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AFTER HOURS
編集後記

2013年07月10日 vol. 074

今週も最後までお付き合い、ありがとうございました。今週はかなりオトナ向けでお送りしましたが、いかがだったでしょうか。来週はもうちょっと爽やかになるかも・・・まだわからないけど。

今週は渡邉智昭さんの連載で、視力が弱かったり、歯並びが悪かったり、身体の一部に欠損がある女性を扱いましたが、本メルマガ読者のみなさまなら、これが彼女たちを無用に差別したり貶めたりするのではなく、むしろ主人公のsgutsさんなりの、最大限のリスペクトに基づいた表現であることをご理解いただけると確信して、記事を掲載しました。

身体や精神に欠陥や障害があるからといって、すぐに福祉の枠に押し込めてしまったり、場合によっては施設に隔離して世間の目から隠ししてしまうのは、それもまた一種の差別ではないかと思うことが、特に最近はよくあります。

以前、『東京右半分』で湯島の『きみのて』というキャバクラを取材しました。それは耳の聞こえない女性だけを集めたキャバクラで、お客さんは耳の聞こえない男性と、聞こえる男性が半々。そこで働く美女たちの生き生きとした表情が、僕にはすごく新鮮で魅力的でした。「ここで働いて貯めたお金で、海外旅行行くのが楽しみなんです」とか、「スノーボードの合宿費用にするの」と楽しげに手話や筆談で語る彼女たちに、福祉作業所の単純労働がどんな説得力を持つでしょう。

sgutsさんに写し取られた彼女たちも、ふだんは瓶底眼鏡や歯列矯正器具や、義手や義足を隠しながら生活していると思います。それがこうして敬意を込めた目線で見直されることによって、ふだんとはちがう輝きを帯びた存在へと変貌する――それはもしかしたら、彼女たち自身にとっても、新たな発見のプロセスであるのかもしれません。

さて、先週土曜日にはメルマガの第2回オフ会でさんざん盛り上がりました。その様子は別枠ご報告しますが、翌日は朝の飛行機で山口へ。湯田温泉からYCAMDOMMUNE「スナック芸術丸・出張編 女将劇場」生配信という、待望のプロジェクトに参加できました。


女将劇場の1時間半近くにわたるステージでは、延べ3万人以上のビュワーが配信を見てくれて、「笑ってるうちに涙が出てきた」など熱いツイートラインが追いきれないほど流れ、スタッフ一同大感激。参加してくれたみなさま、ほんとにありがとう!

女将劇場はこれまでも幾度かテレビの取材を受けていますが、たいていは芸人がからんで、ちょこちょこっといじくられておしまい、みたいな軽い(ぞんざいな)扱い。ほんとに民放地上波って、終わってますよね。ちゃんとやれば、これだけ熱心な視聴者がついてきてくれるのに。


左から宇川直宏、宮川高美・大女将、都築響一

女将劇場の大女将、69歳の宮川高美さんの「くだらない芸はありません、ひとつひとつが私にとっては歴史ですし、続けることだけがなにより大切なんです」という言葉が、あらためて宇川くんの背中も、僕の背中もグッと押してくれました。

番組中でも少し触れましたが、女将劇場はこれほど有名なのに、実は地元ではあまりよく言われないことも多かったりします。近所のスナックで飲みながら「女将劇場見てきたんです」と言っても、「ああ、あれね・・・」みたいな。やっかみなのか、プライドなのかわかりませんが、自分の旅館だけでなく、湯田温泉全体の活性化に役立てばと、宿泊者以外のだれでも、無料で観られるという素晴らしいシステムで、もう20年近くやっているというのに(女将の芸歴自体はすでに46年!)。

そういう状況をどう思いますか、と答えにくい質問もさせてもらったのですが、「悪いことは言われたっていいんです、がんばるだけだから。なにも言われなくなったらお終いなんです」と即答されて、深く納得。そのとおりですよね! DOMMUNEだって、このメルマガだって、どんなひどいこと言われても、ずーっと先にいる女将の背中を見ながら走っていけばいいんだな!と、その夜は宇川くんやスタッフたちと、すごく美味しい酒を飲めました。


そういえばひとつ悲しいご報告! 去年2月1日配信号で、女将劇場とともに掲載した、同じ湯田温泉で女将劇場のある旅館「西の雅 常盤」の、すぐ裏手で盛業していたスナック来夢来人が、なんと知らないうちに閉店、すでに更地になってました! 涙




来夢来人の桂子ママはスナック業のかたわら、地元商工会やまちづくり委員会でも中心となって活躍する、地元飲料業界の「頼れるお母さん」的存在だったのに。引退して、のんびりしてくれていればいいのですが・・・。よろしければメルマガ購読者用サイトから、バックナンバーで2012年2月1日配信号の記事を読み返して、桂子ママの華麗なる半生に思いを馳せていただけますよう。


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編集後記バックナンバー

FACEBOOK

BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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