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AFTER HOURS
編集後記

2015年05月06日 Vol.162

今週も最後までお付き合いありがとうございました! ご意見ご感想、Facebookページでお待ちしてます。

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第5週お休みいただいたおかげで、先々週から先週にかけてはラジオが1本、爆音カラオケ、トークが3回、そして尼崎と京都と堺市に出張という・・・いや、最高に楽しかったですけど!


告知で紹介したように、いま中野ブロードウェイ4階のまんだらけ「海馬」では、うちの本棚で眠ってる本を掘り起こして販売してくれてます。その棚を見に行って(なんだか恥ずかしい)、久しぶりのブロードウェイをぶらぶらしていたら、同じ4階に「リトルハイ」という小さなギャラリーを発見。前にお知らせをいただいていたギャラリーなのにすっかり忘れてて、ふらりと入ったら『台湾女子高生制服選・出版記念 蚩尤 個展』という、イラスト原画展が開かれてました。




台湾の「女子高生制服絵師」として名高いイラストレーターの蚩尤(しゆう)氏が遂に日本初個展開催!
今台湾で最も人気のある新進気鋭のイラストレーター蚩尤(しゆう)氏。
漫画界のカンヌと言われる仏アングレーム国際漫画際にも招かれるなど、その繊細かつ独特のタッチと耽美的かつ多彩な画風で人気を博す台湾を代表する絵師です。
その蚩尤氏が綿密な調査・取材資料に基づき二年の歳月を費やして女子高生の制服をイラスト作品として完成させた話題のイラスト集「制服至上―台湾女子高生制服選―」。台湾に実在する高校の女子生徒の制服姿を収録したその制服図鑑は昨年台湾で発売されるや大人気となり日本でも話題となりました。


清潔感あふれる爽やかな絵柄で表現された制服美少女のイラストは、そのどれもがいきいきとした表情や仕草で愛くるしくはつらつとしており、時には成熟した美しさと穏やかさを見せながら、若さあふれる青春模様が描かれています。
そして胸の校章の刺繍やボタンのデザイン模様までもが忠実に描かれているその驚くべきリアリティのある細かな描写のイラストは、蚩尤氏の細部にわたる調査と綿密な取材に基づくこだわりによるものです。
スカートのチェック柄、縫い目、切り替え、ラインやヒダの数までも本物の制服と同じ。着用方法に関する校則までも綿密に取材し表現しています。
また蚩尤氏は、校則どおりの着こなし、髪を染めない、パーマをかけない、化粧をしない、アクセサリーをつけない、胸の谷間を出さない等のこだわりを持った表現で黒髪美少女の可愛らしいイラストを描きました。
また制服のほか鼓笛隊やソフトボールなどの特色のある部活動のユニフォームも描き、1895~1945年の日本統治時代の制服までも収録されています。
今回の個展は大人気の「制服至上」と先日台湾で発売になった続編「制服至上2」の出版を記念して蚩尤氏の日本初個展となり約30点の作品が展示・販売されます。
(ギャラリー・サイトより)


というわけで、これは台湾各地のJK制服をあくまで忠実に、あくまで清楚に描いたコレクション。背景に描かれているのも実在の場所ということで、台湾好き(というよりマニア)の僕としては見入らざるを得なかったのですが、ギャラリーの方に「都築さんですよね?」と声をかけられ、振り向いてみればなんと『東京右半分』で取材した、江戸川競艇場の中でユニークなアート・コレクションを設けている「江戸川アートミュージアム」の担当者でした。このギャラリー・リトルハイは、江戸川アートミュージアムとリンクして企画展示を展開中だそう。まさか江戸川競艇と中野ブロードウェイがつながるとは・・・。








リトルハイでの台湾JK制服イラスト展は5月11日(来週月曜)まで開催中。そして毎回、あっというまに予約が埋まってしまう江戸川競艇場の「アートツアー」も、あいかわらず開催中ということなので、こちらも騙されたと思って行ってみてください。どんな現代美術館でも見られない、ユニークなテイストのコレクションを解説付きでツアーして、ランチもついて、ボートレースの見方、舟券の買い方も教えてくれて、特別観覧席で最終レースまで遊べて1500円ポッキリという!めちゃお得なアートツアーです。


蚩尤 個展
~5月11日(月)会期中休廊なし、入場無料
@Gallery リトルハイ
http://www.little-high.com/

江戸川アートミュージアム:http://www.edogawa-art.jp/

ちなみにこちらは台湾の女子高生制服マップ、ものすごく気合い入ってます!:http://uniform.wingzero.tw/

そして(後記なのにまだ続く!)、4月26日には京都のライブハウス磔磔でトークがあったわけですが(満員、ぎゅうぎゅうで2時間がんばってくれた皆様、どうもありがとう!)、せっかくなのでパラソフィアに行ったものの・・・正直言ってまるで楽しめず、気分転換に烏丸御池の京都国際マンガミュージアムに寄ったら、これが最高!


企画展示として横山裕一展と共に、『知られざる中国「連環画』という展示があり、こちらは台湾ではなく大陸の漫画コレクションなのですが、かなり興味深い内容でした。7月5日まで開催中なので、京都に行く予定の方は、ぜったい寄ったほうがいいと思います!


「連環画」をご存知でしょうか? 日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、連環画とは、基本的に1ページが「1枚の絵+欄外の文字」からなる、ポ ケットサイズの中国の出版物です。20世紀初頭から中国に登場し、安価で読むことができたため、子どもから大人まで、多くの人達に親しまれていました。中 国の大衆向けメディアの中でも大きな位置を占めてきた連環画には、その時々の中国の社会情勢や人々の生活なども垣間見ることができます。
(展覧会サイトより)






すでに行ったことのあるひともいらっしゃるでしょうが、京都国際マンガミュージアムは、京都市と京都精華大学の共同事業。約30万点のマンガ関連資料を所蔵していて、企画展示、常設展示やイベントがいつも組まれているとともに、所蔵資料のうち1970年代から最近にいたるまでの、約5万冊の漫画単行本が書架「マンガの壁」に並んでいて、入館料さえ払えばだれでも、どれだけでも読んでヨシという、言うなれば日本最大級の漫画喫茶!


ミュージアムはもともと、昭和4年に建造された龍池小学校の校舎を利用して2006年に開館したものですが、建物(校舎)内はもちろん、人工芝を敷き詰めた校庭に寝っ転がって読むのも可! というわけで日本国内はもとより、世界各地からやってきたマンガ好きが、そのへんで座り込んだり寝転んだりしながら、それぞれ好みの作品に没頭。いまや場所によっては日本語より、英語や中国語やタイ語のほうがたくさん聞こえてくる観光都市・京都のなかで、もしかしたらいちばんピースフルな国際交流スポットかもしれない。

大金かけて海外から有名アーティストの作品を持ってこなくたって、日本が産み育ててきたものを、こうして提供するだけで、みんなこんなにハッピーになってくれるんだから。ねえ?


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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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