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AFTER HOURS
編集後記

2014年12月25日 Vol.145

今週も最後までお付き合いありがとうございました。気に入っていただけた記事、あったでしょうか。

来週が第5水曜で配信お休みのため、2014年のメルマガはこれがラスト。よくまあいちども欠配しないで続いたなあ・・・と自分でもしみじみ。応援、ほんとにありがとうございました! 来週大晦日の31日水曜には、グリーティングメッセージとささやかなプレゼントを送らせていただきますので、お楽しみに。

今週は告知も7本もあり、これ以上は・・・という状態なので、この場でもうひとつだけ、興味深い展覧会のお知らせを。

おなじみ恵比寿NADiffのビル3階にある「TRAUMARIS|SPACE」では、ただいま『片山真理展 you're mine』を開催中です(2月15日まで)。


1987年生まれの片山さんは、9歳のときに両足を切断。しかしそのハンデを「特徴を持って生まれた自分はラッキー」と捉えなおし、東京藝大大学院在学中の2010年からアーティスト活動を開始。2012年には『アートアワードトーキョー丸の内2012』、2013年には『あいちトリエンナーレ2013』に最年少で参加。さらに今年はテレビ番組などへの出演もあり、すでにおなじみの方も多いのでは。

これまでみずからのからだとこころと日々の時間を、濃密なインスタレーション空間に凝縮する作業に没頭してきた片山さんが、今回のために制作された新作『you’re mine』では、他者の存在を滑りこませ、あらたな展開へと踏み出しつつある姿を見せてくれます。

今年秋、アーツ前橋の滞在制作で行われたワークショップで、様々なひとの足を型取りした石膏像に、なめし革のパッチワークを施した立体と、その足をみずからが装着したポートレートの組み合わせが『you’re mine』――「わたしはあなたになり、あなたはわたしになる」ということでしょうか。

私は今まで自身の身体をなぞる行為、「ポートレート」を制作してきました。それは自分と他人を知ることであり、社会との繋がりの象徴でした。

群馬は私の故郷であり、初めて人や社会と関わりをもったところです。ここで私は人と自分の違いを知り、その人たちになりたいと思いました。

足首とつま先のターン、踵で踏み込むタイミング、重力、全てが魅力的に見えました。そして、他人の足をよく観察して、歩き方を盗んでいったのです。

おかげで私は杖なしで歩けるようになれましたし、気分やファッションで歩き方を選べることさえ出来るようになりました。そして世界に紛れ込むことができました。

この作品の行き着く先は、自己の消滅か、どこかの誰かとして世界の一員になることか、それともその全てになることか? 

分からないまま、今日もいつも通り生きて、制作しています。飽きもせず、自分のポートレートであるのは間違いないけれど、何かがちょっとひらけた気がするのは気のせいでしょうか……
(展覧会サイトより)




2012年5月6日、鶯谷「東京キネマ倶楽部」における「デパートメントH」のステージ


アートアワードトーキョー丸の内2012

片山真理の存在を知ったのは2012年5月、「デパートメントH」でのステージでした(5月9日号で配信しているので、バックナンバーを御覧ください)。その直後には「アートアワードトーキョー丸の内2012」でのグランプリ作品も見て、アーティストとパフォーマー、ふたつの面を知ることができたのですが、それからの片山さんはあれよあれよという間に注目の存在となり、さまざまなメディアで取り上げられるようになり、そうして2014年の活動のシメがこの個展になるわけです。








ただ、メディアへのデビューがあまりにもセンセーショナルであったために、片山真理を「他人とちがう身体を武器にしたアーティスト」という短絡的なイメージで見てしまうひとが少なくないことも、また事実かもしれない。それが僕には残念です。

たとえば先週取り上げた小松葉月における「いじめ」や「潔癖症」もそうだったし、先月の写真家・木原悠介における「ダクト清掃」という過酷な環境も、片山真理におけるからだの欠損もまた、表現することを通して、硬い殻の中の自分と、その外側に果てしなく広がる世界との回路を開くためのきっかけにすぎない。ほんとうに大切なのは、そこから始まっていく作品世界のほうなのだと僕は思うし、そうでなければ人前にみずからを晒す意味が、どこにあるでしょうか。

片山真理というユニークな作家を、それこそ「裸眼で」見るために、今回の小さな展覧会に足を運んでいただけたらと願います。


片山真理展 you're mine
2月15日(日)まで開催中(12月28日~1月6日:冬季休業)
@TRAUMARIS|SPACE
http://www.traumaris.jp

12月27日(土)には「東野祥子&BABY Q feat.メガネ、片山真理 バーレスクショウ」もあり! 年明けにもさまざまなイベントが企画されているそう、詳細はギャラリーのサイトから。

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編集後記バックナンバー

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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