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AFTER HOURS
編集後記

2014年10月22日 Vol.137

今週も最後までお付き合い、ありがとうございました! ご感想お聞かせいただけたらうれしいです。

先週号はパリのホテルで書いていたのですが、そのあとマルセイユ、セット、パリに戻ってロンドン、そしてまた戻ってきたパリで今週号を書いている、きょうは20日月曜日深夜。便利な時代になったというか、逃げ場のない時代になったというか・・・。

来週の29日は第5水曜のため、配信をお休みさせていただきます。そのぶん、今回ヨーロッパ各地で取材してきたネタをじっくり準備しますので、この機会に受信箱やウェブサイトのアーカイブ・ページから、読み残した記事などチェックしていただけたらなによりです。

ロンドンはおもにパラソル・ユニットでの大竹伸朗展を見に行ったのですが、ちょうどフリーズ・アートフェアの季節でもあり、大型展覧会が目白押し。たった1泊だったのでほとんどスルーでしたが、少しだけでも来月に紹介したいと思っています。

そんななか、コベントガーデンのポップなギャラリー兼ショップの「ATOMICA」では、僕も大好きな水野純子展を1週間だけ開催中でした(28日まで)。もし偶然ロンドンにいるという方は、ぜひ寄ってみてください。急に決まったという小さな展覧会ですが、少し前の作品から最新作までを集めた、ミニミニ・レトロスペクティブになっています。



水野さんは長く東京で漫画家として活動してきましたが、数年前からサンフランシスコに移住、漫画はもとよりメルヴィンズのようなバンドのポスターや、独自のアートワークを手がけて、カルトなファンを世界中で獲得しています。今回もイギリスの湖水地方でコミック・コンベンションに招かれ、ロンドンの個展のあとはパリとブリュッセルでサイン会というスケジュールだそう。

東京のアパートにこもって漫画を描いていた時期、悩んだあげくにサンフランシスコ移住を決めた時期、そして現在にいたるまで、水野さんとはもうずいぶん長いお付き合いですが、今回おしゃべりしながらつくづく思ったのは、東京を離れてほんとによかった!ということ。



受けてはいても、やっぱりイロモノ漫画家としてしか見てもらえなくて、漫画編集者としか付き合いがなくて、閉塞感に苛まれていた日々が長かったのを知ってますが、「もともと引き込もりみたいなもん」だった彼女が、いきなりサンフランシスコに家を借りて、ひとりでアメリカのアートシーンに飛び込んでいくのは、そうとうな思い切りだったはず。ずいぶん悩んだ末の決断だったと思います。

今回の南フランスの展覧会でも痛感しましたが、この国では漫画がそれなりの歴史を持っているためか、よけいに「漫画界」と「アート界」の区分が厳然として存在していて、その境界を行き来しながら制作していくことが、ものすごく難しい。自分がそうしたくても、業界がそう見てくれない(特にアート界が)。フランスのキュレーターが田名網敬一も蛭子能収も根本敬も友沢ミミヨも石川次郎も、みんな楽しくてポップなアート、と見てくれたように、アメリカも水野純子を「漫画も描くポップなアーティスト」として受け入れてくれて、それは日本の漫画出版業界や現代美術業界ではもう、望むことすら虚しいのかもしれません。



だからこうして日本の漫画家たちが、海外でアーティストとして迎えられるのは、とてもうれしいけれど、同時に悔しくもある。浮世絵の時代から、けっきょくそういうメンタリティって、変わってないんでしょうねえ。次号では、そのへんのことをもう少し書くつもりでいます。

つけっぱなしにしているテレビのニュースではちょうど、今週からパリで始まる巨大アートフェア「フィアック」にあわせて、ヴァンドーム広場に設置されたポール・マッカーシーの作品が、「緑色の巨大なアナルプラグにしか見えない」と大騒ぎになった末、昨夜だれかに破壊されて、そのまま撤去されることになったというニュースが流れてます。

コンセプトとアイロニーとカネにまみれた「ファインアート」としての現代美術が、これからどこに行くのか。もしかしたら僕らはいま、美術の歴史の中でかなり重要な転換点にいるのかもしれません。

それでは次号、11月5日をお楽しみに!



“Bell: The Art of Junko Mizuno”
~10月28日(金)まで開催中
@Atomica Gallery, London
http://www.atomicagallery.com/

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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