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AFTER HOURS
編集後記

2012年11月07日 vol.041

今週も最後までお付き合い、ありがとうございました。ほんとうはもうひとつ記事を入れたかったのですが、そうなると写真も200点を超え、読み切れない方続出かと思われたので、泣く泣く来週号に回しました。

今週は以前からリポートしてきたドイツ・カッセルのドクメンタ(13)における、大竹伸朗の大作『モンシェリ』を記録した、常識はずれの(もちろんいい意味で)資料集・作品集を紹介しましたが、ちょうど大竹くんからも会期終了に伴う「モンシェリ解体記」が届いて、充実のマッチングになりました。いかがだったでしょうか。

作品集をデザインしたエディション・ノルトは、今回すべてのページを印刷でなくレーザープリンターで出力するという、とんでもない手法で少部数、高画質の資料集・作品集を完成させました。ただ、その過程ではやっぱり大変なことも多かったようで、PDFデータの出力設定を間違えて、ほんの少し縮小されてしまったプリントアウトが、多量に出たこともあったそう。で、それを捨ててしまうのはあまりにもったいないので、「完成版を95%に縮小した」非売品のスクラップブックを数部つくったのですが、なんとそのうち3部を、本メルマガ読者にプレゼントしてくれるそうです!!! これは僕もほしい~~。


ご希望の方は、contact@roadsiders.com まで、「スクラップブック希望」と明記の上、ご応募ください。締め切りは1週間後、11月14日まで。たぶんすごい倍率になるかと思いますが、厳正な抽選の上、お送りします。最高のクリスマスプレゼントになりますね。

これまでカッセルのドクメンタに関しては、このメルマガで数回にわたって記事をつくってきました。5年にいちど、その重要度においてはヴェニス・ビエンナーレより上かもしれない、現代美術界でもっとも注目されるメガ・エクジビションがドクメンタです。そこに日本人として、ただひとり選ばれ、現地でも大好評を博したのが大竹伸朗の『モンシェリ』でした。

ふつう、それだけのビッグ・ニュースなら、美術雑誌がこぞって取り上げそうなものですが、今回現地リポートを交えてしっかり報道したのは、本メルマガをはじめとする、ごく少数のウェブ・メディアだけでした。美術手帖とか、芸術新潮とか、いわゆる大手の美術雑誌は完全にスルー。本来はこんな小さなメディアじゃなくて、そういう大きなメディアが、より多くの美術ファンにきちんと伝えるべきものではなかったでしょうか。ま、そういう「専門家・専門誌の怠慢」のおかげで、こちらが好きなように記事をつくれるわけですが。

出版社の友人たちに聞いてみると、「取材経費がね~」という話にかならずなるのですが、僕がドクメンタの会場にいたときも、なんとか会社から有給もらって、貯金はたいて、2泊4日とかの弾丸ツアーでやってきた、熱心な若いファンがたくさんいました。経費がないから、なんていう言い訳は、多くの場合、ただの逃げにすぎません。ほんとうにやりたいことがあったら、とにかくやってしまうこと。そこからしか、いま目の前で起きていることをキャッチし、伝えることはできないと思います。「リアル」とは会議のプレゼン資料の中にではなく、重い荷物しょって駅から安ホテルに歩く、その道端にしかないのですから。

お金というのは、もちろんないよりあったほうがいいものですが、往々にして「カネがない」は、なにかをギブアップすることの口実に使われます。でも、今週の告知で紹介した新連載「週末ハードコア」のように、周囲からは奇異や哀れみの目で見られながら、平日は好きでもない仕事でへとへとになりながら、週末のライブのためにがんばりつづけて、なんの疑問も悔いもない、もはや若者とは呼べないくらいの年代の、真の若者たちがたくさんいます。

だれもが知っていて、作品が何千万円もして、いま東京で大展覧会が開かれているアーティストとか、新譜リリースに合わせてコンサートツアー開催中の大物ミュージシャン・インタビューとか、そういうリスク・ゼロの記事って、書いててほんとに楽しいんでしょうか。

そういうひとたちとは対極にいる、どんなにがんばってもまともに報道されなかったり、つまらない仕事しながら売れない音楽にしがみついたりしている、かっこわるいひとたちのそばに、ロードサイド・ウィークリーはつねにあります。かっこわるいことのかっこよさだけを信じて。

来週もまた、めちゃくちゃかっこわるくて、めちゃくちゃかっこいい話題をお届けする予定です。お楽しみに!

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編集後記バックナンバー

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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