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AFTER HOURS
編集後記

2012年04月11日 vol.014

告知でご紹介した渋谷の「コラアゲンはいごうまんライブ」、みなさんとお会いできるのを楽しみにしています。

ところでその、サラヴァ東京というスペースを運営しているアツコ・バルーさんは・・・本人がサイトで書いちゃってるのでここに書きますが、僕とは中学の同級生。しかも名前からわかるように、あの『男と女』のピエール・バルー夫人でもあります。ちなみに去年の秋から冬にかけてPARCOのキャンペーンでフィーチャーされたマイア・バルーは、おふたりの娘さん。もう全員チャーミングすぎる家族で、「こういうファミリーもあるんだなあ」と溜息つくしかない感じですが、そのピエール・バルーとアツコさんたちが運営しているレーベルが「SARAVAH」。ヨーロッパ最古のインディーズ・レーベルであり、ビエール・バルー本人の音源はもちろん、ブリジット・フォンテーヌなど、僕の人生にも決定的な影響を与えた音楽を出しつづけてきた貴重なレーベルです。サラヴァ東京を運営するアツコさんの「ラミュゼ」のサイトに載っている、サラヴァの発足エピソードがすごくいい話なので、ここに転載しておきましょう――。

SARAVAHとは・・

1965年にフランスのシンガーソングライターにして俳優のピエール・バルーが設立した音楽のインディレーベル。

世界を放浪しながら歌を書いていたバルーは自分で決めていたように30歳までは何もしませんでした。30歳になるとその時を待っていたかのように、彼のアルバム(Vivre)はリリースされるは、ラジオ番組のDJとして毎週2時間番組をもつは、で一気に世に出はじめました。そのころ知り合った無名のニュースカメラマンであったクロード・ルルーシュと一緒に自主製作した映画が「男と女」です。

自主製作のため、資金が途中で足りなくなって撮影は中止になりました。そこでバルーは映画主題歌になった自作の歌を出版社やレコード会社に売って資金を提供しようとしましたが、当時映画音楽といえば、オーケストラのような大編成で、歌のないものと決まっていました。作曲はエスタブリッシュな作曲家と決まっていました。

彼が選んだ作曲家は当時流しのアコーデオン弾きであった無名のフランシス・レイ。誰も相手にしてくれませんでした。バルー自身の所属していたレコード会社も断ってきました。そこで、なかばヤケになって作ったのがサラヴァ・レーベルであります。

その後「男と女」はカンヌ映画祭でグランプリ、ハリウッドでアカデミー賞を取り、映画音楽は世界的ヒットとなりました。サラヴァ・レーベルはそこで得た著作権で新しい才能を世に出そうとレコードを作りはじめ、45年たった現在も作り続けています。

よく、映画の成功によってレーベルが作られたという人がいますが、これは映画が不成功と予測されたおかげで生まれたレーベルなのです。


バルー
『サ・ヴァ・サ・ヴィアン』1971年、不朽の名盤

サラヴァ・レーベルで最初にプロデュースしたのはブリジット・フォンテーヌとジャック・イジュランです。当時、アングラと言われていた彼らですが、その後の演劇や音楽に大きな影響を与えたカフェ・テアトルのムーブメントを引っ張っていた人たちでした。バルーは彼らに1枚づつアルバムを作りました。それで自分の役目は終わり、と思っていたのですが、時は1960年代のパリ、戦後の素晴らしい経済成長の中でみずみずしい才能が次から次から出てきて、結局バルーはプロデューサーやり続けることになったのです。


ラジオのように
ブリジット・フォンテーヌの『ラジオのように』、1970年

輝かしいパリを目指して、アフリカからブラジルからもアーチストがやってきました。当時ヨーロッパ人の意識ではアフリカ人やブラジル人に音楽ができるとは考えられなかったのですが、バルーは彼らの音楽性に打たれ、世界で初めてのビリンバオのアルバム、世界で初めてのアフリカ人のアルバムをリリースしました。ワールドミュージックの先駆けとして、サラヴァ・レーベルは極小レーベルながら世界の音楽好きに有名なのはそのような先見性とユニークさが認められていると考えています。 レコードというものが消滅しかかっている現在ですが、音楽は滅びないし、人の心に潤いを与え続けています。サラヴァ・レーベルの役目は大きな会社では扱えないようなユニークな才能を育て続けることと自覚し、これからも活動を続けます。

こんなことを書くのはちょっと恥ずかしいけれど、映画『男と女』はたぶん50回ぐらい観た、人生でいちばん好きな映画のひとつです。そんな憧れのアーティストと、ほんとに偶然に知りあえて、2007年には対談することもできました。


航海日誌
ピーエル・バルーの旅のノート『航海日誌』。彼の言葉やメモ、写真がちりばめられている。 都築響一との対談入り。 72ページ+クラフトノート。

こんなふうに同じ場所で活動を共にできるというのは、幸せという以外のなにものでもありません。もちろんコラアゲンはいごうまんのライブには来ていただきたいですが、ほかの日も彼らならではのユニークなイベントが目白押しなので、ぜひ定期的にチェックしてみてください! 

また、アツコさんたちは新宿御苑そばという超都心の一角に、信じられないような庭付き邸宅を所有。「ラ・ケヤキ」と名づけられた昭和の洋館や1000平米の庭園を使って、いろんなイベントを催しています。こちらもあわせてご覧あれ。

サラヴァ東京 http://l-amusee.com/saravah/
ラ・ケヤキ http://l-amusee.com/lakeyaki/

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編集後記バックナンバー

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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