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『アメリカは歌う。 ― 歌に秘められたアメリカの謎』 東理夫・著
アメリカ人が車を運転するとき、4人にひとりはカントリー・ミュージックを聴いているという。数年前に『ROADSIDE USA』のためにアメリカの片田舎をさまよっていたとき、ものすごくヘヴィローテーションで、何度も聞くうちに歌詞もすっかりわかってしまった曲があった。
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あいかわらず無茶なTRASH-UP 11号!
「出版界は構造不況で・・」とか、高給もらいながら能書き垂れてる大手出版社のオヤジたちに、正座して読んでほしいのが『トラッシュアップ』。「日本で唯一のトラッシュ・カルチャー・マガジン」と銘打たれてますが、たぶん世界でいちばん豪華な(笑)トラッシュ・カルチャー・マガジンじゃないでしょうか。だってA4の大判で300ページ超のボリューム。ちゃんとカラーページもあって、おまけに広告は(たぶん)表3と表4(裏表紙)だけ! いったいどうやったらこんなの成立するんだろうという、ミステリアスすぎる雑誌であります。
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『東京右半分』ついに完成!
このメルマガの前に書いていた、ブログ時代からの読者諸君にはおなじみかもしれません、2009年9月から2011年10月まで丸2年間、全96話にわたって筑摩書房のウェブマガジンで続けてきた連載『東京右半分』が、やっと単行本になりました。すでにアマゾンなどでは予約が始まっていますし、書店にも23日ごろから並びます――。 (中略)2年間で歩き回った右半分を網羅して、撮った写真もぜんぶ見直して、できあがったのがこれ、576ページのハードカバー! はっきり言って重いです・・
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春の書評特集
身軽になりたい、モノに埋もれたくないと思っても、いつのまにか溜まってしまう本や雑誌。なかなか新聞や雑誌では紹介されない、でもみんなに知ってほしい新刊を、これから「書評特集」として、年に何度かまとめてレビューしたいと思います。だいたい500字とか1000字とかしかくれない新聞や雑誌の新刊紹介で、気に入った本のちゃんとした紹介なんてできるわけないし! というわけで、今回は4冊の写真集を選んでみました。
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発禁本から世界が見える
先週は用事で大学を3つほど訪れた。最初に行った江古田の日大芸術学部は、門でいきなりガードマンに止められる。来訪者はすべて記名、訪問者カードを首から下げさせられた。そのあと慶応大学日吉キャンパスと、明治大学駿河台キャンパスに行ったら、こちらはまるで出入り自由。なんだか大学のランクとキャンパスの開放度って、相関関係にあるみたいだ。
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紙の束になったモンシェリ ――ドクメンタの大竹伸朗と、エディション・ノルトの仕事
『モンシェリ』の全貌を伝える記録集が、新潟県浦佐のedition.nord(エディション・ノルト)から刊行された。ただし、全部で5段階になるという出版プロジェクトのうち、今回リリースされたのは第1弾から第3弾まで。これから年末~来年にかけて、さらにふたつの刊行物が用意されるという。5種類の記録集。それがすべて東京の大出版社ではなく、新潟県の片隅で、夫婦ふたりで営むデザイン・スタジオ兼出版社から、完全に自費出版のかたちで制作販売される。しかも通常の印刷プロセスを省き、全ページをレーザー出力し、そのコピー紙の束をそのまま封筒に詰めたり、製本したという・・・。これも『モンシェリ』本体に負けず劣らずの、素敵に無謀なプロジェクトだろう。
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天沼のランボオ
イースタンユースが今年で結成25年を迎えるという。すごい、ほんとうに・・・。読者の方々にもイースタンのファンは多いと思うが、1988年に札幌で結成されてから吉野寿(ギター、ボイス)、二宮友和(ベース)、田森篤哉(ドラムス)のスリーピース、最小編成にいささかのブレもないまま、ここまで走ってきたそのエネルギーと持続力には、ただ頭がさがるのみ。(中略)そのイースタンユースでギターとボイス(ボーカルでなく、こう表記する)を担当する吉野寿が、この1月に発表した『天沼メガネ節』は、もうお読みになっただろうか。
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幻視者としての小松崎茂――ウルトラマン紙芝居ボックスによせて
かつてあまりに身近にあったために、紙芝居という優れたビジュアル・エンターテイメント・メディアが、実は日本の発明であることを僕らは忘れがちだ。絵解き物語や絵巻物の伝統が生んだものかは定かでないが、ひとつの物語を十数枚の絵で構成して、その1枚ずつの解説をいちばん後ろになる絵の裏側に記し、説明し終わった絵を順繰りに送っていくことで、「紙芝居のおじさん」が物語を絵と語りによって進めていけるという独創的なシステムは、1930年代に誕生して以来、日本人の感性に深く浸透してきた。
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昭和という故郷――本橋成一と小沢昭一の写真集
先月末から今月にかけて、昭和の空気を捉えた見事な写真集が2冊、重なるように刊行された。ひとつはこのメルマガでも今年6月19日号で紹介した『上野駅の幕間』の著者・本橋成一による『サーカスの時間』(河出書房新社)、もう一冊は昨年(2012年)12月に亡くなった小沢昭一の『昭和の肖像<町>』(筑摩書房)である。本橋さんの『サーカスの時間』は、『上野駅の幕間』に続く再刊プロジェクト。旧版は1980年に出ているから33年ぶりの再刊ということになるが、「旧版から写真を大幅に差し替え、増補再構成した決定版!」とのこと。大判で200ページを越える、ずっしり重量級の造本で、モノクロームの印刷も深みをたたえて美しい。さらに巻末には小沢昭一さんと、サーカス曲芸師のヘンリー・安松さんの対談も収められている。
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独居老人の教え
先月発売された『独居老人スタイル』、書店店頭でご覧になったかたもいらっしゃるだろうか。すでにいくつか紹介原稿も書いているが、本メルマガではまだきちんと取り上げていなかったので、いま紀伊國屋書店の広報誌『scripta』に掲載されているテキストに加筆、画像や動画を含めて、ここであらためて紹介させていただく。『独居老人スタイル』とは読んで字の如し、この数年間で出会った独居老人16人の生きざまを、350ページ近くにわたって語り尽くしたものだ。もともと筑摩書房のウェブマガジンで去年から今年にかけて連載していた記事に、さらに取材を加えてぎりぎり2013年が終わる前に間に合った。
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残像・命ギリギリ芸――小沢昭一写真集『昭和の肖像<芸>』
去年12月4日配信号『昭和という故郷』で紹介した、小沢昭一の写真集『昭和の肖像<町>』に続く待望の続編『昭和の肖像<芸>』が先週あたりから書店に並んでいる。近代日本大衆文化、またフィールドレコーディングに関心のある者にとっても最重要な記録音源『日本の放浪芸』(復刻版CDボックス4セット、全22枚!)でもわかるように、失われ滅びゆく芸能を訪ね歩き、記録する作業は、小沢昭一にとって単なる趣味でもなければ、学問的な興味でもなかったろう。
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巻き寿司アートの陰日向
玉ちゃん(玉袋筋太郎)ではなく、たまちゃん。2013年2月13日配信号「ノリに巻かれた寿司宇宙」で紹介した「巻き寿司アーティスト」だ――。あれから1年、あいかわらずというか、たまちゃんの暴走は加速している気もするが(行きつけのバーが一緒なので、よく会うんです)、ついに彼女の暴走につきあおうという出版社が出現、このほど『Smiling Sushi Roll /スマイリング・スシ・ロール』として世に出ることになった(3月28日発売)。ノルウェー観光局のコンペ『世界一長い「叫び」プロジェクト』で、全世界からの応募のうち2位を受賞、オスロに招かれムンク美術館でも巻いてきたという、『叫び』が表紙になっているこの一冊。
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ROADSIDE BOOKS――書評2006-2014
ちょうど今週から書店に『ROADSIDEBOOKS』が並ぶ。昨年末の『独居老人スタイル』に続く、2014年最初の新刊である。「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。装丁を見てピンとくる方もいらっしゃるだろうが、今年3月5日配信号で紹介した浜松のBOOKS&PRINTSで、独自の手描きショッピングバッグをつくっている若木欣也さんの作品を、カバーに使わせてもらっている。
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捨てられしもの、捨てられしひと
すでに何度もNHKで番組が再放送されて、いまやその名もすっかり全国区になった広島市の「清掃員画家・ガタロ」。このメルマガでも2013年8月7日号で特集、大きな反響をいただいた。ほんの1年ちょっと前までは、団地の商店街を毎朝掃除しているだけの、だれにも見えない老人だったのが、あっというまにこれほどひとびとのこころを動かすことになるとは、当の本人がいちばん驚いていることだろう。(中略)ガタロさんには『素描集 清掃の具』という自費出版画集があり、これは長らく入手困難だったのが現在は再版されているが、6月末にNHK出版から『ガタロ 捨てられしものを描き続けて』と題した、初の本格的な画集がリリースされた。著者はガタロさんの「発見者」とも言える、当時NHK広島放送局勤務だったディレクターの中間英敏さん。僕も短い文章を巻頭に寄せさせてもらっている。
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失われたドイツを探して
もう十数年前に、たぶん彼女が東北大学に留学して日本美術史を学んでいたころだったと思うが、ミヒャエラ・フィーザーというドイツ人が訪ねてきたことがあった。珍日本ネタで話が盛り上がり、彼女からはドイツのロードサイド・スポットをいろいろ教えてもらい仲良くなって、そのうち彼女は九州のお寺で1年間を過ごすことになり、帰国してからその体験を『ブッダとお茶を——日本の寺院で過ごした1年』という本にまとめて、それはドイツでベストセラーになった。この春、ベルリンで久しぶりにミヒャエラと会ったら、「最近こういう本を出したの」と、立派なハードカバーの写真集を渡された。『ALTES HANDWERK』——英語だと「OLD HANDCRAFT」ということになる、これは失われた手仕事、仕事場、職業の姿を捉えた写真集なのだ。
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フランス書院文庫の30年
駅のホームで新幹線を待ちながら、なにげなくキオスクの書棚を眺める。『未亡人兄嫁・三十四歳』『隣の独身美母』『服従教室 女教師姉妹と教育実習生』・・・きょうも健気にフランス書院文庫の、黒い背に黄色のタイトルが光ってる。「なぜ駅でエロ本が!」と憤るムキもあるようだが、キオスクに『東スポ』とフランス書院文庫がなくなったら、それはもう日本のキオスクじゃないと思うのは僕だけだろうか。Amazon Kindleストアでは『フランス書院文庫オールタイム・ベスト100』という電子書籍を、4月1日から無料で(!)配信開始している。「未来に残したい官能小説100作品」を精選、書影(カバー)、タイトル、著者などのデータとともに、中味の引用も数ページ添えられ、気になったらそこからワンクリックでKindleストアに飛べるようになっている。
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元祖ブロガーとしての植草甚一
「雑学」という言葉を最初に使ったのは、とまではいかなくても世に広めたのは植草甚一だったのではないか。『ぼくは散歩と雑学がすき』が晶文社から出たのが1970年。3年後にはのちに『宝島』となる『ワンダーランド』が出て、当時中学から高校生になる僕は当然ながら計り知れない影響を受けたのだったが、それから40数年が経ち、晶文社は自社で文芸書をつくることをほとんど放棄するにいたり、宝島はポーチをくるむ包装紙としてのファッション誌製造メーカーになってしまうとは、いったいだれが想像できたろう。そして「雑学」という単語は、それにあたる英語の単語がない。「トリビア」とよく書かれるが、トリビアは「瑣末な知識」、雑学には「系統立ってはいないが、それぞれは深い知識」というニュアンスがある。それで「雑学」が日本的な知へのアプローチなどという気はないが、きわめて「植草甚一的」ではある。「互いに関連性を持たないまま深化していく知の集積」という、アカデミックでもなければ在野の碩学とも言えない、ふわふわと一か所に落ち着かない大きな脳みそのありようが、植草甚一という存在だったのかもしれない、といまになって思う。
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ヨッちゃんの教え
たまに家にインタビューに来るひとが、そこらじゅうに置いてある絵とかを見て「すごいコレクションですね~」などと言われることがある。自分に収集癖はないので、「集めてるんじゃなくて、取材してるうちに集まっちゃっただけです」というと、「そうですか」となるが、眼は納得していない。いつもいろんな作品や人物を取り上げていて、「どうやってネタを選ぶんですか」と聞かれることもあるけれど、その基準は簡単。「自腹で買いたいかどうか」に尽きる。ふつう、雑誌で記事を作るときは、まず部内のゴーサインを得て、それから取材に行く。作品や商品の写真が必要なら、借りてきて撮影する。でも僕は多くの場合、まず買ってしまう。それが取材対象に「こいつは真剣なんだ」とわからせてくれるし、なによりも「自分で買ってもいいほど記事にしたい」のか、「タダで貸してくれるなら記事にしたい」のかを見抜く、自分自身へのテストになるからだ。
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穴があればハメてきた――「顔ハメ看板ハマり道」
旅はひとりに限る――とは思うが、ひとりで旅するのが哀しくなるときもある。顔ハメを撮りたくて、「シャッター押してください」と頼めるひとが通りかかるのを、じっと待っている時間だ。日本の、世界の片隅で、これまでどれほど、そんな情けない時間を過ごしてきたろうか・・・。「顔ハメ看板ニスト」の肩書を持つ塩谷朋之(しおや・ともゆき)さんは、おそらく日本でいちばん「顔ハメにハマった男」だ。これまでハマった穴が2千枚以上! 感動的でありつつ、だれもが絶賛はしないかもしれない、その成果の集大成が8月末に発売された『顔ハメ看板ハマり道』である(自由国民社刊)。
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オブジェクト・レッスンズ:科学の墓場から
指名手配の容疑者を探すのに使われるモンタージュ。街頭でよく見かけるあれには写真と似顔絵があるが、実は写真よりも似顔絵のほうが容疑者を見つけやすい、と聞いたことがある。生物図鑑の図版も、いまだに絵のほうが写真より使いやすかったりする。創作活動ではなく、完全に実用的な絵画。それはある意味で視覚的な取捨選択をあらかじめ行うことで、見るものの意識をいくつかの特徴にフォーカスさせる効能があるのだろう。写真のようにすべての部分を等価に写すのではなく、「この部分を注視すべき」と画家が選ぶことによって。『珍世界紀行』などで、これまでヨーロッパの医学標本を何度か紹介してきた。ずっと以前にアートランダム・クラシックスというシリーズで、人体解剖図の画家として有名なジャック=ファビアン・ゴーティエ・ダゴティの画集を編集したこともある。見てくれたひとはどれくらいいるだろうか。
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『圏外編集者』発売!
このメールマガジンも年が明ければ5年目。書いた記事もすでに600以上。始めたころは、どんどん記事を作っているうちに「これ、本にまとめましょう」と言ってくれる出版社がいくつも出てくると期待していたのが・・・なんと、いまだにオファー、ゼロ! 憮然とせざるを得ない状況のなかで、去年の『ROADSIDE BOOKS 書評2006-2014』に続く新刊が、今年も終わりそうないま、ようやくできました。『圏外編集者』――文字どおり業界の圏外、電波マークが1本も立ってない場所で編集稼業を続けている自分を、立ち止まって振り返ってみた本です。発売は12月5日予定。今週末までには書店に並ぶはずです。書きおろし、じゃなくて「語りおろし」。これまでこういう内容の本も、こういう作り方の本も、あえてやらないようにしてきたのですが・・・
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追憶のほんやら洞
2015年1月21日号で、火事で焼失した京都「ほんやら洞」のことを書いた。店主の甲斐扶佐義(かい・ふさよし)はあれから、もう一軒の店である木屋町の八文字屋で毎晩がんばりながら、大きな怪我も乗り越えながら、積極的に新刊を発表していて、こう言うとナンだが火事の前よりアクティブなようでもある。火事からほどなくして去年は『ほんやら洞日乗』という分厚い記録集を出したが(657ページ!)、それから一年たった今月には『追憶のほんやら洞』と題された、こちらは在りし日のほんやら洞を愛した人々による追憶の記録集。そして今月19日からは新宿イレギュラーリズムアサイラムで、出版記念写真展も開催される。
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夜のアートブックス
きょうは日曜日、グッチ山口さんは、いつものスクーター「グッチモービル」を駆って、いつものように展覧会巡りをしているだろうか。2012年7月11日号で紹介した、毎年1000本以上の展覧会を訪れる「日本でいちばん展覧会を見る男」――山口‘Gucci'佳宏と、音楽業界では最大手印刷所である金羊社が手を組んで、今年初めにスタートさせたZINE形式のアーティストブック・プロジェクトが「ミッドナイト・ライブラリー」だ。2014年から銀座ヴァニラ画廊で個展を続けている波磨茜也香(はま・あやか)を1月に出したのを手始めに、吉岡里奈、写真家のオカダキサラ、長谷川雅子、そして5月には冠木佐和子と、ロードサイダーズでもおなじみの作家たちが含まれたラインナップで、毎月25日に一冊ずつという驚異的なペースで刊行を始めている。
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ROADSIDE LIBRARY 誕生!
ようやくこれをお知らせできる日が来ました。ロードサイダーズ・ウィークリーでは独自の電子書籍シリーズ「ロードサイド・ライブラリー」を今月からスタート。その第一弾として、『秘宝館』をリリースします。特設サイトで今日から予約開始、来週にはお手元に配信できる予定です。『ROADSIDE LIBRARY』は週刊メールマガジン『ROADSIDERS' weekly』から生まれた新しいプロジェクトです。2012年から続いているメールマガジンの記事や、その編集を手がける都築響一の過去の著作など、「本になるべきなのに、だれもしようとしなかったもの」や、品切れのまま古書で不当に高い値段がついているものを中心に、電子書籍化を進めていきます。電子書籍といってもROADSIDE LIBRARYは、Kindle、kobo、iBooksなどの電子書籍用の専用デバイスや読書用アプリケーションに縛られない、PDF形式でのダウンロード提供になります。なのでパソコン、タブレット、スマートフォン、どんなデバイスでも特別なアプリを必要とせずに読んでいただけます。コピープロテクトもかけないので、お手持ちのデバイス間で自由にコピーしていただくことも可能です。
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短期集中連載:マニア本の著者に聞く vol.1 「我々は如何にして美少女のパンツをプラモの金型に彫りこんできたか」――廣田恵介とセンチメンタル・プラモ・ロマンス
たくさんの本が僕の前を通り過ぎていく。全部読むことはとてもできない。川の流れに掌を入れるように、そのほんの少しを掬い取ることしか。このところ気になる本のなかに、度を越して(もちろん、いい意味で)マニアックなテーマの本が目立つようになってきた。度を越してない、当たり障りない本がもう、目に入らなくなってしまっただけかもしれない。なので今週から数回、最近発売された「マニア本」の著者にお話を伺い、その情熱のお裾分けをいただくことにした。その第1回は廣田恵介さんの『我々は如何にして美少女のパンツをプラモの金型に彫りこんできたか』をご紹介する。美少女フィギュアならまだしも、「美少女プラモ」というようなジャンルが、この世に存在することすら知らないひとが、僕を含めて大多数ではないだろうか。その美少女プラモの「下半身にパンツが彫りこまれた瞬間」――美少女プラモを知らぬ人間にとっては、あまりにどうでもいい「事態」が、ひとりのプラモ好き少年にどれほど決定的な影響を与えたのか。これは単なるプラモデルオタ、アニメオタのコレクションブックのかたちをとった、実はきわめて今日的なビルトゥングスロマン=成長物語なのだった。
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短期集中連載:マニア本の著者に聞く vol.2 「デスメタルインドネシア」――小笠原和生と悪魔の音楽パラダイス
最近発売された「マニア本」の著者にお話を伺い、その情熱のお裾分けをいただくシリーズ第2弾は、『デスメタルインドネシア』! 実は「世界第2位のブルータルデスメタル大国」であるらしいインドネシアのシーンを362ページにわたって、それもA5版のサイズに極小文字で情報を詰め込んだ、造りからしてブルータルな、もちろん日本で初めてのインドネシア・デスメタル紹介本である。発行元の「パブリブ」は、今年3月9日号で紹介した『共産テクノ』の版元であり、本メルマガ連載「絶滅サイト」の著者ハマザキカクさんの個人出版プロジェクト。これまで『デスメタルアフリカ』や、『童貞の世界史 セックスをした事がない偉人達』といった書籍を発売しているが、このあと8月上旬発売予定の新刊が『ヒップホップコリア 韓国語ラップ読本』・・・どこまでマニアックなラインナップなんだろう。
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短期集中連載:マニア本の著者に聞く 特別編 「ちろりん村顛末記」――広岡敬一と、はぐれものたちの国(文:大須蔵人)
先月からスタートした短期集中連載。今週は5月にちくま文庫から発売されたばかりの『ちろりん村顛末記』を取り上げる。しかし残念ながら、僕がもっとも尊敬する風俗ジャーナリストである著者・広岡敬一さんは、2014年に他界されてしまっている。そこで今回は、本メルマガの連載『はぐれAV劇場』でおなじみの大須蔵人さんに、じっくり書評していただくことになった。約7500字・・・ほんとは書評って、これくらいないと「評」にならないんだよなあ、と納得の力作。お読みいただいたあとは、すぐに書店に走るか、ネットでポチりたくなるはず!
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短期集中連載:マニア本の著者に聞く vol.3 「ヤクザライフ」――上野友行のヤクザたらし交際術
ヤクザ系実話誌、というジャンルがあって、僕も嫌いではないのだが、いったいだれが読んでいるのだろうといつも思う。暴力団排除条例ができて、締め付けが厳しくなるいっぽうなのに、そういう雑誌はなくならない。書かれてる当のヤクザが主力読者というわけでもないだろうから、一般の人間が大組織の親分同士の杯外交とか、昔ながらの任侠道でシャブは御法度、みたいな話を読んで、どれだけおもしろがれるのか、よくわからない。それはある種の歴史ファンタジーか、RPGゲームを楽しむような感覚だろうか。そういう伝説というか、実話誌が描くフィクションに近いヤクザ世界とちがって、すぐそこにいるヤクザや地下格闘技や暴走族のことを、ずっと教えてくれている貴重な友人が上野友行くんだ。上野くんはフリー編集者として「週刊実話ザ・タブー」や「ナックルズ」など、さまざまな雑誌に記事を書くかたわら、これまで『デキるヤクザの人たらし交際術』『「隠れ不良」からわが身を守る生活防衛術』という、実際役に立つかどうかはともかく、タイトルからして楽しくてしょうがない本を出していて、さらに人気絶頂の漫画『闇金ウシジマくん』の「闇社会コンサルティング」も務めている。そのウシジマくんの作者・真鍋昌平が表紙画を担当した、装幀からして危険な匂いが漂う新刊が『ヤクザライフ』(双葉社刊)だ。
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短期集中連載:マニア本の著者に聞く vol.4 「ハプバー入門/探訪」編――元鞘と肉欲のジャムセッション
「元鞘」(もとさや)という妙なハンドルネームの女の子に出会ったのは、まだ3ヶ月ほど前のことだった。ある食事会で隣に座った彼女は、23歳という若さの巨乳美少女なのに、からだじゅうから隠しきれないセクシーなエネルギーを放っていて、漫画家だというので「どんなの描いてるんですか」と聞いたら、渡された一冊の同人誌が『元ハプニングバー店員による、独断と偏見のハプバー入門』・・・。雑誌のルポかなにかの仕事かと思ったら、「いえいえ、自分がハプバーを好きすぎて、一時は店員として働いてたくらいなので、ハプバーの良さを知ってもらいたくて作ったんです!」という。「それで、これは『入門編』なんですけど、もうすぐ実践的な『探訪編』も出します!」というので、初対面のその場でいきなり取材をお願いしてしまった。これまで本メルマガではさまざまな性にまつわる話題を紹介してきたけれど、ハプニングバーについての記事は今回が初めてかもしれない。
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短期集中連載:マニア本の著者に聞く vol.5 ポルノ・ムービーの映像美学――長澤均の欲望博物学
ピンク映画やAVに関する本はいくらでもあるし、本メルマガでも大須蔵人さんに「はぐれAV劇場」を連載してもらっている。でも、まさかこんな本が出るとは思わなかった。『ポルノ・ムービーの映像美学』は、19世紀末の映画草創期から現代まで、約100年間にわたるエロティック映画の歴史を総写真点数534点、38万字を超えるテキストによってひもとく、432ページの超大作だ。これで定価3000円(+税)というのは、どう考えても安すぎる。
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ROADSIDE LIBRARY 002『LOVE HOTEL』、ついにリリース!
先日からお伝えしてきた電子書籍シリーズ「ロードサイド・ライブラリー」の第2弾『LOVE HOTEL』が、ついに完成! ダウンロード版の配信を開始しました。USB版も1週間以内に準備完了、すでにサイトからご予約いただけます。新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
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Kindle版写真集『CALCUTTA』に寄せて
「カルカッタの朝は静かに明ける。フグリー川に立ちこめる靄が、ハウラー橋をモノクローム写真のように見せていた。古ぼけた植民地時代の建物が、この街の辿ってきた歴史をあらわしている。」 英語で書かれた序文の出だしを適当に訳させていただいたのは、芦沢武仁のKindle版写真集『CALCUTTA』。9月18日にリリースされたばかりの新刊だ。芦沢武仁(あしざわ・たけひと)の写真はこのメルマガでも2014年末から15年初めに、3回に分けて紹介した。『CALCUTTA』は芦沢さんにとって初めての写真集になる――。
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ハロー・マイ・ビッグ・ビッグ・ハニー!
いまから10年以上前に、バンコクの書店で見つけた本があった。『ハロー・マイ・ビッグ・ビッグ・ハニー!』というその一冊は、バンコクの売春婦にハマった欧米人のラブレターを集めた楽しい奇書で、2006年に紀伊國屋書店の広報誌で書評を書いたあと、書評集『ROADSIDE BOOKS』にも収められたが、なにせ版元がラストギャスプというサンフランシスコのサブカル系出版社なこともあって、なかなか日本では手に取る機会もないかと思っていたら・・・なんと最近、Kindleの電子版が出ていることをTwitterで教えていただいた。
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呉ジンカンと『キッチュ』の挑戦
呉塵罡(ゴ・ジンカン)と最初に会ったのはいつだったろう。たぶんどこかのトーク会場で声をかけられたのだったが、カジュアルな服装の参加者ばかりの会場で、ひとりだけ古風なオーバーにハット姿の長身がちょっと目立っていた。完璧な日本語を話す台湾人で、自費出版の漫画雑誌を作っていると紹介され、ふ~んと思いながら手渡された『キッチュ』というその雑誌は、「自費出版漫画」というイメージをはるかに超えた、まるで一般の商業漫画誌そのものの体裁で、こんなのをひとりで作ってるのかと、その内容よりもまずボリューム感に驚かされたのだった。
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エクストリームSM画師ファレル
いまやオシャレの範疇に入れられている多くのSM/フェティッシュ系アーティストも、ポルノショップや特殊書店のみで流通する書籍から生まれてきたのだったが、1960年代からすでに50年以上にわたって、ハードコアなSMアートワークを断続的に発表してきたひとりに「ファレル(Joseph Farrel)」がいる。日本では(というかフランスの一般書店でも)滅多に見ることのできないファレルの作品を200点以上収録したハードカバー、限定600部の作品集がこのほど完成、中野タコシェにも入荷していて、さっそく見せてもらった。
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バーコードの隙間から
「アップ・アンド・オーバー」という英語は、少なくなった髪の毛をむりやり頭頂部に広げたヘアスタイル、日本で言う「バーコード・ヘア」を指す。シンガポール、中国、韓国、日本を旅しながら撮りためたバーコード・ヘアの「イイ顔おやじ」が一堂に会した写真集『Up and Over』は2012年に韓国ソウルの出版社から発売された。僕は2、3年前に入手したと思うのだが、その著者であるポール・ションバーガーが新しい作品集をつくるために東京に滞在中、と制作を手伝った中野タコシェの中山亜弓さんから教えてもらい、さっそく会うことにした。ポール・ションバーガーはオーストラリア・シドニー生まれ、今年48歳のアーティストであり、旅人である。
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ROADSIDE LIBRARY vol.03 おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち
『秘宝館』『LOVE HOTEL』に続く電子書籍シリーズ「ROADSIDE LIBRARY」第3弾が、ついに来週リリースされる(5月9日予定)。題して『おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち』。そう、今年2月8日号で特集、予想をはるかに上回る反響を呼んだ北九州市若松のグランドキャバレー・ベラミの歴史と、そのステージを飾った踊り子や芸人たちの写真コレクションである。記事でも200点近い宣伝用写真(ブロマイド)をお見せしたが、今回は発掘されたプリントすべて、数にして約1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載、前の2冊に匹敵する約1.8ギガバイト!というメガ・ボリュームのダウンロード版およびUSB版デジタル写真集としてお届けする。
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俳句と写真のマッシュアップ・ミュージック――『鉄砲百合の射程距離』
ひとつずつではなくて、ふたつかそれ以上合わさったときだけに生まれる気持ちよさというものがある。まあセックスもそうかもしれないけど、音楽だとたまにDJが、クラブフロアでそういう快感を生み出してくれる瞬間がある。似ていたり、共通するなにかがある複数の音源を合わせていくのがミックスだが、共通するところがなさそうな複数の音源を合わせて、意外な効果を生むのがマッシュアップ。『鉄砲百合の射程距離』という奇妙な題名の「句集」を見せられて、瞬間的に浮かんだ言葉がマッシュアップだった。『鉄砲百合の射程距離』(月曜社刊)は内田美紗(うちだ・みさ)の俳句と、森山大道の写真が、編集者の大竹昭子によって組み合わされた=マッシュアップされた句集でもあり、写真集でもある。たとえば桜の花を詠んだ句に満開の桜の写真、などというのではなくて、一見まるで関連のないような俳句と写真のイメージが、ページ上でひとつに合わさって、それぞれ単体の作品とはまた異なる表情を僕らに見せてくれる。そういうスリルを教えてくれる本である。
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愛されすぎたぬいぐるみたち
『捨てられないTシャツ』フェアを開いてくれていた新宿紀伊國屋書店にうかがったとき、担当の書店員さんが「こんなのも出たんですよ」と教えてくれたのが『愛されすぎたぬいぐるみたち』だった。題名どおり、愛されすぎてボロボロになってしまって、でも大切にとっておかれたぬいぐるみたちを、所有者の短いコメントとともに集めた可愛らしい写真集だ。原本の『MUCH LOVED』は2013年に発売され、大きな話題を呼んだという。著者のマーク・ニクソンはダブリンを本拠にするアイルランド人写真家で、息子が大切にしているピーターラビットを見ているうちに、自分も子供のころはパンダの縫いぐるみに夢中だったことを思い出し、周囲の人たちに声をかけて、大切なぬいぐるみを撮影するようになった。
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アナーキー・イン・ザ・ニッポン
いまも日本最強のハードコア・ラッパーのひとりであるアナーキー。『ヒップホップの詩人たち』で取材した縁で声をかけてもらい、文庫版になった自伝『痛みの作文』の解説を書いた。もとは2008年に単行本がポプラ社から出ているが、長く品切れだったので、文庫化を喜ぶファンも多いだろう。文庫化に際して巻末にディスコグラフィーのほかに、なんとサイバーエージェント社長・藤田晋との対談(初出:2008年『SPA!』)が、僕の解説とともに加えられている。『ヒップホップの詩人たち』を文芸誌『新潮』に連載した2011年から、もう6年あまりが経って、そのあいだにはマイクバトル・ブームもあり、ラップもずいぶん多様化していった。今年はザ・ブルー・ハーブの結成20周年でもあり、思えば日本語ラップもそれだけ長い道のりを歩いてきたのだった。
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百点の銀座
『銀座百点』という雑誌をご存じだろうか。銀座の老舗に行くと、たいていレジ脇に積んである小さな雑誌を、あああれかと思い出すひともいるだろう。銀座の名店の連合会「銀座百店会」が発行する月刊誌が『銀座百点』。誌名が「百店」でなく「百点」であることからわかるように、単なる会員店舗の宣伝誌ではなく、銀座という街の魅力を紹介し、語り尽くそうという「日本最初のタウン誌」なのだ。創刊号が1955年発行、さっき銀座の千疋屋でもらってきた2017年7月号の表紙には第752号とある。
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はぐれAV劇場 20 特別編 安達かおる著『遺作―V&R 破天荒AV監督のクソ人生』(文:大須蔵人)
AV界には、その時代を作ってきたといえる監督たちが、少なからず存在する。その代表的な人物といえば、まず代々木忠と村西とおるが挙げられるだろう。一方で、時代を作ってきたという意味での重要度に比して、これまでその活動が伝えられてきたとはいい難い人物の代表が、V&Rの安達かおるだろう。もちろんアンダーグラウンド、サブカルチャーの世界では有名で、あの「カンパニー松尾、バクシーシ山下の師匠」として知られるわけだが、これまで安達かおる自身の人となりについては謎の部分が多かったし、もっと注目されていいのではないかというのが本音だった。それが今回紹介する安達かおる自身による初の単行本『遺作―V&R 破天荒AV監督のクソ人生』(メディアソフト)が刊行されたことによって、それまで謎に包まれた安達監督について包括的に知ることができるようになったのだ。
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電子書籍版『TOKYO STYLE』、完成!
2016年7月にリリースした『秘宝館』から始まったロードサイド・ライブラリー。『ラブホテル』、『おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち』と続いて、ついに第4弾『TOKYO STYLE』が完成、今週末から始まる「東京アートブックフェア2017」でリリースされる。『TOKYO STYLE』が最初の大判写真集として世に出たのが1993年。実際に撮影で東京都内を原チャリで走り回っていたのが1991年あたりだったから、今年はあれからちょうど25年、四半世紀。世界があれからますます不景気になり、不安定になって、貧富の格差が開いていることだけは確かだ。日本は前よりずいぶん暮らしにくくなったろうし、大災害にも襲われた。同時に多くのひとが前よりずいぶん消費欲にも、所有欲にも、勝ち組を目指そうという野心にも惑わされなくなってきた気がする。
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『TOKYO STYLE』、サイトでの販売開始!
先週末に天王洲で開催された「東京アートブックフェア2017」、ものすごい混雑でしたね~。寺田倉庫まで行って、入場制限で入れなかったひともいると思います。運良く入場できたみなさまも含めて、ほんとにお疲れさまでした!ブックフェアのロードサイダーズ・ブースでお披露目した電子書籍版『TOKYO STYLE』が、メルマガのサイトからも購入できるようになりました! ダウンロード版、USB版どちらも、サイトのショップページをご覧ください。
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ドラコニアの国へ――澁澤龍彦展@世田谷文学館
十代に出会って決定的な影響を受け、それから何十年経っても読み飽きることがない、そういう作家にひとりでも出会えたら、それだけで人生はずいぶん幸せになると思う。僕の場合はそれが澁澤龍彦だった。子どものころ、実家のビルの上階に宝石やアクセサリーをテレビや写真の撮影にレンタルする仕事をしていたひとが住んでいて、いろんな雑誌をよくまとめて捨てていた。ある日、その山にあった創刊間もない『an・an』のなかに、シャルル・ペローの童話の訳を見つけたのが澁澤龍彦体験の始まりだったと思う。中学生のころだったが、そこから古本屋を歩き回って、『an・an』に澁澤さんを引き入れたアートディレクターの堀内誠一が、『an・an』以前に澁澤さんと組んで発行した『血と薔薇』を探したり、サドや『O嬢の物語』の濃密なエロティシズムに発熱したりしているうちに、「いま流行ってること」がどんどん、どうでもよくなるひねくれ高校生になったのではなかったか。
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奥信濃の鶴と亀
いまから2~3年前、たぶん松本市だったと思うが、いっぷう変わったテイストのフリーペーパーを見つけた。地方出版物はいつも気になるし、どこに出かけてもなるべく本屋に寄ったり、カフェなどのレジそばに積まれているフリーペーパーをチェックするけれど、正直言ってそそられるものに出会う確率は低い。『圏外編集者』でも書いたけれど、ひらがなタイトルのほっこり系か、身内で楽しんでるだけみたいなジンがほとんどだ。そういうなかで何気なく手に取った『鶴と亀』は全ページ異様なテンションで、しかも彩度をギラッと上げた写真に写っているほとんどは、田舎のじいちゃんばあちゃんなのだった。なにこれ? その『鶴と亀』がこのほど第1~5号の総集編となる『鶴と亀 禄(ろく)』として大判の書籍になり、おまけに先日の東京アートブックフェアではロードサイド・ライブラリーの並びのブースで展示販売されていた。
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健全な本づくりとは――インド・タラブックスの挑戦
先週、告知で小さくお知らせしたが、いま東京・板橋区立美術館でインドの出版社タラブックスの展覧会が開かれている。『世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦』と題されたこの展覧会は、12月22日には皇后さまが訪れたこともニュースになった。このメルマガで、皇族が観賞するような展覧会を扱うのは、もしかしたら初めてかも・・・。タラブックス展は開幕前から気になっていたが、正直言って行くのを迷ってもいた。見てしまったら、あんなふうに手作り本をつくりたくてたまらなくなるだろうし、それはいま僕が進もうとしている本づくりとはずいぶんちがう方向だと思ったから。でも、もちろんこの展覧会は、どんなかたちでも本づくりに、いや物づくりに興味ある人間にとって、最高度に刺激的な体験になってくれる。
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帰ってきたファンシー絵みやげ(写真・文:イチゴドロボウ)
ファンシー絵みやげ研究家の山下メロさんが、初のガイドブック『ファンシー絵みやげ大百科 忘れられたバブル時代の観光地みやげ』を刊行した。前回の記事を読んだ出版社の編集担当がメロさんにアプローチ、単行本にまとまることになったという。バブル期の夢物語から取りこぼされた数々のファンシーな存在が、ひとつの結晶となって完成したのである。前回の記事を読んだでいない人にはそもそも「ファンシー絵みやげ」自体がよく分からないと思うので、今一度おさらいしたいと思う。「ファンシー絵みやげ」とは、80年代~90年代前半までのバブル景気を含む時期において、空前の賑わいをみせた観光地で大量に販売された、POPな絵柄と色使いのイラストを施したみやげもののこと。呼び名は今までなかったのだが、メロさんが呼称を考案した。
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はな子のいる風景 ―― ゾウとひととの写真物語
吉祥寺が好きなひとは多いと思うけれど、北口商店街のなかに美術館があるのを、どれくらいのひとが知っているだろう。駅から徒歩2、3分、コピス吉祥寺という商業ビルの7階にある武蔵野市立吉祥寺美術館は、2002年に開館した比較的新しい美術館。去年9月から10月にかけて、現代美術作家・青野文昭の展覧会『コンサベーション_ピース ここからむこうへ』が開かれ、その「パートB」として会場ロビーに設置されたのが『はな子のいる風景』だった。設置といってもそこには『はな子のいる風景 イメージをくりかえす』と題された記録集が置かれているだけで、来館者は椅子に座ってその記録をじっくりお読みくださいという、なかなか話題になりにくい展覧会なのだった。
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人生はキャバレーだった――『キャバレー、ダンスホール 20世紀の夜』刊行に寄せて
今年1月に銀座の『白いばら』が閉店してからというもの、ちょっとしたキャバレー再評価ブームが起きているようで、ロードサイダーズにもPDF版電子書籍『キャバレー・ベラミの踊り子たち』の写真貸出依頼がけっこう来たりする。書店に行けば往年の有名キャバレーのオーナーや支配人、名物ホステスさんの回想録などが数冊見つかるが、それではキャバレーという空間そのものを記録した書籍がどれくらいあるかというと、ほとんどない。だって、キャバレーそのものがもう、ほとんどないから。なくなってから惜しまれる秘宝館や見世物小屋やオールド・スタイルのラブホテルと同じように、キャバレーもなくなってから惜しまれつつある昭和のポピュラー・カルチャーの仲間入りを果たしたのだろう。「ライフ・イズ・ア・キャバレー」と歌ったのはライザ・ミネリだったが、キャバレーのことも過去形で語らなくてはならない時代がもうそこまで来ている、そういうタイミングでこの3月に『キャバレー、ダンスホール 20世紀の夜』という写真集が出版されたのには驚いた。
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焼け跡の白日夢――カストリ雑誌コレクション探訪記(文:臼井悠)
ぼーっとSNSを見ていたら「カストリ雑誌 創刊号表紙コレクション」というスゴいタイトルの本が目に・・・。え? マジ2018年の話? 驚いて調べると、発行は昭和の夜の道先案内人・カストリ出版さん。さ、流石です! 100冊を超える表紙コレクションは本当に圧巻でうわ~って食い入るように見てしまったけど、でもなんというんだろう、その意図せず生まれてしまったであろうデザインの面白さに、時代を超えた不思議な気持ちになった。いったいなんでこんな雑誌が生まれていったんだろう。本書によるとコレクションは新潟県に暮らす西潟浩平さんという80才の男性のものだということで、えー、これは絶対会いに行かないといけないやつじゃないですか・・・。
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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第一回 40~70年代編 (文・資料提供:安田理央)
これまで師匠と呼べるひとはあまりいなかったけれど、本や作品を通じた師匠はたくさんいる。安田理央(やすだ・りお)さんは僕にとって、エロ・カルチャーというか色物文化における大事な師匠のひとりだ(10歳以上年下だけど)。AVやエロ本についての著作が多い安田さんは、必然的にコレクターでもあり、とりわけ雑誌創刊号コレクションについてはかなりの年季が入っているという。カストリ雑誌は「三号雑誌」とも呼ばれていたが、これからどれだけ続いていくのか、続けていけるのかわからない「創刊号」に込められた特別な思いを、安田さんはページにくるまれた空気から感じ取ってきたのだろう。もはや絶滅しかかっていると言ってもおかしくない、いまだからこそ振り返ってみたいエロ雑誌の無茶なエネルギー。完成度よりも広告の本数よりもはるかに大切な雑誌の原点を、安田さんの貴重なコレクションは僕らに思い出させてくれるのだ。
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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第二回 1980~1983年編(文・資料提供:安田理央)
先週に続いてお送りする、創刊号から眺めた日本エロ雑誌出版史。今週はいよいよ、安田さんのリアルタイム・コレクションがスタートした1980年代初頭から。妄想少年の熱情が、本屋の奥の暗い棚で一気に開花する! なお前回、連載を3回とお伝えしましたが、当然それでは終わらなそうなので、回数を延長してお送りします!
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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第三回 1984~1986年編(文・資料提供:安田理央)
古本屋で出会った『ウィークエンドスーパー』でエロ本の面白さに目覚めた僕は、それから様々なエロ本を買い漁った。そうした中で出会ったのが『ボディプレス』だった。奇しくも『ウィークエンドスーパー』と同じ白夜書房の雑誌だった。いや、奇しくも何も、当時面白かったエロ本の大半が白夜書房から発売されたものだったのだが。しかし、僕が最初に『ボディプレス』を購入した理由は、単にその巻頭グラビアの「消し」が薄かったからだった。巻頭グラビアはベール本のような隠し方で、申し訳程度に半透明の「消し」が局部に乗せてある。そんなグラビア目当てで購入した『ボディプレス』だったが、記事はそれ以上に面白かった。『ボディプレス』は「エロ業界」の内側にスポットを当てた雑誌だった。ビニ本などで活躍していたモデルのインタビュー、ビニ本や自販機本を作っていた編集者の回顧録、そしてビニ本やAVの紹介も、まるでロック雑誌のレコードレビューみたいだった。ライターひとりひとりをクローズアップしているのも新鮮だった。
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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第四回 1987~1995年編(文・資料提供:安田理央)
アイドル雑誌『BOO!』の編集に明け暮れていた1987年の終わり頃。それまで編集のメインであった副編集長のIさんが、突然退社してしまい、僕が誌面の三分の一以上を担当しなければならなくなった。編集部に泊まり込む日々が続く。風呂なしアパートなので徹夜明けで帰っても銭湯に入れない。仕方なく早朝ソープに行くことを覚えてしまった。あとで考えてみれば、その料金で風呂付きアパートに引っ越しすればよかったような気もするが。そして、編集部に出入りしていたライターさんに紹介してもらい、他の雑誌でこっそりとバイトで原稿を書くようになった。最初に書いたのは、確か東京三世社の『台風クラブ』の創刊号。池袋のマットヘルスの体験ルポだった。これが僕がエロ本に書いて、初めて原稿料をもらった原稿となる。その後は、同じく東京三世社の『ビデオアクティブ』でもAVレビューを書かせてもらったりした。ちなみにこの頃は会社に内緒ということもあって、別のペンネームを使っていた。奮闘も虚しく、『BOO!』はちょうど一年で休刊。僕はその編プロを辞めて、いくつかの編プロを渡り歩くことになる。辞めてもすぐに働き口は見つかった。そんな時代だった。
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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第五回 1996~1999年編(文・資料提供:安田理央)
僕がフリーライターとして独立した時に得意分野のひとつとして力を入れていたアダルトCD-ROMは、わずか数年で廃れてしまったが、代わりに話題になったのがインターネットだった。アダルトCD-ROMについての原稿をあちこちに書いていたため「デジタルに強いエロライター」というイメージがついたらしく、今度は「インターネットで無修正が丸見え!」なんて記事を量産することになった。当時、盛り上がっていたデジタルカルチャー方面の雑誌からもよく仕事をもらった。実際はそれほどデジタルに詳しいわけではないので、それがバレないかとヒヤヒヤしていたのだが。そうした流れで、発売されたばかりのデジタルカメラにもいち早く飛びつき、デジタルカメラでハメ撮りする「デジハメ」を提唱する入門書『裏デジタルカメラの本』や、風俗嬢100人が大股開きでピースをしている写真を集めた『OPEN&PEACE 風俗嬢ヴァイブス』なんて本も出した。
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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第六回 2000~2018年編(文・資料提供:安田理央)
出版業界全体で見れば、雑誌の売上は1997年をピークに、現在まで20年以上マイナスを記録している。つまり1998年以降、落ちっぱなしなのだ。それはエロ本においても同じである。90年代末からあちこちの編集部から、「売れない」という声が聞こえ始めていた。僕も2000年に『スコラ』11月号で「エロが危ない!」、2001年に『SPA!』1月17日号で「エッチ産業存亡の危機』という特集を自ら企画を出して書いている。もうこの時期に相当な危機感を感じていたのだろう。そもそも、それを書いた『スコラ』も1999年に発行していた「スコラ」が倒産し、新会社「スコラマガジン」での発行に移っていた。
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夢と恋と愛の白いばら
猛暑のある日、ぼーっとツイッターを眺めていたら、「コミケで元ホステスがつくった「白いばら」同人誌を販売中!(在籍時のドレス着用で)」みたいなツイートが眼に入って、飛び起きた。急いでツイートを追っていくと、昼過ぎにはすでに「おかげさまで完売しました・・・」とあり、唖然。コミケで「白いばら」!!!??? 後日、通販サイトで入手したその同人誌『キャバレーは今も昔も青春のキャンバス』は、いかにも同人誌らしい造作でありながら、写真集、歴史年表、ホステスさん観察図鑑、一日のスケジュール、ショーダンサーのインタビューにホステス座談会、閉店までの日々の記録まで、予想を超えた充実内容。「白いばら」に関しては、元店長・山崎征一郎さんによる『日本一サービスにうるさい街で、古すぎるキャバレーがなぜ愛され続けるのか』(ダイヤモンド社刊、2015年)があるが、こちらは基本的にビジネス書。豊富な写真にイラスト、漫画まで入った「白いばら」の解説資料としては、この同人誌が唯一の存在だろう。
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アーカイヴ:ヴォーン・オリバーと音の夢
ヴォーン・オリバーとは80年代のどこかで、大竹伸朗くんの紹介で会ったのが最初だった。すでに4ADでの仕事は見ていたので、それはすごくうれしい出会いだったし、1993年には現代美術全集「アートランダム」のスピンオフ企画である「ARM=アートランダム・モノグラフ」の一冊として、大竹伸朗xヴォーン・オリバーの共作『東京サンショーウオ アメリカ夢日記1989』という、たいへんぜいたくな本を編集することもできた(京都書院刊、僕がしたのはやり取りの交通整理ぐらいだったが)。ヴォーン・オリバーの作品をまとめた本はこれまで数冊発表されているが、この10月には決定版ともいえる『Vaughan Oliver: Archive』が2冊組ボックスセットとして、ロンドンのユニット・エディションズから刊行された。ずいぶん前に刊行のためのキックスターター・サイトが立ち上がって、それから長い制作期間を経ての、待望のリリースである。今回はその刊行を記念して、内容の詳しい紹介と、大竹伸朗によるトリビュートの文章をお送りする。『Archive』は限定900部。興味を持たれた方は、急ぎ出版社サイトに注文していただきたい。
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2千体のソフビ宇宙!
2017年11月1日号『ソフビになったホームレス』で特集したソフビ作家デハラユキノリの初作品集『DEHARA』が今年7月末に発行された。たいへん紹介が遅くなってしまったが、内容の抜粋をいただいたので、ここでご覧いただく。デハラユキノリは1974年高知市生まれ、フィギュアイラストレーターとしてデビューしたあと、ソフビを手がけるようになってもう20年近く。コンスタントに年間300体ほどをつくっているというので、これまで生み出したフィギュアの総計が約6,000体! 初作品集となる『DEHARA』にはそのうち約2,000体のフィギュアとソフビが、オールカラー312ページに詰め込まれた渾身の大作。これだけの数が集まると、もはやソフビの肌を持つ新種の生きもの図鑑のようにも見えてくる。
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マッチ箱に詰まった記憶
ちょうど気になっていた新刊が絶好のタイミングで届いたので、一緒にご紹介したい。『マッチと街』。サブタイトルに「MATCH KOCHI 1950-90」とあるとおり、これは終戦後から、昭和が平成にかわるまでの高知の街を、マッチ箱から辿ってみようというユニークきわまりない試みなのだ。いまの高知も僕は大好きだけれど、ずっと住んできたひとにとって、いまの高知は「きれいだけどおとなしすぎる!」歯がゆくてしょうがない場所なのだろう。本書は、高知市の江ノ口川沿いに建つ漆喰壁の倉庫群がアートゾーンに再生された藁工倉庫にあるギャラリーgraffitiで2009年10月に開催された展覧会『高知遺産 マッチと町』で展示されたコレクションが、9年の歳月を経て書籍化されたもの。
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圏外でつながった地下台湾
「旅」と言うのがおこがましくて「出張」と言ってしまうのは、たいてい取材したい場所やひとがいくつか事前に決まっているからだけど、今月初め台北にいたのは「Perfumeのライブに誘われたから」というぜんぜん取材じゃない目的だった。たまには事前になにも調べずぶらついてみようと、ちょっと長めに台北のホテルを取って出かける少し前に、出版社の担当編集者から「なんか『圏外編集者』が誠品書店の書店員大賞みたいなのに内定したらしいですよ」と聞かされたが、まさかねと思って確かめもしなかった。本好きのひとならご存じだろうが、誠品書店は台湾の大手書店チェーン。書籍のほかにセレクトショップ的な機能があって、超高層ビル台北101のそばにある本店は24時間営業ということもあり、観光客にもおなじみ。代官山をはじめとする蔦屋書店の展開も、かなり誠品の影響を受けているはずだ。今年秋には東京日本橋にも初出店するらしいが、僕も台湾に通い始めたころから大好きだった書店に選んでもらうなんて、もしほんとうだったらうれしいけど・・と半信半疑で本店に行ってみたら、レジ脇に小さなコーナーができていた!
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ロードサイド・ライブラリー新刊「めくるめくお色気レコジャケ宇宙」完成!
2016年の『秘宝館』から数えて6冊目になるロードサイダーズ版電子書籍『BED SIDE MUSIC ―― めくるめくお色気レコジャケ宇宙』が、ついにリリース! いよいよ今週末に迫ったロードサイド・ブックフェアでの初披露に向けて、最終作業が急ピッチで進行中です。本メルマガでもおなじみの「日本でいちばん展覧会を見る男」であり、稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
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写真集「隙ある風景」ができるまで(写真・文:ケイタタ)
PABFのお知らせにもあったが『隙ある風景』の写真集を出版した。完全な自費出版である。このダンボールの表紙のことはまたあとでふれるとして、まずは中身から紹介したい。文章をつけることで写真の意味が理解される。写真と文章の組み合わせで一つの作品になるように、写真と同じぐらい言葉にも気を配った。コピーライターとして得た全スキルをここに使った。また、海外でも販売を考えているので英語と中国語をつけている。
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「ヤンキーメイト」発売記念、座談会(という名の飲み会)~あたしたち、いまだから言えるけど、ヤンキーが好き♡~(文:スナック・アーバンのママ)
ちょうど1週間ほど前、『ヤンキーメイト』という本が発売された。80年代~90年代初頭、全国をブイブイいわせたレディースたちのカルチャーが、(実話誌視点ではなく)同時期に生きたわたしたちの目線から編集されていて、なんだかぐっとレディースとの距離感が近くなる内容だった。もちろん元総長達へのインタビューや、比嘉健二さんたちによる『ティーンズロード』編集長対談、ヤンキー界の重鎮・岩橋健一郎さんへのインタビューなど、ディープな情報もしっかり盛り込まれている、コアな1冊でもある。編集に携わるのは竹村真奈さん。ティーン達を夢中にさせたビューティーカルチャーをまとめた「80~90’s TEENS BEAUTY BOOK」や、80年代のファンシーカルチャーがいっぱいの「ファンシーメイト」など、あのころのキラキラしたかわいい世界を偏執的にまとめたやばい本を作っている尊敬する友人だ。本著の取材にはミリオン出版で約6年間、『ソウルジャパン』なんかでガチハードコアな世界に潜入しまくった犬塚左恵さんが協力している。さえちゃんも実は20年来の友人だ。彼女たちはレディースたちとほぼ同世代で、わたしはちょっと下、でもその世界とはあまり関わらず生きてきた。じゃあ、なんでいまこの本を作ったの? なんでいまになって、こんなに彼女たちに憧れるの? 久しぶりに3人で集まってハイボール片手におしゃべりしました。
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総統選が来た! 表現の自由の極み、台湾の最強政治家格闘マンガ! [文(ネーム和訳も!):呉(ゴ)ジンカン(総合マンガ誌キッチュ責任編集)]
2020年元日現在、台湾で最も注目されているものと言えば、なんだろうか? ミルクティに黒い未曾有のモチモチ食感をもたらすタピオカが入っている、値段がラーメンに匹敵するドリンク・・・・・・ではなく、迫りくるあの日だ。2020年1月11日、台湾の人々にとってまさしく運命の日――台湾政治のトップを決める選挙「総統選挙」の投票日だ。注目される候補者は二人、一人は独立志向の与党「民主進歩党」党首・蔡英文(さい えいぶん)さん、もう一人は親中派野党「中国国民党」の代表・韓国瑜(かん こくゆ)さんだ。さて、ここで質問・・・・・・ 「あなたはどの候補者と異世界転生したいですか…?」
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カストリ雑誌、吉原へ!
東京吉原のど真ん中に店舗を構える遊郭専門書店「カストリ書房」の店主である遊郭家・渡辺豪さん。本メルマガ連載中の「赤線酒場×ヤミ市酒場 ~盛り場のROADSIDERS~」のファンもたくさんいらっしゃるだろう。その渡辺さんが2018年に出版した奇書『カストリ雑誌 創刊号表紙コレクション』と、そのコレクターである西潟浩平さんのことは、西潟さんを新潟県十日町に訪ねての「焼け跡の白日夢――カストリ雑誌コレクション探訪記」(2018年06月27日号)でも詳しく紹介した。カストリ雑誌収集30年あまり、膨大なコレクションを誇る西潟さんから、去年春先になって「そろそろ終活を考えるようになったので、コレクションを譲りたい」と渡辺さんのもとに連絡が入り、いまそのコレクションは吉原のカストリ書房に落ち着いて、データベース化が進められているという! 先日、吉原でひと汗流しがてら(ウソ)、渡辺さんにその経緯を伺いにお邪魔した。
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新連載! 圏外雑誌 GON! 回想録 第1回 創刊前夜・幻の創刊準備号 一般流通させなかった超レア・タブロイド版制作裏話 (文:初代編集長・比嘉健二)
日本最強のストリート・エディター比嘉健二編集長による、伝説の雑誌創刊回想録。本メルマガで2018年にお送りした「ティーンズロード回想録 よろしく流星」に続く新連載のテーマは『GON!』。1994年に創刊され、2000年代に『実話ナックルズ』に後継されるまで、『ティーンズロード』『egg』など同じミリオン出版からの雑誌とともに、日本の90年代アンダーグラウンド・シーンの公式メディアとして熱い支持を得てきた。あの時代のコンビニ雑誌棚を懐かしく思い出すひとも多いはず。 振り返ればインターネット登場以前における印刷版のSNSとも言える、希有な雑誌の誕生秘話がいま、創刊編集者によって明かされる!
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圏外雑誌 GON! 回想録 第2回 GON!創刊号 大方の予想を裏切り創刊号は売れに売れ、TVや大手メディアが食いついてきた――最底辺雑誌が出版界に風穴を開けた! (文:初代編集長・比嘉健二)
バイク事故、発売延期の陰にライバルあり――人は死ぬ間際に走馬灯のように様々な思い出が脳を駆け巡るというが、俺は「やばい! 死ぬかも!」これだけだった。通勤途中の青梅街道をいつものように400ccのバイクで走っていたら、チャリンコが急に歩道から車道に蛇行してきた。このままだと確実にチャリンコを跳ねる。俺は急ブレーキをかけたが、当然スリップして転倒。ただ、死んでいないことだけはわかった。沿道のヤジ馬がなにやら騒いでいる。それに気がついたと同時に、左足首に強烈な激痛が走った。ほどなくして救急車のサイレンが近づいてきた。この救急車は俺のため? チャリンコの運転手はどうなった? 救急車は俺のためだった。チャリンコを運転していたのは大学生風の青年で、かすり傷ひとつ負っていなかった。生まれて初めての救急車であり、バイク事故だった。この時点で20年以上運転していて、ただの一度も事故ったことがなった。命が助かったと安堵したのだろう、救急車の中で今度は現実問題に直面した。『GON!』の発売日まで2ヶ月もない。それに来週は創刊号の目玉企画の撮影がある。これは這いつくばってでも行かなければ。
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怪甲斐ワンダーランド!
新型コロナウィルスによって全国でたくさんの夜の場所がなくなったり、なくなりそうになったりしているけれど、コロナが出現するずっと前から「もうダメかも!」と店主みずから悲鳴のようなメッセージをSNSに連投し続け、常連たちの気を揉ませてきた店。といいつつしぶとく生き延び、長い夜にだれも来なくても、天井が抜けて上階から激しく水漏れしたのに大家が修理してくれなくても、夜が明けて日が暮れればまたなんとなくカウンターに灯がともり、うずたかい本やレコードの山、破れかけのポスターのほこりを隠してくれて、客より先に店主が酔っ払ったりしている店。昔からのなじみの店が全部なくなってしまい、いまや僕にとって京都でただ一軒、なんの気も遣わずに飲んだくれられる店。それが三条木屋町の「八文字屋」だ。
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『ピンク映画水滸伝』復刊に寄せて
本メルマガで2018年02月14日号から2019年12月18日号まで、全12回にわたって連載された、ピンク映画研究家・鈴木義昭さんによる『桃色の罠――日本成人映画再考』を覚えていらっしゃるだろうか。1960年代から70年代にかけて、場末の映画館の病みに輝いた「桃色映画アウトローの軌跡」(本書序文より)を丹念に追い、監督や出演者の証言、ポスター、されにはビデオにもDVDにもならなかった貴重なフィルムの一部をデジタル化してご覧いただいた(おかげでYouTubeからはアカウント永久凍結になってしまったが、涙)、かなり貴重なオーラル・ヒストリーの成果だったと思っている。 もう40年あまりをピンク映画と共に生きてきたという鈴木さんのデビュー著作『ピンク映画水滸伝 その二十年史』(プラザ企画刊、1983年)がこのほど、37年ぶりに文庫版となって復刊された。その記念として今月12日から阿佐ヶ谷ラピュタのレイトショーでの連続上映「香取環と葵映画の時代」も開催中なので、ここでお知らせしておきたい。
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カタリココが語ること
長い友人のひとりに大竹昭子さんがいる。小説家、写真評論家、エッセイスト、写真家・・・・・・ヒトコトでとてもくくれない活動を長く続けていて、たとえば森山大道や荒木経惟から知ったというひと、須賀敦子から入ったというひと、いろんな間口を持つ作家である。 大竹さんは毎回ゲストを招いてトークと、自作を朗読してもらう「カタリココ」というイベントを2007年から、都内4つの古書店を会場にず~~~っと続けている。その持続力に頭が下がるばかりだが、2年ほど前からは「カタリココ文庫」という自費出版プロジェクトも始めてしまった。
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語り芸パースペクティブ ――意味の彼方にあるもの
もう60回以上も続いているDOMMUNE「スナック芸術丸」で、ユーロビート特集に次いでリスキーだなと思いながら配信したのが2016年の「浪曲DOMMUNE」。しかし終わってみれば予想をはるかに超える反響をいただき、伝統芸能への関心の高まりを実感したのだった。 あの番組で導き手となってくれたのが女流浪曲師・玉川奈々福。実はもともと筑摩書房の編集者で、ひょんなきっかけから三味線教室に通ううち、やや強引にスカウトされて浪曲を唸るほうにスカウトされ、いまや業界を背負って立つ若手(浪曲界では)のプレイヤー。しかも筑摩書房時代は僕の本を何冊も手がけてくれた担当編集者という間柄なのだった。
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大阪に舞い降りたアメリカン・ドリーム
ヴィンテージ、ではなくて単なる中古の格安ステレオで音楽を楽しもうという連載「『ステレオ時代』の時代」を昨年連載してくれた澤村信さんから、「うち(ネコ・パブリッシング)から都築さんが好きそうなムックが出ます」と教えてくれたのが、『CLASSIC AMERICAN CARS OF 1960'S JAPAN アメリカ車の時代 1960年代・大阪』という長い題名のムック。1979年に創刊された老舗自動車雑誌『カー・マガジン』の別冊として、9月に発売になったばかりだ。しかしどうして澤村さんに、僕のアメ車好きを知られたのだろう!
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国ちゃんの「手紙」
先週の告知で京都ホホホ座ねどこでの出版記念展を紹介した松本国三の『手紙 松本国三』。存命・現役のアウトサイダー/アールブリュットの作家としては異例のボリュームとなる4冊組作品集だ。今週は国ちゃん(付き合いが長いのでそう呼ばせていただく)と制作のお話を書かせていただく。国ちゃんの創作については2003年にデザイン誌『IDEA』で掲載、2009年には『現代美術場外乱闘』(洋泉社刊)に収められたが、長く品切れのままなので……そのときに書いた文章も挟みながら、あらためて紹介してみたい。
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探すのをやめたときに見つけたもの
今年1月22日(土)から 4月10日(日)まで渋谷公園通りギャラリーで開催された「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」。いま考えるとオミクロン株が猛威を振るうさなかに、よく全日程無事に開催できたものだと思うけれど(中止になった展覧会もたくさんあったし)、同時期に制作していた作品集がようやく完成。今月30日あたりから書店に並ぶはず(Amazonなどではすでに予約開始)! 書名は「Museum of Mom's Art 探すのをやめたときに見つかるもの」。あえて「おかんアート」という言葉を入れなかったのは、展覧会でプチ炎上したからとかではなくて(笑)、公園通りギャラリーでの展覧会とはまた別物の作品集として見てもらえたら、という思いも込めている。 おかんの辞書に断捨離はない! 来るものは拒まず、去るものも去らせない。とりあえず取っておけば、いつか役に立つ。そしてある日、おかんにひらめきの瞬間が訪れる――アレをああやったら、かわいいのできるやん! こうしておかんアートは生まれた(たぶん)。
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Freestyle China 即興中華・番外編 東京のバーピンミー (写真:都築響一、吉井忍/文:吉井忍)
風呂なし四畳半での生活を綴った小さな中国語の本を上梓した。タイトルは『東京八平米』。“四畳半(スーディエバン)”を使おうとも考えたが、“八平米(バーピンミー)”の方が語呂がいいこともあり、こちらに決めた。面積もだいたいそれぐらいだ。 編集者との雑談から生まれたこの本、コロナやら何やらで思うように進まず、予想を超えてかなり難産だった。企画当初は2年足らずだった四畳半生活も、気がつけばもう5年目。いつもは中華圏の人々を紹介させていただいている「Freestyle China 即興中華」だが、今回は番外編として拙著と四畳半について書いてみたい。
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歓楽街の生存者たち
2018年8月10日号に始まった連載「赤線酒場×ヤミ市酒場 ~盛り場のROADSIDERS~」を、吉原のカストリ書房店主・渡辺豪さんとともに続けてくれている文筆家のフリート横田さん。「街や都市、東京、酒」がおもなテーマという横田さんの新刊が『盛り場で生きる 歓楽街の生存者たち』だ。 盛り場も歓楽街もなじみだけど「生存者」という言葉にドキッとするのは、これがまさしく生き残ってきたとしか言いようのないほど長いあいだ、ネオンの海の荒波を乗り越えてきたひとたちの証言集だから。
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捨てられなかった本のこと 01 A Wonderful Time
去年春、30数年ぶりに引っ越して、この機会に身軽になろうと一念発起。いろんなものを整理したなかで、本はたぶんダンボール箱200箱以上を業者さんなどに引き取ってもらった。もしかしたらいまごろ、そのなかのどれかを古書店で買ってくれたひとがいるかもと思うと楽しいが、それだけ処分しても新居に設置した壁一面の本棚からすでにあふれる状態。日常どうしても必要という本なんて一冊もないのに、冷蔵庫の奥に入れたままの調味料みたいに「とりあえずこれはもう少し置いておこう」という、捨てられなかった本が何百冊もあり、「捨てられないTシャツ」ではないけれど、個人的に「捨てられなかった本」のことを毎回一冊ずつ紹介したいと引越直後に思い立った。ずいぶん時間が経ってしまったけれど、これから毎週、というのは無理かもだが、なるべく頻繁に更新しながら、迷ったあげく処分できなかった本のことを書いていきたい。その一冊目はこれ、『A Wonderful time』という大判の写真集。実は僕がいちばん大切にしている写真集のひとつだ。
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捨てられなかった本のこと 02 GRAFFITI
マルセイユのグラフィティ記事を書いていてふと思い出し、先週の「ワンダフル・タイム」とはまるで違う世界を撮影した「グラフィティ」を、今週の捨てられなかった本として紹介する。 ブラッサイ(Brassaï)は写真好きならだれでも知っている名前だろう。1899年オーストリア=ハンガリー帝国(現ルーマニア)ブラショヴ生まれ。第一次世界大戦に従軍したあとベルリンを経て1924年にパリに移住。ピカソ、ジャコメッティ、マティスら同時代の芸術家たちと親交を結び、1984年に亡くなるまでパリのさまざまな貌を捉えた写真集を発表し続けた。とりわけ1933年に発表された「夜のパリ(Paris de Nuit)」は写真史に残る傑作。さまざまなかたちでいまも世に出ているので、ブラッサイと知らずに見ているかたも多いかもしれない。
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捨てられなかった本のこと 03 日本の壁
先々週、先週と現代と1930~40年代のフランスにおけるグラフィティを紹介したので、というわけでもないけれど今週は「日本の壁」。古代から現代までの日本の建築をいろどってきた、おもに和風の日本壁を左官工事という観点から概観した、マニアックではあるけれど同時に素晴らしく美しい図版が見られる貴重な一冊だ。著者の山田幸一は1925年生まれの建築学者。京都帝国大学工学部建築学科を卒業し、鹿島建設に勤務しながら京大大学院の特別研究生となり、1961年に「日本壁の歴史的研究」で京都大学博士号を取得。左官工事と日本壁について数冊の書籍を発表してきた(1992年死去)。撮影を担当した井上博道(はくどう 1931-2012)は大和路を生涯にわたって撮り続けた写真家である。
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捨てられなかった本のこと 04 TAXI DRIVER WISDOM
日本はアプリでタクシーを呼ぶのが一般的だけど、全世界的に「流しのタクシーを拾う」から、配車サービスで自家用のクルマを呼ぶスタイルにシフトしているのはご存じのとおり。NHKでタクシー運転手に街を案内してもらう、みたいな番組があったけれど(まだある?)、もう何年かしたらそういう企画も難しくなるかもしれない。 そんな危機的状況にあるタクシー運転手という職業だが、この本『TAXI DRIVER WISDOM(タクシー運転手の知惠)』は、ニューヨーク名物のイエローキャブ(こちらもウーバーなどに押されて大変らしい)の運転手たちの、なにげないおしゃべりに含まれる金言というか、ストリートの真理を集めた一冊。僕の『TOKYO STYLE』(英語版のタイトルは「TOKYO: A CERTAIN STYLE」だった)も出してくれたサンフランシスコの出版社クロニクル(CHRONICLE)から1996年に刊行された。もうすぐ30周年になる・・・・・・。そしてニューヨークのイエローキャブも、あの古き良きチェッカー~アメ車の大型セダン・クラウンヴィクトリアを経て、すっかり今どきのハイブリッド車全盛になった。
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Freestyle China 即興中華 膝の隙間から見えた“人間性” 『最後の猿まわし』著者、馬宏傑さんインタビュー (写真:馬宏傑 文:吉井忍)
街中に突然、銅鑼(どら)が鳴り響いて、次第に人垣ができる。その中心には数匹のサルと猿回し師の男性がおり、たまに犬を交えて芸を披露する。人々は笑ったり驚いたり、母親は子どもに「言うことを聞かないと、人さらいに連れていかれて皮を剥がれて、あのサルになる」と諭している。中国河南省出身の写真記者・馬宏傑(マー・ホンジエ)さんによると、こんな風景は1980年代ごろまでは中国のあちこちで見られたという。 馬さんの著書『最後の猿まわし』(みすず書房、2023年)は、猿回しで生きる最後の世代を20年にわたって追ったノンフィクションだ。中国での初版は2015年(原題:『最后的耍猴人』)、世代を超えて大きな反響を呼び、年間ベストセラーの上位にランクインした。このほど出版された日本語版は原著の翻訳に加え、コロナ後に至る最新の動向も記されており、非常に読み応えのある内容だ。
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捨てられなかった本のこと 05 NATURAL SELECTION
ナチュラル・セレクションとは自然淘汰のこと。この奇妙に美しい写真集はニューヨークの自然史博物館に展示されている剥製動物たちを撮影したシリーズだ。撮影したのはジェレミア・ダイン。ポップ・アーティストの巨匠ジム・ダインの息子である。 ジェレミア・ダインは1959年ニューヨーク州ロングアイランドのベイショア生まれ。ニューヨークのクーパーユニオンで学ぶかたわら、リチャード・アヴェドンのスタジオで2年間アシスタントを務め、その後雑誌や広告の分野で活動を続けてきた。『ナチュラル・セレクション』は当時26歳だったダインが、35ミリカメラにモノクロフィルムを詰めて、自然史博物館でスナップした104点の写真が掲載されている。
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捨てられなかった本のこと 06 張り込み日記
ROSHIN BOOKSという、それまで聞いたこともなかった出版社から写真集『張り込み日記』が出版されたのは2013年10月初めのこと。ロードサイダーズでは10月9日号でじっくり紹介させてもらい、予想を超える反響があった。1,000部限定の初版はすぐに完売、翌年には第2版がやはり1,000部刊行され、同年ナナロク社からミステリー作家の乙一氏が構成に参加した版が発売されている。 ちょっと古くて手に入りにくい出版物を主に紹介しているこの連載で、比較的新しくて入手も簡単な『張り込み日記』を紹介したかったのは、初版から10年を経てこのほどROSHIN BOOKSで第3版が刊行されたから。
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捨てられなかった本のこと 07 銀座を彩る女たち
銀座のクラブ。踊るのではなくて、いい匂いのお姉さんと飲むほうのクラブ。これまでほとんど飲みに行く機会も資金もなかったし、これからもないだろう。でも銀座のクラブのことを聞きかじるのは大好き・・・・・・情報源は映画や漫画の『女帝』とかに限られてるが。なので銀座に関する本があるとつい買ってしまう。その数冊がいまも手元にあるので、これから数回にわたって紹介したい。 『銀座を彩る女たち』はA4サイズ、ハードカバーの豪華本。英語タイトルが「GINZA NIGHT CLUB GUIDE 116」とあって、こちらのほうがわかりやすい。
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捨てられなかった本のこと 08 銀座社交料飲協会八十年史
先週の『銀座を彩る女たち』に続く、夜の銀座本特集。今週紹介するのは『銀座社交料飲協会八十年史』。A4に近いサイズでハードカバー函入りの豪華な仕様。定価が記載されていないので、協会員、関係者に配布された私家版なのかもしれない。奥付を見ると2005年12月25日発行とある(クリスマスに発行とは!)。 銀座社交料飲協会(GSK)は現在も活動を続ける銀座エリアの飲食業者たちの業界団体。
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捨てられなかった本のこと 09 銀座の女、銀座の客
『銀座を彩る女たち』『銀座社交料飲協会八十年史』に続いて、銀座の夜をめぐる「捨てられなかった本」。しつこいですが今週紹介したいのは『銀座の女、銀座の客』。それなりの年齢のかたは覚えているだろうか、『週刊新潮』の長期連載企画、1997(平成9)年8月7日号まで1076回も続いた「CLUB」から選び抜かれた傑作エピソード・コレクションである。
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捨てられなかった本のこと 10 すすきののママ101人
保育社の「カラーブックス」のファンはずいぶんいると思う。カラー印刷の文庫、というのをシリーズ・タイトルにできる時代の産物であるカラーブックスは、1962年に創刊された第1巻が『ヒマラヤ』。それから1999年までの37年間にわたって909点が発行された。当然ながらカラーブックスをコンプリートしているコレクターもいて、古書評論家の南陀楼綾繁さんが、熊本市に在住のカラーブックス・コレクターのことを、「シリーズ古本マニア採集帖」。というウェブ連載で紹介している。 「カラーブックスとものかい」というTwitterアカウントでカラーブックス関連情報を発信しているその「カラともさん」(南陀楼さん命名)によれば、カラーブックス909点のうちでいちばんレアで高いのは『すすきののママ101人』なのだそう(2番目が『レディーのノート』)。 今週はその『すすきののママ101人』を紹介する。
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早稲田大学・村上春樹ライブラリーにうちの本棚が仲間入り
早稲田大学の村上春樹ライブラリー(正式名称:国際文学館)が2021年10月に開館したニュースを、ご存じのかたも多いだろう。村上春樹さんは1968年から7年間、早稲田大学に在学していた縁で、これまでに発表された作品群、その数十ヵ国におよぶ各国語版、厖大な資料類、レビューなどを保管、公開する、世界の村上春樹研究者に、またファンにとっても待望のライブラリーだ。
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俺たちのブックフェア PABF開催!
今年も東京アートブックフェアが近づいてきました。楽しみだけど、あんなに混んでるとちょっと・・・・・・と思ってるひともいますよねえ。出展料も高額だし、抽選だし!もちろんロードサイダーズ・ウィークリーは参加しません(笑)。 2019年7月にPABFという小さなブックフェアを自前で開催したのを、覚えていらっしゃるでしょうか。東京アートブックフェア(TABF)の出展料金が高額すぎて応募を諦めたひと、応募したけれど落選してしまったひとが周囲にずいぶんいることがわかって、ブックフェア会期中の7月14、15日の2日間、会場の東京現代美術館近くのイベントスペースを借りて、ちっちゃな手づくりブックフェアを開いてみようかと思い立ったのでした。
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俺たちのブックフェア PABF出展者情報!
お伝えしてきたように、今週末の25、26日PABF=プアマンズ・アートブックフェアを開催します! 同日開催の東京アートブックフェアと較べてみれば、吹けば飛ぶよな弱小イベントですが、しかし!こういう手づくりブックフェアがいろんな場所で、いろんな時期にたくさん立ち上がるほうが、巨大フェアに集約されるより健全なのかも・・・・・・と信じているので、よかったら遊びに来ていただきたいし、同じようなフェアをやりたいな~と思ってる人たちの参考にしてもらえたら、それもうれしいです!
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ニーナ・シモンが噛んだガムのこと
『ニーナ・シモンのガム』という奇妙な題名の本を送っていただいた。「失われたものと見つかったものをめぐる回想」と副題がついている。著者のウォーレン・エリスはオーストラリア人のミュージシャンで、ニック・ケイヴと長く一緒に音楽をつくってきたことでも知られている。訳者の佐藤澄子さんは古い友人で、昔は超売れっ子コピーライターとしてスタイリッシュなコピーをつくっていたが、60歳を期に名古屋でひとり出版社「2ndLap」を立ち上げ、去年の1月に『スマック シリアからのレシピと物語』という大判の美しい料理本を出した。スマックというのはシリア料理でもっとも大切なスパイスで、これはおそらく日本初のシリア家庭料理に特化したレシピとエッセイの本だった。
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『TOKYO STYLE』と『ゆびさきのこい』
まったくの偶然だが、8月に2冊の新刊がリリースされる。前号までにちょこっとお知らせしたが、一冊はデザイン関係に興味のあるかたならご存じのスペイン・バルセロナの「APARTAMENTO」(アパルタメント)による、1993年に京都書院から刊行された大判の『TOKYO STYLE』を、ほぼそのまま復刊した英語版『TOKYO STYLE』。いったいなぜ2024年になって、30年前の東京の安アパートの写真集を・・・・・・と、お話が来ていらい謎が深まるばかりだったけれど、ついに現実の分厚い写真集が届いて、あらためてびっくり。でも、とりあえずありがたい!
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大道社の静かな日々
マイクロ・パブリッシングという言葉も定着してきたが、よほどの本好きでも大道社という小さな出版社を知っているひとは、ほとんどいないだろう。 1960(昭和35年)創業、もう60年以上になる老舗の大道社は仏教書、それもおもに仏教漫画に特化した出版社だ。現在は社長である二代目の関誠一さんが、ひとりで飯田橋の小さな社屋を守っている。 刊行中の書籍は20冊ほど。そのうち15冊が仏教漫画で、あとは子ども用の仏教冊子が数冊と、経本がひとつ。
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PABF=プアマンズ・アートブックフェア詳細発表!
TABF=東京アートブックフェアという巨人に挑む一匹のアリンコとして(おおげさ)、11月30日、12月1日の2日間にわたって開催する“おれたちのブックフェア”がPABF=プアマンズ・アートブックフェア。両日とも参加ブースが出そろいました!
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PABF2024 直前情報!
今年も東京アートブックフェアが近づいてきました。楽しみだけど、あんなに混んでるとちょっと・・・・・・と思ってるひともいますよねえ。出展料も高額だし、抽選だし!もちろんロードサイダーズ・ウィークリーは参加しません(笑)。 2019年7月にPABF(=プアマンズ・アートブックフェア)という小さなブックフェアを自前で開催したのを、覚えていらっしゃるでしょうか。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!