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オカダキサラ

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新連載! ニュー・シャッター・パラダイス  01 ホームレストラン (写真・文:オカダキサラ)

ロードサイダーズではすでにおなじみ、東京の何気ない、でも思わず二度見せずにはいられない瞬間を切り取り続けるスナップシューター、オカダキサラ。コロナ禍にもめげず活発に動き回る彼女の新連載が始まります! これから隔週ペースでおおくりする「ニュー・シャッター・パラダイス」。名作「ニュー・シネマ・パラダイス」最後の連続キス・シーンのように、毎回ひとつのテーマを決めて、新作と膨大なストックからリミックス。バラバラの場面の隙間から、いつのまにか浮かび上がる写真物語をお楽しみください!

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ニュー・シャッター・パラダイス  03 ハグシェルター (写真・文:オカダキサラ)

通行の妨げにならないように、互いに気を配らなければならない都会の往来。人々はスマホの画面を見たり、音楽を聴いたりして、窮屈さから気を紛らわせながら、足並み揃えて目的地へと向かいます。 そんななかでのハグは、人の流れを遮ることでもあり、かなり悪目立ちしているはずなのですが、通行人は彼らを無視して通り過ぎていきます。 その光景はいかにも東京らしく、私にとってはシャッターチャンスでもあります。 ハグをする彼らの腕の中にある「二人だけの世界」は、人混みの息苦しさから逃れるシェルターのようにも見えます。

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ニュー・シャッター・パラダイス  05 握手進化論 (写真・文:オカダキサラ)

この連載も今回で5回目を迎えました。 私は数字や記号を覚えるのが、とにかく苦手です。 前回の原稿を納品するときも「3回目です」と送ったところ「4回目ですよ」と指摘されてしまいました。 え!? もう4回も掲載させていただいたのか、とミスを恥じるより、驚きや嬉しさのほうがまさってしまいました。 自分のうっかりですが、サプライズをいただいた気分です。 この記事を読んでくださっている方々に改めて感謝申し上げます。 ありがとうございます。これからも頑張ります。 そんな記念すべき5回目は、手をつないだシーンを集めてみました。

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ニュー・シャッター・パラダイス  08 ひとりスポーツ (写真・文:オカダキサラ)

最近、エアスポーツをやりそうな人の気配を察知できるようになりました。 エアバッティングやエアピッチ、エアスイングなど電車やバスを待っている時や、次の仕事までの合間など、ちょっとした空き時間に楽しむ人が多いようです。 フォームの正しさや美しさについて、スポーツと縁がない私には分からないのですが、本人たちは思い描いている理想をなぞって動いているのでしょう。 最初は軽かった身の動きが、繰り返しているうちにだんだん真剣みを帯びていきます。

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ニュー・シャッター・パラダイス 10  走る! (写真・文:オカダキサラ)

年の瀬も近づき、慌ただしい日々を送っている方も多いと思います。 かくいう私も例に漏れず、あまりの忙しなさに、現実逃避してしまいそうなこの頃です。 普段落ち着いている師匠(僧)も、この月ばかりは目まぐるしく走り回ることから「師走」と呼ばれるようになったという12月。 ということで、今年最後の配信である「ニュー・シャッター・パラダイス」は「走る」をテーマにしました。 年末大放出で、写真をいつもより倍増して届けます。 楽しんでいただければ幸いです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 14  ゲーム (写真・文:オカダキサラ)

私はゲームが苦手です。 中学2年生のときに、いとこからプレイステーションをお下がりでもらうまで、我が家にゲーム機はありませんでした。 もらいはしたもののゲームをする時間より使わない期間のほうが長く、いつもホコリを被っていました。 今はテレビゲームよりも、スマートフォンのアプリなどのほうが利用されているのかもしれません。

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ニュー・シャッター・パラダイス 20  サンサン日傘 (写真・文:オカダキサラ)

5月。気温とともに紫外線もピークに向かって急激に強くなり始める時期です。 日傘をさして歩く人も多くなりました。 日傘には4千年の歴史があるといいます。初期の傘は高貴な人たちしか使えなかった上に、閉じることができませんでした。13世紀になって開閉ができるような仕組みがイタリアで開発され、18世紀にはヨーロッパ圏で一般人にも普及するようになったそうです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 25  ワクワク ウェイティング タイム (写真・文:オカダキサラ)

私は1箇所にじっとしていることが苦手です。 行ってみたいお店でも、行列ができているとたいてい諦めて目的地を変更します。 そんな私ですが、人を待つことはそんなに苦ではありません。相手が来るまで散策を楽しめるからです。 見知った東京はもちろん、地方の知らない街を探検するのもとてもワクワクします。

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ニュー・シャッター・パラダイス 27  清掃員さん (写真・文:オカダキサラ)

私は学生時代20を超えるバイトを経験しました。 ころころとバイト先を変える私だったので、親や友人はさぞかし心配したのではないかと思います。 何より私自身が『この世には自分ができる仕事はなにひとつないのかもしれない』と怯えながら過ごしていました。 中には長く続けられた職場もあって、大手スーパーの厨房清掃もそのひとつです。 従業員は私を含め5人で全員女性。勤務時間は深夜なので昼間は別に仕事をしている方がほとんど、みんな家庭を持っていました。 私は学生だったので可愛がってもらいました。長く続けられた理由のひとつです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 28  たちぐいそば (写真・文:オカダキサラ)

立ち食いそば屋が私のブームだった時期があります。 街歩きに疲れ小腹がすいたときは、決まって立ち食いそばの店を探しました。 都内の駅の近くにはたいていありましたし、店員さんとの距離感がとても心地よかったのです。 私は常連になることが少し苦手でした。 店員さんに「また来てくれたんですね」と声をかけてもらうとあたふたして、挙動不審になってしまうのです。 美容院などはその最たるもので、美容師さんが話しかけてくれるたびになにか答えなくては…と焦ってしまい冷や汗が止まらなくなります。帰るときは頭はさっぱりするのに反して、服はじっとり心はぐったりしていました。 コミュ障極まれり…

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ニュー・シャッター・パラダイス 32  とろける魅惑 (写真・文:オカダキサラ)

アイスクリーム。 口の中でとろける甘さが堪らないスイーツです。冷たさとそのあとに広がる甘さ。これは病みつきになります。 味のバリエーションも多く、特に地方に行くと奇抜な組み合わせに驚かされます。 アイスは好きな人も多いし冷凍して保管できる利点もあるので、自治体の商品化への判断も甘くなるのでしょうか。 地域活性化への情熱と期待と願いが込められて完成したご当地アイスは、中には食べるのを戸惑う商品もあり「無茶しやがって…」と、なんとも言えない気持ちになることもあります。

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ニュー・シャッター・パラダイス  02 さよならホーム (写真・文:オカダキサラ)

都心の駅では、日々たくさんの別れを見つけることができます。 電車を見送る親子、笑顔で手を振る学生、時間ギリギリまで見つめ合うカップル、握手を交わす男性たち、ハンカチで顔を覆いうずくまる女性… 駅構内で交わされるサヨナラの数は、私の一生分の経験をもってしても追いつきません。 人と人とが出会い、それぞれの時間を分け合い積み上げて、その先にあるのが「さようなら」です。 私は、最後のシーンにたまたま居合わせた通行人です。脚本で喩えるなら、起承転をすっとばして結末だけ見ているようなもので、登場人物の名前はもちろん、関係性も把握できていません。 それでも別れのシーンについ注目してしまいます。今まさにその人達の一章に、ピリオドが打たれようとしている特別な場面だからなのでしょう。 ホームでサヨナラを交わしている写真をまとめていて、別れの挨拶を面と向かってすることが、ここ最近少なくなっていることに気がつきました。

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ニュー・シャッター・パラダイス  04 We are dancer (写真・文:オカダキサラ)

今回は街で見かけたダンサーを紹介します。 私はリズムにあわせて動くのが、とても苦手です。今でこそ「それはそれで私」と思えるようになってきましたが、他のひととリズムを合わせられないことに、焦りや悩みを抱えたこともあります。 リズムの共有はあらゆるところで求められます。その都度引け目を感じてる私でした。 学校の授業、会社でのコミュニケーション、カラオケ、カーテンコール、ライブやイベント、宴会の締めの手拍子…。 写真に写っているひとたちは、おそらく自分オンパフォーマンスが誰かの目に止まっているなんてことは、頭にないのでしょう。 彼らの中には、ぶれることのない、しっかりとしたメロディーが流れているように見えます。 そんな彼らから勇気をもらっているのは、撮影者の私だったりするのです。

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ニュー・シャッター・パラダイス  07 次回までお楽しみに (写真・文:オカダキサラ)

自分で自分にカメラを向けている様子は、初めこそ、ギョッ!としましたが、今となっては文化といってもいいくらいに世間に浸透しました。 若い方はもちろん、おじさんもおばさんもお年寄りも、自撮りを楽しんでいます。

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ニュー・シャッター・パラダイス  09 NO/ZO/KI (写真・文:オカダキサラ)

穴や隙間を見つけたら、なんとなく覗きたくなってしまうものです。 一説によれば、長い狩猟生活で身につけた本能によるものらしいとのこと。 「獲物がいるかもしれないから探ってみよう」という意識が何世代にも渡って受け継がれ、好奇心や警戒心として進化していったようです。 私はどちらかといえば、狭い隙間の向こうの景色よりも、そこを覗いている人たちの方に興味があります。 その様子を観察しているうちに、「その先に何があるんだろう」と気になり始めます。彼らの滞在時間が長ければ長いほど、私の探究心は増していきます。 彼らが去ったあと、「しめた!」と、私もワクワクドキドキしながら真似してみます。

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ニュー・シャッター・パラダイス 11  祝福のシャッター音 (写真・文:オカダキサラ)

ここ数年、お正月には早起きして、近所の公園に行くようになりました。初日の出を見るためです。 その公園は、規模に反して普段はひっそりしているのですが、この日はあたりがまだ暗い時間から賑わいます。 肌を刺すような寒さから、人々の抱く緊張や期待が伝わってくるようです。 カップルは身を寄せ合って暖かさを分け合い、子どもたちは興奮を抑えられない様子でご両親に何度も時間を訪ね、友人同士ははしゃいだ声を上げながら、東の空へと視線を向けています。 登り始めた朝日が夜空を美しいグラデーションで染める頃、そこらじゅうから祝福のようにシャッター音があがります。 長く続いた暗闇に、やっと光が差したかのような歓喜です。

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ニュー・シャッター・パラダイス 12  テンペンチーズ! (写真・文:オカダキサラ)

今回も人々が「覗いている」様子を集めてみました。 写真データを確認してみると、古いもので2012年秋に撮ったものがありました。 私は10年間も覗く人の姿を追っていたのかと思うと、驚きです。 スナップ写真を撮り始めて14年ほどが経ちました。 発表した写真について、「いつ撮ったものですか?」と、質問をいただくことがあります。ほとんど忘れてしまっていて、正確に答えることができません。 しかし2020年以降、新型コロナウイルスの感染が世界規模で広がっている今は、何年経った後でも撮影日を答えられると思います。 もうひとつ、記憶に深く刻まれているのは、2011年の東日本大震災です。

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ニュー・シャッター・パラダイス 13  のんべんだらり (写真・文:オカダキサラ)

自分の思考パターンを知りたくて、1年ほど前から日記をつけ始めました。 1ページが3段に分かれていて、全部書き終えたとき同じ日の過去を3年分見返せる仕様になっています。 iPhoneのリマインダー機能に「日記」というタスクを作ったことで、なんとか続けてこれました。 ところが、昨年の11月末に入ってから急に忙しくなり、日記を書くどころではなくなりました。 忙しないまま年末を迎え、時間ができたのはお正月休みのとき。2022年で初めて取り組んだのが、日記のページを埋めることでした。 この歳になって、小学生の夏休みの宿題みたいなことをやるとは…。

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ニュー・シャッター・パラダイス 15  ネギ (写真・文:オカダキサラ)

買い物袋から、にょっきりはみ出してしまう食材があります。長ネギはそのひとつです。 日本人にとって長ネギはポピュラーな野菜で、我が家にとっても冷蔵庫に常にないと困る食材のひとつです。 日本では重宝されていますが、海外ではどうなのでしょうか。気になったので調べてみました。 どうやらスーパーマーケットに普通に置いてあるようです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 18  ぬいぐるみの呪い (写真・文:オカダキサラ)

私は一人っ子です。 幼い頃、兄弟がいない私にとっての遊び相手はたくさんのぬいぐるみたちでした。 ゲームや流行のおもちゃには関心が薄かったのに、ぬいぐるみへの情熱はかなりありました。 兄弟がほしいと思ったことがなかったのは、ぬいぐるみが寂しさを埋めてくれていたからかもしれません。 一つ一つに名前をつけるほど大切にしていたぬいぐるみたちでしたが、成長とともに見方が変わっていきました。 「大きくなってもぬいぐるみを持っているのは幼くて恥ずかしい」と思うようになり、中学に上る前に捨ててしまったのです。 ゴミ袋にぬいぐるみを詰める時の悲しさや切なさは、一つの呪いとなりました。 以降、かわいいぬいぐるみを見かけて懐が緩みそうになると、片付けていた時の痛みを思い出します。

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ニュー・シャッター・パラダイス 19  傘がない (写真・文:オカダキサラ)

人間の最大の特徴の一つに、道具を作ることが挙げられます。 長い人類史と共に、道具は工夫を重ねられてきました。身近な例としては、カメラやテレビ、電話やコンピューターなどが挙げられます。 外観から大きく進化していったものもあれば、変化があまりみられないものもあります。 そのひとつが、傘です。 ジャンプ傘や折りたたみ傘など多少便利になりましたが、手で持たなければならない不便さはいつまでたっても解消しません。

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ニュー・シャッター・パラダイス 22  蛍光と電光 (写真・文:オカダキサラ)

ついつい口ずさんでしまう曲が私には2つあります。「ふるさと」と「蛍の光」です。 いつものように「蛍の光」を歌っていて、ふと私は蛍の光を見たことがないことに気づきました。気づいた途端、歌詞にあるように蛍の光は本が読めるくらい明るいものなのか確かめたくなり、先日千葉の清水渓流広場へと足を運びました。 清水渓流は、洞窟から差し込む光が水面に反射してハート型に見えると話題になった亀岩の洞窟がある観光スポットです。蛍の鑑賞地としても有名です。 役場の方から、羽化したばかりで蛍の数は少ないと事前に伺ってはいましたが、実際に見た蛍の光はなんとも儚いものでした。

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ニュー・シャッター・パラダイス 23  虹に流星群、オーロラ、そして花火 (写真・文:オカダキサラ)

新型コロナウイルス感染拡大から3年が経ちました。 2020年は正体の分からない疫病に誰もが怯え警戒していましたが、ワクチン接種が全国的に行き渡ってからはかつての日常に戻りつつあります。 とは言っても不安が完全に払拭されたわけではなく、今年も大きな花火大会は中止となってしまいました。 夏の風物詩はしばらく諦めるしかないかと、肩を落としたのは私だけではないはずです。 もっとも私は花火よりも、花火を眺める人々を観察する方が目的だったりします。

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ニュー・シャッター・パラダイス 24  もしもし言い訳もでんでん (写真・文:オカダキサラ)

2022年5月24日、アメリカ合衆国のニューヨーク市から最後の公衆電話が撤去されました。 ラジオから流れるニュースを耳にしたとき、私が思い出したのは前に勤めていた会社の先輩です。 彼は「公衆電話はいつかなくなると思うんだよね」と、公衆電話を見つけては携帯電話のカメラで記録していました。 10年前の話です。今でも撮り続けているのだろうかと、懐かしくなりました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 26  アカちゃんとワンチャンス (写真・文:オカダキサラ)

私がワンちゃんを怖がらず触れるようになったのはここ数年です。 幼い頃に受けた「犬」の印象があまりに悪かったのです。 友達とじゃれていたはずの野良犬がそのうちに本気になってしまい、なぜか私だけが追いかけ回されたり。従兄弟が飼っていた大型犬に吠えまくられ、鎖がちぎれんばかりの勢いで襲いかかろうとされたり…。 命の危機を覚えた出来事を経て、私は犬とは相性が悪いのかもしれないと考えるようになり、必要以上の間合いを保つよう心がけてきました。 距離を縮められたキッカケは、猫を飼い始めるようになってからです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 29  くまの子見ていたお尻 (写真・文:オカダキサラ)

アニメ・日本昔ばなしのエンディング「にんげんっていいな」が、動物視点で描かれた歌詞だと知ったのはつい最近です。 「くまの子はかくれんぼのルールを知らない。なのでお尻を隠しきれずに最初に見つけられた子どもを「1等賞」と勘違いしてしまったんだ。」 そう教えてもらって長年の疑問が解けました。 やるべきことが多くて頭がパンクしそうな私の横で、飼い猫のドモンがのんびり過ごしていると「猫っていいな」と羨ましくなります。 好きなだけ眠れて、ねだったらご飯をもらえて、キレイに毛を撫でてもらって、いるだけで人を和ませられて…実に快適そうです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 33  微睡みが心地いいうちに (写真・文:オカダキサラ)

会社員を辞めてから2ヶ月経ちました。いちばん大きく変わったのは睡眠時間です。 5時くらいに自然に覚醒することもあれば、10時過ぎてもなかなか起き上がれないこともあったり…寝る時間は以前と変わらないのに、起きる時間はバラバラです。 めざまし時計で無理やり起こされていた時は気づきませんでしたが、体は日々変化しており必要な休息時間も一定でないらしいです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 34  スルスル~看板 (写真・文:オカダキサラ)

都心部の街並みは広告で構成されているようなもので、カメラのシャッターを適当に切っても必ずどこかに看板が映り込んでいます。 一つ一つのキャッチコピーは秀逸なのに、多くの人は一顧だにしません。 宣伝効果をあげるため看板を持って声を上げている人もいますが、通行人は彼らの呼び掛けには応じず足早に去っていきます。 断るのなら一切応じないのが互いに最善の対応とはいえ、無視され続ける仕事はかなりキツそうです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 35  ニュースぼつにゅうす (写真・文:オカダキサラ)

スマートフォンを使うようになって10年以上経ちました。最初はその手軽さ、便利さに感動しましたが、今となっては手が塞がるので邪魔になることも多く、スマホ機能を搭載したミラーレス一眼カメラの登場を心の底から待ち望んでいます。 私は重たい荷物を持つとすぐに肩こりや腰痛になるので、出かける際の荷物は最小限にしています。なので読書も本ではなくスマートフォン、特にニュースのチェックはほぼデジタルに移行しました。 新聞紙だと電車の移動中など周囲に配慮せねばならないことが多く、面倒なのです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 36  マナーの由来を学ぶ (写真・文:オカダキサラ)

「犯人はお前だ!」 と、探偵が人差し指を真っ直ぐ向けるポーズは、アニメや漫画では鉄板です。 小学生のころ友人同士でよく真似し合いました。イタズラがバレた時。持ち物を取り間違えていた時。ちょっとしたミスが露見した時。 今だ!と、一本の指を相手に向かって突きつけ、先のセリフを高らかに発します。指された方は「人に指を指したらいけないんだぞ!」と返す…ここまでがお約束な流れでした。 なぜ人に指を指すのがマナー違反なのか、と幼い頃は不思議に思っていました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 37  ずっと太古から走っている (写真・文:オカダキサラ)

余裕を持って生きたい。 そう思って約束の時刻よりも前に現地についているように心がけてはいるのですが、何回かに一回は必ずギリギリになってしまいます。 事故や天災ならまだしも、原因は自分のウッカリによるものがほとんどなので言い訳のしようがありません。全速力で目的地に向かって走りつつ自分を罵倒します。 周りを見渡すと、大抵どこかに走っている人がいます。

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ニュー・シャッター・パラダイス 39  メイクアップ (写真・文:オカダキサラ)

お化粧を自発的にするようになったのは、社会人になって随分経ってからです。 すっぴんに自信があるからではありません。鏡を見る度に、コンプレックスに気付いてしまうのが苦痛だったのです。 特に、アンパンマンのような頬肉を心の底から憎んでいました。ニクだけに…。 とはいえ、お化粧に全く興味がないわけではなく、デパートのコスメブースを見るのは好きでした。 ある日いつものようにうろうろしていたところ、ビューティーアドバイザーのお姉さんに捕まってしまったのが、運の尽き。

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ニュー・シャッター・パラダイス 40  レンズ越しの理想 (写真・文:オカダキサラ)

私がアニメ「セーラームーン」をテレビで初めて見たのは小学校に上がってからです。 どっぷりハマってしまった私を、両親がセーラームーン・ショーに連れて行ってくれたことがあります。 その舞台がどんな内容だったかは、もう思い出せませんが、登場したセーラー戦士たちが、アニメで描かれる姿と全く異なっていたことに、ひどくショックを受けたことは覚えています。 顔が異様に大きく、表情は全く変わらない。体もずんぐりしていて、衣装の部分はとにかく素肌の部分も不自然なシワが寄っている… そう。セーラームーンの着包みショーだったのです。 なぜ舞台とテレビで見る姿はあんなに違うのか… アニメと現実のギャップに、幼い私はひどく混乱しました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 42  ノーグッド・バイ (写真・文:オカダキサラ)

手のひらを相手に向けて振る仕草は、日本では「サヨナラ」や「ここだよ」という合図ですが、韓国では「めんどくさい」「あなたと関わりたくない」という意味で使われると知って驚きました。 他にも、親指を上に向けて立てて握る、いわゆる「いいね」や、人差し指と親指をくっつけて円を作る「OK」も、国によってはNGサインとのこと。 iPhoneの絵文字に登録されているので、世界共通なのかと勘違いしていました。 絵文字は元々は日本で開発されたもので、喜怒哀楽を1文字で表現できる便利さに、AppleとGoogleが注目し取り入れたようです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 43  ふっとんだ (写真・文:オカダキサラ)

落し物の多くは元の持ち主の手元に戻ることはないのでしょう。ずっと長いこと放置されている落し物もあり、その様子には飼い主を健気に待つ忠犬・ハチ公の逸話を重ねてしまいます。 中には、持ち主が困りそうな落し物もあり、その後どうやって家に持ち帰るのか少し心配になることも…。 ある日のことです。 悪天候やパッとしたない空模様が続いてましたが、やっと快晴が空に戻り、久々の絶好の洗濯日和となりました。 天気はいいもののかなり風が強く、バルコニーに並んだ洗濯物がずっとはためいていました。 住宅街を歩いていると、道路の真ん中らへんに、大きな影が不自然に落ちていました。 何の影だろう、と上を見上げてみると布団が電線に引っかかっていました。 「布団がふっとんだ!」と使い古されたダジャレが頭を過ります。

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ニュー・シャッター・パラダイス 44  またぐぎり (写真・文:オカダキサラ)

道路沿いに設置されている柵は視界を遮らず、けれど跨ぐとなると少し面倒という、絶妙な高さに設計されています。 きっと股下の平均値を参考にしているのでしょうが、中には高く感じない人もいるはずです。平均身長の高さは戦後から見ても右肩上がりなので、もしかすると柵はこれから徐々に高くなっていくのではないか、と私は思っています。

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ニュー・シャッター・パラダイス 45  夏予想(写真・文:オカダキサラ)

先日、久々に挨拶で握手を交わしました。 私は差し出された手に少し驚き、すぐには対応できませんでした。握手に慣れてないのもありますが、コロナ禍で人と距離を保つのが当たり前になっていて、触れていいのかどうか迷ったのです。 新型コロナウイルスの感染防止対策が解除され、東京の街も賑わいが戻ってきましたが、私はコロナ前と同じようには過ごせていません。 人との接触に気を遣ってしまいますし、電車や人が多い場所、屋内などではマスクを準備します。初対面の人とは「この人はマスクを外していい人?ダメな人?」と、距離感を探りつつ対応したり…。 マスク生活が身に染み込んでいたことを実感するこの頃です。

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ニュー・シャッター・パラダイス 46  はい、ぽーず (写真・文:オカダキサラ)

レンズを向けられて、さっとポーズを取れる若者たちをよく見かけます。いくつか決めポーズを持っているらしく、撮られ慣れていることが分かります。撮って撮られることは、彼ら彼女らにとってはもはや日常なのでしょう。 私が小さい頃はフィルムカメラでの撮影がほとんど。写真を撮ることが今より手軽ではかったので、持ちポーズは「ピース」しかありませんでした。 家に積み重ねられたアルバムの中には、気恥しそうな笑顔に、覇気のないピースサインを添えた記念写真が残っています。

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ニュー・シャッター・パラダイス 47  無償の条件 (写真・文:オカダキサラ)

恥ずかしながら、学生時代は試食をするために、デパ地下や駅構内のお土産品売り場、物産館などをかなりの頻度で回っていました。 一口ずつ色んなものを食べられる、という魅力にドハマリしてしまったのです。頭ではもうやめようと思っていても、つい足が向いてしまうのを繰り返していました。 この悪癖に随分と悩まされましたが、社会人になるとお店を巡回する時間が取れなくなり、試食会場巡りから足が遠のくようになりました。 なにより、試食に行くたびに何かしら商品を購入していたので、お財布的にキツくなっていったのです。 「タダより高いものはない」は至言ですね…。

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ニュー・シャッター・パラダイス 49  夢の中の銃撃戦 (写真・文:オカダキサラ)

幼稚園の頃から定期的にみていた、忘れられない夢があります。 私は、理由もわからず軍人ぽいいで立ちのムキムキマッチョの外国人に命を狙われるのです。夢の中で私は彼のことをボブと名付けていました。 彼は銃やナイフだけでなく爆弾や機関銃、小型ミサイルなど、ありとあらゆる武器を使って私を殺そうと追いかけてきました。言葉を交わしたことは一度もありません。 私はたくさんの人を巻き添えにしながら、命からがら逃げまくります。友人の命と自分の命を秤にかけられることもあり、泣きながら起きた時もあります。 夢占いでは、殺されそうになって逃げる夢は、時間に追われてストレスが溜まっている状態が、これから変化することを意味しているといいます。

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ニュー・シャッター・パラダイス 60  被写体に選ばれなくても (写真・文:オカダキサラ)

私は写真に撮られる機会があまりない星の元に生まれたようです。 たとえば学校行事。例えば会社での飲み会。例えば友達同士の集まり。例えばイベントの打ち上げなど。 絶対に写りたい!と強く願ってはいないのですが、イベントの後、写真を共有されたときに私が写っている写真がないと、それはそれで寂しく思ってしまうのです。 社会人になってから気づいたのですが、撮られる人の特徴としては、自分も撮っているというのがひとつあります。 「写真撮るよ~」と話しかければ、自然な流れで「じゃ、せっかくだから交代して一緒に写ろうよ」と撮影会が始まります。 もしくは「写真撮って~」と近くの人にカメラを預けたり、撮っているグループに「混ぜて!」と飛び込んだりする人もいます。 そうやって互いの記念写真は増えていくのでしょう。

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ニュー・シャッター・パラダイス 64  喫茶店から始まる物語 (写真・文:オカダキサラ)

先日、塩屋に23日間滞在しました。 塩屋は神戸の三宮から電車で20分ほどの所にある小さな町。山と海に囲まれた地形が特徴で、ここの風土に魅せられて移住を決める人が数多くいます。 地方から塩屋に移ってきた人たちから、引越しのキッカケを教えてもらう機会がありました。 面白かったのが、話を聞いた3人のうち2人は、喫茶店のマスターの紹介のおかげで住む家が決まったことです。 家探しも兼ねて塩屋を散策している途中、ふらりと立ち寄った喫茶店で「ここに住みたいんだよねぇ」と軽い気持ちで話したら、マスターがその場で地元の何人かに電話。みんなが集まってあれよあれよという間に、住む家の候補をすぐに見つけてくれたというのです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 06 ニューノーマルキススタイル (写真・文:オカダキサラ)

今回のテーマは「キス」です。 ドラマやアニメなどのキスシーンには、恥ずかしくて目を反らしてしまいがちなのですが、路上で見かけると5度見くらいしちゃいます。 唇を重ねるという優しい行為の裏には、「好きだ!」とか、「自分のものにしたい」とか、「愛おしい」とか、「かわいい」とか、そういった狂おしいほどの思いが詰まっています。 感情を抑え「理性的」に振る舞うことを良しとする往来のなか、こっそりと、または大胆に互いへのアツイ気持ちを確かめ合う姿に、いつも感動させられます。 しかし最近、以前よりキスシーンを見かけなくなってしまいました。 感染対策が徹底されている今、マスクをちょっと外してチュッとするのは、たしかにしらけてしまいますが、私としては非常に残念です。 この記事を書くにあたり、「キス」についていろいろと調べました。 なんと、愛するもの同士のキスは免疫力を高める効果があるというトピックを発見。マスクとキスは最強の感染対策であると医学的に証明されれば、今度は街中にキスシーンが溢れるようになるかも知れません。 そんなニューノーマル時代の訪れに、密かな期待を抱いています。

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ニュー・シャッター・パラダイス 16  スポットライト (写真・文:オカダキサラ)

街灯は、ときに舞台の上のようなドラマティックな演出を通行人に仕掛けます。 当の本人は、ただ歩いていたり立ち止まっているだけなのですが、街灯が役者のような美しい仕草に仕立ててしまうのです。 東京都区内では、暗い道などないのではないかというくらい、街灯が設置されています。 デンマークからいらした方から「東京の夜の明るさを煩わしいと思ったことはありますか?」と訊かれたことがありました。東京の明るすぎる夜が不快かどうかなど、考えたこともありませんでした。逆に暗い夜道のほうが、私にとっては恐ろしいと感じます。

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ニュー・シャッター・パラダイス 17  バランス (写真・文:オカダキサラ)

危ういバランスで壁や椅子にもたれかかっている人たちがいます。休憩をしているようで、疲労も溜まっていくという矛盾スタイルです。 私も長旅のときはとんでもない格好で寝てしまって、起きたときの首や肩の痛さにしばらく動けないことがあります。 赤ちゃんが変な格好で寝ているのは微笑ましいのに、成人が同じようにしていると、その無防備さにかばんとか貴重品とか盗まれないのだろうかと、ヒヤヒヤします。

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ニュー・シャッター・パラダイス 21  三社祭り2022 (写真・文:オカダキサラ)

去年の三社祭はトラックにお神輿を乗せて町内を巡回したことで話題になりましたが、今年もまた違った工夫でお祭を開催していました。 本来であれば、3基あるお神輿は浅草神社を中心に、南側と西側と北側をそれぞれが巡回しますが、今年は台車にお神輿を乗せて、3基連ねて町内を巡回したのです。 たくさんのひと、ひと、ひと…。新型コロナウイルス感染拡大以降、こんなにもたくさんの人々が集まっている浅草を見るのは久しぶりでした。 コロナ禍であることを顔にかかったマスクがかろうじて示していましたが、それも初夏の陽気と祭の熱気にみんな外しがち。笑顔が溢れる下町は、とても魅力的でした。

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ニュー・シャッター・パラダイス 30  花やかな生活 (写真・文:オカダキサラ)

道を歩いているとふと金木犀の香りが…。 季節の移り変わりをこんなふうに道に咲く花で知ると気持ちが柔らかくなります。 花の形や芳しさは昆虫に見つけてもらいやすくするために進化したようですが、その魅力は人をも惹きつけます。 実は、私はまったく話さない子供でした。 同い年の子どもがどんどん言葉を覚えていくなか、親のこともろくに呼べずにいた私を両親や親戚はかなり心配しました。 親が発達障害を疑い始めた頃、出かけ先で咲き誇る花壇を私が見て「キレイねぇ…」とつぶやいたとか。それが私が初めて発した単語で、以降はどんどん話せるようになったということです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 31  ふわふわのお供 (写真・文:オカダキサラ)

子どもの小さな手に繋がれた風船は、危うくてつい目で追ってしまいます。 人と人とに挟まれて割れてしまいそうになりながら、ふわふわと漂う風船。 子どもの頃はとても欲しかったアイテムですが、大人になった今では手にする機会がめっきり減りました。 というよりも風船を避けるようになりました。 風船を無料配布しているイベントもありますが、もらったとしても往来が多い中で割れないように気をつけるのは疲れますし、家には猫がいます。鋭い爪で破壊される運命を考えると、受け取る気にはなれません。

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ニュー・シャッター・パラダイス 41  ワン・ダブル (写真・文:オカダキサラ)

「わんちゃんとうまく接せられない」というコラムを以前掲載しましたが、嬉しいことに、あれからわんちゃんと触れ合える機会がたくさん増えました。 ROADSIDERS' weeklyには、書いた願望を叶えてくれる不思議な力があるのかもしれません。(ホントか?) まぁ、恐らくですが…、私の願いを察してわんちゃんが心を開いてくれた、わけではなく、そのわんちゃんと飼い主さんがいい関係を築けているからでしょう。そういう安心感があるから、初対面の私にも警戒することなく、愛嬌よく近寄ってくれるのだと思います。

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ニュー・シャッター・パラダイス 48  夏の夢 (写真・文:オカダキサラ)

夏がやってきてしまいました。 我が家にはクーラーをつける習慣がなく、夏は窓を開けて自然風で過ごすか、扇風機をつけるかでこの季節を凌いでいます。 節約やエコのためというよりかは、クーラーを使う習慣がないのです。 身体中から吹き出す汗に不快感を覚えながらも、窓から入り込む風を頼りに、毎年暑さを耐え忍んでいます。 高齢者枠に入る家族と自分の健康を守るためにも、今年こそはクーラーを習慣化せねば…と考えてはいるものの、なぜか行動に移せず、もう7月も下旬に差し掛かろうとしています。

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ニュー・シャッター・パラダイス 50  夏雲、引っ張り出す (写真・文:オカダキサラ)

「酷暑日」という言葉が予報用語として正式に採用されたのは去年のことです。 連日の天気予報を聞いていると、東京でも「酷暑日」は当たり前になる未来は近いような気がします。 ゾッとする話のはずなのに、背筋は凍るどころか暑すぎて汗がつたいます。 私の仕事は外歩きが大部分を占めるので、かなりツライ時期です。 一息つきたくても、外はどこも灼熱地獄と化しており、休める場所はありません。 寄りかかることも休むことも許さない夏の街は、外で働く人たちに厳しいです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 52  悪いニュースほど (写真・文:オカダキサラ)

私の好きな言葉に「なべて世は事もなし」というのがあります。 漫画のセリフで知りましたが、最近になり原典は海外の詩だと知りました。「なべて世は事もなし」、「すべて世は事もなし」両方の翻訳があり、解釈は様々のようです。 私は、悪いこともいいこともそれぞれ起きていて、総じてプラマイゼロになる、というふうに捉えています。 悪いニュースや出来事が重なって、「もういいことなど起きない!自分は不幸だ!」と、思う手前まで落ち込んだ時に思い出すようにしています。 本当に悪いことばかりなのか?と自問できる冷静さを取り戻してくれる言葉で、「そういや、いいこともあったわ」と立ち直るきっかけをくれます。

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ニュー・シャッター・パラダイス 53  のんびりや、時代に追い立てられる (写真・文:オカダキサラ)

思った以上に自分がのんびり屋だと自覚したのは、つい最近のことです。 というのも、目の前のことが気になると、足もしくは手、または目を、つい止めてしまうのです。立ち止まる時間が数秒であっても、積み重なれば大きなタイムロスになります。 ハッとした時には時間はギリギリに迫っており、慌ててダッシュするはめに…。 急いだ呼吸の苦しさと、焦りや緊張の記憶が強すぎて、「私は常に追い立てられている」と勘違いしていたのです。 なんという自己中心的な捉え方…。

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ニュー・シャッター・パラダイス 54  幸運を保つ不幸のバランス (写真・文:オカダキサラ)

今月、胃腸の精密検査を受けました。 ことあるごとに起こる腹痛の原因が何なのか、分かるかもしれない期待と、もしも病気だったら、という心配と不安を胸に施術に臨んだのですが、結果はまったくもって正常でした。 「とても綺麗な胃腸です」と医師が提示してくれた胃カメラの写真は、素人目で見ても異常が見当たりません。 胃腸痛の原因はまたもや謎に包まれてしまいましたが、問題ないに越したことはありません。 癌の心配も全くないと医師から太鼓判を押され、ひとまず安心しました。 すると急にお腹が空腹を強く訴えてきました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 58  船の上、海の中 (写真・文:オカダキサラ)

「キサラさん、たぶんフェリー旅行とかめっちゃいいと思うよ」 仲のいい写真家さんにそうアドバイスをもらいました。 海上では電波が通じないので、スマートフォンは使えなくなります。スマホという暇つぶしの機械が使えないとなると不思議なもので、あちこちで自然と宴会が始まるというのです。 知らない者同士でもお構いなしで盛り上がる宴会は閉塞的な空間も相まって、普通の飲み会では見られない奇妙な様子だといいます。 目的地に到着した後も気が合った人たちは交流が続いて楽しいよ、写真もたくさん撮れるんじゃない?と写真家さんは教えてくれました。 船上ならではの独特な空間に興味が湧いたのと同時に、スマホの中毒性について考えさせられました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 59  指に頼らなくなりたい (写真・文:オカダキサラ)

笑顔の練習を始めました。 笑顔なんて簡単にできるでしょ、と思っていましたが、とんでもない間違いでした。 笑顔の素敵なタレントさんを真似してみましたが、頑張っても口の端っこが引き上がらず、唇を弧の形に作れなかったのです。 指先で頬肉を引っ張ればいい感じに整えられますがまさに小手先のテクニッで、手を離すとすぐ元に戻ってしまいます。 自力で口角を持ち上げられるようになりたくて何度も挑戦しましたが、しまいには頬肉がジンジンと痛くなり、口角は最初の1回よりも上がらなくなりました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 63  喫煙所パイオニアの憂い (写真・文:オカダキサラ)

次の制作に向けて、過去の写真を見直しています。2008年から2024年までに撮った記録を行ったり来たり、小さなタイムトラベルを繰り返しているようです。 銀座の中央通りの路肩に、吸殻入れが設置されている写真を見つけて驚きました。そういえば、私が大学生の頃は、近くの店員さんたちが中央通りに集まり、タバコを吸いながら歓談していました。今となっては、かなり懐かしい光景です。 改正健康増進法が制定された2018年以降、歩道に設置されていた吸殻入れは撤去され、代わりに喫煙ブースが用意されました。 私を含めた非喫煙者にとってはいい改正でしたが、喫煙者にとっては一大事だったに違いありません。

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ニュー・シャッター・パラダイス 67  大人は乗れない車 (写真・文:オカダキサラ)

赤ちゃんは乗れるのに、大人は乗れない車ってなあに? こんなクイズがありました。答えはベビーカーです。 本当に大人は乗れないのでしょうか。調べてみると最大耐荷重75kgのベビーカーもあるようで、体型によっては大人でも乗れなくはないことがわかりました。 もっとも、重量的な可不可はとにかく、窮屈なシートに乗せられて誰かの手によってしか進めない状況は、言い方を変えれば「目的地もわからないまま、運ぶ人に全てを委ねる」ということ。

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ニュー・シャッター・パラダイス 68  ブランド品のバッグの威力 (写真・文:オカダキサラ)

時計か靴かカバン、どれかが高級ブランド品だったら、金持ちでなくてもそれなりに見える。 そう教わったことがあります。残念ながら私は、いずれのアイテムも持ったことがないので、高級ブランドの威力を体験したことはありませんが、一理あるなと思う出来事が先日ありました。 銀座のとあるお店の中で、呼吸を荒くしてベンチでうずくまっている女性と、その女性を介抱している友人を見かけました。 あまりに辛そうな息遣いに、通りがかりの男性が心配し声をかけました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 38  アイラブ… (写真・文:オカダキサラ)

昭和ギリギリに生まれ、人生のほとんどを平成の中で生きてきました。 私が学生のころ、大きくなってからもぬいぐるみを持ち歩く女子は、「少女趣味だ」と認識されていた気がします。 「幼い」はもちろんですが、「女の子らしい」がついていたことに、腑に落ちない何かを感じていました。 このモヤモヤの原因が「性差」からくるものだと知ったのは、「ジェンダーバイアス」という言葉を聞くようになってからです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 51  軽量ライフを夢見て (写真・文:オカダキサラ)

極力重いものを持たずに出かけたいと思っていても、実際はそうもいきません。 あれやこれやと持っていくものが増えて、どうしてもリュックや大きなカバンが必要になります。 普段カバンに詰めているアイテムを計量してみました。 1189グラム。 私の理想とする軽量ライフからは、ほど遠い数値です。 仕事の場合は道具も加わるので、もっと重くなります。

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ニュー・シャッター・パラダイス 57  彼らの日常 (写真・文:オカダキサラ)

この間までアニメ版の「金田一少年の事件簿」をネトフリで見てました。 「金田一少年の事件簿」が放映されたのは26年前。平成の初期で、私がまだ10歳の時です。 作中にはなんとなく昭和の雰囲気がまだ漂っていて、スカートめくりや女湯の覗きなどのちょっとエッチなシーンも盛りだくさんで、昔見たはずなのに新鮮に感じてしまいました。 最近のアニメは、「そんなつもりなかったけど、結果的にスケベいただきました」という、いわゆるラッキースケベと言われる展開が主流。 私が幼い時によく見ていた、「主人公が自ら率先してエロを仕掛けにいくシーン」は、今では時代遅れなのでしょう。 なので主人公の金田一少年が毎話エッチなイタズラを仕掛ける様子に、ナイスガッツを感じてしまいました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 61  首都圏(大)冒険 (写真・文:オカダキサラ)

会社員だったころ、業務中の移動手段は自転車がほとんどでした。一日の走行時間は5時間から7時間ほど。東は千葉県成田市、西は神奈川県寒川町、北は埼玉県加須市まで、都心を中心にぐるりと円を描いた範囲を定期的に巡っていました。 支給されたのは格安ママチャリ。アルミの車体はいかにも脆そうで、ちょっとした衝撃でも壊れてしまいそうでした。自宅とその周辺の移動が前提の設計で、変速機も付いておらず、とても長距離向きではなかったはずなのですが、7年ほど一緒に走ってくれました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 62  スマート旅行に憧れて (写真・文:オカダキサラ)

泊まりで地方に出張する機会が増えたのですが、いつも荷造りに苦労します。 特に冬は厚手の服が必須となるため、余計に荷物は重くなるばかり…。どうにかならないかと、いろいろ模索しているところです。 旅好きの漫画家の友達がいます。彼女のフットワークは軽く、1ヶ月に数回は地方に旅行し、そこで原稿を描いています。一回の滞在期間が1週間以上の時もあるようで、きっと大荷物で旅に臨むのだろうなと私は予想していました。 ずいぶん前のことになりますが、彼女と旅行先が一緒だったのを互いのSNSで知り、現地でお茶をすることになりました。約束の日は彼女が帰る日で、きっと大きいキャリーカーを引いてくるのだろうと私は思っていました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 65  ニンゲンアピール (写真・文:オカダキサラ)

ペットショップに行くと、犬種による性格の特徴が紹介されているのを見かけます。 トイ・プードルは温厚で友好的。柴犬は忠誠心が強く、飼い主にしか懐かない。ダックスフンドは甘えん坊、などなど。 こんな説明を見聞きする度に、ペットショップでニンゲンが売られるパラレルワールドがあったとしたら、私たちはなんてアピールされるのだろうか、と考えてしまいます。

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ニュー・シャッター・パラダイス 66  モバイルふべん (写真・文:オカダキサラ)

地方に出張する機会が多くなりました。 移動時間に、景色を楽しめる余裕があるときはいいのですが、片付けなければならない仕事が溜まっていると、その時間がもったいなく思うときもあります。 空き時間を有効活用するためにノートパソコンの購入も考えましたが却下しました。重いパソコンを常に持ちながらブラブラするのは体力的にキツそうですし、なにより仕事に気を取られ、せっかく外出しても楽しめなくなりそうだからです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 69  右足の靴紐 (写真・文:オカダキサラ)

彼氏が彼女の靴紐を結び直している姿を、見かけたことがあります。多くの場合、男性はアジア系の外国人。日本人の男性があまりやらないように思うので、ちょっと驚きます。 そういえば、漫画でこれに似たシーンを読んだことがあります。 舞台は着物が普段着だった時代の日本。鼻緒が切れて歩けずにいた女性を、通りがかりの青年が見かねて手助けする…、恋の始まりに繋がるエピソードとして描かれていました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 70  リビングのかたすみで (写真・文:オカダキサラ)

あれ?と気づいたのは、つい数ヶ月前でした。 リビングに置いてあったクマのぬいぐるみが、いつの間にか消えていたのです。 全長1メートルないくらいの、少し大きめのそのぬいぐるみは、リビングの棚の上に長いこと座らされていました。 白かった毛並みは日焼けし、綿のハリもなくなって、全体的にヨレヨレした様子は、疲れたおじさんを連想させました。 もしかして古くなりすぎて捨てられてしまったのか?…

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ニュー・シャッター・パラダイス 71  廊下のロッカー (写真・文:オカダキサラ)

私が通っていた高校は生徒の自主性を重んじる校風のため、自由度がかなり高く、授業の妨げにならなければ、漫画や携帯電話、ゲーム機などの持ち込みが許可されていました。 漫画が大好きな私は、友人同士で頻繁におすすめの作品の貸し借りをしていました。 私たちはそのうち漫画を家に持って帰るのが億劫になり、空いているロッカーに一時的に預けるようになりました。みんなそれぞれ持ち込むので、ロッカーはほぼパンパン。ラインナップも定期的に更新されていました。読みたい本があれば、利用メンバーにひと声かけて持ち出し、読み終わったらロッカーに戻す。そんなレンタルシステムが自然と生まれていました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 74  どっこいしょ尊い (写真・文:オカダキサラ)

しゃがむ姿勢が好きではありません。立ち上がる時に必ず立ちくらみを起こすからです。 とはいえ、しゃがみながらの作業は制作につきもの。姿勢を元に戻すときは喝をいれるために「どっこいしょ」と掛け声をかけるのが習慣になってしまいました。 「どっこいしょ」はどこかの方言かと思っていたのですが、仏教の「六根清浄」が由来と知って驚きました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 76  動いてダメなら眠ってみる (写真・文:オカダキサラ)

なんとなく本調子ではない気がする、というのが、何年も続いています。運動不足か筋力不足が原因かと思い、ウェブで筋トレやストレッチを調べてはいろいろ試してみましたが、いまいち効果を実感できていませんでした。 そんなときに、ちょっとした事件が起きました。 恥ずかしながら、先日、終電を逃してしまうまで深酒をしてしまいました。ここまで酔ったのは本当に数年ぶり。楽しい一夜から翌日は二日酔いで半日以上苦しむことになりました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 55  魅惑の赤い傘 (写真・文:オカダキサラ)

街を歩いていると、同業者に遭遇することがよくあります。 彼らを見つけると、できるだけ無防備そうな雰囲気を装って、あえて撮影射程距離を横切るようにするのですが、私が写ったスナップショットをSNS上で見かけたことはありません (もしかして私が見逃しているだけかもしれませんが) 。 「撮ってもいいのよ」という上から目線とも捉えられかねない態度が、彼らの撮影意欲を削いでしまっているのでしょうか・・・・・・。 そのことを話のネタにしたこともあります。ある出版社の方から、こんなアドバイスをもらいました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 56  理想のリュック (写真・文:オカダキサラ)

「首がヘルニアになりかけているかもしれない」 整体師さんからそういわれ、驚くよりも先に「そうか、その時がついに…」と納得してしまいました。 一眼レフカメラを首にぶら下げ続けたツケが回ってきたのです。 去年の今頃のことでした。 当時は首が痛くて仕事にも支障をきたすようになり、首から引っ掛ける以外に何か方法はないかといろいろ試しました。 結果、リュックのショルダーストラップについているDカンに引っかけるカメラストラップを付けることで落ち着きました。首にかかっていた負担を肩や背中に分散させる仕組みです。ずいぶん楽になりました。 その代わりに出かける際の必需品にリュックが加わることになりました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 72  証明写真の真実 (写真・文:オカダキサラ)

車の免許更新で、いちばんため息をつきたくなるのは証明写真です。 今度は自分が撮った写真を用意していこう、と決めていましたが、更新日直前になってもなかなか時間が取れず、結果、いつも通り会場で撮ってもらうことにしました。 できあがった免許証には、仏頂面なうえに半目気味で写っている私が印刷されていました。性格が悪そうな印象を与えるのに、十分な人相です。 ネタのつもりで近しい人に、「写真写り悪すぎたよー」と免許証を見せたら、「そんなことないよ」 と返されました。

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ニュー・シャッター・パラダイス 75  かくれんぼ (写真・文:オカダキサラ)

ホラー映画の何が苦手かというと、驚かされることです。後ろを振り返ったら化け物がいて、まさに襲いかかろうとしていた、というシーンは、展開をいくら予測できたとしてもびっくりします。 私は会社員時代、リフォームマンションの撮影を担当していました。中には「あれ?なんか嫌な感じがする…」と思う現場もいくつかありました。間取りや家具の配置ではなく、家の中に自分以外の何者かの気配を感じるのです。

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ニュー・シャッター・パラダイス 73  別になくてもいい、私の特技 (写真・文:オカダキサラ)

私の特技のひとつに、水ものを飲む速さがあります。特技といっていいか微妙な技ですが、驚くほど多く、早く水を飲めるのです。 学校の給食でのちょっとした定番イベント、「牛乳の一気飲み」では、さぞかしいい成績を残していただろうと思う人もいるでしょうが、残念ながら、この特技が開花したのは社会人になってからです。 お酒の席で「一気飲みコール」で鍛えられたわけではありません。業務内容のほとんどが屋外でウロウロすることだったからです。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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