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AFTER HOURS
編集後記

2014年06月18日 Vol.120

今週も最後までお付き合いありがとうございました。バンコク、最近の政情不安のせいで、信じられないくらい安いパッケージ・ツアーや航空券の案内がたくさん来る今日このごろ。記事をつくっていたら、ものすごく行きたくなってしまいました。戒厳令とか(解除されたけど)、庶民の暮らしにはぜんぜん関係ないしね。

毎回、「Facebookページまでご感想をぜひ!」と書いていて、読むのが楽しみなのですが、Facebookといえば先週、ヘンリー・ダーガーを扱ったDDNのウェブ記事があまりにひどくて、というかクレジット皆無で写真を使われていて、土曜日にちょこっと書いたところ、3日目のきょう月曜にして「この投稿は81,408人に配信されました」という拡散ぶり。8万人・・・ネットの威力って、すごいなとあらためて実感。

先週金曜には告知でもお伝えしてきた、ジャカルタのパンクバンド「マージナル」のドキュメンタリー映画上映・トーク&アコースティックライブが渋谷アップリンクであり、監督の中西あゆみさんと最終日のトークをご一緒しました。

今回、トークとアコースティックライブは3日間。アコギとウクレレだけによる、マージナルのマイクとボブのライブは、ふつうの「インストアライブ」みたいな概念からかけ離れた、1時間以上の大熱演。その熱いスピリットに観客一同も、目頭を熱くしたものでした。


撮影:中西あゆみ

去年、中西さんがジャカルタから映画を持ってきたときは、たった2日間しか東京で上映できる機会が持てなかったのに、今回は日本各地を回って、どこでも満員御礼の大盛況。アップリンクも3日間、完全ソールドアウトで、1階のあの狭い空間に、70名以上のお客さんが入ったというのだから、すごいものです。翌日からはレイトショーも始まったし。

中西さんのマージナルについては、このメルマガでも以前に2週にわたって詳しく紹介しましたが、今回トークで中西さんが明かしてくれたのは、「実は音楽雑誌にもいろいろ話を持っていったんですが、ぜんぶ断られたんです・・・うちはこういうのちょっと、って」と言われて絶句。「ほんとはメルマガなんかじゃなくて、ちゃんと音楽雑誌が扱うべきですよね」という問いかけに答えてくれたのでしたが、こんなに素晴らしい話題を「こういうの・・」と言うのなら、どういうのが「うちっぽい」んでしょうね! 

来日するビッグ・アーティストの話題? 「ビーチボーイズ幻の・・」みたいなコレクター談義? けっきょくいまの音楽雑誌って、ほとんどすべてレコード会社の広報ツールか、演奏の技術誌か、コレクターの情報誌になっちゃってて、「いまある音楽、いまあるべき音楽」については、なにも語られてないってことなのかもしれない。

アップリンクや、各地の会場を埋めてくれたお客さんたちも、ほとんどがネットを含めた口コミで集まってくれたはず。いま、日本の音楽シーンにおいて「音楽誌」というものがどう機能しているのか(機能していないのか)、しみじみ考えさせられました。

レコードというのは不思議なもので、僕が中学生のガキだった45年前も、2014年のいまも、2000円前後という値段はほとんど変わっていません。ということは、昔はレコードの値段が、ものすごく高かった、ということでもあります。

子供の小遣いでは月に1枚くらいしかレコードが買えなかった当時、音楽雑誌は僕らにとってほとんど唯一の情報源でした。それこそ最初のページから最後のページまで熟読、行間から書き手の真意を読み取るのに熱中していた世代でしたから、インターネットのせいとはいえ、ここまで音楽誌のパワーが落ちてしまったのは、残念でなりません。知り合いの音楽誌編集者は、みんなすごく情熱的な音楽好きなのに、その熱意が反映されないシステムのほうに問題があるのかもしれないけれど。

やっぱり手づくりのジンとはレベルの違う完成度の音楽誌は、これだけネットが普及した現在でも、きっと役割があるはず。あきらめずに、本屋の音楽誌コーナー・チェックを続けていきたいものです!

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編集後記バックナンバー

FACEBOOK

BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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