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AFTER HOURS
編集後記

2016年08月24日 Vol.225

今週も最後までお付き合いありがとうございました。毎回同じこと言ってますが、気に入ってもらえた記事、あったでしょうか。ほんとうに気になるので。

しかしオリンピックが終わっちゃいました。僕は卓球からバドミントン、体操に水泳と、だいたいの「感涙競技」を九州のビジネスホテルで見ていたのですが、ほんとはメルマガ書くはずがぜんぜん手につかず! 毎晩号泣! 終わってホッとしたというか、虚脱状態というか。そんなひと、僕だけじゃないと思います。

勝って泣いて、負けて泣いて。なかには「泣きすぎでシラケる」なんてコメント吐いた芸能人が謝罪させられたりしてました。たしかに中継だけ見てたら、「なにもあんなに泣かなくてもいいのに」と思っちゃうのかもしれないけど、それはスポーツの奥深さにまったく思いが至らないから。無神経とか、傲慢とか、いろいろ言われますけど、僕がそういうコメントの根底にあるといつも思うのは、「想像力の欠如」。

いままで生きてきた時間の大半をかけてきた競技で、ときには何度ものオリンピックで頂点に立ち続けることの困難さが、どれほどのものであるのか。トップになるということはそのまま、その競技で全世界のすべてのプレイヤーを敵に回すということです。自分を倒すためだけに人生をかける人間たちが何百人、何千人といて、そのすべてに立ち向かわなくてはならない。何年も。ときに十何年も。それがどんなにタフな人生なのか、想像することすらできないけれど、想像しようとするだけで震えてきます。

そうして勝ち負けという名のカタルシスがやってきて、ひとは涙をこぼすわけですが、それはスポーツでなくてもいいので、なにか大きな仕事が終わったとして、思わず人前で泣きくずれてしまうほどの経験を、僕らはしたことがあるだろうか。たとえば長い原稿を書き終わったり、大きな本の入稿が終わったり、僕にもそれなりに虚脱状態になるような瞬間がなかったわけではないけれど、「泣くほどの解放」は経験したことがないです。たいていは数時間ぼーっとするか、飲みに行って楽しんで終わり。

僕らの大半はそんな世界に生きているわけで、「とてつもない重圧から解放されて、止めようもなく号泣」なんてことは、少なくともオトナになってからは、まず経験する機会がない。そういう異様な世界に、彼らトップ・プレイヤーは生きている、ということです。だから、「泣きすぎでシラケる」なんて言う芸能人は、「泣いてしまうほどの仕事をしてない」芸能人だってことです。

というわけで毎日、テレビの前で号泣していた自分を恥ずかしくは思いたくないですが・・・日本選手の活躍とは別に、個人的に驚愕したのは水泳王者マイケル・フェルプスの、とてつもない食事!

身長193センチ、体重91キロというマイケル・フェルプスは、通算23個の金メダルを取った、史上最強のスイマーでありますが、ロンドン・オリンピック後にアルコール依存症になってしまい、それを依存回復プログラムで乗り越えて、リオでもご承知のように、金メダル5個という活躍を見せてくた、真の怪物。

で、すごく話題になったので僕も知ったのが、その信じられない食生活! だいたい毎日、こんなところだそうで・・・ 

朝食:
タマゴ10個を使った厚切り目玉焼きサンドイッチ3個(チェダーチーズ600グラム、レタス、トマト、フライドオニオン1キロ、マヨネーズ400グラム添え)
コーヒー2杯
タマゴ5個を使ったオムレツ
オートミール1キロ
チョコレートチップ・クッキー
フレンチトースト3枚

昼食:
パスタ500グラム(ふつうの一人前は80グラムとか・・・)
厚切りハムチーズサンドイッチ2個
1000カロリー分のエネルギードリンク

夕食:
パスタ500グラム
エクストララージサイズのピザ
1000カロリー分のエネルギードリンク

これで総計、一日で1万2000キロカロリーに及ぶ摂取量なのだとか。大相撲の力士ですら、だいたい8000~9000キロカロリーぐらい。成人男性で2500キロカロリーとかだから、その8~10人分をひとりで毎日たいらげてるわけ・・・いったいどんな体力なんだ!


Youtubeには「フェルプスのようには泳げなから、せめて食事を真似てみよう!」という動画がたくさんあって、たとえばこれ。

なんか、「糖質オフ」とか言ってる凡人の自分が、虚しくなりますねえ。

来週は第5水曜のお休みをいただくので、次回の226号は9月7日の配信になります。すでにメガ盛りの予感なので、お楽しみに!

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新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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