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AFTER HOURS
編集後記

2015年02月25日 Vol.153

今週も最後までお付き合いありがとうございました。新企画も始まりましたが、いかがだったでしょうか。ご意見お聞かせいただけたらうれしいです。

さて! 本メルマガ読者で、「東京でいちばん好きな場所は六本木」というひとはあまりいないでしょうが(笑)、いにしえの盛り上がりもどこへやら、すっかり荒廃した感のある六本木をなんとか復活させようと、ただいま 66PROJECT「六旅(ROKUTABI)」なるイベントが開催中(2月24日~28日 http://66project.jp/)。


いかにも代理店が考えそうなタイトルの、このイベントは雑誌の『Safari』と『WWD JAPAN』が合同で企画しているそうで――

高感度なファッショニスタで賑わう六本木ヒルズと東京ミッドタウンを人気雑誌の「Safari」「WWD JAPAN」が一体化させるイベントを開催。

「六本木ヒルズ」をNYに、「東京ミッドタウン」をLAに見立て、街の魅力を大々的にフィーチャーします。ファッションがあるライフスタイルを中心とした様々なコンテンツで新たな発見や素敵な出会いをお楽しみください。会場内ではシャンドンロゼの無料配布やコーヒーメーカー「ラティシマプラス」で淹れたカプチーノなどを提供。2月28日(土)はステージイベントとして、タレントのマリエによるトレンド講座やスペシャルゲストの森星とのトークショー、平子理沙らによる"大人美容"体験&トークショーなど内容盛りだくさん。
(イベント・サイトより)

「ヒルズをNYに、ミッドタウンをLAに見立て」って、見立てが無理すぎじゃないすか?笑 いまどきこういうので、いったいだれが踊るんだろう。


で、なにを間違ったか先月、僕のところにもWWD JAPANから「都築さんなりの六本木を写真で表現していただきたい」と依頼が来たんですね~、止めときゃいいのに。

20代をずっと六本木で過ごして、言葉に尽くせないほどいろんなことを教わった街だけに、いまの六本木のありさまがほんとうに悔しくて、だから「ネガティブなものしかつくれません」と断ったけど、あんまり熱心に誘ってくれるので、まあイロモノページがあってもいいのかと思い、2晩ほど六本木の路地を久しぶりにさまよい歩き、写真を撮りました。


で、写真を渡し、ギリギリになって文章もほしいというのでそれも書いて渡し、校正が出て・・・勝手に当たり障りない言葉に書きなおされてるし!


もちろんそんなのを通すわけにはいかないので、「直さないで!」と念を押したら、今度は文章が丸ごと削られたデザインが送られてきて、「やはり都築先生のページは写真でダイナミックに構成したいと」とか言われ、怒りを通りこして苦笑。けっきょく、「もうあと数時間で印刷です」という深夜のタイミングまで待たされたあげく、ページ丸ごとキャンセルになりました。さすが高感度なファッショニスタですね~。


雑誌や新聞とトラブルがないわけじゃないけれど(というか、けっこうあるけれど)、これだけナメられたのも久しぶり。六本木ヒルズがオープンしたときに、森美術館の開館企画『ハピネス』展で「カタログに参加してほしい」と作品を依頼されて、辛酸なめ子さんと共同で写真漫画『メメントモリビル』をつくったら、「美術館に相応しくない」とボツにされた、2003年の件を思い出してしまいました。そういえばあのときは、鳴り物入りで館長に就任したデヴィッド・エリオットがうちに来て、「こっちにも拒否する権利はあるからボツにするけど、ギャラは約束の半分やる」とか偉そうに言われたんだよな~、断ったら怪訝そうな顔してたけど(笑)。


せっかくだし、ほかに載せてくれそうな雑誌もないと思うので、ここに現在形の六本木印象記を載せておきます。二子玉川と自由が丘と並んで、僕が東京でいちばん嫌いな街の、ファッショニスタには見えてない素顔を見ていただけたらうれしいです。




酒を飲める年代になったころ、夜遊びを教えてくれたのは六本木だった。銀座でも新宿でも、ましてや渋谷でもなく。1970年代の東京で、夜中過ぎに普通に飲んだり食べたりできる場所は、ほとんど六本木だけだった。飲んで、食べて、踊って、だれかを好きになったり喧嘩したり別れたりして。僕はこの街からどれほどの人生を教わったろうか。

いつごろからか、六本木からすっかり足が遠のいてしまった。裏通りに住んだり、小さな事務所を構えていた友達たちも、みんな別の町に移っていった。大好きなレコードショップも、よくわからない輸入品ばかり売っていた雑貨屋も、手づくりのソーセージやパテを売っていたデリカテッセンも、みんないなくなった。

あれから高層ビルはいっぱい建ったけれど、六本木で生まれたものや、六本木にしかないものは、そこにひとつもない。物理的にも経済的にも、精神的にも手の届かないヒルズやミッドタウンは、死んでしまった六本木の巨大な墓標にしか僕には見えない。

もしいつの日か六本木がよみがえる時が来るのだとすれば、それは雲の上からじゃない。日陰の地べたからだろう。だからいまの六本木を歩いてみても、僕には地べたからの風景しか見ることができない。


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編集後記バックナンバー

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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