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AFTER HOURS
編集後記

2015年11月11日 Vol.187

今週も最後までおつきあい、ありがとうございました! 気に入ってもらえた記事、ありましたか。

オルセー美術館の展覧会は、本来なら先月配信するはずが、記事に書いたようにストのためにようやく今週、紹介できることになりました。ご承知のとおり、日本における印象派の人気は圧倒的なものですが、ルノワールの少女たちやドガのバレリーナが、実はみんな売春婦だったなんて、どれだけの印象派ファンが認識しているのでしょうか。こういう展覧会こそ、日本に巡回してほしいですけどねえ。

記事ではマネの『草上の昼食』についてちょっと書きましたが、あれは古典絵画の構図を借りながら、当時の遊び人たちと娼婦の姿を描いたことで大スキャンダルを巻き起こしたわけで、それはつまり「芸術じゃなくてエロ」扱いだったわけですよね、平たく言えば。それはそのまま、印象派の画家たちに大きな影響を与えた浮世絵もまったく同じで、そちらも江戸時代には狩野派のような「美術」(という言葉はまだなかっただろうけど)ではなく、吉原の花魁や遊女を描いた美人画は無教養な庶民の娯楽ネタ、春画は下品な「エロ」扱いされていたからこそ、幕府に何度も取り締まられたのでした。


そして時は過ぎ、いまや印象派は美術史上に揺るぎない地位を獲得し、春画も今年めでたくエロから芸術にランクアップ。しかし『草上の昼食』から約150年後の現在、浮世絵を生み出した日本のAVメーカーが『全裸美術館』という怪作品を制作、その中で『草上の昼食』を忠実に実写化したという、さらなるヒネリに注目する美術関係者は皆無。当然ながら単なる企画ものAVとして、たった300円でストリーミング視聴できてしまいます(『全裸美術館』SODクリエイト、2008年)。マネの油絵なら300億円くらいしそうだけど・・・。別に高尚な文化が悪いわけじゃないけれど、いつだって両極を見てないと滑稽だってことです。

さて、今週は告知コーナーがパンパンになってしまったため、いま開催中の写真展をこちらでひとつご紹介。中目黒の住宅街にひっそり店を開くポエティックスケープ(POETIC SCAPE)で開催中の『原芳市「淑女録」』です。




展覧会場

原芳市さんは1948年東京生まれ。『僕のジプシー・ローズ』『ストリッパー図鑑』など、1970年代からストリッパーたちと、彼女らの暮らす街の空気感を写し取ってきた、ベテラン・ストリート・フォトグラファー。今回の『淑女録』はもともと1984年に写真集『淑女録 原芳市コレクション』(晩聾社)として発表されたもので、杉浦康平と鈴木一誌による造本も印象的だったけれど、長く品切れでなかなか見ることができない。










原さんが「女たちをこちら側に引き寄せたくて、病的なまでのエネルギーに駆られ、4x5版の大型カメラで撮った」というストリッパー、芸者、ホステス、役者、主婦から学生までの「淑女」たち。大判モノクロームのねっとりとした画面が、ひとりひとりのたたずまいから滲み出る個性になんともいえない深みを加えています。














原さんの淑女たちは、その多くが「女を売る」商売であるにもかかわらず、こちらに向かって商売用の笑みをつくっているわけでもないし、攻撃的な撮影者に険しい表情を浮かべているわけでもない。ただまっすぐに、大きなカメラを、ことさらの好意も敵意もないまま、静かに見つめているだけ。その眼差しの関係性が、観るものの気持ちにスッと入ってくる。原さんがこのとき、どんな大型カメラを使っていたかはわからないけれど、もしそれが通常の大判カメラのように、三脚に据えて黒布をかぶって撮影するタイプだったのだとしたら、彼女たちにはその、黒いかたまりから覗く小窓のようなレンズが、いったいどう見えていたのだろう。どこに通じる窓として。


中目黒駅から徒歩10分ほど、静かな住宅街にあるポエティックスケープ

原芳市『淑女録』
~11月22日(日)まで開催中
@POETIC SCAPE(月、火休廊)
http://www.poetic-scape.com/


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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

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――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
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すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
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編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
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いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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