは異なる文化的な土壌というかプライドがうっすらあります。ニューヨークでいえばマンハッタンではなくブルックリンみたいな(ちょっとちがうか)。で、僕自身はこれまで用事があるときぐらいしか吉祥寺には行かなかったけれど、まさか年をとったせいで思いがけず吉祥寺暮らしが始まるとは! 

でも新宿区じゃなくて三鷹市、おまけに公団なので家賃はずいぶん安くなったし、井の頭公園や玉川上水が近くで散歩コースには困らないし。もちろん買い物天国、映画館も書店もあるしで、これからしばらく吉祥寺探索を楽しめそう。

引越に伴って、とにかく本棚を減らさないと!ということもあり、大道芸術館にライブラリー・コーナーを設けました。新しい本棚壁をつくって、うちから運んだアートやデザイン関係の書籍がダンボール箱40箱ぶん! なかには20代に欧米の取材先で仕入れた貴重な本もあったりするので、大道芸術館の新しい使い方を楽しんでもらえたらうれしいです。


メインの書棚はこんな感じ。2階のあちこちに散らばしてあります

大道芸術館にダンボール40箱、今週台湾記事を書いてくれたアーバンのママが経営するビストロ「ニューアーバン」にも本棚を設けて10箱ぐらい。さらに早稲田大学の村上春樹ライブラリーにも小さなコーナーを作ってもらっているので、これでライブラリーが3カ所になりました。ページを開きもしないまま自宅に積んどくより、みんなに読んでもらったほうがはるかにいいし、本にとっても幸せじゃないかと。

メルマガでも大道芸術館ライブラリーの詳しい紹介をなるべく早く掲載します。貴重本をテーマにしたギャラリートークもどんどんやっていくつもりなので、愛書狂のみなさま、ぜひご参加ください!

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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