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AFTER HOURS
編集後記

2014年08月06日 Vol.126

とんでもない猛暑が続くなか、今週も最後までお付き合い、ありがとうございました。郡上八幡、関、蒲郡、あきる野、マルセイユ・・・めったに取り上げられない場所ばかり紹介してみましたが、旅情をそそられていただけたでしょうか!

ちょうどヨコハマトリエンナーレ2014がスタートしたばかりの大竹伸朗による新連載『電気画帖――大竹伸朗 アイパッド・ペインティング』が、今週から始まりました。タイトルどおり、iPadに入れた安価なお絵かきアプリで、思いついたらその場で指かスタイラスでスケッチ。出来上がったらそのままメールしてもらうという、複写もスキャンも印刷も通さない、究極の産直絵画です。

これはデジタル写真についても言えることだけれど、デジタル機器で作画する作品には「オリジナル」も、「オリジナルのサイズ」という概念もありません。解像度の設定によって、どこまでギザギザにならずに拡大できるかは変わるけれど、フィルムやプリントや版画紙や画布のように、基本となるサイズは存在しない。

時が経てばカラーフィルムは変色するし、プリントは焼き具合で変わるし、版画も刷れば刷るほど版が傷んでいくし・・・。でもデジタルの世界では、複製データがあるだけ。100%の完全なデータか、エラーとなる0%のデータのみ。デジカメで撮った写真のプリントでも、コンピュータで作画した絵画でも、作品として展示されるときには「何分の何」みたいなエディションを設定したりしますが、それは売る側の思惑にすぎないので、作品のクオリティにはなんの関係もない。

写真家だけでなく、画家でもいまやコンピュータとタブレットを駆使するアーティストはたくさんいます。ただ、そうやってできた作品でも、たいていはパソコンからプリントアウトされて額装され、あるいは印刷機に送られて印刷・製本されて画集になって、と何段階ものプロセスを経て僕らの目に触れるようになるわけです。

今回の連載はそうした、考えようによっては余計なプロセスをすべて省いて、画家がiPad上で描いた作品をそのまま送ってもらい、そのまま読者に届けるという、いまだからこそ可能になったばかりの、ひとつの挑戦です。その動機と可能性については、大竹くんが長期連載している『新潮』の『見えない音、聴こえない絵』、今週発売の最新号(2014年9月号、これが連載121回め!)でもじっくり書いているそうなので、興味ある方はぜひお読みください。

これから毎週、巻頭を飾ってくれる「アイパッド・ペインティング」。特別な画材も、高価なアプリケーションも必要のない場所で、表現に対する思いと強度とセンスだけがすべてを決める舞台で、どんな「二次元のパフォーマンス」を見せてくれるのか、僕も楽しみでなりません!

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編集後記バックナンバー

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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